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2009年3月

解剖学の学習② 腰方形筋

 腰方形筋は、腰部の最深層筋ではなく、後腹壁の一部を構成する腹部の最深層筋(腹筋)として扱われています。その内側部分は胸腰筋腱膜、脊柱起立筋や横突棘筋の下層に位置し、外側は体側部からアクセスすることができます。

 脚部を動かさずに上半身のみ作業をするといった複雑な作業をするときに、動きを調整をする作用をします。股関節を引き上げる作用があるので、「股関節挙筋」とも呼ばれています。また、筋・筋膜性腰痛を起こす中心的な筋肉のひとつであると言われいます。

 付着―起始:後腸骨稜、腸腰靭帯 停止:第12肋骨 第1~4腰椎横突起
 作用―股関節を上げる。脊柱を外側に屈曲させる。脊柱の伸展に関与する。
 関連痛領域―臀部へかけて。腰を覆う領域。脚の背側を下へ。腸骨稜を覆う領域。鼠径部へ、場合によっては睾丸へ。
(参考:『クニリカルマッサージ』、『ボディ・ナビゲーション』)

 関連痛領域を見ると、カイロプラクティックのリスティングでいう「腸骨の内方変位」で現れる症状に酷似しています。腰方形筋の拘縮と仙腸関節における腸骨の内方変位、おそらく筋肉が拘縮した結果、関節にサブラクセーションが生じてくるものと思われます。その他にも、腰部の脊柱起立筋群と仙骨の関係、臀筋と腸骨の関係、大腰筋と腸骨の関係、さらに梨状筋と腸骨の関係などを見ていくと面白いかもしれません。

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解剖学の学習① 脊柱の筋肉

 脊柱の筋肉は、一般に背筋といわれていますが、左右対になった1種類の筋肉ではなく、それぞれの微妙に異なった付着部と作用をもつ多様な筋肉が集まったものです。急性腰痛のかなりの部分を占める、筋・筋膜性腰痛を研究するために、腰部を含めた脊柱から骨盤にかけての筋肉の状態を見てみます。『クリニカル・マッサージ』と『ボディ・ナビゲーション』を参考にしました。

浅傍脊柱筋=脊柱起立筋群
 脊柱を伸展させ、同側へ外側屈曲させる。脊柱と胸郭とのバランスを維持する。咳や排便時の緊張で強く収縮する。腸肋筋、最長筋、棘筋の3つのグループに分けられる。

腰腸肋筋・・・起始:仙骨と腸骨 停止:下位6個の肋骨下縁
          関連痛領域:腰部全体から臀部中心まで
 胸腸肋筋・・・起始:下位6個の肋骨下縁内側 停止:上位6個の肋骨下縁
          関連痛領域:肩甲骨の下角、肩甲骨の内側縁の内側から上角にかけて、胸骨角と肋骨弓を覆う胸部前面。腰部から側胸部へ、肩甲骨を超えて上方まで、同側の下腹部。
 頚腸肋筋・・・起始:上位6個の肋骨の上縁 停止:中部頸椎の横突起      

頭最長筋・・・起始:第1~5胸椎の横突起 停止:側頭骨の乳様突起
  頚最長筋・・・起始:第1~5胸椎の横突起 停止:頚椎の横突起
   胸最長筋・・・起始:総腱 停止:下位9~10個の肋骨、胸椎横突起
          関連痛領域:腰部から上臀部にかけて、下臀部全体

頚棘筋・・・・・起始:項靭帯、第7頸椎の棘突起 停止:第1頸椎を除く頸椎の棘突起
   胸棘筋・・・・・起始:上部腰椎の棘突起と下部2個の胸椎の棘突起
           停止:中部および上部胸椎の棘突起

脊柱の深筋=横突棘筋群
 
脊柱起立筋群の深層に位置して、脊柱の全長を走行する。脊柱起立筋のタテに長い線維に対して、横突棘筋は多数の短い斜線維からなる。線維は目の込んだ網目状で、椎骨をつないでいる。

多裂筋―頚部から脊柱基部まで、すべての脊柱に沿って存在。仙骨から腰椎までの下位区分に属する部分は、非常に強力で重要であり、ヨットのマストの支柱に相当する。多裂筋は身体の中で最も強靭な筋肉のひとつで、腰部で直接アクセスできる。
 起始:仙骨と仙腸靭帯、腰椎の乳頭突起、胸椎の横突起、および下位4個の頸椎の関節突起
  停止:軸椎を含むすべての椎骨の棘突起
 作用:脊柱を伸展、回旋、固定させる。
 関連痛領域:脊柱と肩甲骨内側縁の間。第12胸椎と第1腰椎の少し外側の領域、腰部、同側の上腹部。仙骨上、臀裂部、臀部の下の大腿後部、同側の下腿部。尾骨の周囲。

回旋筋―3層の横突棘筋群の中でもっとも深部にある、おもに胸椎で発達した筋肉。
 起始:脊椎の横突起
 停止:上記脊椎に隣接する2~3個上の脊椎の棘突起付け根
 作用:脊柱の伸展。脊椎の一方向の回旋。
 関連痛領域:脊柱の中心線に沿って。

半棘筋
 起始:胸椎の横突起、下位頚椎の関節突起
 停止:上位4個の胸椎と、軸椎をのぞく頸椎の棘突起、後頭骨の上項線
 作用:脊柱・頭部の伸展。

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カイロプラクティックの歴史②

 ハービーリラードの脊柱矯正にいたるまでを、もう少し詳しくみていきます。

 D.D.パーマーは、磁気治療を行なっている頃より、人体に対する多くの疑問を抱き、「病気の真の原因」について深く考えるようになっていった。このことは、はからずもヒポクラテス(Hippokrates)の考え「病気の原因は何かをみつけることが将来の医学の道である」を実践したことになる。そのような考察・研究を9年間続け、彼はある一つの結論(臨床仮説)に達したという。その結論とは、「病気は、椎骨の変位によって神経が圧迫されている(この状態を彼はサブラクセーションと表現した)ために起こってくる」というものであった。
 その結果、「その変位椎骨を、もとの正常な位置にもどし、正常な脊柱の状態にするためには、どのようにしたらよいのだろうか」という疑問を生み、その次の課題に取り組み、その具体的な変位椎骨復位方法の考察も続けていった。
 このような、考察作業中に例の「ハービー・リラード」事件に出会うのである。つまり、その出来事以前に脊柱と疾病との関連について深く考え続けていたからこそ、脊柱を調べることになった、と考えられる。背椎骨の隆起が難聴の原因ではないかと、彼が今まで考えて得ていた結論を30分間かけて説明し、ハービー・リラード氏の了解を得て、彼が考えついた技術(棘突起をテコとしてその隆起のあるところを、もとの位置にもどすつもりで押す(thrust)を行なった。その結果、難聴が治った。
 この劇的な出来事以前に、彼の問題提起と、その解決への努力という前提作業があったことを見落としてはいけない。
 この試みの成功は、彼の仮説の一種の証明となり、彼のカイロプラクティック哲学観と、その理論と一般原則を構築していく大きな力になった。
(引用:鈴木正教著『カイロプラクティック概論』)

 ニュートンがリンゴが樹から落ちるのをみて万有引力を発見したという逸話がありますが、リンゴを落ちるのは誰しもが目にすることができる現象です。それから、万有引力に思い至るということになるまでには、日頃から問題意識を持って、研究を深めていないとできない話です。

 同じように、D.D.パーマーの場合も、難聴と脊柱の変位との関連について、日常的に問題意識を抱いていないと見過ごしてしまっていたかもしれません。後から聞くとたまたま遭遇したラッキーなハプニングのように見えますが、よく考えてみると、そこに至るまでにはかなり研究をすすめていたことがうかがえます。

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本当にある光ファイバーの炎上

 ブログや掲示板の「炎上」という言葉をよく耳にします。アクセスの殺到を示す比喩的な表現かと思っていましたが、実際に物理的な炎上が起こることもあるらしい。『サイエンス・ポータル』のページに、「光ファイバーの“炎上”未然に防止」(3月27日編集ニュース)という記事がありました。出典は「情報通信研究機構」のプレスリリースのようです。

 「情報通信量の急激な増加により光ファイバーの限界を超えた光パワーが集中すると、微細なゴミやわずかな欠陥でコア(中心部)の温度が数千℃以上に急上昇し、ファイバーフューズと呼ばれるプラズマ化現象が生じる。この結果、光ファイバーが連続的に破壊され、瞬時に対応しないと光ファーバーだけでなく高価な通信機器まで破壊が拡大、さらにケーブル火災につながる恐れもあった」

 情報通信研究機構が、「遠隔検知に成功した手法は、ファイバーフューズの発生時、光送信機方向に戻ってくる微小な反射光をとらえることにより、わずか100分の1秒以内で光送信機を停止することができる。破壊を光ファイバーのわずか数ミリ以下だけにとどめることが可能」になるとのことです。

 プラズマ化現象というのは、いまひとつ分かりませんが、アクセスが集中することなどによって光ファイバー内の温度が急上昇して、可逆的な破壊が起こるということでしょう。「炎上」という言葉は、誇張されて使われることもあるかもしれませんが、実際にアクセスできなくなるような状態のときは、このファイバーフューズが発生しているのかもしれません。

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梨状筋症候群(Piriformis syndrome)の原因と検査

 梨状筋症候群は、ランニングなどのトレーニング中に現れることが多い症状です。股関節の屈伸を繰り返す運動によって外旋筋群が疲労し、慢性的に柔軟性がなくなり硬くなることが原因となります。特に外旋筋のひとつである梨状筋は、坐骨神経のすぐ近くにあるため、神経を摩擦したり圧迫したりして、炎症を起こすことで、臀部やハムストリングス、ふくらはぎなどにシビレや鈍い痛みを発症します。

 坐骨神経と梨状筋の位置が原因になる場合もあります。通常は、坐骨神経が骨盤から臀部後方に出るときには、梨状筋の下を通りますが、梨状筋を貫通したり、上と下を挟んでいる場合もあり、そういう場合は梨状筋の緊張によって神経が圧迫されやすくなると言われています。

 腰椎椎間板ヘルニアでも、梨状筋症候群とよく似た症状がみられますが、梨状筋諸侯群の場合は、特に股関節に力を入れて外旋したときや、他動的に内旋したときに、シビレや痛みが発生するという特徴があります。

 そのため、簡単な見極めには、まず下肢伸展挙上検査をしてみます。陽性の場合、坐骨神経の圧迫を確認できるため、梨状筋症候群、腰椎椎間板ヘルニア、いずれの可能性もあります。次に、股関節を外旋させて持ち上げると、外旋筋群が緩むため、症状が消えます。そうなると梨状筋症候群の疑いが強くなります。また、フライバーグ検査が陽性の場合も梨状筋に問題がある可能性が大きくなります。

 但し、坐骨神経痛の原因は、梨状筋症候群にあることは稀で、もっぱら腰椎椎間板ヘルニアにあるとする説もあるようです。そのため、素人判断せずに、整形外科を受診して、MRI検査などに基づいて、原因を明らかにすることがまず先決でしょう。民間療法の出番が考えられるは、その後です。

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脳のシワは神経細胞をつなぐ物理的な力によってできる

 脳にシワがあるのは、当たり前のような気がしますが、なぜシワがあるのかということについては、大きな大脳を頭の中に収めるためくらいにしか思っていませんでした。その疑問に答えるかのように『日経サイエンス』のページに、「脳のしわが明かす謎」(2009年5月号)という論文の趣旨が掲載されていました。

 脳のシワというのは、大脳皮質の凹凸になるそうですが、人間だけでなく、イルカや大型の類人猿など大きな脳を持つ哺乳類にはあるらしい。大きな大脳皮質を収めるという理由だけなら、シワは千変万化どんな形でもいいはずです。ところが、脳のシワには一定の規則性があるようです。

 まず、なぜシワができるのか。「近年の研究から、脳のしわは、離れた領域をつなぐニューロン(神経細胞)の物理的な力によって生じてくることがわかってきた。複数のニューロンが異なる皮質領域に軸索を伸ばし、2つの領域が強く引っ張られることで脳の凹み(脳溝)ができる。逆に弱い力で引き合う部分は隆起して出っぱり(脳回)となる」ということが明らかになっているようです。

 さらに「皮質領域間の連結は胎児の発生過程で進み、凹凸のでき方や形状は種によってほぼ一定している」のですが、しかし、健常者と自閉症や統合失調症の疾患との比較や、音楽家などある種の能力のある場合との比較で、「よく観察してみると、一定に見えるしわにも深さや位置に個人差が見られる」ということです。

 神経細胞の軸索が相互に牽引する力によって、脳のシワが作られるというのは不思議ですね。どのくらいの力になるのでしょうか。生存に必要な神経連結のために、引き合うのでしょうから、シワの形状に一定のパターンがあることもうなずけますし、しかも、パターンに則りつつも、様々な顔があるようにシワにも個人差があって当然でしょう。

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カイロプラクティックの歴史①

 これまで、ギリシア時代までさかのぼって、カイロプラクティックの源流をみてきましたが、今度はカイロプラクティックそのものの創始過程です。

 ヒポクラテス以後は、わずかにガレン(B.C.199~129年)が、指の痺れを頸椎のアジャスト(矯正)で治したなどの話があるくらいで、脊椎手技(spinal manipulation)は、学問と技術の面でほとんど発展せず、その技術がヨーロッパで家庭療法的に伝承されていたにとどまる。
 この技術の一部が、アメリカ大陸に移住していったヨーロッパ人とともに、彼らの新天地・アメリカ大陸に渡った。
 この渡米技術とアメリカインディアン(大陸の先住民)に伝承されていた骨格治療技術が、一つの医学形態をとって史上に再登場する(1874年)。その医学体系名がオステオパシーであり、その主役がDr.アンドリュー・テイラー・スティール(Andrew Taylor Still)という外科医であった。

 オステオパシーは、現在でもカイロプラクティックとは、別の体系として生きつづけています。

 このDr.スティールのオステオパシー発表より21年後、ダニエル・デビット・パーマー(Daniel David Palmer)によって、カイロプラクティックという医学が世に発表されるのである(1895年)。
 D.D.パーマーは、1845年3月17日にカナダのオンタリオに生まれ、成人後蜂蜜の製造や食料品の販売などをやって生計を立てていたが、1885年にアメリカアイオウ州のダベンポート(Daven Port)に移住し、そこで磁気治療を行ない出した(この療法はDr.ポール・カストロより学んだという)。彼は磁気療法を行なうかたわら、手掌療法(ハンドセラピー)やオステオパシー、ベサリウスの解剖学なども研究していたと思われる。
 建国後の歴史の浅い当時のアメリカでは、種々の事情で医師が不足し、そのために大衆の必要性によって多くの民間療法家が活躍したと想像されるが、D.D.パーマーもその中の一人にすぎなかった。

 D.D.パーマーは、はじめから医学一本ではなく、生きるために、いろんな仕事をしていたようです。

 D.D.パーマーが脊椎矯正の治療法に興味を抱いたそのきっかけは、次のような経験だったといわれている。
 ・・・・・彼の召使いのハーベイ・リラードが仕事で重荷をかつごうとした時、突然背部に異常な音を感じた。そしてそれ以来聴力が低下して遂に難聴となっていた。D.D.パーマーが、彼の背中を調べていると、ある部位の変な隆起に気づいた。それで彼はこれが難聴と何らかの関連があるのではないかと考えて、その椎骨を正常位にもどすように工夫して施術し続けたところ、予想通り、否、予想以上の成果を得た。つまり数回の施術でこの異常隆起は正常にもどり、それと共に聴力もしだいに回復してしまった・・・・・。
 この事実は彼の心をひどく動かしたらしく、その後、彼は生命と健康を哲学的に思考したり、脊椎の異常と疾病との関係を科学的に研究することに没頭したといわれている。
(引用:鈴木正教著『カイロプラクティック概論』)

 難聴には、様々な原因がありますが、ハーベイ・リラードの場合、たまたま背部に異常音がするほどの荷重によって、脊椎に不整列が生じたことで起きた症状だったのでしょう。しかし、その原因が脊柱の異常隆起にあるかもしれないと仮定するまでには、かなりの準備がなされていたようです。続きは次回に。

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気色が悪いけど、多剤耐性菌にも有効なマゴットセラピー

 ロイター配信2009年3月23日付けのニュースで、「うじ虫療法、通常の治療と効果に大差なし=英研究」という記事を見つけました。イギリス・ヨーク大学での、通常の療法(ハイドロゲル)との比較臨床試験では、静脈性下腿潰瘍の傷口を素早くきれいにすることはできても、傷を早く治すことはできなかったということです。それだけでなく、通常の治療よりも苦痛を感じる患者もあったらしい。

 うじ虫と聞くと、不潔で気持ち悪いといった印象があり何となく眉間にシワが寄りそうになります。うじ虫を使った壊疽の治療、あれが身体を這いまわるということになると、あまりゾッとしませんが、確かに有機物を掃除するのは得意かもしれません。しかも、無菌状態で培養したヒロズキンバエの幼虫を使うそうですから、治療と思えば我慢できなくもないでしょう。英語で「マゴットセラピー」と聞くと、そんなに違和感はないような気もします。

 マゴットセラピーの関連情報をと思って検索したところ、共同通信社の「医療新世紀」のページで「無菌ウジで壊疽治療 脚の切断、大半が免れる 日本医大や岡山大など実施」(2007年3月6日)という記事をみつけました。それによると、すでに日本では治療に応用する段階に入っており、ヨーク大学の研究よりも進んでいるような気がします。 

 うじ虫療法は、糖尿病や閉塞性動脈硬化症が原因でできる足の潰瘍や壊疽を、うじ虫に食べさせてきれいにする治療法です。ナポレオンの時代から南北戦争、第一次世界大戦、1940年代まで使われていましたが、抗生物質の登場で姿を消していたそうです。ところが、抗生物質の効かない耐性菌の出現で、再度注目されています。

 広島の隣県の岡山大学では、数年前からこの「マゴットセラピー」を導入しているとのこと。「他の療法と効果に大差なし」どころか、この治療のおかげで脚の切断を免れたひとが9割以上にのぼるとのことです。但し、万能の治療法というわけではなく、血流のいい糖尿病性壊疽の患者は治りやすく、閉塞性動脈硬化症のように血流が悪いと難しい傾向があるそうです。

 メカニズムは、うじ虫が口から出す、タンパク質分解酵素が壊死した組織を溶かして、抗菌ペプチドが多剤耐性菌を攻撃し、生理活性物質の刺激で新しい血管ができる傷を治すということになります。そのうちの生理活性物質が神経に触れて痛みが出るため、麻酔をつかうこともあるといういことで、おそらく、イギリスの実験で,患者が言っていた「通常の治療法より苦痛」があるというのは、この痛みのことではないかと思われます。

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ロコモーティブ・シンドローム(locomotive syndrome) 

 日本語で言うと「運動器症候群」になります。これまであまり聞いたことがありませんでしたが、メタボリック症候群の運動器版として、最近注目されているそうです。ロコモーティブ・シンドロームは、骨、関節、筋肉など運動器の機能の退行変性によって、自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになる可能性が高い状態をいいます。

 その主な原因として、バランス能力の低下、筋力の低下、骨粗鬆症、変形性関節症、脊柱管狭窄症の5つがあげられています。それらを個々の機能低下や病気として対処するのではなく、要介護や寝たきりの状態になるのを防ぐために、自立度から全身の運動器の状態をみながら、一人ひとりに応じた対処を行なうということです。

 具体的には、「『変形性膝関節症』では、膝の痛みなどの症状そのものに対する治療だけを行なうのが一般的でした。しかし、そのほかにもバランス能力や筋力の低下など、ほかの部位にも障害が起こっている場合には、膝の痛みの治療だけでは生活の質は保てません。全身の状態をみて、バランス能力の強化を図るなどの対策をとることで、生活の質を維持できるようになる」(参考文献より引用)ということです。

 ロコモーティブ・シンドロームは、屋外を15分以上続けて歩くことができる「軽症」、屋内なら歩くことができる「中等度」、坐ることならできる「重症」に分けることができます。その進行をくいとめたり、予防したりするためには、それぞれの疾患の治療と合わせて、片脚で立つダイナミックフラミンゴ療法、スクワットなどのロコモーション・トレーニングで適度に身体を動かすことが大切なようです。(参考:『きょうの健康』2009年4月号)

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ものごとを前に進めるためには、問題を具体的にすることが大切

 先週(3月15日)終わったドラマ『本日も晴れ、異状なし』に、自らの転落人生を他人の所為にして生きてきた人物が描かれていました。その後しばらくは、まず自ら省みて他を批判すべきと思っていましたが、「慢性痛」の感情コントロールを学んでいると、何でも自分の責任としてとらえてしまうことも、また良くないようです。

 そういえば昔、「みんな俺が悪いのさ」という上っ面の反省を、解決方向の見出せない「坊主懺悔」といって批判していたことを思い出しました。確かに、「すべて自分に責任がある」と背負い込んでしまうことも、「お前が悪い」、「あいつが悪い」と他人の所為にすることも、ついつい陥ってしまう陥穽ですが、いづれも妥当な判断とはいえないでしょう。

 すべてひっくるめて責任を彼我にかぶせるのではなく、具体的に問題点を明らかにすることが必要かもしれません。そういえば、「真理は常に具体的である」ということを誰かが言っていたような記憶があります。抽象的・一般的にとらえていたのでは、問題を解決することはできません。個別に具体的にすることで、何をどうしたら良いのかが明らかになると思います。

 そして、そのキーワードは、ポジティブあるいは前向きということになるでしょう。同じ過ちを繰り返さない、あるいは常にものごとを前に進めるという意識です。そういう点では、昔の断片を思い出して、無意味に自分の非を悔いることも、あるいは他人の非を咎めることも、あまり前向きとはいえないかもしれません。それを、これからの行動で、同じ轍を踏まないために、これから役立てるという具体的な目的があるならば別ですが・・・。

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夜中に目が覚めたとき もう一度眠る方法

 毎晩というわけではないのですが、たまに夜中に目が覚めて、あれこれ考えごとをしたりして、起きているのか眠っているのか分からない時間を朝まで過ごすことがあります。そんな時でも、朝起きたときには、疲れが残っているということはないのですが、それでもあまり気持ちの良いものではありません。

 本来なら、自ら「髄節点法」を行なえば良いのですが、なかなか半眠半覚のときに、手が届きにくい自分の身体に施術するのは、困難なものがあります。そんな時、『ヘルスデージャパン』のページに、ちょっと参考になりそうな、「中途覚醒後に再び眠りにつく方法」(2009.3.19)という記事が掲載されていました。

 夜中に目が覚めてしまい(中途覚醒)、すぐに眠りにつくことができないことがある。そのようなときのために、米メリーランド大学メディカルセンター(ボルティモア)は以下のように助言している。

 専門家によると、約15~20分はベッドの中で横になっていてもよい。それ以上経過した場合、容易に眠れない可能性が高いため、ベッドから出るほうがよいという。

 本や雑誌を読む、温かい風呂に入るなど、リラックスできるようなことをする。オフィスワーク、掃除・洗濯、テレビを見るなど、さらに目が覚めるような行為は避けたほうがよい。

 リラックスできる行為を20分ほど行なったら、ベッドに戻ってみる。先ほどよりもずっと眠りにつきやすいはずである。

 起きると、完全に目が覚めてしまいそうなので、いつも横になったままで過ごしますが、20分すぎてもやっぱり眠れないというときには、思い切ってリラックスタイムを取った方が良いということですね。横になっているのが一番リラックスしている状態のような気もしますが、逆説的な対処法のようです。しかし、何がリラックスできる行為かということは、少し難しいかもしれません。個人差があるでしょうから、それぞれ最適なものを試行錯誤しながら選択する必要があるようです。

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ネガティブからポジティブへ 思考方法をコントロールする

 メイヨークリニック著『「慢性痛」がわかる本』という本に、慢性痛をコントロールするために、感情の制御について取り上げた第12章「自分の感情とその表現を考える」というところがあります。特に慢性痛がない場合でも、参考になる興味深い内容です。

 その中の「ポジティブ思考を実践する」の項では、「『慢性痛』がもたらす悪い変化・感情への対処法がいくつか紹介されています。そのひとつが前向きな自問自答です」。「前向きな自問自答は、プロセス自体は簡単ですが、時間と練習が必要です。まず、1日を通して自分の思考を分析し、ネガティブな思考をポジティブな思考に変える方法を模索します」という提起をしています。

 そして、変えるべき「ゆがんだ考え方」の例として、よく陥りがちなネガティブで不合理な思考例を示しています。

悪い面を見て、よい面を見落とす(フィルタリング)
 ある状況の悪い面を拡大化し、よい面を見落としてしまうことです。たとえば仕事がうまくいった日があったとします。予定より早く業務が終わり、仕事のスピードや完璧さを誉められます。しかし、ただひとつ小さな手順を忘れていました。その夜、あなたは自分の小さな不注意ばかりを考え、誉められたことを忘れてしまいます。
個人化
 悪いことが起きると、自動的にあなたは自分に責任をなすりつけます。たとえば家族でピクニックに行く予定が中止になると、あなたは「自分がいるのが嫌で計画を変更したのでは?」と勘ぐりはじめます。
一般化
 トラブルがあると、それは永遠に循環するものと思ってしまいます。痛みが治まらないと、思考は次のような順路をたどります。「昔やっていたことはもうできない。自分はみんなの重荷になっている。自分は価値のない人間だ」。
悲劇化
 自動的に最悪の事態を予測するようになります。痛みの突発から醜態をさらすのを恐れ、友人と出歩くのをやめます。あるいは日課を一つでも変えただけで、その日は災難がくると思ってしまいます。
極端な思考
 物事を白黒、善悪でしか判断できない状態です。その中間は存在しないのです。完璧以外には失敗でしかありえないのです。
感情化
 自分の感情にまかせて物事を判断してしまう状態です。ある物事を愚かでつまらないと感じたら、それは自分自身が愚かでつまらないのです。

 「たとえば」の例がやや極端なような気もしますが、割と日常的に陥りがちな思考です。慢性痛で悩んでいる人には、ぴったりあてはまることがあるかもしれません。ポジティブ思考という言葉は、よく口にしますが、すぐ忘れてときどきネガティブ思考になってしまいます。根っからポジティブな「脳天気」人間というタイプが実際に存在するのかどうかわかりませんが、そうでないタイプの場合には、時間をかけた意識的な訓練も必要なのかもしれません。

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頭痛体操で「快体新書」にテレビ・デビュー

 3月17日火曜日の広島ホームテレビ「Jステーション」、午後5時34分からの「快体新書」。中途半端な時刻なので、「この時間で大丈夫かのぅ」と不安を抱きながらも見ていると、ちゃんと出てきました。「頭痛体操」をする姿が、しっかりと映っているではないですか。

 5分ほどのコーナーです。その中で体操のことだけでなく、頭痛専門外来の医師の話やMRI検査などのことも取り上げていました。「頭痛体操」の取材は40分くらいでしたが、テレビで放映された部分は、正確に時間を測ってはいないのですが、印象として1分くらいでしょうか。もう少し長かったかな。

 それにしても、決められた時間に映像と文字と音声を押し込むのですから、編集作業も、なかなかたいへんですね。私の下手くそな話も大胆にカットされていました。ちょっと忙しい感じはありますが、ポイントはきちんと抑えられていて、分かりやすい内容でした。

 たくさんの方に見ていただければ嬉しいのですが、夕方の忙しい時間ですから、どうでしょうか。それでも、今日までに3人の方から「テレビに出とったね」と、声をかけていただきました。話を聞くと、何やら事前に「快体新書」の番組コマーシャルもあったとのこと。テレビ局も結構力を入れているようですね。

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「絶対彼氏・彼女」ができるのも そんなに遠い未来のことではない

 きのうのニュースを見てびっくりです。産業技術総合研究所の知能システムヒューマノイド研究グループが、「HRP-4C」という「人間に近い外観・形態をもち、人間に極めて近い歩行や動作ができ、音声認識などを用いて人間をインタラクションできる」ヒューマノイドロボットを開発したと報道されていました。

 なんでも日本人の青年女性の平均値を参考に、身長158cm、体重43㎏で関節の位置や寸法を考えて造られた女性型のロボットです。外観はもとより、歩行その他の動作もおどろくほど人間に近い。二足歩行ながら奇妙さが残っていた「アシモ」から、かなり発展しているようです。産業技術総合研究所のプレスリリースでその動きを見ることができます。http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2009/pr20090316/pr20090316.html

 しばらく前に、『絶対彼氏』という現代版『ピノキオ』のような、恋人型ロボットを主人公にしたテレビ番組がありましたが、子どもに付き合いながらも、結構毎回楽しんでみていました。この記事を書くために、たまたまホームページを見てみると、3月24日(火)にスペシャルがあるとか。そういえば、最後にロボットを保存した状態のままでしたから、いつか続きがあるかもと期待させる終わり方でした。

 それにしても、ここまで人間に近いロボットなんて、当分先のことと考えていましたが、HRP-4Cの動きをみていると、「絶対彼氏・彼女」ができるもの、そんなに遠い未来のことではないような気がします。ただ、人間らしさをどこまで出すことができるのでしょうか、そうなったら良いと思う反面、今の「仮想現実」社会のように、もっぱらロボットとの接触で生きる人間がうまれる社会を考えるとちょっと怖いような気もします。

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カイロプラクティックの源流②

 引き続き、『カイロプラクティック概論』を読みながら、カイロプラクティックの源流をたどっていきます。

 前記の古代エジプトやメソポタミアなどの医術がB.C.2000年頃にギリシアに渡ったと伝えられている。
 そのギリシアには医術の神とされるアスクレピオスが現れる。彼の父であるアポロ(Apollo・ギリシア神話に登場する神で音楽・弓術・予言・医術の神)は、かつて居住し古代ギリシア人に神託を与えていた場所といわれるデルフォイ神殿をアスクレピォィアと改称し、ここを主院とし、ギリシア各地にその分院を設置して、医療活動を行なったと伝えられている。
 このアスクレピオス(Asklepios医術の神、起始回生の術をよくしたと伝えられている)の子孫が、B.C.1200~700年頃各地にアスクレピオス寺院を建てて、そこで医療活動を行なった。中でも、西アジアのコス島やクニドウス島のアスクレピオス寺院が有名であり、医学校も設立されたといわれている。

 ここまでは、どこまでが神話で、どこまでが現実にあった話か区別がつきません。神の子孫は、人間になったのでしょうか。

 その設立地の一つであるコス島に、後世「医学の父」とか「医聖」と尊称されるヒポクラテス(Hippokrates B.C.460~375年頃)が誕生する。
 ヒポクラテスは、やがてエジプトのアレキサンドリア医学校で、迷信を排して観察や経験を重んじたところの医学を樹立する。古来の治療の中より呪術的要素や空想的理論の部分を排除し、事実直視(観察)によって病気の症状や経過を記録し、それに基づいて研究し、新しい独自の医学観を構築し、現代医学の基礎を樹立した。

 古来の治療法にあった呪術的要素や空想的理論を排除して、事実の観察から医学を出発させたわけですね。

 ヒポクラテスは「人間には、自ら病を癒やし、健康を復元し、その健康を維持していく生命力(ポノス Ponos)があり、医師はその自然の力(ポノス)を補佐するのが本来の仕事である」とし、病気の状態から健康体へ回復しようとする力をフィジス(Physis)と呼び、病気の治療には、このフィジスの働きを妨げないことを治療の原則とした。

 このフィジスの働きを生かすかどうかという点については、病気の原因への攻撃が、自己回復力を抑えることになることもあるようで、簡単ではないようです。

 また病気に対してはその原因を探求すること、その病気の本態を知ることが、将来の医学のあるべき姿とし、彼自身病気の原因を見出すべく数多くの研究を行なった。その研究を記録した彼の医学書の中に、カイロプラクテイコス(手の医学)に関して多くの記載があり、骨格の異常によって、いろいろな病気が生ずることが述べられている。

 ヒポクラテスが書きのこしたと言われる骨格の異常が病気をもたらすという考え方は、どのようなものなのでしょう。椎骨の変位による神経圧迫によって病気になるとするカイロプラクティックの哲学とよく似ていますが、どういう関係になっているのか、興味が湧いてきますね。「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスも、そうはいっても2400年近く前の人ですから、当時の医学をそのまま受け入れるわけにもいかないでしょう。

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成長ホルモンの分泌と無酸素運動、有酸素運動を行なう順序を考える

 私のトレーニングのベースは、無酸素運動であるウェートトレーニングです。有酸素運動は、そのためのウォーミングアップであることをメインに、それにプラスしてウェートコントロールの手段としても行なってきました。ですから、はじめに有酸素運動を行なって、それから無酸素運動を行なうパターンです。 

 ところが、最近、成長ホルモン分泌の関係で、無酸素運動をした後で有酸素運動を行なった方が良いと言われているようです。これまで、成長ホルモンは、睡眠中に分泌されるものとばかり思って気にも留めていなかったのですが、無酸素運動中にも、筋肉内に発生した乳酸に対応して分泌されるらしい。その後の有酸素運動によって、乳酸が血中に運び出されるとともに筋肉内に成長ホルモンが行き渡って、筋肉を刺激することになるそうです。

 また、成長ホルモンには、筋肉を発達させるだけでなく、体脂肪を遊離脂肪酸に変えて燃焼されやすくする働きもありますから、運動によるダイエット効果を期待する場合にも、無酸素運動で発生した遊離脂肪酸を、その後の有酸素運動で燃焼させることで、より効果的にすすめることができるということです。

 しかし、成長ホルモンの分泌は、やはり寝入りばなの熟睡期3時間くらいが、無酸素運動をしたときよりも何倍も多いと言われています。そして、有酸素運動、無酸素運動と便宜上ふたつに分けていますが、そういう傾向があるだけで、両者には必ずしもはっきりとした境界線があるわけではないと思います。有酸素運動していても、かなり強めにすると無酸素運動に近くなることもありますし、無酸素運動であるウェートトレーニングでも、軽い重量で回数を多く行なう場合もあります。実際に行なう場合は、相互に交じり合っているような気がします。

 ジム仲間の中には何人か、実際に無酸素から有酸素への順序で行なっている人もいますが、だからと言って、自分が有酸素運動と無酸素運動の順序を変えるかどうかということになると、今のところまだ、そのためのモチベーションというか気力が高まるほどにはなっていません。もう少し検討を続けてみることにします。知識の断片や理論上の判断ではなく、もう少し系統的で検証された情報が欲しいところです。

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カイロプラクティックの源流①

 カイロプラクティックの歴史と基礎理論について、鈴木正教著『カイロプラクティック概論』にそって学びます。

 人類最古の文書といわれるパピルス(B.C.2500年~1500年)の中に、手を用いて背骨を刺激して病気を治療する術のことが記載されているといわれ、古代エジプト人、古代メソポタミア人などによってこの種の技術が活用されていたことがわかる。これが現代医学の源流でもあり、カイロプラクティックの源流でもある。 
 古代文明が、エジプト、メソポタミア、中国などに開化したことは周知のことだが、この文明にはある共通した「思想」があった。
 それは一種のスピリット観で、人間の運命はスピリットによって左右される、という考え方であった。
 古代にあっても「病気」という現象が生起し、この病気を取り除く専門家も出てきた。これらの専門家も当時の思想に規制され、古代の医術もスピリット(Sprit=神聖・精霊・悪魔)説によってなされ、病人は悪魔・悪霊にとり憑かれていると考えられ、それを追い出すことが治療の眼目であったらしい。
 この行為の専門家(当時の医師)が呪師や巫女、そして新官や僧侶などであったことも前期の時代背景により首肯されよう。
 したがって、それらの医術の中には、病人の背中や背骨を叩打したり、突いたり、押したりして、悪霊を追い出そうとする技術があったことは、ある種の必然である。
 その治効理論(スピリット説)は別として、その治療形態はまさにカイロプラクティックであり、オステオパシーであり、スポンディロセラピーであり、整体術である。つまり病人の背や背骨などを①叩打したのは、スポンディロセラピーの脊髄反射療法に、整体術の拳打の術や拳落の技に、按摩法の叩打法に類似し、②突いたのは(その結果、背骨などの骨格が矯正されたと考えると)、カイロプラクティックのスラスト(Thrust-瞬間急圧)や、オステオパシーのスペシフィック・テクニック(specific technique)や、整体術の正骨に、按摩法の督脈の術に類似している。
 このことは逆に、その技術に差があったとしても、古代には洋の東西や民族の違いを問わずに、類似の脊椎手技(spinal manipulation)・骨格矯正手技・骨髄反射手技などが存在していたことを物語っているといえよう。

 カイロプラクティックの技術も含めた「概論」の本なので、古代文明に共通したというスピリット観の思想や背中や背骨をたたく治療法などの歴史的な証明は不十分ですが、それぞれの文明から民間療法などとして受け継がれてきた方法には、共通点はあるようです。

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参考になる「クリニカルマッサージの基本原則」

 『クリニカルマッサージ』のテキストに、「治療家が従わなければならない前提」として、3つの「基本原則」が挙げられ、「医療における自明の公理とみなしても構わないであろう」と述べています。なぜこの3原則に絞られているのか、いまひとつ分かりにくいところもありますが、参考になりそうです。

  1. 個体は有機的全体である:すべてのものがつながりを有し関連している。
     複雑な組織体である体は、部分の単なる寄せ集めではない。すなわち、森(体全体)と木(部分)を観察することがきわめて重要である。本書にはどうしても多少還元主義的きらいがあるが(というのも、部分に対する知識なしで全体を理解することができないし、また部分は、つながった一本の線のように、つながりの中で検査されなければならないからだ)、治療家は部分を全体との関連において捉えることを忘れてはならない。
     たとえば、捻挫した患者は、けがをした方の脚をかばうため、股関節や腰の筋肉が堅くなる。すると背中に生じたアンバランスは、首の筋肉に悪影響を与え、ひいては頭痛を起こす。首の筋肉だけを治療しても問題は解決できない。
       

     施術を行なうにあたって、全体と部分の関係は特に注意したいことです。但し、問題の起こっている局所だけでなく全体的にみていくには、一発勝負ではなく、ある程度の継続が必要です。
      
  2. 短縮した筋組織は力を出せない。
     筋組織は収縮するとき力を出すので、短縮したらもう力を出すことができない。治療家がかかわるのは、過度にまたは病理的に短縮した筋組織である。言い換えれば、たいていは防御的理由から過度あるいは病理的に短縮した筋組織は力を出すことができないし、伸びて元の長さに戻ろうとはしない。
     筋肉は能動的にも受動的にも短縮する。慢性受動短縮(パッシブ・ショートニング)として次の例がある。治療期間中三角巾で腕を固定していると上腕二頭筋に受動的短縮が起こる。また立ったり歩いたりしない乳児の腸腰筋(股関節屈筋)の屈曲も受動的短縮といえよう。姿勢不整列(ミスアライメント)では常に、多数の姿勢維持筋が習慣性受動短縮をする。
     一方、能動的短縮(アクティブ・ショートニング)は筋収縮であり、2種類ある。1つは筋肉が力を発揮する意図的収縮である。もう1つは過労・過負荷、反復運動、あるいは過伸張といった兆しに筋肉が反応する防御的収縮である。筋組織の一部が防御的収縮をする場合、筋肉はそれ以上収縮することができないし、筋力をはっきすることはできない。
       

     確かに、言われてみればそのとおり、筋肉の機能は短縮するだけです。伸展は拮抗筋もしくは重力によってなされます。特に関係があるのは、過労・過負荷、反復、過伸張にたいする防御的収縮の場合ですね。
       
  3. 身体の軟部組織は触れられることに反応を示す。
     なぜ反応を示すかについては種々の説がある。フィードバック回路では、正常な機能を回復させつつ、触覚刺激が干渉を起こすが、フィードバック回路は自己永続的神経筋であり、そういった回路が筋膜痛をもたらすからだという説が最も有力である。徒手療法で平常の機能が回復する。機能障害を起こしている組織に手を用いて干渉することは、フィードバック・プロセスを遮断し、神経反応にある種の変化を引き起こす。したがって、患部自体の機能にもある種の変化が現れる。干渉の方法には、虚血性圧迫、受動的伸張、受動的(短縮性)収縮などがある。またそれらを同時に使っても構わないし、あるいは順次組み合わせて使ってもよい。
       

     フィードバック回路といういのは、何でしょう。「正常な機能を回復しつつ」・・・「筋膜痛をもたらす」ですか。自己治癒による回復過程が痛みをもたらすことがありますが、そのことでしょうか。これは改めて研究してみます。

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「頭痛体操」 広島ホームテレビ「Jステーション」が取材に

 しばらく前、2007年6月6日に『あおぎり通信 №21』で、慢性頭痛について書きました。慢性頭痛には、他に原因となる病気がないのに繰り返し起こるものとして、緊張型頭痛と片頭痛、群発頭痛があります。その3つのタイプの内、特に6割以上を占める緊張型頭痛を改善する「頭痛体操」を紹介しておきました。

 その文書を広島ホームテレビ「Jステーション」のスタッフがインターネットで検索したらしく、取材の申し込みがありました。Jステーションでは、毎週火曜日の「快体新書」というコーナーで、健康問題を取り上げているようです。テレビで放映されるのは、確かに店の宣伝にはなるでしょうが、ちょっと恥しい気持ちもあって躊躇しました。でも、ディレクターに電話で背中を押されて、受けることに。

 頭痛体操といっても、緊張型頭痛の主な原因となっている僧帽筋とその周辺の血管の緊張を緩める体操ですから、基本的に首こり・肩こり体操とよく似ています。但し、頭痛に対応する場合は、頭を大きく動かさないようにすることがポイントです。テレビでは、できるだけ身体の動きが大きい方が良いということなので、いくつか準備していたものの中から、適切な体操を選んで紹介しました。

 スタッフの方には申しわけないのですが、夕方テレビを見ることがないため、どのように放送がされているのか、皆目検討がつかないまま取材にのぞみました。頭痛体操の撮影が主です。インタビューは、いつもどおりの話し方で良いということでしたが、日常的に「活舌」を訓練することもないので、考えながら話すと、少しつっかえてしまいます。

 それにしても、あっという間に終わりました。40分くらいでしたか、あの取材ファイルが編集されて、どんなふうになるのでしょうか。来週火曜日の午後5時34分からの放送ということです。さほどスマートには映らないことは覚悟していますが、それでも、緊張型頭痛に悩む視聴者のみなさんに、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

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浅筋膜と深筋膜

 筋膜には、浅筋膜と深筋膜がありますが、それらの構造をほりさげてみると、筋膜の姿がイメージできそうです。

浅筋膜
 浅筋膜は皮下組織とも呼ばれる。浅筋膜は皮膚のすぐ下にあり、脂肪細胞、筋組織の線維束、皮膚の血管と神経などを含んでいる。体中脂肪のおよそ半分がここに見られる。
 真皮の結合組織(膠原線維)の走行は、ランゲル・ラインと呼ばれる切断線に従う。ランゲル・ラインの方向は部位によってさまざまである。特殊ではあるが、その部分の圧倒的な筋力に対して線維が逆方向に並んでいる部分もある。外科医は傷をなるべく残さないため、手術するときは通常ランゲル・ラインに従って切開する。

深筋膜
 浅筋膜よりも体の深部にある筋膜を総称して深筋膜という。深筋膜と浅筋膜とはつながっている。便宜上本書では、筋肉群を覆う筋膜(包膜)、筋肉を取り囲む筋膜(筋外膜)、筋中の線維束を取り囲む筋膜(筋周膜)、個々の筋線維を取り囲む筋膜(筋内膜)を深筋膜とする。深筋膜の各層はいずれもその下の層の形成にかかわる。深筋膜の役割の1つは、収縮力に方向性を与えて力を増大させるために、収縮中の筋肉の外側に向かう力を制限することである。だが、制限しすぎること、つまり弾力性を限定しすぎることは望ましくない結果を招く場合がある。
 前にも説明したように、筋膜の表面が癒着して、筋肉同士がスムーズに動かなくなるおそれがある。スムーズな、痛みを伴わない動きを取り戻すには、障害となる癒着を取り除く必要がある。(『クリニカルマッサージ』より引用)。 

 これまで、「筋膜=筋肉を包む組織」といった大雑把なとらえ方をしていたようです。しかし、深筋膜という筋膜は確かに筋肉を包んではいますが、包膜、筋外膜、筋周膜、筋内膜と何層にもわたって取り囲んでいるということを、再認識することができました。また、皮下組織も浅筋膜という筋膜として扱われているとは初耳でした。皮膚の下に膜状の組織があり、その密度は、身体の部分によって異なり、手背のように低い部分と、足底のように高い部分があるようです。

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筋膜の癒着と改善 ゲルとゾルとの相互移行

 筋膜の癒着とその改善はどういう仕組みで行なわれるのか。『クニリカルマッサージ』の続きを、読んでいきます。

 筋膜に対するボディワークの有用性を最初に提唱したのはIda Rolfである。筋膜をいくぶんでも注視しているほとんどすべての療法が、ロルフィングにかなりの根拠を置いている。Rolfは、筋膜がコロイド状基質の中にあり膠原線維でできていることに注目した。基質はゲル(コロイド溶液の固体・半固体状態)からゾル(コロイド溶液の液体状態)へと粘性を変化させる。ゲルに(圧あるいは摩擦といった)エネルギーを加えると、ゲルはゾルへと状態を変化させる。Rolfは「手を用いて筋膜にエネルギーを加えると、基質はゲルからゾルへと変化し、膠原線維の方向と分布は柔軟性と適応性を増す」という学説を立てた。
 全身の筋膜は途切れることなくつながっているので、治療家は、深筋膜の固くなった部分をリリースし、また動きを妨げる筋膜同士の癒着部分をはがすようにして、浅筋膜という「身体ストッキング」を調整できる。

 ゾルとゲルの相互移行。にわかに信じがたいような気がしますが、確かに施術をすることによって、身体に物理的エネルギーを加えると、僧帽筋など筋肉の硬くなっていた部分が軟らかくなることは確かです。しかし、それが筋膜の癒着とどのような関係にあるのか。筋膜の構造を別の面から、もう少し詳しく見ていきます。

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筋膜の成り立ちと役割

 カイロプラクティックでも、施術前後に筋肉へのコンタクトをおこなうため、「筋筋膜」という言葉、慣用句のようによく使います。「筋膜」の解剖学的成り立ちと役割について、引き続き『クリニカルマッサージ』に学びます。

 筋膜(fascia)は、「band(帯状の物)」あるいは「bandage(巻く物)」を意味するラテン語に由来する。筋膜は他のどの組織よりも体の隅々まで広がっている組織である。筋膜は体のどこにでも存在し、たとえて言えば、古い建物を覆い尽くす蔦のようだ。筋膜は体のインフラ(基盤)である。筋膜は、内外から諸器官を形作るだけでなく、循環系、神経系、リンパ系といった体の全システムの土台となっている。筋膜を軟部組織の「骨格」とみなしても間違いではない。
 筋膜は一種の結合組織である。結合組織はほかに腱、靭帯、腱膜、瘢痕組織(かさぶた)といった形態をとる。筋膜は場所によって呼び方が変わる。脳や脊髄の周りを覆う場合、髄膜、骨の周りは骨膜、心臓の周りは心膜、腹腔の内膜は腹膜である。皮膚の下にあって全身を包み、筋肉群や筋肉の一部を包んでいる層は筋膜である。
 筋膜は次の役割を果たす。

  1. 形成し保持する。
     筋膜は体および体の構成部分に形を変え、それらを定位置に保つ。
  2. 制限する。
     強固な境界を与えることで、筋肉強度を増加させる。筋膜を取り除いた筋肉は著しくく弱化する。
  3. 道標となり、形作る。
     骨膜を失った場合、骨の障害は回復が遅れる。
  4. 包んで区分する。
     筋膜は体液を包み、体液を(選択的に)通す。感染の広がりを抑えるのに役立つ。
  5. 分岐を繰り返すシステムにとってインフラ(基盤)となる。
     筋膜は、循環系やリンパ系の毛細管や脈管を支え、全身に分岐する神経も支える。
  6. 新しい結合組織を産生する。
     筋膜は結合組織細胞(線維芽細胞)を有する。必要に応じて密生結合組織に分化する。腱や靭帯を正常化し、瘢痕組織を作る。

 皮肉にも、筋膜の回復機能が問題を引き起こしてしまうことがある。蜘蛛が獲物を封じ込めるように、筋膜は組織を囲いつつ、本来別れている構造同士を癒着させてしまうことがある。痛みを伴う、かつ身体の動きの自由を奪う軟骨様の塊(線維過剰増殖)で、筋膜は筋肉の内部構造を変化させる。そのような組織は、時間の経過とともに固くなり萎縮するので、治療はますます難しくなる。

 確かに、慢性的な肩こりの人は、僧帽筋の「肩井」あたりが硬くなっていることが多いようです。ほんとうに軟骨のような組織に触れることもあります。何らかの瘢痕組織のようなものとは思っていましたが、筋膜の回復機能が引き起こした癒着構造だったようです。

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トリガーポイントについて

 James H.Clay/David M.Pounds著『クリニカルマッサージ』という本に、トリガーポイントに関することが、記述されているので、引用して勉強してみます。「Part1クリニカルマッサージの基礎」の「圧痛点、トリガーポイント、リリース」という項です。

 患者を診察するときは、押すと患者が痛みを感じる場所を見付ける。打撲やけがといった痛みの原因が思い当たらない場合、この痛みを感じる場所は圧痛点と呼ばれる。オステオパスのLawewnce Jonesが提唱したストレイン・カウンターストレイン(別名ポジショナル・リリース)治療法によると、圧痛点は系統だった仕組みで現れる。圧痛点を除去するには、圧痛点が現れた筋肉を弛緩状態にさせ、圧痛点が消失するまで受動的短縮を維持する。

 筋筋膜のトリガーポイントは骨格筋組織のピンと張った膜に硬結として現れ、強い圧痛があり、非常に特徴的なパターンの関連痛をもたらす。トリガーポイントは、過労・過負荷、反復運動、あるいは突然の過伸展といった筋肉に対するストレスから生じる。活性トリガーポイントは、突発的に患者に関連痛を引き起こすトリガーポイントである。潜在性トリガーポイントは、触診で圧をかけられたときだけ痛みを生じるトリガーポイントである。原発性トリガーポイントは、筋肉ストレスが引き起こすトリガーポイントである。サテライト・トリガーポイントは、原発性トリガーポイントによって二次的に生じるトリガーポイントである。

 マッサージ師はリリースという言葉を頻繁に用いる。リリースとは施術によって軟部組織を弛緩させ、伸ばすことである。トリガーポイントでは、硬結が軟らかくなり、また硬結の関連痛が止まったとき、リリースと評される。筋肉では施術中筋肉が弛緩すればリリースと評される。筋膜については、治療家が、筋膜が軟らかくなって伸びたと感じたときリリースしたといえる。

 「トリガーポイント」は、「圧痛点」から歴史的に発展してきたカテゴリーのようです。トリガーポイントは、基本的に筋肉に対するストレスが原因で発生すると解説されています。4つの分類は、それぞれが別個に独立したものではないようです。活性と潜在性は質的な区別で、施術時によく見つけることがあります。原発性・サテライトという分類は、前の二者とは別の分類法で、時間的な経過で発生するものを示したものと思われます。後者の分類は、この前の『ためしてガッテン』で取り上げられていた、トリガーポイントの二次的派生にも合致しています。

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静的検査方法を研究する

 『カイロプラクティック・マニュアル』では、触診のときの静的検査方法について、筋肉の痙攣、痛み、炎症を検出することに重点を置いているようです。

 急性の場合、筋肉が「収縮し、触れると熱を帯びていることが多い」。「触診すると無頭が溜まっていて、むくんだ感じがするのが検出される」」。慢性の場合は、「筋肉の腫れはなく、触診すると幾分強張った感じがすることがある」。「深い触診を行なうと痛みのある硬結した箇所がみつかる」。

 そして、脊柱に起きている炎症は、時間がたつと超過敏症を呈することから、その状態を調べるのに、椎間関節触診検査と棘上靭帯検査をあげています。

 椎間関節触診検査は、頚部のみですが、患者座位で、頭部を側屈させて関節を開いて、関節嚢と靭帯に指を当てて触診します。痛みがあると陽性です。また、棘上靭帯検査は、患者は頚部は座位で頚部を屈曲、その他の脊柱は伏臥位で、棘突起と棘突起の間を拇指で押して、痛みの程度をみます。同じく痛みがあれば陽性です。

 いずれも、変位している方向ではなく、炎症があるところを調べる方法です。当面は、ガンステッド・リスティング・システムによる触診と併用しながら行なってみて、いずれ、より良い方法へと、淘汰・選別していけたらと思っています。

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耳鳴りは難聴のある人に多い

 『しんぶん赤旗 日曜版』2009年3月8日号「健康ライフ」のコーナーに、耳鳴りに関して、日本医科大学千葉北総病院耳鼻咽喉科の馬場教授の逆説的な治療法を取材した記事が掲載されています。

 耳鳴りの原因については、世界中で研究が続いているそうですが、まだはっきりとした原因は解明されておらず、特効薬も根本的な治療法もないということです。しかし、その原因について、有力な仮説が立てられているようです。

 耳鳴りのある人の脳のポジトロン断層撮影(PET)を行ったところ、聴覚野とその周辺が活性化していたそうです。また、耳鳴りは難聴のある人に多いことから、難聴になると脳に伝わる電気信号が少なくなるため、脳が電気信号をとらえようとして、聴覚機能を過剰の活性化させることで、耳鳴りが起こると考えられているということです。

 その仮説にもとづいて、考案されたのかもしれませんが、雑音を長時間聞く音響療法と耳鳴りに注意を向けないようにするカウンセリングを組み合わせたTRT療法で、耳鳴りを自己コントロールすることができるようになっっているとのこと。

 記事の最後は、馬場教授の「耳鳴りを治そうと一生懸命になるほど、耳鳴りに注意が向き、逃れられなくなります。耳鳴りの治療のポイントは、“治そうとは思わない”ことなのです」と、面白いアドバイスで締めくくられています。

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慢性痛とトリガーポイント

 興味深い内容でしたので、引き続き『ためしてガッテン』を参考にします。3月4日(水)の放送は、慢性痛がテーマでした。トリガーポイントがキーワードのようです。トリガーポイントというのは、押すと痛みがある、パチンコ玉からウズラの卵くらいの大きさまでになるコリコリしたシコリです。肩こりの場合は、腕の付け根や肩甲骨周辺に、腰痛の場合は、背中のまん中や腸骨稜あたりにあることが多いそうです。

 トリガーポイントは、筋肉の慢性的な異状によって、神経から脳へと痛み信号が送り続けられ、興奮状態が治まらなくなることによって、発生します。大きな刺激があったり、慢性化が進んだりすると、トリガーポイントは激しい興奮状態におちいり、過剰な信号を脳へ送ることになります。

 そうなると脳は混乱して、本来の信号の発信場所を間違えてしまい、別の場所に故障があると判断してしまうことになります。別の場所に痛みやコリを感じるようになるため、そこを温めたり、揉んだり手当をしても、痛みは取れません。

 さらに良くないことに、本来の故障箇所でないところにも、神経の働きでしょうか、筋肉の収縮が起きるようになり、新たなトリガーポイントが生まれることがあります。本来の場所にあるものも、派生的にできたものもいずれにしても、トリガーポイントを放置すると、激痛を引き起こし、筋肉を強張らせます。場合によっては骨格が変形することもあるといわれています。

 不勉強のため、これまでトリガーポイントについては、東洋医学でいう「経穴」とほぼ同義のものととらえていましたが、少し意味合いが違っていたようです。『ためしてガッテン』で新しい知見を得ることができました。慢性症状に、より適切な対応ができるよう、これを機に勉強してみることにします。

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口内炎は細菌が傷口で繁殖することが原因

 少し前に口内炎のことを取り上げたとき、健康雑誌を参考にして、原因は定かになっていないと書きましたが、先週2月25日(水)放送の『ためしてガッテン』、口内炎がテーマで、ずばりその原因と治療法が解明されていました。

 口内炎は、基本的に口にできた傷に細菌が繁殖して炎症を起こすことで発症するそうです。魚の骨が刺さったり、誤って口の中を噛んだりしたときに傷ができます。健康なときには、唾液によって口内が洗い流されるため、口内炎ができる前に傷が治るのですが、疲労やストレスが重なると、唾液の量が減って口内炎になりやすくなります。

 また、外傷が原因でない場合もあります。疲労・ストレスそのものが引き金になって、口内の新陳代謝が低下して潰瘍ができることがあります。傷と同じように潰瘍の部分に細菌が繁殖して、口内炎になるということです。

 治療のためにビタミン剤を使うことがありますが、ビタミンB2不足による口内炎は、全体の10~20%程度ということですから、後の80~90%の口内炎には効果はありません。また、ステロイドの塗り薬は炎症を抑える働きがあるので、痛みが強い場合は有効ですが、同時に免疫細胞の働きを抑えるので、細菌を除去することにはならないそうです。

 治療法は、口内で繁殖した細菌を取り除くことにあります。殺菌成分入りの洗口液でクチュクチュとうがいをするのが、一番効果があるようです。日常的な予防としては、歯磨きと合わせて水でうがいすることで十分ではないかと思います。

 私も以前はときどき口内炎になっていたのですが、最近めったにならないので、不思議に思っていましたが、この放送をみて謎が解けました。実は、歯槽膿漏対策のため、かなり長い期間をかけて、しかも丁寧に歯磨き指導を受けました。そして食事のたび歯を磨くようにしていることが、おそらく口内細菌の過剰な繁殖を抑えることになっていると思われます。

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頚椎サブラクセーションの矯正⑥

 グラント・レイド氏のサブラクセーション・タイプ1の矯正法の勉強、腰椎からはじまって、骨盤、胸椎、頸椎と順不同で、見てきました。今回の下部頸椎側屈矯正法で、いよいよ最後です。

下部頸椎側屈矯正法 Lower Cervical Lateral Break

例)LC-R
 PP:仰臥位
 DP:患者の頭側
 CH:中手指節関節
 CP:下部頸椎横突起
 SH:患者の側頭部
 TP:P-A
 LOD:L-M

  1. 検査
    症状:右または両側
    視診:左側屈がある
    SP:右側に痛み
    MP:右側屈で棘突起が左側に移動しない
    ROM:左回旋可動域の減少 
  2. 矯正方法
    ①患者は仰臥位。術者は、患者の頭側。
    ②右中手指節関節を患者の右頚部に置き、患者の後方から前方に皮膚の緩みを取る。
    ③左手を患者の左側頚部に置く。
    ④回旋しないで、患者の頭と首を右側屈させながら、術者は右側に移動する。
    ⑤上部頸椎側屈矯正法より、側屈を多く加える。
    ⑥以下を確認する。
     A)両肘を張る。
     B)両前腕は患者の肩と平行。
     C)両前腕は床と平行。
     D)術者の位置は患者の頭と垂直。
     E)患者の鼻は上方に向ける。
    ⑦関節の最終可動域は側屈。そこからスラスト。

 側屈の減少を検査で見つけたとき、あるいは姿勢で頸椎の側屈が見られたときにこのアジャストを行なう。それ以外ではあまり使用しない。
(参考:グラント・レイドD.C.著『カイロプラクティック・マニュアル』)

 『カイロプラクティック・マニュアル』で紹介されている矯正法のポイントは、矯正する関節の最終可動域の体勢へともっていって、そこからスラストすることです。これまでの施術でも当然、体勢としては行なっていましたが、その意味を改めて、解剖学的に深く学び直すことができました。

 静的検査(SP)の方法とリスティングのとらえ方については、これまで行なっているガンステッド・リスティング・システムと比べながら、もう少し研究を進めてみたいところです。また、矯正法についても、リスティングの取り方によって相違があるので、合わせて検討してみようと思います。

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立ち往生する スギ花粉症を和らげる「遺伝子組み換え米」の研究

 農林水産省が資金投入して農業生物資源研究所などが行っていた、スギ花粉症の症状を和らげる働きを持たせる「遺伝子組み換え米」の研究・開発が立ち往生。お蔵入りする可能性もあるということです。

 スギ花粉アレルギーの原因物質であるスギ花粉タンパク質の遺伝子を、コメに組み込んだ新しい品種をつくり、コメを食べることで、時間をかけてアレルギーに慣れさせるということです。減感作療法を、食べ物で行うということになりますか。実際に、ネズミを使った実験では、クシャミの回数が3分の1に減ったということです。

 ところが、一昨年(07年)1月に厚生労働省から、「花粉症の原因物質の遺伝子に組み込むことは治療目的そのもの」と、食品ではなく医薬品として開発するよう指摘があったそうです。医薬品となると、人への臨床試験を行なって、効能や副作用、服用するべき量などを調べなければならなくなるということです。

 毎日何気なく食べているコメで、アレルギー体質が改善できるのなら、それに越したことはありません。しかし、そうはいっても、確かに病気を治療する「医薬品」になりますね。どれだけ食べれば良いのか、摂りすぎは問題ないのか、副作用はないのか、やっぱり心配です。おまけに、遺伝子組み換えということになると、長期間食べ続けたときに問題はないのかという不安もあります。

 スギ花粉症がここ数十年で多発していることについては、日本の国土に杉の樹が多すぎることや、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粉塵などが影響していると聞いたことがあります。その辺の研究をもっと進めて、花粉症対策を講じることの方が、安心できるような気がしますが・・・。(参考:『asahi.com「医療・健康」』2009年2月28日のページ)

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ブログ執筆のコツは、よく考えることかも

 ブログのネタには相変わらず苦労しますが、しばらく続いたひかり回線の遮断という電子情報からの「謹慎」状態から学ぶことがありました。はじめの内は、書き続けられるかと不安がありましたが、少ない情報でも何とか持ちこたえることができました。それどころか、いつも2~3件先行して書くことができるほどで、その日暮しだった電子情報がふんだんにあるときよりも余裕がありました。

 一番の理由は、ネタ探しも含めて、ネットのいろんなところに首を突っ込んで、これでもないあれでもないと、こっちへいったりあっちへいったり、時間を浪費することがなかったというか、できなかったからではないかと思います。情報が少ないから、ちょっとしたことに噛み付いて、一生懸命ネタとして考えざるをえないようになります。

 これは、今後も生かして続けたい方法です。はじめから情報に寄りかかるのではなく、感性のアンテナを大きく拡げておいて、引っ掛かったことをしっかり受け止めて、そこから考えて行くことが大切なようです。よく考えてテーマをはっきりさせておけば、いざ文章を書く段になっても、ワープロ上を右往左往することがありません。

 それにしても、いちばん文章にしやすいのは、自分で体験して、感じたり考えたりしたこと。そのまま記事になります。そして、他の人との対話。直接会話にかかわらなくてもです。何気ないようなことでも、身近で必要な情報を交換していることが多い。あふれるようなネット情報は、必ずしも、いつも心に響いて、考えさせるものであるとは限らないようです。

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大切にしたい 心の底から人に喜んでもらいたい気持ち

 山本一力氏の作品は、ほとんど江戸時代の庶民の生活を描いたものです。どれを読んでも、ほのぼのとした気持ちになれて、はずれることはないのですが、逆にどの作品を読んでも、あまり強いインパクトを感じない、それほど変わらないような印象をもってしまうという半面を持っています。

 いま、『銀しゃり』という寿司職人を主人公にした作品を読んでいます。これも同じような調子ではあるのですが、山本作品に改めて気がついたことが2つあります。この記事では、ひとつだけ書くことにします。

 それは、主人公の新吉が信頼を寄せている武家、小西秋之助に仕えている下男と下女のふるまいに関することです。主人の秋之助はとても好人物で、ふたりとも尊敬しています。あるとき、秋之助に嬉しいことがあって、ふたりも命令された以上のことをします。何気ないことですが、それは、媚ではなく、仕える人に心から喜んでもらいたいと思ってのことです。

 決して、自分の利益を根底において、そのために相手に尽くすというのではないのです。会社や組織などに勤めると、目上の人にあれこれ気を使うよう指示を受けることがありますが、人から強要される行為というのは本物ではないでしょう。そういったことで、気を使われた人も、当たり前と考えるだけで、心から喜ぶとは思えません。

 江戸時代の庶民の人情といっても、山本氏も想像して書いているのでしょうが、理想社会を描いているのかもしれません。主従関係が軸の封建社会ですが、江戸の町には商品経済が浸透していたことでしょうし、どこまで純粋さが残っていたか疑問です。

 それにしても、現在の社会は、どういう行動をしても何か下心があるかのように考えてしまうようです。テレビのニュースなどでも、ある行為をしたことを報道したとき、必ず「〇〇の狙いがあるものと見られます」というコメントを付け加えるのもそのためかもしれません。

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