レジスタンストレーニング雑考

有酸素運動の健康効果を白血球テロメア長で実証

 先日、有酸素運動の若年成人期における効用について書きましたが、またしても有酸素運動、そのアンチエイジング効果に関する「運動が白血球を老化から守る」という記事が、『ヘルスデージャパン』に掲載(2009年12月14日)されていました。

 もともと有酸素運動には、心肺機能・酸素摂取能力の向上、冠動脈疾患、高血圧症、大腸ガン、糖尿病、骨粗鬆症などに罹患する危険性の減少、不安や抑うつ感を軽減するなどの健康促進効果があるとされてきました。

 今回、ドイツのザールランド大学の研究で、細胞の中に、有酸素運動の効果が現れていることが明らかに。持久運動をするアスリート群と、ほとんど定期的な運動習慣のない非喫煙者対象群の、白血球のテロメア長を測定・比較すると、アスリート群の方がテロメアが長く、テロメアーゼの活性も増大していることが分かりました。

 アスリート群というのは、平均年齢20歳の週72km以上走るプロランナー群と週80km近く走る中年アスリート(平均年齢51歳)群ということですが、休まず毎日走るとしても、1日10km以上ですから、かなりの運動量になります。プロランナーは当然としても、中年アスリートも、マラソンとかトライアスロンとかを若い頃から続けている人のようです。

 健康と白血球テロメア長との関係については、広島大学病態臨床検査医学の研究者の論文ハイライトに、「加齢は心血管疾患に対する重大な危険因子であるが、暦年齢は必ずしも生物学的老化の指標ではない。本研究では白血球テロメア長は心血管障害と関連があり、血管老化の指標になるという仮説を検証した」という記述がありました。

『ヘルスデージャパン』:「運動が白血球を老化から守る」
『CiNii』:「白血球テロメア長短縮は心血管障害に相関する」(pdf)

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心血管系の健康は知力の向上につながる

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心血管系の健康は知力の向上につながる

 「健全な精神は健全な肉体に宿る」といいますが、スェーデンの研究者がそれを証明する大規模な調査を行なったようです。『ヘルスデージャパン』に、「若年成人期の運動は知能を向上させる(2009.12.10掲載)」という記事が掲載されていました。1950~1976年に生まれた男性1200万人の若年成人期を対象にしたといいますから、相当な規模です。

 若年成人期に焦点を当てたのは、「重要な行動習慣および認知機能が形成され、学業成績が後の人生に最も大きな影響を及ぼす時期であるほか、中枢神経系が未だ発達している時期」であり、研究によって、「教育カリキュラムや予算を決定する立場にある政治家や教育者に影響を及ぼす」ことができればというねらいがあったようです。

 今回の調査は、若年成人期に心血管系が強いと知力が向上し、学業成績も上がり、将来的な成功にもつながることが明らかにしたようです。その理由として、専門家は「脳血流の改善、不安の減少、気分の向上および疲労感の軽減など、いくつもの因子から説明できると」しています。

 これは、あくまでそういう傾向が強いということだとは思いますが、スポーツをすることが将来的な成功にもつながるとは驚きです。ただ、注意が必要なのは、「心血管系の健康と知力の高さの間」に関連は認められたが、筋力と知力の関連はみられなかったとしていることです。そのため専門家は、有酸素運動にポイントをおいた運動をすすめているようです。

「若年成人期の運動は知能を向上させる(2009.12.10掲載)」

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無酸素系と有酸素性系のエネルギー供給は併用されている

*熟年期 成功はないけど 有酸素も*

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動かして改善させる非特異的腰痛

 『きょうの健康』2009年11月号に、「腰痛の新常識」というページがありました。オーストラリアや日本の研究で、腰痛の慢性化を防ぐためには、「痛みが治まるまで安静」にしているのではなくて、生活・仕事・スポーツで「ふだんどおりの活動を続けた方が良い」ということが分かってきたようです。

 但し、エックス線検査やMRI検査を行なっても、原因が特定できない非特異的腰痛(腰痛の85%)の場合に限ります。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症による圧迫骨折、感染症による脊椎炎、ガンの脊椎転移、解離性大動脈瘤などが原因となっている特異的腰痛(15%)の場合は別です。 

 実は、先週の火曜日、バックマッスルのトレーニングを行なっていたところ、途中で腰に少しだけ違和感。たいしたことはなかったので、そのまま続けました。ところが終了間際になった頃、急に腰に痛みが・・・。デッドリフトのとき、腰が曲がっていたのかもしれません。そこで、直ちに腸骨を自力調整し、シャワーで冷やして、後からキネシオテープを貼っておきました。

 非特異的腰痛は、おそらく筋筋膜性腰痛が、大きな部分を占めていると思われますが、今回の場合、腰を捻ると、右臀部から腰部にかけての筋肉群にかなり強い痛みが走りますから、まさに筋肉損傷のようです。帰りの自転車漕ぎも、右足で踏み込むと、角度によって痛み。さらに股を右側に広げることで、何とかしゃがむことができるという状態でした。

 翌日以降も、痛みが出ないかどうか、フォームとウェィトを確めながら、いつもより姿勢に気をつけて、トレーニングを続行。とは言っても、さすがにランニングはエアロバイクに、シットアップはクランチにする程度の抑制は行ないました。幸いなことに他の種目は、ほとんど痛みを感じることもなく、通常どおりのウェィトです。

 金曜日までには、しゃがみ込む姿勢もOKで、スクワットやシットアップもできるようになりました。まだ姿勢によっては、腰椎周辺に、鈍い痛みを感じることもありますが、あと数日もすれ完全回復も期待できそうです。それと、安静にして動きを止めていた期間はないのですが、腰痛がある間は、脊柱起立筋が硬くなるようです。しばらく体幹の前屈角度が、小さくなっていました。

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改善の具合を聞きながら真の原因を突き止める① 急性腰痛の場合

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突然の痛み 左脚ハムストリングスの肉離れ

 レジスタンストレーニングの終盤で、いつものようにハング・クリーンをしていると、最終セット、残すところ後2レップというところで、身体を伸展させたとき、左側の太股の裏側にポキッと音がしたような、不快な感覚がありました。さらに動作を反復しようと試みましたが、痛くてできません。

 これは、どうも肉離れを起こしたようです。ハムストリングスの内側、奥の方に音を感じたので、半膜様筋を損傷した可能性があります。但し、幸い(?)なことに、プログラムの最後のジャンプ・スクワットは、まったく痛みを感じずに、行なうことができましたし、今のところ、歩いたときに、ハムストリングスを収縮させると、少し痛みが出る程度ですから、Ⅰ度の軽症なのではと思っています。

 肉離れは、医学的には、筋断裂、筋膜断裂、筋損傷と呼ばれています。筋肉が傷ついて炎症を起こしているので、圧したり、揉んだりしないで、まず第一に、RICEの処置を行なうことが必要とされています。そのため、トレーニング後、ハムストリングスの痛みのある部分に、冷水シャワーを当てて冷やし、キネシオテーピングをして、さらに冷湿布を当てておきました。

 それにしても、いつもと同じようにプログラムをこなしていたのに、なぜ負傷することになったのでしょうか。スポーツ障害に詳しい『スポーツの鉄人に聞け!』のページ、「肉ばなれ Muscle strain (メディカル編)」によると、肉離れは、スポーツ活動中に発生しやすい症状で、筋肉の柔軟性やバランスに問題がある場合に起こりやすいと述べられていますが、しかし、「いつ起こるか分からない」と言っている肉離れ専門のサイトもあるくらいですから、事前に予測して、対策を講じることは難しいのでしょう。

 『鉄人に聞け」には、48時間程度のRICE処置の後、リハビリとして「受傷後1週間以内に局所の疼痛が軽減して歩行が可能になれば」にはじまり、「受傷後3週間くらいで圧痛がなくなれば」とか、さらには「完治までの期間は、スポーツをしても違和感がなくなるまでに最低でも6ヵ月くらい・・・」とありますが、これはかなり重症の場合を想定しているようです。

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ハムストリングスに痛み・・・軽度の肉離れ

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若田光一さんが宇宙ステーションで行なった運動とは

 宇宙に長くいると、骨密度は必ず低下するものと思っていましたが、適切な対策を行なうと必ずしもそうではないようです。『asahi.com』(サイエンス/2009年9月30日)に、「骨密度、宇宙で増えた 若田さん「運動と薬併用が効果」」という記事が掲載されていました。

 国際宇宙ステーションに4ヵ月半の長期滞在。通常なら骨の強度は10%、骨密度は7%程度減るらしいのですが、若田光一さんの場合は、帰還後CTスキャンなどで検査してみると、骨の強度はほとんど変わらず、骨密度は逆に増えていたということです。

 その要因は、若田さんが骨粗鬆症の薬を服用し、さらにNASAがつくった新型の装置で毎日2時間、みっちりトレーニングしていたことらしい。『若田光一 宇宙ブログ』で検索すると、薬は骨粗鬆症対策として一般的に使われているビスフォスフォネート剤。では、NASAの新型トレーニング装置というのは、どんな装置なのでしょうか。

 「毎日2時間の運動が大切」という記事には、「トレッドミルによるランニング、エルゴメーターによる自転車漕ぎ、抵抗運動器具による筋力トレーニングを行なっています」と記されています。写真を見ると、トレッドミルは、タスキのようなものを装着、身体に負荷を掛けて走っているようです。抵抗運動器具は、当然ウェイト式ではないようです。ショルダープレスをしているところを頭の方からみています。

 それと『YOMIURI ONLINE』で見つけたNASA提供の「国際宇宙ステーションでトレーニングする若田さん」という写真、ランニングをしているように見えますが、使っているのがトレッドミルではなく、抵抗運動器具なので、大腿四頭筋をきたえるために、フロントランジをしているのでしょう。

 それにしても、「薬と併用が効果」ということですが、体重が無きに等しい微小重力空間ですから、考えてみれば不思議です。トレーニングすることによる筋力の維持と、骨密度の維持とが結びついているのでしょうか。それともNASAの装置に、何か新しい工夫がなされているのかもしれません。

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無重力空間を作り出して、骨への影響を調べる
人間は地球で暮らすのが一番

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サルコペニアの原因は成長ホルモンの減少

 サルコペニアというのは、加齢に伴って筋線維の数や大きさが徐々に減少することで、病名ではありません。30歳くらいからはじまり、生涯にわたって進行する筋肉の廃用性変性のことです。

 日常的に彼我で体験し、先々予測できることですから、改めて仰々しい呼び方をすることもないような気もしますが、敬老の日のNHK「おはよう日本」で取り上げられていた情報によると、健康で過ごせる「健康寿命」、男性は72.3歳、女性は77.7歳。そのあたりを境に、サルコペニアが急激に進行し筋肉量が低下して、日常生活に差支えが出るようになることもあるということです。

 サルコペニアの原因は、『日本老年医学会学術集会』の「加齢性サルコペニアのメカニズムとグレリンによる治療介入の可能性」という報告によると、成長ホルモンの分泌量が低下することにあるようです。脳下垂体から分泌される成長ホルモンが、思春期中期をピークに減少し、60歳代には4分の1から5分の1になるといわれています。

 サルコペニアは、運動不足によって進行します。防止する一番の決め手は、レジスタンストレーニングを行なうこと。運動すれば、進行を抑えることができるし、場合によっては、若いとき以上の筋肉をつくることはできます。しかし、高齢になってから運動をはじめるのは、若い人が思っているほど簡単ではないようです。

 また、ずっと運動を続けていて、他人との「水平比較」をした場合には、年齢以上の健康筋力が示されるかもしれませんが、自らの身体の変化を若い頃から現在へと「垂直比較」した場合には、筋力が低下していることを感じるはずです。運動をしていても、サルコペニアは、ゆるやかに進むようです。

 そこで注目されているのが、以前、チェックしたことのある胃で主につくられる「グレリン」というペプチド。成長ホルモン分泌と摂食機能にかかわっていて、サルコペニア防止の薬としての活用が、『日本老年医学会学術集会』でも検討されているようです。筋肉量を回復させて、生活の質を高めることができるようになれば良いですね。

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スロージョギングの効果を考える

 昨日の『ためしてガッテン』で取り上げられていた「スロージョギング」。はじめて聴く言葉です。歩くくらいの速さでゆっくりジョギングを続けることで、遅筋の能力が向上し、筋肉内の毛細血管が増え、効率よく糖や脂肪が消費されるようになり、生活習慣病が改善されるらしい。

 番組でジョギングの指導を行なっていた田中宏暁教授(福岡大)は、生活習慣病と骨格筋脂肪の関係に注目して、ニコニコペースの運動を提唱していたようです。『西日本新聞』のサイト2009年02月02日付に、「メタボ改善もニコニコペース 福大グループ 脂肪燃焼効果を実証」という記事がありました。

 ニコニコペース運動を提唱する田中宏暁教授は「ダイエットなど食事制限は容易に体脂肪を減らすことはできても、大切な筋力まで奪ってしまうのです。筋力は体力そのものですから、結果的にエネルギーの消費量が減り、再び体重が増加するリバウンドと呼ばれる現象を引き起こしてしまうことがあります」と解説する。
 肥満を解消するためには、何よりも運動-それも気軽にできて脂肪を燃焼させ、筋力は落とさないニコニコペースが最適というわけだ。

 メタボリック症候群の診断は腹囲を測ることで内臓脂肪に着目しているが、田中教授は、手足など全身を動かす筋肉「骨格筋」の細胞内にある脂肪にも着目している。
 第一期の研究で、骨格筋の中に取り込まれた脂肪が多い人ほど、血糖値を下げるインスリンの働きが弱い傾向にあることが分かったからだ。
 インスリンの働きが悪ければ糖尿病を引き起こすだけでなく、合併症として心筋梗塞(こうそく)や高血圧などの危険も高まる。
 田中教授は、骨格筋の脂肪は食事管理よりも運動によってより効果的に減少することも明らかになったとして「生活習慣病は内臓脂肪の過剰が引き起こすというのが通説ですが、骨格筋の脂肪も原因として作用し、発症予防には運動が効果があるのです」と言う。
http://qnet.nishinippon.co.jp/medical/news/kyushu/post_30.shtml

 このスロージョギングとよく似た方法として、ゆっくり走り続けることで、逆に速く走れるようになるという「LSD」という長距離走のトレーニング法があるようです。「信州中野楽走会」のサイト、「トレーニング12講座」のページに紹介されていました。

 ゆっくりと長く走り続けるLSD(ロング・スロー・ディスタンス)というトレーニング法があります。特に決まりはありませんが、ハーハーと息が切れない有酸素運動のレベルで、一般に90分以上走り続けるトレーニングを、LSDと呼ぶことが多いようです。LSDを行うと、それまで使われていなかった毛細血管に、血液が流れるようになります。人間の身体には、隅々まで毛細血管が張り巡らされていますが、使われないまま休眠状態にある毛細血管がたくさんあります。LSDを行うとそこに少しずつ血液が流れるようになるのです。ランナーが走るときには、肺で血液中に酸素を取り込み、その酸素を筋肉に送って、エネルギー源を燃焼させます。つまり速く走るためには、たくさんの酸素を筋肉に送り込める能力が必要なのです。インターバルトレーニングのようなスピード練習を行うと、心臓や肺の機能が高まります。しかし、使える毛細血管が少なければ、いくら心臓や肺の機能が高まっても、筋肉に届けられる酸素の量はあまり増えません。苦しんだ割に記録は伸びない、という結果に終わってしまうわけです。その点、LSDを行うと、それだけでも筋肉に送られる酸素の量が増えます。つまりゆっくり走るトレーニングで、速く走れるようになるのです。また、LSDを行っていれば、スピード練習の効果も無駄になりません。http://homepage2.nifty.com/mamedanuki/00index/index.html

 スロージョギングとLSDとは、遅筋を意識するかどうかということに若干の違いがありますが、休眠している毛細血管を活性化するという点では共通していて、これが酸素供給や脂肪燃焼のキーワードになるようです。

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腰の反らせすぎにも注意が必要な場合がある

 レジスタンストレーニングを行なうとき、腰を痛めないために、しっかりと伸ばして自然の前彎状態を保つよう意識することが多いのですが、バックエクステンションやショルダープレスなどを行なうときは、腰を反らせすぎると良くないようです。

 特に、ウェイトを頭より高く持ち上げるショルダープレスは、限度に近いギリギリの重量を扱う場合、頭上へ上げきるときに、後方へのブレを抑えてバランスを保つために、意識しなくても腰が反った状態になることがあります。これは、かなりの負担が腰にかかります。

 これは、ショルダープレスを何の支えもないスタンディング(立位)で行なう以上、体型によっては、避けてとおれないことかもしれません。そんなとき、問題を解決するためには、背もたれのついたベンチを使ったシーティッド(座位)で、ショルダープレスを行なうようにするのが一番です。

 但し、その上で、後頭部、上背部・肩、下背部・臀部、右足、左足の5ヶ所をベンチや床につけておくことを意識する必要があります。うっかり下背部を浮かせると、スタンディングの場合と同じように、腰が反った状態になってしまいます。

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トレーニング直後はどのプロテインを何で割って飲むか

 『使える筋肉 使えない筋肉 [実践編]』に、「プロテインを牛乳で割るのは正解か?」というコラムがありました。これまで、何の疑いももたず、牛乳で割って飲んでいました。どうもトレーニング直後の摂取に関しては、吸収速度に問題があるようです。

 筋肉の主要な材料となるタンパク質を粉末状にしたプロテインサプリメントは多くの選手に愛用されています。特に重要となるのがトレーニング直後の摂取です。トレーニング後の速やかなタンパク質補給は、筋肉の合成を促進することがわかっています。このとき重要となるのは「迅速にタンパク質を筋肉に送り届ける」ことにあります。
 プロテインを溶かすのに一般に最もよく使われているのは牛乳でしょう。パッケージにも牛乳に溶かした場合の栄養成分が記載されているので、そうすべきなのかと思ってしまうのかもしれません。しかし、トレーニング後の敏速なタンパク質補給において牛乳で溶かすことは良い選択ではありません。牛乳に含まれるカゼイン(乳タンパク)が胃でゲル状に固まるため吸収を遅くしてしまうからです。市販のプロテインのほとんどが吸収の速いホエイプロテイン(乳清タンパク)なのですが、牛乳と一緒にすると胃で滞留して吸収が遅くなってしまいます。トレーニング後のプロテイン摂取には吸収の迅速さが重要ですから、それを妨げるカゼインや脂肪分などが含まれないドリンクに溶かすべきです。
 また、このときエネルギーレベルの回復として吸収の速い糖質も同時に摂るべきです。糖質の補給はインスリンの分泌を促すことで筋肉の合成をさらに高める効果もあります。トレーニング直後のインスリンは筋肉に選択的に働くため脂肪合成の原因にはほとんどなりません。一般的な摂り方としてトレーニング直後は吸収の速いホエイプロテイン30g程度+砂糖やブドウ糖30~50g程度をお好みのドリンクに溶かしてとる方法がよいでしょう。

※牛乳に含まれるタンパク質の8割程度がカゼイン、2割程度がホエイです。

 その裏付けを取るため、いくつかのサイトを調べてみました。そうすると、「トレーニング直後」、「吸収が速い」、「ホエイプロテイン」、「エネルギーレベルの回復」といったことが、検討すべきキーワードになるようです。

 一般的にプロテインの摂取が推奨されるのは、トレーニング後と就寝前ですが、トレーニング後は損傷した筋肉にタンパク質を補給するため、迅速な吸収が求められます。これに対して就寝前には、睡眠に合わせてゆっくり一晩かけた吸収が求められます。

 さらにホエイは吸収が速く、カゼインは胃酸でゲル状になるため、ゆっくりとした吸収になるようです。また、トレーニング後は、筋肉内のグリコーゲンが消耗するため、同時に糖質を摂らないと、プロテインがエネルギー源の補給に使われることになります。

 但し、「トレーニング後に摂取する程度の量では、それほど大差はない」とか、「通常の食事で十分」とプロテインサプリメントの摂取そのものの必要性を問うような声もあるようです。まぁ、プロテインの割り方にまで、カリカリ神経質になる必要はないような気もしますが、よりベストな選択の参考にする程度で良いでしょう。

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山歩き 下りのときに脚が痛くなるメカニズム

 山歩きをしていると、下りで膝がガクガクしたり、痛くなったりすることがありますが、その原因について調べてみたところ、「安全登山のためのマニュアル(基礎編)」というページを見つけました。トップは「学習院大学ワンダーフォーゲル部OB&OGのHP」のようで、山を登る時の歩き方や注意点、トレーニングの方法などが書かれています。http://www.geocities.jp/gwvuno2004/anzentozan.htm

 最も重要な働きをする筋肉は、やっぱり太股前側の大腿四頭筋です。それが登るときには、収縮力を抵抗よりも大きくして、縮みながら力を発揮する短縮性筋活動。下りるときには、収縮力よりも抵抗の方が大きくなり、伸ばされながら力を発揮する伸張性筋活動を行ないます。

 ところで大腿四頭筋にとって、短縮性収縮は自然な収縮形態であり、伸張性収縮のほうは不自然な収縮形態という。そして筋力不足の人がこの不自然な伸張性収縮を行うと、たくさんの筋細胞が壊れてしまう。筋細胞が壊れると、筋力は大きく低下する。短縮性収縮をしたときも筋力は低下するが、その低下率は小さく、元に戻るのも早い。しかし伸張性収縮をすると、筋力は運動前の半分くらいまで低下してしまい、しかも数日経っても元に戻らない。

 登山の場合に当てはめてみると、登っているときは短縮性収縮が行われているので、筋力はそれほど低下しない。しかし下りにかかると伸張性収縮が繰り返されるので、脚力の弱い人では筋力が急激に低下してしまう。一般的に最終日の下りに事故が多いとされるのは「気のゆるみ」といった精神的なものより、筋肉に疲労が蓄積した結果として起こった「筋力の低下」が事故の要因として考えられる

 登った後で下りることがほとんどで、脚の疲労はたいてい下りのときに出てきますから、すべての行程で疲労が溜まるものと考えてしまいます。そうではなくて、ふだんあまり使わない大腿四頭筋の伸張性筋活動が原因とは・・・。下りのときの、後方の脚の筋活動です。しかも、足が地面から受ける衝撃が平坦な道を歩くときとは異なります。「マニュアル」では、登りの2倍としていますが、勾配によってはもっと荷重が掛かるような気がします。但し、これは前方の脚です。なお、短縮性収縮とは短縮性筋活動のことで、伸張性収縮とは伸張性筋活動のことです。

「筋力の低下」とともに、足が地面から受ける衝撃力のことも考慮しておく必要がある。登りの場合、体重とほぼ同じくらいの力がゆるやかにかかるだけだが、下りでは登りの2倍(つまり体重の2倍)もの力が、着地した瞬間に一気にかかる。当然の事ながら、ザックを背負っていればこれよりさらに大きな衝撃力がかかることになる。体重が50キロの女子が25キロのザックを背負っているとすると、下りでは150キロもの衝撃が瞬間的に片足にかかることになる。急斜面を勢いよく下っていれば、衝撃はより増大する。

大腿四頭筋は、この着地衝撃に対抗して体重を支える役割を果たしている。ところがこの筋は下りにかかると伸張性収縮の繰り返しによって、筋力が大きく低下してしまっている可能性がある。下りでは、脚筋力の低下と強い着地衝撃との相乗作用によって、特に転倒がおきやすい状況にあるのである。このことを理解せずにただ注意するだけでは転倒を防ぐことはできない。
(引用:
「安全登山のためのマニュアル(基礎編)」)

 そして、大腿四頭筋の短縮性、伸張性筋活動双方の理想的トレーニングとして、スクワットが紹介されています。膝を伸ばすときが短縮性筋活動で、曲げるときが伸張性筋活動。確かに日常的なトレーニングとしては、階段の上り下りよりも手軽で、膝や腰への負担が少ないでしょう。但し、フォームに気をつける必要があります。

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