「世界的大流行」のレベルになる可能性がある 新型インフルエンザ
新型インフルエンザ防止のため、エジプト政府が国内の豚すべてを殺処分にすることを決めたという報道がありました。FAOが決定の再考を促しているということですが、非常事態になると、国家単位でもいろいろな混乱が起きてくるようで、こんな時にこそ冷静になることが大切です。
今回の新型インフルエンザは、国立感染研究所から、強い病原性を示す鳥インフルエンザにくらべて、感染しても比較的軽症で済む「弱毒性」であるという見解が明らかにされています。また他のウイルス研究者も、毒性は弱く、流行しても重症で死亡する割合は低いのではという指摘をしています。
ところが、『読売新聞』の「新型インフル『弱毒性』でも警戒必要」という記事によると、ことはそう単純ではないようです。しかも、メキシコを訪問したことのない感染者の発生やスイスでも新たな感染者が発生したことなどから警戒水準を、世界的大流行を表すPhase6への引き上げの可能性も取りざたされている状況らしい。
しかし、たとえ毒性が弱いとしても、今回の新型ウイルスは、ほとんどの人が経験したことがなく、免疫を持っていない。今後、世界各地で、爆発的に感染が広がる恐れがある。国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長は「毒性が弱く、重症化率が低くても、多くの人が感染すれば死亡者数は増える。弱毒性の方が感染に気づかないうちに周囲に広げる危険性が高い。マスクをするなど、感染拡大を抑えることが大事」と指摘する。
さらに、インフルエンザウイルスは、遺伝子が変異しやすい。大流行して人間の間で感染を繰り返すうちに、弱毒性が強毒性に変わることも考えられる。1918年から19年にかけて世界で4000万人以上の犠牲者を出した「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだった。
外岡立人・元小樽市保健所長は「弱毒性と安心せず、毒性がどう変化するか、今後も、注意する必要がある」と強調する。(『読売新聞』2009年4月30日より抜粋)
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