« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »

2009年4月

「世界的大流行」のレベルになる可能性がある 新型インフルエンザ

 新型インフルエンザ防止のため、エジプト政府が国内の豚すべてを殺処分にすることを決めたという報道がありました。FAOが決定の再考を促しているということですが、非常事態になると、国家単位でもいろいろな混乱が起きてくるようで、こんな時にこそ冷静になることが大切です。

 今回の新型インフルエンザは、国立感染研究所から、強い病原性を示す鳥インフルエンザにくらべて、感染しても比較的軽症で済む「弱毒性」であるという見解が明らかにされています。また他のウイルス研究者も、毒性は弱く、流行しても重症で死亡する割合は低いのではという指摘をしています。

 ところが、『読売新聞』の「新型インフル『弱毒性』でも警戒必要」という記事によると、ことはそう単純ではないようです。しかも、メキシコを訪問したことのない感染者の発生やスイスでも新たな感染者が発生したことなどから警戒水準を、世界的大流行を表すPhase6への引き上げの可能性も取りざたされている状況らしい。

 しかし、たとえ毒性が弱いとしても、今回の新型ウイルスは、ほとんどの人が経験したことがなく、免疫を持っていない。今後、世界各地で、爆発的に感染が広がる恐れがある。国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長は「毒性が弱く、重症化率が低くても、多くの人が感染すれば死亡者数は増える。弱毒性の方が感染に気づかないうちに周囲に広げる危険性が高い。マスクをするなど、感染拡大を抑えることが大事」と指摘する。
 さらに、インフルエンザウイルスは、遺伝子が変異しやすい。大流行して人間の間で感染を繰り返すうちに、弱毒性が強毒性に変わることも考えられる。1918年から19年にかけて世界で4000万人以上の犠牲者を出した「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだった。
 外岡立人・元小樽市保健所長は「弱毒性と安心せず、毒性がどう変化するか、今後も、注意する必要がある」と強調する
。(『読売新聞』2009年4月30日より抜粋)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

たとえ弱毒性であったとしても、気をつけたい新型インフルエンザ

 豚インフルエンザから変化した新型インフルエンザ。発生国のメキシコに限られていた死者が、隣接するアメリカ・テキサス州でも確認されたため、WHOが警戒レベルをPhase5に引き上げました。

 メキシコでは150人を超える死者が出ているにも拘わらず、感染者を出している他の国では死者が少ない(今のところ1人だけ)ことが、疑問視されていました。メキシコだけ突出した数が出ていることから、メキシコ国内と国外のものとは毒性が異なるインフルエンザではないかなどの憶測も出されているようです。

 WHOの研究者からも、インフルエンザの遺伝子を分析したところ、鳥インフルエンザに見られるような重篤な全身症状を引き起こす遺伝子に欠けているため、季節性のインフルエンザと同じように呼吸器感染にとどまるのではないかとの見解が明らかにされており、「弱毒性」と見方が広まっているそうです。

 但し、通常の季節性のインフルエンザ程度の弱毒性とはいっても、毎年このインフルエンザで死亡する人も一定数あるわけですから、用心に越したことはありません。しかも、警戒レベルが引き上げられて、世界的な流行の恐れが指摘されているのですから、なおさらです。

 いつもと違って夏に向かおうとする時季、季節外れなので、何となくピンときませんし、今のところ対岸の火事ですが、グローバル化が進んでいる今日、いつこちらの岸に飛び火してもおかしくない状況です。まだ正体がハッキリしたわけでもないようですから、新型インフルエンザに関する情報には、絶えず留意しておきたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パワー段位重量表に照らして、自らのトレーニング・レベルを省みる

 マイペースで黙々と、ウェートトレーニングを続けています。体重の2倍の挙上をめざしていましたが、年齢とともにだんだん目標が遠くなってきたので、最近では無理をして重いものに挑まず、バルクアップに重点を置いてきちんとしたフォームで行なうように心がけています。

 そうはいっても、あまり無理をしないようにしながらも、併せて重量の限界にも引き続き、ぼちぼち挑戦しています。ところが、自分自身にとっては限界なのですが、これまで一般的には、自分がどういうレベルに位置しているのかということがよく分かりませんでした。

 そんな時、『健康・スポーツ科学講義』(出村慎一監修)という本に、「参考までに、日本パワーリフティング協会から出されている各種目(略)の階級差を考慮した段位重量表を示す。この表は、これまでの競技会の成績などに基づいて作成されている。トレーニングの際に参考にしてもらいたい」ということで、「パワー段位重量表」が掲載されているのを見つけました。

 表の見方をもう少し詳しく知りたいと思って、「日本パワーリフティング協会」のホームページを検索してみたのですが、残念ながら、この表を探すことはできませんでした。しかし、おそらく、この表の数値は、引用文献の前後の文章から判断すると、「1RM」でしょう。

 この表を見て、自らのトレーニングを省みてみると、いつも難渋しているベンチプレスは一定のレベルにありますが、まだ余力を残しているのかスクワットとデッドリフトが弱いことが分かりました。これからの新たな目標が見えてきたようです。

 パワー段位重量表:「power.pdf」をダウンロード

| | コメント (0) | トラックバック (0)

脳の神経細胞の定着には、頭と身体を積極的に使うことがカギ

 神経細胞は発育期に一度形成されると、それ以上増えることはなく、アポトーシスで少しずつ減るばかりと思っていましたが、10年くらい前に、脳の海馬という部分では新生することが明らかになっていたようです。そして学習をすることを通じて、その神経細胞が消滅せずに神経回路に組み込まれることになるらしい。

 『日経サイエンス』2009年6月号のページに、脳の神経細胞の生き残りについて論じた「鍛えるほど頭はよくなる 新生ニューロンを生かすには」という記事の要旨が紹介されています。

 「○○で脳を鍛えよう!」テレビや雑誌やウェブではおなじみのフレーズだが、この一見怪しげな宣伝文句を裏付けるようなデータが最近の神経科学の研究から得られている。ラットやマウスの実験によると、新しいことを学習することで、海馬の「新生ニューロン」がより生き残りやすくなることがわかっている。
 かつては、成体の脳にはニューロンを作る神経幹細胞がないため、ニューロン新生は不可能と考えられていた。しかし10年ほど前、記憶や学習をつかさどる海馬では日常的に神経細胞が新生しているという驚くべきデータが報告された。ニューロン新生という“脳の再生能力”を活用すれば、事故や病気による脳損傷や高齢化で衰えた脳をよみがえらせることができるかもしれない。
 ところが困ったことに新生ニューロンの多くは生き残ることなく、わずか数週間で消えてしまう。どうすれば新生細胞を救うことができるのか。その答えが「学習」だ。学習という負荷を与えることで、新生ニューロンは既存の神経回路に組み込まれ、ネットワークの一員として生き残る。逆に新しいことを学ばなければ、回路に加われずに消滅していく。また問題に集中し、より難易度が高い問題に取り組むほど、生き残るニューロンの数は多くなる。さらに,新生細胞の誕生後、1週間後から2週間後に行われた学習が、新生細胞の生き残り率を最も高めることもわかっている。
 アルツハイマー病では、海馬のニューロンが変性することで、記憶や学習能力が低下する。新生ニューロンが誕生しても、多くは成熟せずに消滅してしまうようだ。ニューロンの新生や成熟の過程に問題があるのか、あるいは学習能力が損なわれているために新生ニューロンが生き残れないのかもしれない。だがいくつかの朗報もある。最近の研究から、有酸素運動や抗うつ薬投与がアルツハイマー病患者の機能を全般的に高めることが報告された。これは新生ニューロンの発生や生存が促されるためではないかと考えられている。

 有酸素運動についても触れられていますが、脳の健康のためには、積極的に頭や身体を使うことが大切なようです。問題は、アルツハイマー病などの認知症の場合、ウツをともなうことが多く、そのため何ごとにつけても、積極的な意欲をもてないことがあることです。おそらく、そういう場合は、「抗うつ薬投与」が役立つことになるのでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

なぜO脚を内反膝、X脚を外反膝というのか

 O脚のことを内反膝、X脚のことを外反膝とも言いますが、語感からするとどうも逆をイメージしてしまいがちです。O脚は膝が外方に曲がっているのに内反膝、X脚は内方に曲がっているのに外反膝です。日常的な感覚では、何となく違った感じを持ってしまいます。

 しかし、考えてみると、母趾の付け根が内側に飛び出しているにも拘わらず、母趾が外方に反っていることから外反母趾と言います。これと同じように、身体のまん中を通る正中線を基準にして、膝関節を構成している脛骨が、内方か外方かのどちらに反っているかということから考えると分かりやすいようです。

 つまり、内反膝の場合、膝関節の内側の半月板や関節軟骨が摩耗、剥離、損傷など変形することで、関節内側の間隔が狭くなり、脛骨先端が内側に傾いてきて、膝が外側に張り出して曲がった状態になります。同じように外反膝の場合は、膝関節の外側が狭くなり脛骨が外側に傾くため、膝が内側に張り出して曲がったような状態になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

緊張型頭痛を引き起こす筋肉

前頭筋
 付着 起始:眉上の皮膚ならびに部分的に眼輪筋および鼻根 停止:帽状腱膜
 作用 眉を引き上げ、額にシワを寄せる。後頭筋とともに、頭皮を後方へ動かし、額の皮膚を持ち上げ、髪を逆立たせる。
 関連痛領域 痛みは局所的で額に放散する。

後頭筋
 付着 起始:後頭骨の上項線 停止:帽状腱膜
 作用 帽状腱膜を固定し、頭皮を後方へ引っ張る。
 関連痛領域 頭の後面と上面に局限して痛みを発する。同側の目に関連痛を引き起こす。

眼輪筋
 付着 起始:内側眼瞼靭帯、前頭骨および上顎骨、ならびに瞼の組織 停止:眼窩
 作用 意識的に瞬きをし、素早く瞼を閉じる。目を細める。
 関連痛領域 目の上から鼻の横。

側頭筋
 付着 起始:側頭窩の骨と筋膜 停止:下顎の筋突起と下顎枝の前縁
 作用 顎関節を上げる。側頭部と下顎骨をつなぐ。
 関連痛領域 側頭部、眉の部分、頬、門歯および臼歯の全部または一部。

胸鎖乳突筋
 付着 起始:胸骨頭は胸骨柄の前面。鎖骨頭は鎖骨前面の内側3分の1
     停止:後頭骨の乳様突起の外側と上項線の外側半分
 作用 両側:頭と頚を安定させる。頚の過伸展と頭の後方への動きを阻止する。頚を屈曲させる。嚥下や呼吸にも関係する。
     片側:反対側に顔を回旋させる。顔を上に向ける。僧帽筋とともに、頭や頚を横に向かせる。
 関連痛領域 胸骨頭:後頭部、目の上の弓、頭頂、頬、顎および額の下。鎖骨頭:耳および耳の後方、前頭部。

僧帽筋
 付着 僧帽筋上部 起始:上項線、項靭帯と第1~第5頸椎の棘突起 停止:鎖骨の外側3分の1 僧帽筋中部 起始:第6頸椎~第3胸椎の棘突起と靭帯 停止:肩甲骨の肩峰と肩甲棘の上面 僧帽筋下部 起始:第4~第12胸椎の棘突起と靭帯 停止:肩甲挙筋の起始部に近い肩甲棘の内端
 作用 肩甲挙筋とともに肩甲骨を上げる。肩甲骨を上回旋させる。肩甲骨を引く。肩甲骨を下げる。両側:頭頚部を伸展させる。片側:頭頚部を回旋させる。
 関連痛領域 肩に位置する僧帽筋上部のトリガーポイントは、首から乳様突起、耳から側頭部にかけて痛みを生じさせる。また、下顎角の方へも痛みを生じさせる。僧帽筋中部と下部のトリガーポイントは、上背部を超えて頭蓋底の後頚部に、また左右の肩甲間に痛みを生じさせる。僧帽筋中部、特に肩峰近くの外端にかけてのトリガーポイントは、腕(近位と肘下部分)の外側に痛みを生じさせる。

頭半棘筋、頚半棘筋、頭最長筋
 付着 起始:第1~第6胸椎(頭半棘筋はさらに第3~第6頸椎)の横突起 停止:頚半棘筋は第2~第5頸椎の棘突起。頭半棘筋は後頭骨底部。頭最長筋は頭半棘筋の外側。
 作用 頭半棘筋および頭最長筋:頭部を伸展する。頚部を同側、側曲させる。頭が前傾した場合、頭を支える。頚半棘筋:頚部を伸展させる。頚部を側曲させる。頭部を反対側に回旋させる。
 関連痛領域 頭半棘筋および頭最長筋:側頭部、特に側頭部の前部。頚半棘筋:頭部後面(典型的な緊張型頭痛)

頭板状筋、頚板状筋
 付着 起始:第3頸椎~第6胸椎の横突起 停止:頚板状筋は第1頸椎、第2頸椎の横突起。頭板状筋は乳様突起と乳様突起近くの後頭骨の一部。
 作用 頚を伸展させ、同側に頭を回旋させる
 関連痛領域 頭板状筋:頭頂部 頚板状筋:目、側頭部、耳から後頭部、首の顎角部。

後頭下三角(上頭斜筋、下頭斜筋、大後頭直筋)
 付着 上頭斜筋 起始:第1頸椎横突起 停止:後頭骨下項線 下頭斜筋 起始:第2頸椎棘突起 停止:第1頸椎横突起 大後頭直筋 起始:第2頸椎棘突起 停止:後頭骨下項線外側部
 作用 頭を伸展かつ回旋させる。頭を同側に傾ける。
 関連痛領域 後頭部。側頭部から目にかけた部分。

参考:『クニリカルマッサージ』、『ボディ・ナビゲーション』

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ワシもブラックアウトしたことがあるのだ

 パカポンのパパなのだ。スマップの草なぎ君が、真夜中の公園で裸になって騒いだので、オマワリさんにタイホされたのだ。テレビで偉い先生が、アルコールを飲みすぎてブラックアウトしたのではないかと言っていたのだ。

 ブラックアウトというのは、酔っ払ったときに記憶がなくなることなのだ。アルコール依存症という病気が進むときによく起きるのだ。でも、そうでない普通の人が飲みすぎてもなることがあるのだ。数分から数時間、ひどいときは何日間ものことを覚えてないことがあるのだ。

 実は、ワシも若いときに一度だけ、ブラックアウトしたことがあるのだ。気持ちよく飲んでいたつもりだったのに、目が覚めたら見慣れないところにいるのだ。あたりをうかがってみると、そこは友達の部屋だったのだ。

 全然覚えていないのだ。オマワリさんのお世話にはならなかったけど、ヘベレケになって、友達や飲み屋の人には、ずいぶん迷惑をかけたらしいのだ。申しわけないことをしたのだ。

 「酔っていたから覚えてない」というのは、よく聞く言葉なのだ。だから、ブラックアウトしている人は、結構いるかもしれないのだ。でも、自分の行動に責任が持てないというのは怖いのだ。お酒を飲むときは、気をつけるのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「薬物乱用頭痛」って

 「頭痛薬は続けて飲まない方が良い」ということをよく聞きます。『きょうの健康』(2009年5月号)に「薬物乱用頭痛に ご用心」という記事がありました。やはり頭痛薬とは言っても、薬物を継続して摂取することは、身体に良くないし、頭痛そのものが悪化するようです。

 薬物乱用頭痛は慢性頭痛のひとつで、片頭痛をもつ人、片頭痛と緊張型頭痛を併せもっている人に起こりやすい。1ヶ月に15日以上頭痛があって、1ヵ月に10日以上薬を飲んでいるという状態が3ヵ月以上続いている場合は、要注意だそうです。

 「片頭痛があると、『また激しい頭痛が起きるかもしれない』という不安から、早め早めに頭痛薬を使い、使用回数が増えがちです。その結果、薬物乱用頭痛が起き、『毎日だらだらと頭痛が続き、ときどき激しい片頭痛に襲われる』という状態になります」(同誌)。

 頭痛薬のテレビ・コマーシャルでは、軽いうちに早めに飲むことをすすめているようですが、それはそれとして、続けて常用するかどうかが問題のようです。「頭痛薬を使いすぎると、脳が痛みに対して敏感になったり、痛みを抑える脳の働きが低下したりして、薬物乱用頭痛が起こると考えられています」(同誌)。

 「薬物乱用頭痛の治療法は、原因となっている頭痛薬の使用を、1~2週間中止すること(断薬)です。使用を中止すると、一時的に頭痛が強くなり、不安に感じることもあります」ということで、記事では、その対応として、抗うつ薬、抗不安薬あるいは種類の異なる頭痛薬の使用をすすめていますが、断薬が必要なときこそ、民間療法の出番になります。

 緊張型頭痛は、首・肩のコリを引き起こす筋肉の緊張と血管の収縮が関連しているので、比較的対応しやすいのですが、片頭痛の場合は、血管が拡張して炎症をおこすといわれています。そのため、緊張型頭痛とは違った対処が必要になります。但し、いずれも交感神経の過緊張がベースになっていることが多いようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

自由と民主主義のためにこそ教育が必要

 しばらく前に『日経メディカルオンライン』の記事の中で、本田宏医師が勧めていた本のひとつ『世界がキューバの高学力に注目するわけ』(吉田太郎著)を読んでみました。キューバの教育実態が、識字運動などの歴史もふり返りながら、リアルに書かれています。

 一番印象に残ったのは、キューバという国が、いろいろ紆余曲折があっても、教育を手放さず教育立国をめざしてきたことです。国家財政がどんなに苦しいときでも工夫して、教育を大切にしてきたようです。

 この本の中では、折にふれてカストロの言葉が紹介されています。教育問題については素人ですが、心に残ったポイントを、順不同ですが引用して考えてみたいと思います。

 「多くの人々は教育の決定的な要素を金銭だと考えている。だが、違うのだ。社会の教育水準こそが決定的なのだ。革命後には何千人ものブルジョア階級やそれにあこがれる人々、教育を受けた教養人がマイアミに向けてキューバを去った。革命は底辺の中から八〇万人もの専門家を育て上げてきたのだ。だが、我々はそこで、教養や文化水準の高い家庭出身者ほど良い学校に進学していることを発見する(略)。革命以来、我々は教育制度を全面的に改革した。非識字者は一掃され、学校に通えない子どもはいなくなり、大学入学も成績と試験に基づくようにした(略)。だが、この後でさえ、両親の教育水準が大きく影響し続けた。最低の所得水準や最低限の教育しか受けていない家庭出身の子どもは、良い学校に入学できていない。つまり、これは何十年も継続する傾向があるのだ。もし、そのまま事態を放置すれば、こうした子どもらは決して重要な社会的地位につけないだろう(略)」

 日本社会でも、親から子への「貧困の連鎖」ということが言われていますが、確かに家庭の教養水準や収入などの問題が子どもに与える影響は大きい。昔は「立身出世」という目的もあったようですが、高学歴者でさえ職に就けなくなることもある状況では、あまり説得力はないようです。

 「『教育されることが自由になる唯一の方法だ』。このマルティの言葉は、いまという時代においてはこれまで以上に意味を持つ。何百万人もの人民が読み書きできないときに、どうして自由や民主主義について語ることができるだろうか。特権階級や支配者たちは世界人民の多くが非識字者や準識字者状態にとめおかれているいことを熱望している。なぜならば、詐欺と偽りが人民を略奪し奴隷化するために選ばれた武器だからだ」

 これが、キューバが国を挙げて教育に力を入れる源になっている考え方かもしれません。今に日本を追い抜くぞと思っていたら、すでに2004年には、ユネスコが教育モデル国として、フィンランド、韓国、カナダとキューバを推薦していますが、残念ながら日本はモデル国に入っていないようです。

 そして教育観について、改めて考えさせられたのが次の一節です。

 「キューバがしつけに厳しいのは、『子どもは大人より無条件に善だ』との米国発のロマン主義とは正反対の教育観を持っているからだ。2002年の新学期に向けた小学校の若き緊急教員の卒業式でのカストロの発言がそれを象徴している。
 『私にとっては、教育とは価値観を蒔くためにある。多くの人々は連帯感、寛大さ、勇気、兄弟愛等を美徳として称賛するが、子どもたちはたいがいこれとは相反する本能を持ってこの世に生まれてくる。生物としての本能を良心が克服するように担保することが教育だ。それは小さな動物を人間に変えることから始まる(略)。みなさんは、この人間社会で最も重要な使命を負っている。家族は諸君らの手に、その最も大切な宝、希望をゆだねるのだ。革命は諸君らに最も重き社会的責務、最も高貴にして最も人道的な仕事を託している』」

 ひとりの人間として尊重しなければならないのは間違いありませんが、子ども時代には、生物としての本能をむき出しにした残酷さを見せることがあります。それを制御することを学んで、人間として生きていけるようにすることが、教育の大きな役割のひとつではないかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

首・肩こり、頭痛などが発生する構造的なメカニズム

 緊張型頭痛、首・肩こりの発生には、姿勢が大きく関与しています。解剖学的にみたそのメカニズムについて、『クリニカルマッサージ』に述べられていることから、学んでいきます。

 われわれの観察するところ、頭痛は頚部の筋肉のトリガーポイントに起因することが多い。そういった頭痛は、トリガーポイントを治療することで、「完全に治る」とは言わないまでも、頭痛の起こる回数や痛みの度合いを減らすことができる。われわれは、矢状正中線よりも前方へ耳が出てしまっている人をよく見かける。このような姿勢は、往々にして後頚部に筋筋膜トリガーポイントを形成する。Simonsは「頭を体幹より前に突き出していると、後頚部はリラックスする暇もなく、絶えず緊張していなければならない。そのため、そのような姿勢は、後頚部の筋筋膜トリガーポイントを活性化させてしまう」と述べている(David G. Simons, MD、2001年9月23日付私信)。しかし後頚部に現れたトリガーポイントだけを治療しても、痛みはめったに止まらない。長期にわたって痛みのない健やかな生活を送るには、姿勢ミスアライメントを引き起こしているもとを全身的に正さねばならない。

 頭が体幹より前に突き出した姿勢を続けていると、本来あるべき頚部の前弯が失われた「ストレートネック」という状態をつくりだしてしまうことがあります。パソコン操作や編み物などをする人で、首の細い、頚部の筋群の弱い人に多く見られます。そして、その前傾姿勢には、あまり日常的な意識にのぼりませんが、大胸筋が大きくかかわっているようです。

 大胸筋は姿勢アライメント、特にChapter 3で述べた「顔を前へ突き出した」姿勢に関して重要な役割を果たす。Simonsは次のように述べている。「顔を前へ突き出した姿勢は多くの場合、肩甲骨を前方に引っ張り、頭を前に猫背姿勢を取らせる大胸筋筋膜トリガーポイントによってもたらされる」(同上)

 大胸筋に拮抗して、肩甲骨を後内側に引く役割を果たしているのが菱形筋です。これは姿勢を正すときに意識する、上部胸椎から肩甲骨の内縁に付着する筋肉です。

 菱形筋は大菱形筋と小菱形筋があり、上背部の痛みの主原因である。肩甲骨を回旋させて肩関節を下げて、肩甲骨を内側に引く。菱形筋は、肩を前方に引っ張る胸筋の力により常に緊張状態にあることを忘れてはならない。このため、菱形筋の緊張は、常に大胸筋の緊張を関連している。

 姿勢が悪くなるのは、直立姿勢をとるヒトの身体構造そのものに原因があり、その中で行なう日常的な作業が筋肉の緊張を引き起こしているようです。

 脊柱を体全体との関連で考察するときには、以下の2つの事実を認識しておく必要がある。
・身体の重心は脊柱よりもかなり前方の骨盤部にある。
・(略)、腕と肩の構造は唯一の関節、胸鎖関節によって骨格に付着している。この付着も脊柱よりかなり前方である。
 この2つの事実は、前方への強い引っ張り力に対して、脊柱とそれに付着する筋肉が、姿勢を維持しなければならないことを示唆している。目の位置と腕の構造のため、実質的にヒトが行なうすべての作用は、頭、腕、および体幹を前方、下方、内方へ動かすことである。このような作用でわれわれの均衡を保つのは、(腰の筋肉に沿った)脊柱の浅筋の仕事である。悪い姿勢、すなわち頭が矢状正中線より前にあり、肩が内側に回旋しており、前肋間筋と腹筋が常習的に短縮している姿勢は、脊柱と後頚部に多大な緊張を与え、結果としてトリガーポイントを活性化させ、痛みを引き起こす。David G. Simonsによれば「筋筋膜トリガーポイントがいつ、いかにして引き起こされるかに関しては確実な科学データはない」とはいえ、「姿勢の問題を矯正することにより、筋筋膜トリガーポイントは解消するか治療が容易になる」ことは周知の事実である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

春の三滝山の風景

 登山道の途中、ツツジやフジが咲いていました。街中に人の手で植えられているような、華やかさはありませんが、一面の緑の中では目を引きます。ヤマツツジとかヤマフジとかいう名前がついているのかもしれません。

 山腹には、大きな岩がむき出しになって、転がっているところがあります。山頂だけではなく、そこからも市街から広島湾に浮かぶ島々まで展望することができます。特に山裾に広がる新緑が美しい。

 そういえば、三滝寺の境内に、紅葉しているカエデが何本かありました。今紅葉しているということは、冬に葉が落ちなかったのかもしれません。秋にサクラが咲くことがありますが、季節外れの春の紅葉も一般的なのでしょうか。

    Imgp2681_editedImgp2701_editedImgp2672_edited Imgp2692_editedImgp2682_edited

Imgp2700_edited

| | コメント (0) | トラックバック (0)

三滝寺の個性的な石仏たち

 春の三滝山に登りました。少しハイペースだったためか、下山するころには左膝と右大腿部にちょっとした痛みが・・・。結構ハードでしたが、ウグイスの声を聞きながら、さわやかな新緑に触れることができました。

 登山道の入り口と出口は、三滝寺を通るコースなので、境内を通る道のそばに置かれた数え切れないほどの石仏を見ることができます。それぞれ個性的で、いろんな顔や姿をしています。目に留まったいくつかを写真に。

 横になってゆったりしていたり、眉間にシワをよせていたり、仲良くよりそっていたり。朝ドラの“つばさ”によく似た像もありました。 それぞれいろんな思いを込めて造られ、祀られているのでしょう。写真は撮りませんでしたが、花をそえられている小さな子どものような石仏もありました。

Imgp2675_edited

Imgp2704_editedImgp2670_editedImgp2671_editedImgp2673_editedImgp2674_edited

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カイコは美味しいかな

 『日経サイエンス』のページ、「NEWS SCAN」2009年5月号に「カイコを宇宙食に」という記事が紹介されていました。

 惑星間旅行となると、宇宙飛行士に食物と酸素を供給するために小さな生態系を宇宙船に積み込む必要があるだろう。過去に候補に挙がった食べ物としてはニワトリと魚のほか、カタツムリやイモリ、ウニの幼生などがあるが、どれも難点がある。例えばニワトリは多くの餌とスペースを食うし、水生生物は水の状態に敏感なので管理が難しい。
 北京航空航天大学の科学者たちはカイコの採用を提案している。中国の一部地域ではカイコを食用としている。カイコは繁殖が速く、場所や餌、水をあまり必要とせず、排泄物もわずかで、その排泄物は宇宙船内の植物の肥料として使えるかもしれない。さなぎは大部分が食べられるタンパク質で、必須アミノ酸を豚肉の2倍、鶏卵や牛乳の4倍も含んでいる。生糸も化学処理によって消化可能にできるだろうと研究チームはみる。Advances in Space Research誌オンライン版2008年12月24日号に報告。

 以前、森林公園にある昆虫館に行ったとき、たまたま昆虫を使った料理の試食が催されていました。いくつか揃えられていたのですが、その中でイナゴの佃煮とハチの幼虫の炊き込みご飯を食べることに。地方によっては、今でもイナゴなどは食べているところがあると聞いたことがあります。これまで口にしたことがないので、めずらしく感じましたが、残念ながら、さほど美味しいとは思いませんでした。ちょっと薄味だったからでしょうか。

 それにしても、カイコですか。サナギの栄養価が高いようです。中国では食べているところもあるんですね。蛾の幼虫ですがあまり将来の姿を想像せずに、割り切ってしまえば、あるいは他に食べるものがなければ、調理の仕方次第では美味しく食べることができるのかもしれません。でもカイコのサナギって、どんな味がするんでしょう。但し、惑星間旅行となると、まだしばらく先の話と思いますが、いろいろなことを研究しているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

解剖学の学習⑦ 大腿部の筋肉

 今度は、大腿部筋群の構造と作用について、『クリニカルマッサージ』の「大腿部の治療に当たって」という総論部分から学んでいきます。

 大腿部の強靭な筋肉は、前面(大腿四頭筋縫工筋)、後面(ハムストリングス筋)、外側(大腿筋膜張筋腸脛靭帯)、および内側(股関節内転筋)の4つの基本グループに分類される。大腿部の痛みは、骨盤内やその周囲の上層筋や下腿が原因であることもあるが、大腿部の筋それ自体が痛みの源である場合もある。

 大腿部の筋肉は、その主要機能が膝関節の運動や固定であることから、膝の痛みの主な原因となる筋である。膝をコントロールすることと大腿直筋と股関節内転筋が骨盤の位置に影響を及ぼすという2点から、姿勢の維持にとって大腿部筋は非常に重要である。

 大腿直筋は、上前腸骨棘(ASIS)に付着し、長内転筋短内転筋恥骨筋、および薄筋はすべて恥骨前面に付着する。このため、これらの筋肉はすべて骨盤の前方回旋に寄与している。一方ハムストリングス筋は、坐骨結節に付着し、骨盤を引っ張って後方回旋させることができる。大腿四頭筋とハムストリングス筋が互いに拮抗筋であるという場合、膝関節の屈曲と伸展におけるその反対の機能を念頭に思い浮かべているが、この2つの筋肉は骨盤の位置決めにおいても拮抗筋である。

 大腿部筋群の相対的な緊張は、寛骨臼内にある大腿骨頭の位置も決定し、それによって立位や歩行時の位置や動きも決定する。また大腿四頭筋群は、膝蓋骨を取り囲む共通腱によって脛骨に付着するので、これらの筋肉は膝蓋骨の位置を決定する。大腿四頭筋とハムストリングス筋はともに、膝関節にかかるストレスの位置とバランスを制御する。

 引用文の段落の一部を引用者が変更しています。なお、大腿直筋の付着部(起始)は、少し下にある突起、下前腸骨棘(AIIS)の間違いです。この後の大腿四頭筋の各論部分では、正確に記述されています。

 大腿部の筋群が、膝関節と大腿骨頭、さらに骨盤の位置にも影響を与えるということです。これまで、骨盤の位置にかかわる筋群として、脊柱起立筋群、腰方形筋、腸腰筋、股関節外旋筋、臀筋などを見てきましたが、大腿筋群もその一翼を担っています。特にその中でも、付着部と作用から、大腿直筋と股関節内転筋群が前方回旋に、ハムストリングス筋が後方回旋に関与しているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

何ごとだろう? 夜の街に響く鳴り止まぬ音

 昨夜、夕食を食べていたときです。娘がテレビの音を消して、「何か音が聞こえる」と言い出しました。確かに、静かにしてみると、ビーという連続した音が聞こえます。はじめは、家電製品の電源の切り忘れか何かかと思って、家の中を探してまわりましたが異常なし。音源はどうも家の中になく、窓の外にあるようです。

 集合住宅なもので、これまでガス探知機などのアラームが鳴ったりしたことがありますが、今回は音色が違います。いつもとちがう連続音です。念のため消火栓の格納器などを開けてみましたが、音は出ていません。隣の人も、音に気づいたようで、ベランダに出てきました。

 そして、今度はベランダから建物の上下の様子をみて、さらに外を見てみると、音は隣接している公園の方から聞こえてくるようです。公園には公衆トイレがあって、そこには非常ベルが設置されています。「ひょっとすると、そこからの警告音かもしれない」と思い、階下に下りて出てみることに。

 ところが、公園に来てみると、トイレは静か。音源はもっと前方、少し離れたところにあるようです。さらに進んで行くと、ボンネットを開けた乗用車が路上に止まっているのが見えました。周りに数人がうろうろしています。話を聞いてみると、故障でクラクションの音が止まらなくなったことが原因でした。

 そばにいると、耳を手で覆っていないと、頭が痛くなりそうな音です。どうしたものかと思っていると、誰か知恵者が、バッテリーから端子をはずせば良いとアドバイス。私もすぐ納得して、手で試してみましたが、しっかり止めてあるので簡単には緩みません。そこへ近所の人が工具を持ってきて、端子をはずしたところ、ようやく騒音は治まりました。

 少し遠くでは異様な連続音、近くではけたたましい騒音でしたが、大したことではなくて良かった。でも、風呂上りの上にしかもあまり着込まずに、急いで飛び出してきたので、帰り道にはちょっと寒くなってしまいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

腕神経叢が圧迫される神経型胸郭出口症候群

 脊髄神経は、脊柱管を出た後、前枝、後枝、白交通枝に分かれます。そのうち前肢は分岐して四肢の骨格筋とその皮膚、体幹の腹側と外側の皮膚に分布していきますが、そのときに複雑な網状の神経叢を構成することがあります。神経叢は、頸神経叢、腕神経叢、腰仙骨神経叢などに分類されます。

 腕神経叢は、第5、第6、第7、第8頸神経と第1胸神経から形成されたひとかたまりの束です。脊柱管を出て、前斜角筋と中斜角筋、第1肋骨の間を通り、次に鎖骨の下をくぐり、さらに肩甲骨の烏口突起と小胸筋の間も通ることになります。そして橈骨神経、筋皮神経、尺骨神経、正中神経などに分かれていきます。

 この腕神経叢の通り道が胸郭出口と呼ばれている部分で、鎖骨下動脈と鎖骨下静脈も通っています。この通り道が、斜角筋や小胸筋の硬結、第一肋骨や鎖骨がつながっている関節の変位によって狭くなると、神経や血管が圧迫されて、胸郭出口症候群を引き起こすと言われています。

 特に腕神経叢が圧迫されると、首や肩の痛み、コリ、鎖骨上と前胸の焼けるような痛み、腕の小指側の感覚異常や痛み、母指球または小指球のしびれなどの症状が出てくることがあります。場合によっては、自律神経に異常が出てくることも。

 前斜角筋の場合、停止部が第1肋骨の上内縁、中斜角筋の場合は上外縁にあるので、硬結が続いた場合、筋肉そのものによる神経叢への圧迫とともに、第1肋骨が上内方もしくは上外方変位を引き起こして、胸郭出口をさらに狭くしている場合が多く見受けられます。

 前斜角筋・中斜角筋および小胸筋などを中心に頸肩部諸筋群の調整と、関節の矯正を行なうことで、原因となる問題からは解放することができますが、圧迫によって腕神経叢が炎症を起こしている場合は、症状が改善するまでには時間が必要なようです。

 ただ、胸郭出口症候群の中で最も多いと一般的に言われている肋鎖症候群。第1肋骨と鎖骨の間で神経や血管が圧迫されるということですが、第1肋骨と鎖骨が交叉しているのは胸鎖関節に近い一点だけで、ほぼ接している様な隙間がほとんどない状況ですし、しかも神経や血管は首から腕方向に走っていることをみると、どうも今ひとつ納得がいきません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハチャメチャニセ教師の愉快な話 『School of Rock』

 バンドを首になったロック・ギタリストが、偽って友人の代わりに代用教員として小学校へ着任。そこで、まったく経験のない子供たちにロックを教えることに。やがて子供たちと心をかよわせて、ついにコンテストで演奏。大反響を引き起こします。

 何やら邦画の『スウィング・ガールズ』を思い出しますが、ロックが取り扱われているところが面白い。ロックというと大音響で叫びまくる、騒々しい音楽という印象があって、これまであまり興味を持って聞いたことがありません。

 しかし、この映画の中で、日ごろ思っていることを、ニセ教師のデューイが子供たちに歌わせる(叫ばせる)シーンがあります。学校や親から強制されていることに対する反発やいじめっ子に対する抵抗の言葉を思う存分吐き出すところは、見ていてスカッとします。

 確かに、楽器を大きな音で演奏しながら、普段なかなか言えないことを大声で叫ぶことができたら気持ち良いでしょう。ストレス解消になることは間違いなし。それを耳にする人も、その気持ちが共有できれば、気分が良いかもしれません。そうでなければやっぱり騒音ですか。

 それと、感心したのは、ニセ教師のクセに、子供たちを叱ったりせず、その良いところを見つけて、裏方も含めて演奏の適材適所に着けているところです。しかも頭ごなしでなくて、しっかり話を聞き、ときには励まして・・・。それが自然にできるというのは、やっぱり民主主義が、根付いているんですかね。これからでも、親業として、かくありたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

民間療法検索サイトなどの店舗所在地等の情報変更にひと苦労

 この2月から、新しい店舗に移転して施術を行なっています。これまで来店いただいた方には、すぐにハガキで通知して、ホームページも1月末日に所在地を変更・訂正しておきました。ところが、光ファイバーの接続が2月下旬になったため、民間療法などの検索サイトに出している店舗情報を変更するのが少し遅くなってしまいました。

 インターネットに接続できるようになってから、少しずつ変更しはじめましたが、そうは言っても、オフィシャルサイトを変更しているから大丈夫と思っていました。ところが、このところインターネットで検索された方のうち何人か、民間療法検索サイトを見て、前の所在地をたずねて来られた方があったので、急ぐことに。

 登録するときは1件ずつなので良いのですが、まとめていくつかの項目を変更するとなると、結構手間がかかります。それぞれ登録した項目・表現が違いますし、さらに旧店舗の写真を掲載したサイトには、差し替えが必要になります。それに変更するのに、IDとパスワードが必要なところ。別途メールでの連絡が必要なところ。登録者からの変更を受け付けないところ。変更手数料が必要なところなど、多種多様です。

 変更画面にログインしようにも、ずいぶん前のことなので、パスワードのアルファベットが大文字だったか、小文字だったか忘れていたり、「1」と「I」や「0」と「O」、「2」と「z」の区別がつかなかったりして、うまくログインできなかったりします。そうこうしながらも、ようやく大方の変更は終わったのですが、まだいくつか残っています。

 おまけにそれだけでなく、知らない間に地域の電話帳サイトや地図検索サイトなどに、掲載されていることもあります。これは手の打ちようがない、お手上げのような気もしますが、それでも連絡先を、探し出して、変更するよう手を打ってみますか。掲載されているサイトそのものがはっきりつかめていないので、時間がかかりそう。

 しばらく、といってもかなり長期間にわたるかもしれませんが、ネット上に古い所在地と新しい所在地が混在することになってしまいそうです。民間療法などの検索サイトは、たいていリンクしていますので、基本的には、「あおぎりカイロプラクティック」のオフィシャルサイトを見ていただくことにして、変更されていないサイトの情報をご覧になった方には、予約の電話をいただいたときに、案内させていただく以外になさそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

涙なしには聞けない 『手紙~親愛なる子供たちへ~』

 今朝NHKのニュースで紹介されていた『手紙~親愛なる子供たちへ』。ほんの少しだけの放送でしたが、心を打つものがあったので、早速“youtube”で探してみたところ、全曲バージョンがありました。http://www.youtube.com/watch?v=DNuEUygU1vA

 「千の風になって」と同じように、作者不詳の外国の詩が元になっているようです。その詩に、よく知らない人ですが、角智織さんと樋口了一さんが日本語で訳詞をつけ、樋口了一さんが作曲して、さらに樋口了一さんが歌っています。

 淡々としながらも、リアルな事柄が詠われているので、鼻歌で気軽に口ずさめるような曲ではなく、どちらかといえば少し重みのある内容です。でも、自分の心構えを戒めるために、たまに聞いてみたい曲になりそうです。

 作品へのコメントを読むと、介護したことがある家族や介護職従事者からのメッセージが多い。介護や世話をしていると、お年寄りの失敗に対して、ついつい辛くあたってしまいがちです。そんな人の心に、ふとふり返らせるものがあるようです。

 日本の社会は、これから高齢化がさらに進みます。誰しもいずれ年をとって高齢者として、生きていくことになるわけですが、できるだけ人の世話にならないよう生きていたい。でも、認知症になると、自分を制御することができなくなって、介護される側になるかもしれない。

 そりゃ大きくなるまでという限りがあって、どんどん成長していく育児と違って、限りなく衰えていく過程を介護するのは大変です。確かにきれいごとではすまないでしょう。でも、“give and take” ということではなくて、人間としての出発を助け、育ててくれたことに対する感謝の気持ちを忘れないようにしたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

泣いたり笑ったりできるのは、人間特有の高度な脳の機能

 共同通信社『最新医療情報』のページに、「泣き笑いの効用に注目 認知症の重症化防止にも ストレス消え脳のリハビリ」(2009年4月7日)という記事で、日本医大の研究が紹介されています。http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/090407honki.html

 泣いたり、笑ったり、普段何気なくしていることですが、「それまでの体験や学習を基に、面白いか悲しいかなどを判断することで初めて生じる生理的現象」で、「動物と違い前頭葉が発達した人間特有のもの」ということです。そういえば、人間以外の動物が泣いたり笑ったりしているのはあまり見かけたことがありません。

 アルツハイマー型認知症には、「つい最近のことを忘れるといった記憶力の低下や、時間や場所の認識があやふやになるなど認知機能の障害」。さらに「不安や抑うつ、怒りっぽくなるなど性格の変化を伴うこともある」といった特徴があります。

 「こうした症状は、脳で記憶をつかさどる海馬や情緒をつかさどる扁桃体から、空間の認識などにかかわる頭頂葉、思考や意欲、想像力など高度な働きを持つ前頭葉、言語理解などの機能を持つ側頭葉へと、大脳の障害が進むにつれ順々に起きてくると考えられている」ということです。

 ところが、泣いたり笑ったりすることで、前頭葉の血流が増えて活動が活発になることが分かりました。脳の機能が極端に低下していなければ、認知症を予防することができることもあるそうです。副作用はないので、大いに笑ったり泣いたりした方が精神衛生上良いということです。

 最近は、もっぱら怒ったり悲しんだりです。笑うことが少ない。お笑い番組を一本見ても、1回鼻先で笑えるかどうかですね。つまらないギャグを連発しているということもありますが、気持ちが落ち着いて、テンションがあまり高くないのは確かです。

 「人間特有のもの」ですから、特に「笑ったり」をもっと活用したい。景気が悪くてそれどころじゃないですが、いつも眉間にシワを寄せてばかりいないで、たとえカラ元気でも、声を出せば笑い声なるくらい陽気で前向きな生活をしてみるもの良いかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

右大腿四頭筋打撲で、膝がガクガクして歩きにくくなる

 バーベルを右大腿部に落としてしまいました。昨日、パワープレスをしていたときです。プログラムでは一番最初に予定していたのですが、フリーウェイトのスペースが空いてなかったので、メイン以外のトレーニングの後で、行なうことになってしまいました。

 ウォーミングアップのセットを行なって、最後に本番のプレスです。ちょっとしんどかったのですが、何とか挙げて、さらにいつもの自己流レストポーズ法を行なおうとしました。ところがバーベルが肩まで十分に挙がりません。ついに姿勢を制御できなくなって後退、バーベルを落としてしまいました。その時、ベーベルが右側の太股にあたったようです。

 打撲傷です。幸いにも、内出血するほどではありませんでしたが、安静にしていても少し痛みます。歩くと膝がガクガクしてしまいます。特に階段を降りるのが辛い。いかに大腿四頭筋が、膝関節をガッチリ支えているか、身をもって体験。打ち身でこんな状態になるとは、思いもしませんでした。

 キネシオテープを貼付したので、今日は、痛みはかなり軽くなりましたが、動かすとまだ違和感がありますし、太股を前から押すと痛みます。それに依然として歩きにくい。昨日は流れからとはいえ、どうも事前に筋肉を疲れさせすぎたようです。決断が難しいところですが、いつもより調子悪いと感じたときには、無理をしないのが一番です。

 そもそも、バーベルを肩まで挙上するのに全身の力とタイミングが求められる、パワープレスにレストポーズ法を取り入れることそのものが、無理があって危険なのかもしれません。今後どうするか、よく検討してみようと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

解剖学の学習⑥ 股関節の外旋筋群

 股関節の深部外旋筋には、梨状筋、大腿方形筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋があります。梨状筋は、臀筋の深部、かつ坐骨神経の浅部にありますが、それ以外は、坐骨神経の深部に位置します。

梨状筋
 付着 起始:骨盤の前仙骨孔の縁と腸骨の大坐骨切痕
     停止:大転子の上縁
 作用 股関節を外旋。股関節を屈曲したとき大腿部を外転させる。
 関連痛領域 坐骨神経絞扼により脚の後部から足まで全体、ならびに腰部、股関節、鼠径部、会陰部、および直腸にかけて。

大腿方形筋
 付着 起始:坐骨結節の外側縁
     停止:転子間稜(大転子と小転子の間)
 作用 股関節を外旋させる
 関連痛領域 外閉鎖筋とともに、大転子下部のすぐ内側

内閉鎖筋
 付着 起始:閉鎖筋膜と骨盤表面
     停止:大転子の内側面
 作用 股関節の外旋

外閉鎖筋
 付着 起始:恥骨の上棘と下棘
     停止:大腿骨の転子窩
 作用 股関節の外旋

上双子筋
 付着 起始:坐骨棘と小坐骨切痕の縁
     停止:内閉鎖筋の腱を経て、大転子の内側面
 作用 股関節を外旋させ、関節を固定する。
 関連痛領域 なし

下双子筋
 付着 起始:坐骨結節
     停止:内閉鎖筋の腱を経て大転子の内側面
 作用 大腿を外旋させる
 関連痛領域 なし

 ここで、注目されるのは梨状筋です。他の外旋筋と異なり、坐骨神経の浅部を横切るように付着しているため、その過剰な収縮が坐骨神経を圧迫して、梨状筋症候群と呼ばれる神経障害を引き起こすことがあります。

 梨状筋が過剰収縮することで、股関節および坐骨(寛骨下部)が内方へ引き寄せられ、仙腸関節を支点にしてテコの原理で、寛骨上部にあたる腸骨が外方変位を引き起こすものと思われます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

解剖学の学習⑤ 臀筋

 臀筋には、大臀筋、中臀筋、小臀筋の3つがあり、臀部脂肪組織の下にあります。大臀筋は、3つのうちで最も浅いところにある大きな筋肉で、線維が斜めに走っています。中臀筋は、臀部の外側面にあり、後部は大臀筋の深部に重なっていますが、前部は浅いところにあります。大臀筋、中臀筋ともに臀部の強靭な筋肉です。小臀筋は中臀筋の深部にありますが、大転子前面に停止しているため、少し違った動きをします。いずれも腰痛に関連している筋肉で、とくに大臀筋は腸腰筋の拮抗筋とされています。

大臀筋
 付着 起始:腸骨背面の後臀筋線、仙骨と尾骨の後面、および仙結節靭帯
     停止:腸脛靭帯(表面の4分の3)と大腿骨の臀筋粗面(後外側上方約4分の1)
 作用 股関節の伸展、外旋、外転および下線維による股関節の内転。
 関連痛領域 臀部全体、大腿後面上部へかけて。

中臀筋
 付着 起始:腸骨の前後臀筋線の間
     停止:大転子の外側面
 作用 股関節の外転、伸展、および内旋・外旋に寄与。歩行時に骨盤を固定する。
 関連痛領域 臀部を覆う領域。仙骨を覆う領域。内側腰部にかけて。大腿後面上部にかけて。

小臀筋
 付着 起始:腸骨の前および下臀筋線の間
     停止:大腿骨の大転子
 作用 股関節の外転、内旋、屈曲。
 関連痛領域 臀部および腰後部。大腿後面。下腿後面。大腿外側。下腿外側から足首へかけて。

 臀筋の付着部分から考えられる力の作用方向、特に大臀筋が腸腰筋(腸骨の前上方への動きを促す)との拮抗筋であることや関連痛領域をみると、臀筋の障害が腰痛によくある「腸骨の後下方変位」を引き起こす原因のひとつとして考えらるようです。

 しかし、臀筋と腰痛というとすぐに結びつかないような感じもしますが、腰痛で来られる方には、腸骨稜外側のすぐ下あたりに痛みを訴えられていることが多いようです。そこは、ちょうど大臀筋の起始部にあたる後臀筋線です。そういう場合は、臀筋全体にも拘縮がみられます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ロケットかミサイルか分からないけど、ワシの頭のずっと上を飛んだのだ

 パカポンのパパなのだ。どっかの国がロケットを打ち上げたのだ。打ち上げたのがすぐ近くだったから、日本は通り道になったのだ。だから、ロケットの本体や切り離したのが落ちてこないかとても心配したのだ。でも、何とか大丈夫だったのだ。

 こんなに心配させたのだから、打ち上げた国はけしからんのだ。だから、国連の安全保障理事会というところで、ワシに迷惑をかけたことが問題になっていると思っていたのだ。でも、ニュースをみていたら、どうも違うのだ。

 その国は、これまで核兵器の実験とミサイル発射の実験をしたことがあるのだ。だから、みんなから、そんなことは危ないからやめろと言われていたのだ。それなのに、この前、打ち上げてしまったのだ。

 みんなで止めていたことを、無視したことが問題なのだ。それでどうするか、みんなで考えているのだ。でも、人工衛星のロケットなら良いじゃないかという意見とロケットもミサイルも同じだという意見があって、まとまらないのだ。もっとしっかり考えれば、それで良いのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

解剖学の学習④ 筋肉の障害と骨盤の変位との関係

 これまでいくつかの主要な筋肉の障害と、骨盤の変位との関係をみてきましたが、どちらがより根源的な原因となるのかという問題について考えてみます。カイロプラクティックのテキストには、なぜサブラクセーションが起こるのかということについては、ほとんど述べられていないように思います。

 『カイロプラクティック概論』には、骨盤ではなく脊柱の椎骨の場合ですが、筋肉との関係について次のように書かれています。
 一般にサブラクセーションのある椎骨付近の筋肉や靭帯は固くなっている。この収縮は、内臓筋肉反射のために起こっているもの、またサブラクセーションのために起こっているもの、この二通りが考えられる。回転があれば側面に収縮、硬結がみられる。P-GリスティングでいうPL、PR、PLS、PRS、PLI、PRI等がこの状態である。また両側同時に収縮している場合は、リステリングのP.A.S.Iが考えられる。サブラクセーションが長時間続くと、かなりの硬結となり、生体自体の回復能力では椎骨がもとの生理的位置にもどらなくなる。ここに外部よりの物理的、機械的刺激による調整が必要となる。

 『クリニカルマッサージ』には、骨盤と筋肉の関係が次のように述べられています。
 骨盤は単一の臓器とみなされる傾向があるが、実際は、後面を仙腸関節で、全面を恥骨結合でそれぞれ結合された2つの寛骨からなる。骨盤は全体として前後回旋、または左右に傾斜させることができる。ただし、各寛骨を他方に対してより大きく、またより小さく前後回旋させることができるため、いわゆる骨盤のねじれが生じることがある。各寛骨は、大腿骨頭を受容する寛骨球の場所であるため、寛骨の位置は股関節と対応する脚の位置に影響する。全体としての骨盤の前後回旋も腰椎の正常弯曲に影響し、その結果、上体全体の姿勢にも影響する。
 2つの仙腸関節の相対位置によって決定される骨盤の外側傾斜により、脚にかかる体重の分布が不均等になることがある。それにより、胸郭とその付着構造の位置を変える代償作用が必要となる。前額面と矢状面の傾斜または回旋、あるいは寛骨のねじれが組み合わされる結果、姿勢のミスアライメントが生じ、さまざまな筋筋膜障害を下肢と上体全体に引き起こすことがある。姿勢の問題のほかに、骨盤の筋肉の緊張やトリガーポイントは、生殖機能や排泄機能を妨げ、内臓に傷みを起こす原因となる。
 どのような問診や検査でも、必ず骨盤の筋肉を考慮に入れて対処する必要がある。・・・

 ここでは、筋肉へのアプローチが主体となるテキストですから、最後に抜かりなく「筋肉を考慮に入れて対処する必要」性を強調していますが、下線(引用者)で示したように、骨盤のねじれによって、姿勢が崩れ、筋筋膜障害がもたらされるとしているようです。しかし、ここでも、そのねじれが何によって起きるかということについては、触れられていません。

 単純に筋肉の障害が先か、関節の変位が先か、いづれかに決めてしまうのではなく、それぞれケースによって異なると考えるのが妥当かもしれません。例えば、ケガやスポーツなどで外部から大きな力が加わる外部要因と、筋肉の硬結や退行性萎縮がある内部要因とに分けてみたりするとヒントになるような気がします。さらに、慢性的に不健康な姿勢を続けるなどの要因についても、考えてみる必要がありそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

解剖学の学習③ 腸腰筋

 大腰筋と腸骨筋からなる腸腰筋と、腸骨の変位の関係をみるために、『クリニカルマッサージ』から該当部分を引用します。

 腰筋は腰椎に付着し、腹腔を通って鼠径部まで下り、そこで腸骨筋と結合し、腸骨の前縁を通って斜め下後方向に走り、大腿骨の小転子に付着する。・・・腰筋は腸骨の前縁を滑車として利用して、腸骨に下後方の力を及ぼす。こうして腰椎を前方に引っ張り、腸骨の下前部で下後方に押圧することによって、腰筋は骨盤を前傾させ、腰椎を前弯させる。
 この作用は、著しい傾斜姿勢と脊柱前弯の傾向がある子供には容易に観察される。一般にこの姿勢傾向は、大人(軽度ではあるが観測可能)になるまで持続する。骨盤前傾の結果の1つとして、腹腔内容の重量が前方に移動し、腹部がせり出すことがある。またこの傾斜によって股関節が後方に押しやられ、膝と足首を制御する筋肉に圧力がかかる。過大な腰椎前弯は、その上に存在するすべての構造の位置補正をしなければならなくなる。
 腸腰筋の臨床的重要性には、間接的なものと直接的なものがある。間接的には、上記の姿勢に影響し、直接的には腰部、腹部、鼠径部、および大腿上部に痛みを起こす。腸腰筋の関連痛パターンには、臓器が含まれる。このため、腸腰筋障害は内臓原発性と同様の痛みを伴うことがある。

 大腰筋の起始は第12胸椎から第5腰椎、そして腸骨筋とともに大腿骨小転子に停止します。腹部の深いところにある筋肉ですが、その拘縮によって、腰椎が過剰に前弯し、骨盤が前傾するようです。関連痛パターンは、「腸骨の前上方変位 AS」という仙腸関節の変位でみられる鼠径部の痛み、大腿四頭筋の痛みなどの症状とほぼ同じ徴候を示しています。仙腸関節の変位では、痛みだけでなく、脚の可動域にも制限が出てくることがあります。また、両側の腸骨が同時に前上方変位している場合には、お腹がせり出した姿勢になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

無酸素系と有酸素性系のエネルギー供給は併用されている

 前に、成長ホルモンの分泌をめぐって、無酸素運動と有酸素運動の順番をどうするべきかを考えたことがありましたが、引き続き『健康・スポーツ科学講義』を参考に、検討を進めてみます。

 一般に、高強度での短時間の運動は無酸素性エネルギーが、低強度での長時間の運動は有酸素性エネルギーがおもに使用されることは知られている。しかし、(略)、短時間の高強度運動に必要なエネルギーがすべて無酸素性エネルギーで賄われているわけではない(長時間の低強度運動時も同様で、必要なエネルギー量がすべて有酸素性エネルギーで賄われているわけではない)。
 無酸素性エネルギーが筋内でエネルギーを作り出すのに対し、有酸素性エネルギーは酸素を取り込んでエネルギーを産出する。言い換えると、次から次に出てくる水道の水が有酸素性エネルギーで、バケツに汲み置きされた水が無酸素性エネルギーといえる。そして、これらのエネルギーの供給の割合は、その運動の強度によって、また一定強度での運動中における運動開始時からの時間経過によって変わってくる。

運動中のエネルギー供給の特徴は以下のようになる。
 ①運動開始直後、無酸素性エネルギーだけが供給されるのではなく、有酸素性エネルギーもすぐさま供給される。
 ②運動強度が高くなった場合、その増加したエネルギー分は素早くエネルギー供給が可能な無酸素供給系だけで賄われるのではなく、有酸素系も供給速度を高めてエネルギーを供給しあう。
 ③超最大運動のように有酸素性エネルギーだけでその運動に必要なエネルギーを供給できない場合、無酸素性エネルギーは供給され続け、やがて枯渇し、その運動強度が維持できなくなる。
 ④2~3分で疲労困憊に達する運動時に無酸素性エネルギー供給量はピークになる。
 ⑤無酸素性運動時に無酸素性エネルギーを有効に活用するためには、有酸素性エネルギーの供給速度を高めることも重要である。
 ⑥運動開始時のエネルギー供給における無酸素供給系と有酸素供給系の負担する割合は一定であり、運動開始後30秒間は2:1、運動開始後1分間では1:1となる。

 さらに、特に⑤に関連した部分を引用しておきます。

 ちなみに、1分で疲労困憊に達する運動および、2~3分で疲労困憊に達する運動における運動終了30秒間の酸素摂取量は、それぞれ最大酸素摂取量の70~75%および95%に相当する。このことは、無酸素性運動といわれる短時間の運動でも、運動終了時には最大酸素摂取量に近いレベルまで酸素が摂取されていることを意味する。したがって、このような運動は、無酸素性と有酸素性のエネルギー供給系の両方をフル稼働している運動ということができ、これらの運動が非常に“つらい”こともうなずける。

 両方のフル稼働ですか。確かに、高重量を取り扱うパフォーマンスを行なったときには、心拍が早くなり、治まるまでにしばらく時間が必要です。それだけ身体が酸素を必要としているということでしょう。やはり、無酸素系と有酸素系のエネルギー供給は相互に重なり合っていて、「無酸素運動を行なった後に、ハイ次は有酸素運動」というように、簡単に分けることはできないようです。しかし、それでは、成長ホルモンの分泌との関係はどうなるのでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

運動エネルギーを生みだす仕組み

 運動エネルギーを生みだす仕組みについて、『健康・スポーツ科学講義』(出村慎一監修)という本にまとまった叙述があったので抜粋して、頭の中ある雑多な知識を整理してみることにします。

運動する場合のエネルギー源:アデノシン三リン酸
 人が走ったり、跳んだり、物を持ち上げたりするためには、骨格筋が収縮するときに発生する力を利用する。したがって、運動の原動力は骨格筋の収縮力といえる。骨格筋が収縮するためにはエネルギーが必要であるが、このために直接用いられるエネルギーは、筋肉に蓄えられたアデノシン三リン酸(ATP)が分解されることによって得られる。ATPとは、筋収縮に直接的かつ即座に利用できる唯一の化学エネルギーの形態であり、3個のリン酸が結合した高エネルギーリン酸である。つまり、筋を収縮させるためにはこのATPが必要であり、このATPが不足していると筋を収縮させることができない。
 ATPはアデノシン二リン酸(ADP)とリン酸に分解すると高エネルギーを発生する。そして分解されたADPはリン酸基と化合し再びATPへと変換され、筋細胞内に蓄えられる。ADPは2つのリン酸からなり、これがリン酸基とアデノシン一リン酸(AMP)に分解されるときにも高エネルギーを発生する。このとき、もうひとつのADPとリン酸によってATPが再合成される。
 しかし、ATPの体内貯蔵量は少ないので、強い運動をすれば数秒でなくなってしまう。したがって、きわめて短時間に終わる運動(たとえば、幅跳びやボール投げなど)は、貯蔵されているATPだけでも間に合うが、運動を継続しようとする場合には、ATPを何らかの方法で合成して、補給する必要がある。ATPを合成する方法として、人の体には以下の3つのルートが用意されている。

1)1つめの工場:ホスファゲン系(ATP-PCr系)
 クレアチンリン酸(ホスホクレアチン:PCr)クレアチンとリン酸に分解すると、多量のエネルギーが生じる。このエネルギーを使って、ATPを分解するときに生じたADPとリン酸(P)からATPを再合成する。再合成されたATPは、再び筋収縮に利用することができる。ATPとPCrはひとつのチェーンとなってエネルギーを放出し続ける形をとっているので、この両者を併せてホスファゲン系と呼ぶ。ホスファゲン系には以下のような特徴がある。
 ①この反応には酸素を必要としない。つまり、この系から産生されたエネルギーは無酸素性エネルギーである。
 ②この系がエネルギーを発生する反応は非常に速く起こる。このため、運動を瞬発的に行なってもエネルギーを遅れることなく供給することができる。
 ③持続性が短い。PCrはATPより多いが、それでもATPとPCrを合わせても、全力に近い運動の場合、約10秒しか続かない。

2)2つ目の工場:乳酸性エネルギー系(乳酸系または解糖系)
 乳酸系のエネルギー源には、肝臓や筋に蓄えられているグリコーゲンが利用される。グリコーゲンとは、食物として摂取されたが形を変えて体内に貯蔵されているもので、全体では400g前後もあるといわれている。グリコーゲンはいくつかの段階を経て、結局、乳酸にまで分解される。このときエネルギーが出るので、そのエネルギーを使ってATPが作られる。乳酸系には次のような特徴がある。
 ①酸素を必要としない無酸素性エネルギーである。
 ②あまり効率的に供給できない。1molのグリコーゲン(180g)が分解して乳酸になっても、3molのATPしか産生されない。したがって、ATPを多量に得るためには、大量のグリコーゲンを消費する必要がある。しかし、仮にグリコーゲンが大量にあったとしても、乳酸系のエネルギーがそれだけ多く利用できるわけではない。乳酸があまり蓄積すると筋の収縮にとっては具合が悪く、また乳酸がある程度以上蓄積すると筋や血液のpHが低下する。すると乳酸系の中にある酵素の働きが抑制されて、反応にブレーキがかかるようになっている。
 ③ホスファゲン系に比べると多くのエネルギーが産生できるので、強い運動でも1分前後くらいは続けられる。

3)3つ目の工場:有酸素性エネルギー供給機構(有酸素系)
 乳酸系の途中で生じるピルビン酸を二酸化炭素と水にまで分解することによってエネルギーを得る過程である。この系の特徴には次のようなものがある。
 ①酸素を必要とする有酸素性エネルギーである。
 ②代謝産物(この反応で産生される残りカス:廃棄物)が二酸化炭素と水であって、有害物質を残さないクリーンエネルギーである。
 ③酸素の供給が続けば、何時間でもエネルギーを出し続けることができる。
 ④この系の発動には時間を要する。
 ⑤この系は非常に効率的にエネルギーを生産できる。乳酸系では1molのグリコーゲンから3molのATPが生産されるが、そのとき生じた乳酸が有酸素系によって分解されたときには、36molのATPが産生される(乳酸系の12倍)。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ミクログリア細胞による脳神経の修復過程をライブ撮影

 自然科学機構 生理学研究所のページに、「脳の中のお医者さん『ミクログリア細胞』の働きを解明―特殊な顕微鏡で脳の修復過程のライブ撮影に初めて成功―」というプレスリリース(2009年4月1日)が発表されています。http://www.nips.ac.jp/news/2009/p20090401/

 これまでミクログリア細胞は、脳の中の免疫細胞として、傷ついた神経細胞を治したり不要なものを取り除く働きをしていると考えられていましたが、具体的にどのように検査して、修復しているのかということについては、分かっていませんでした。それを生理学研究所のグループが、二光子レーザー顕微鏡という特殊な装置を使って、脳の中のライブ撮影を行ない、世界で初めて、ミクログリア細胞の動きを明らかにしたそうです。

 記事を読むと、ミクログリア細胞の動きが目にみえるようです。健康なときでも1時間に5分間、神経のシナプスに触手をあてて検査します。神経の活発になると回数も増えるらしい。さらに脳梗塞などで神経が障害を受けると、1時間以上も時間をかけて精密検査を行ないます。それによってシナプスを修復したり、場合によっては消滅させたりしているようです。

 実験に使ったのはマウスの脳のようですが、それにしても生きたままの脳の微細な動きを見ることができるとは素晴らしい。ミクログリア細胞というのは、食作用を行なうアメーバー状の白血球、マクロファージの仲間だろうと思われます。今後、この細胞を活性化する方法を見つけることができれば、脳神経の修復を早め、機能回復やリハビリに役立てられるとの見通しもあるようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

急性腰痛症(ギックリ腰) 原因と急性期の対処

 ギックリ腰ともいわれる急性腰痛症は、重いものを持ち上げたときや腰を捻ったとき、クシャミなどして瞬間的に力んだとき、あるいはスポーツなどで打撲や捻挫をしたときに発症します。激痛とともに、身体を動かすことが困難になります。重症の場合は、歩行ができなくなることもあります。軽い場合には、体勢を変えると痛みがありますが、前かがみの姿勢や立ったままの姿勢でいると痛みが軽くなるようです。

 急性腰痛症というのは、痛みが腰に限られており、足先に走る痛みやシビレなどの神経症状がない状態をいいます。神経症状があるときは腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。腰椎分離症、腰椎スベリ症、腰椎圧迫骨折などでも急に腰に痛みが出ます。また、循環器、消化器、泌尿器、婦人科の病気などでも、急性腰痛を起こすことがありますが、それは「腰の痛みがどんな姿勢になっても楽にならない」、「発熱がある」、「冷や汗が出る」などの症状を伴うかどうかで見極められるようです。

 急性腰痛症の原因には、腰椎椎間関節の捻挫、靭帯の軽度の損傷、関節包のめくれ・ねじれ、腰背部の筋膜の損傷(肉離れ)があげられていますが、原因を特定するのはなかなか難しいようです。いずれも炎症による痛み、もしくは放散痛です。そして急性期:発症から1週間、回復期:1~2週間、治癒期:3週以降の病期に分らけられます。しかし、発症の程度や期間には、その原因や体質、生活強度などによって、かなり個人差があるようです。

 急性期には、無理に腰を動かして痛みを改善しようとせず、炎症を起こしている患部を安静にして、氷で冷やす=アイシングをすることが第一と言われています。アイシングは疼痛を和らげ、浮腫などの拡大を防ぐようです。炎症による激しい痛みは、髄節点法、キネシオテーピング法などの施術によって、ある程度和らげることができますが、基本は、身体を休ませて腰への過度な負担を避けることが一番です。

 回復期以降に残る痛みや、身体の動きが制限されるほど強くない腰痛の場合は、腰椎や仙腸関節にサブラクセーションが原因となっているが多いので、カイロプラクティックの関節矯正テクニックによって効果的な改善を得られる場合があります。しかし、残念ながら、急性期の痛みは、炎症が原因ですから一気に改善できるということにはならないようです。そうは言っても、原因によって症状の現れ方が若干異なるようですから、痛みのあるところや状態をよく観察して、故障箇所を特定できれば、もっと適切な改善法を探ることができるかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »