プロスタグランジンD2が脳内にたまると眠くなる
睡眠中、脳はどんな状態になっているのでしょうか。『大阪バイオサイエンス研究所』のサイト、「分子行動生物学部門」のページに、「プロスタグランジンD2を中心に睡眠と覚醒の調節機構を探求」という記事が掲載されていました。ここでも、プロスタグランジンが働いているようです。
20世紀はじめに、長時間眠らせないでいたイヌの脊髄液を、他のイヌの脳へ注射するとそのイヌが眠ってしまうことを発見して、自然な睡眠を誘発する「睡眠物質」の存在を、日本とフランスの研究者がそれぞれ予言。その後研究が進み、現在、数十種類の睡眠物質があることが分かっていますが、その中で最も強力なのが、プロスタグランジン(PG)D2とされています。
PGD2は、クモ膜と脳室内の脈絡叢というところで産生され、脳脊髄液に分泌されて、脳内をめぐります。そして前脳基底部のクモ膜にあるPGD2受容体に作用して、脳の疲労回復に必要なノンレム睡眠を誘発することに。PGD2は、覚醒している間に産生され、その量が一定限度を超えることによって、覚醒ホルモンなどとのバランスが逆転し、眠気を催させることになるようです。
実際に、PGD2を、動物(マウスでしょうか?)の脳に投与したところ、脳波や動物行動学的に見て、まったく生理的な自然な睡眠が行なわれることが証明されたということです。そういえば、病気による脊髄液の産生の低下、あるいは交通事故やスポーツによる衝撃で脊髄のクモ膜に穴が開いて脊髄液が漏れ出すことで起きる「脳脊髄液減少症」。そのさまざまな症状の中に、睡眠障害がありますが、このPGD2が関わっているのかもしれません。
『大阪バイオサイエンス研究所』:「プロスタグランジンD2を中心に睡眠と覚醒の調節機構を探求」(「研究部門について」⇒「分子行動生物学部門」をクリックしてください)
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