仙腸関節のサブラクセーション
「腰椎の疼痛と骨盤の疼痛を鑑別するのは至難の技である。患者に問いかけたり問診するだけで、サブラクセーションの場所を突き止めることはできない。坐骨神経痛と仙腸関節サブラクセーションの症状は同じようにみえることが多い。椎間板ヘルニアによる疼痛は仙腸関節の上方に集中する場合がある。したがって、症状の検査は、骨盤の症状と、腰椎の症状を同じとみなして行なう。両者で異なるのは、骨盤の場合は、腎臓、結腸、およびその他の内臓の症状と関係しないという点である。これ以外では、両者を鑑別するには検査が必要となる。
以前は、骨盤はサブラクセーションを起こすと考えられていた。ガンステッドは骨盤を4つの型のサブラクセーション(ただし、仙骨は別のサブラクセーション)に分類した。トンプソン、アクティベーター法、SOT、およびその他の多くのテクニックは仙腸関節サブラクセーションをその技術の要(あるいは基本)とみなしている。しかし、研究により、この関節が実は2㎜を超えるサブラクセーションを起こすことはなく、回旋も1度であることが明らかとなった。さらにごく稀なケースは別として、この関節はアジャストしても空隙化しないこともわかった」・・・「しかしながら興味深いことに、カイロプラクターが仙腸関節にアジャストすると症状が改善することがわかっている」(グラント・レイドD.C.著『カイロプラクティック マニュアル』より)
まず、腰椎に問題がある場合と仙腸関節に問題がある場合の鑑別を、検査によって行なうことが必要であること。これに関しては、すでに症状の聞き取りからはじめて、オーソぺディック検査などを行なって鑑別をしていますが、その方法をもっと深めて見たいところです。
そして、仙腸関節のサブラクセーションは、小さく2㎜を超えることがないが、アジャストすると症状を改善することができるということ。これは、日々施術をしながら、実感していることです。確かに仙腸関節の変位はごくわずかで、触診しないと分かりませんし、アジャストしても、クリック音は出ません。
カパンディ著『関節の生理学』には、「仙腸関節の可動域は小さく、またこの関節の機能や分娩中の動きとの関連については研究者の間で意見の一致をみていない」と記されています。この本の原著は20世紀半ばに書かれたようですが、その後どのように発展したのでしょう。医学分野では、腰痛に関して仙腸関節を問題にすることはあまりないようですから、まだ統一した見解はないのかもしれません。
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