経済・政治・国際

経済不況が起こる仕組み 「架空の需要」 ㊦

 いよいよ、今回の経済危機について見ていきます。きのうに続いて、『しんぶん赤旗 日曜版』の不破哲三・社会科学研究所所長へのインタビュー記事からの抜粋です。

 今回の経済危機でも、その引き金となったのは、まさに新型の「架空の需要」です。それを大規模につくりだしたのは今度は金融資本です。購買力のない低所得者に無理やり借金をさせて住宅を買わせた、これがアメリカで破綻(はたん)した「サブプライムローン」の正体でした。「借金してモノを買おう」――これをアメリカの風潮にして、「消費主導の好況」をつくりだした。
 マルクスが突き止めたバブルの大本、「架空の需要」を金融資本が総がかりで、しかも意図的につくりだしたのが、今度の特徴でした。危機が爆発してから調べてみると、こうしてつくりだされた家計の過剰債務(余分な借金)は、多めの計算だと8兆ドル、約800兆円にものぼるそうです。日本のGDP(国内総生産)よりもはるかに大きい。この数字を見ると、「架空の需要」の巨大さがわかると思います。
 おまけにこの消費バブルを土台に、金融資本がもっと大規模な金融資本バブルを世界に広げた。「サブプライムローン」の破綻でまず起こったのは、金融経済の破綻でしたが、その土台にあったのは、「架空の需要」でふくれあがった消費バブルで、それが一挙に収縮して大変な過剰生産恐慌になった。その過程がいま進んでいる。
 こういう見方から、私は今の危機を、「金融危機と過剰生産恐慌の結合」と特徴づけました。「架空の需要」の軌道を走るバブルのなかに恐慌の中心点ありと見抜いたマルクスの分析は、資本主義のいまの段階でも生きているんです。

 そういえば、しばらく前に放送されたNHKの番組、アメリカの消費生活のことを取り上げていましたが、経済破綻する前までは、クレジットカードを使うことで、収入にとらわれない買い物をする風潮があったらしい。どうも、これが金融資本のつくりだす「架空の需要」のようです。サブプライムローンは住宅の購入ですから、金額は相当大きくなるでしょう。

 「架空の需要」を目当てにした「過剰生産」の仕組みを強引に調整したのが、「派遣切り」や「非正規切り」ということになるようです。なるほど、ガッテン。

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経済不況が起こる仕組み 「架空の需要」 ㊤

 6月22日に財務省と内閣府が発表した「法人企業景気予測調査」によると、大企業の景況判断指数のマイナスの値が約半分になって、その前の期間と比べて大幅に改善したらしい。これを良い兆しと見ていいのかどうかよく分かりませんが、いつの日にか、トリクルダウンしてくることに期待したいものです。

 この経済不況をどう考えたら良いのでしょうか。そんなとき、『しんぶん赤旗 日曜版』に、最近『マルクスは生きている』という本を書いた不破哲三・社会科学研究所所長へのインタビュー記事の連載を見つけました。その中でも、6月7日付の記事に、今回の経済危機の本質をとらえた「恐慌の運動論」という興味深い話があったので、その発言部分を抜粋してみます。

 市場経済では“見えない手”ということがよく言われます。需給のバランスは絶えず壊れるものですが、物価の変動を通じて、それを調整する力が不断に作用する。あるモノが市場で不足するとその価格があがって「それ作れ」という仕組みが働く――これが“見えない手”です。
 ところが恐慌で問題になる「生産と消費との矛盾」の場合には、この“見えない手”が働かないで、バランスの崩れが累積してゆき、ついには恐慌で爆発するところまで進行してしまう。それはなぜか。
 マルクスは、ここに恐慌の中心があると考えました。そして突き止めたのは、資本主義は「架空の需要」をつくりだす仕組みをもっている、ということでした。モノがどんどん売れているように見えるが、それは見かけだけだという仕組みのことです。
 当時は、この仕組みの担い手となったのは、商業資本でした。商業資本が市場でモノを大量に買う。生産者にとっては商品の販売はこれで済んだわけで、ひきつづき生産にかかります。しかし、商品そのものはまだ本当に消費者の手に渡っていないわけで、マルクスはそのことを「架空の需要」と呼んだのです。商業資本の方は、それに見合う消費者がいることを想定して買うのですが、この見込みはやがて消費者の実際需要と離れてゆきます。
 マルクスは、このことを再生産過程が、「架空の需要」にもとづく軌道の上を走り出す、という言葉で表現しました。この仕組みが膨れ上がったときにバブルが起き、恐慌を爆発させるのです。
 マルクスはこうして、資本主義がなぜ周期的にバブルにつっこむのかをつかみだし、恐慌の起こる仕組みをそこまで突き止めました。

 「架空の需要」。生産者と消費者が直接対峙している段階では、需要と供給とのバランスを取ること自体、そんなに難しいことではなかったのでしょう。ところが、生産規模が大きくなって、あるいは同時進行で、生産者と消費者との間を媒介する商業資本が入るようになると、変わってくるようです。

 商業資本も、商品を売るためには、当然、需要と供給のバランスに気配りはするのでしょうが、生産そのものにもいくつの段階があり、商業資本も消費者に売り切るまでには、いくつもの中売りなどを経ること、しかも個々の資本化がバラバラに活動をすることを考えると、見込み違いをする下地がつくりだされるようになるということが想像できます。

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「不況肥満」のリスク やがて日本にも・・・

 この前読んだ『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤美果著)に、「貧困が生み出す肥満国民」という章がありました。そこには「新自由主義によって失われたアメリカの中流家庭」、「なぜ貧困児童に肥満児が多いのか」、「フードスタンプで暮らす人々」、「アメリカ国内の飢餓人口」と見出しが続きます。

 確かフードスタンプというのは、貧困家庭向けの無料食事券で、それを受け取って人々は、引き換えに安くて甘くて高エネルギーのジャンクフードを手に入れていると書かれていたように覚えていますが、それを実証するような調査が、『AFP BB News』のサイトに掲載されていました。「米国の子どもたち、『不況による肥満』リスクに直面」という記事です。

【6月4日 AFP】米国の子どもたちは、不況のなかで親たちがヘルシーな食事よりも安くて手軽な食事を追求するようになったため、いわゆる「不況肥満」のリスクに直面しているとの報告書が3日発表された。
 米デューク大学が毎年行っている「子どもの幸福指数(Child Well-Being Index)」測定調査で明らかになったもので、調査を率いたケネス・ランド教授(社会学)は「親たちがヘルシーな食品よりも炭水化物や糖分が多いファストフードなどを選択するようになってきており、子どもや若者の過体重の割合が上昇するのでは」と懸念している。
 前年、米内科学会誌「Journal of the American Medical Association, JAMA」に発表されたある報告書によると、1980-1999年には、脂肪・糖分の摂りすぎ、果物・野菜の不足、運動不足により、子どもの肥満率は3倍も増えた。前年の調査では、全米の子どもの32%が過体重、16%が肥満となっている。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2608745/4227785

 「報告書」によるとアメリカの子どもの3人にひとりが過体重、5~6人にひとりが肥満児ですか。肥満が豊かさのシンボルだったのは、ずいぶん昔のことですが、今や逆の象徴になってしまったようです。「不況による肥満」、フードスタンプの制度こそまだありませんが、日本の子どもたちの中にも、すでにひそかに浸透しているかもしれません。

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「新型インフルエンザ」対策で試されている?

 『厚生労働省崩壊』(木村盛世著)という本を読みました。ショッキングな見出しですが、副題も「『天然痘テロ』に日本が襲われる日」。現役の医系技官である著者が、「天然痘テロ」や「新型インフルエンザ」に対する厚生労働省の体質をはじめ、あるわが国の防疫体制の弱さを鋭く指摘しています。

 第1刷が2009年3月30日となっていますから、今回の新型インフルエンザ騒動が起こる前に出版されたものです。本書に取り上げあられている「新型インフルエンザ」は、鳥インフルエンザを想定しているようですが、現在進行形で行なわれている新型インフルエンザ対策の進行と対比しながら考えてみることができます。

 感染症対策の問題点として、著者が一番に取り上げていることに、「公衆衛生をしらない医系技官」のことがあります。第4章の冒頭部分を引用してみます。

 厚生労働省には医系技官という集団がいます。医師でもある行政官(役人)が約600人います。私もその中の1人です。厚労省は国民の健康問題の唯一の省庁ですから、国全体から見た医療についての専門家が必要です。
 そのため、医系技官に求められるものは、医学の知識とともに公衆衛生の専門家であることです。病院で働く医師は、診た患者一人ひとりの命を救うことが使命ですが、これと違い、大多数の国民を健康問題の脅威から守るのが公衆衛生の基本です。
 ですから、公衆衛生は国防のひとつと言えます。(略)
 さて、この公衆衛生の専門家であるべき医系技官なのですが、日本では特別なトレーニングを経て医系技官になるわけではありません。大学を出て厚労省に入りたいという人が試験を受けて入ります。
 日本での公衆衛生学は欧米からかなりおくれをとっていますから、医学部を出た段階で、公衆衛生の専門知識を十分身につけている学生はほとんどいないのが現状です。(略)
 厚労省に入った医系技官たちは、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)という形で仕事を学びます。2004年からは2年間の臨床実習を行なってドクターとして働くことが義務づけられているのですが、ほとんど医療現場を知ったことにはなりません。(略)
 こうして医系技官は、運転免許証は持っているけれども運転したことがないペーパードライバーと同じように、医学の、そして公衆衛生の専門家という肩書きからはあまりにも隔たりのある集団と化してしまうのです。
 実際、現在の医系技官は文科系の学部を出た事務官と何の違いもなくなっています。違いがあるとしたら将来つくポストくらいでしょうか。

 それだけではなく、著者が「はじめに」のところで述べていることは衝撃的です。

 驚きはそれだけではありませんでした。医系技官の知識の少なさもさることながら、「国民の医療・健康問題を自分たちが担っている」という意識があまりにも薄いのです。それどころか、彼らの目的は自分たちの時代には問題が起こらず、平和に天下りしたいという自己防衛だけなのです。
 医療の専門家である医系技官の意識がこのようなものですから、他の職種の人々も同様のものでした。

 ひょっとしたら、感染症対策だけでなく、介護保険にしても、後期高齢者医療制度にしても、はたまた医療制度そのものの行き詰まりにしても、国民の状態や医療・介護現場の現状にそぐわないという批判が出てくるのは、こういうところにも、問題のひとつがあるのかもしれないと思ってしまいます。

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新型インフルエンザウイルスに突破されてしまった水際作戦

 新型インフルエンザがついに水際を突破し、この記事を書いている時点で、国内の患者数は173人に達しています。国立感染症研究所の専門家は17日に、感染者数は1000人レベルを超えている可能性があることを指摘していますが、今日19日にはもっと増えているかもしれません。

 厚生省が水際対策に力を入れている様子は、連日ニュースでも報道されているのでよく分かりますが、インフルエンザの発症までの潜伏期間を考えると、感染しても症状が出るまでに検疫を通過してしまうことは容易に考えられます。専門家からも、水際対策よりも医療機関の感染症対策の体制整備に、お金や人材を振り向けるべきだという意見が出されているようです。

 「JMM Japan Mail Media」(5月6日発行)に、東京大学医科学研究所の上昌宏准教授の「新型インフルエンザ対策を考える ~検疫よりも国内体制の整備を!」という、なるほどと思わせる興味深いレポートが掲載されていましたので、一部抜粋して紹介します。

【水際対策は本当に有効か?】

 厚労省が水際対策と称して検疫に力を入れていることは、皆さんも報道からご存じでしょう。ゴールデンウィークの帰国ラッシュには検疫官を普段の3倍に増員したと言われています。このような報道が繰り返されることにより、厚労省の懸命な努力により、新型インフルエンザが水際でくい止められているという印象が国民の中に形成しつつあるように感じます。しかし、あの報道や映像を見て、専門家は疑問を感じています。

 テレビでは、検疫官たちがものものしい防護服でチェックに向かう姿が報道されています。あの防護服は、医療関係者が未知の病原体と対峙するとき、空気感染、飛沫感染、接触感染によって自らが感染しないこと、および医療関係者を介して患者間の感染を防ぐことが目的です。しかし、それなら、違う患者・乗客に接するたびに防護服を使い捨てにして着替えなければ意味がありません。着替えないまま走り回っているということは、もし、本当に新型インフルエンザ感染の患者がいたら、乗客にもふりまいてしまうことになります。

 新型インフルエンザの潜伏期間は長く見積もって約10日間ですが、空港利用者の大部分が短期間の旅行や出張から帰ってくる人でしょうから、ほとんどがこの期間中にあると予想できます。空港に着いた時に症状がなければ、どんなに検疫を強化しても発見できませんから、すり抜けて国内に入っていることになります。ちなみに、米国テキサス州で死亡したメキシコ人患者も潜伏期に国境を通過しています。このように、厚労省が主張する検疫強化によって水際で食い止める考え方は、医学的には妥当ではありません。

 また、テレビでご覧になった方も多いでしょうが、厚労省は乗客の体温を検知するサーモグラフィーを大量に整備しました。しかしながら、サーモグラフィーでの有症者発見率は0.02%すなわち1000人に2人で、99.8%はすり抜けます。サーモグラフィーは意味がないことは、SARSの際の経験からも知られています。一方、サーモグラフィーの価格は1台約300万円です。費用対効果が極めて悪い投資です。

 おそらくサーモグラフィーも、発熱によるインフルエンザ発症の疑いの有無がわかるだけで、感染・非感染の区別はできないのでしょうから、確かにあまり当てにはできないようです。レポートの全文はhttp://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_1617.htmlをどうぞ。

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国家レベルの「貧困ビジネス」 戦争まで民営化したアメリカ

 最近のアメリカ社会の状況を知りたくて、『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果著)を読んでみました。前に読んだ『世界がキューバの高学力に注目するわけ』のなかで紹介されていた本です。それにしても、アメリカ社会の格差と貧困層の広がり、教育・医療・戦争の民営化にみられる実態は、考えていた以上にすさまじい。アメリカ国民が意を決して、オバマ氏を大統領に選んだ気持ちが何となく分かりました。

 かつて「市場原理」の導入は、バラ色の未来を運んでくれるかのようにうたわれた。競争によってサービスの質が上がり、国民の生活が今よりもっと便利に豊かになるというイメージだ。
 だが、政府が国際競争力をつけようと規制緩和や法人税の引下げで大企業を優遇し、その分社会保障費を削減することによって帳尻を合わせようとした結果、中間層は消滅し、貧困層は「勝ち組」の利益を拡大するシステムの中にしっかりと組み込まれてしまった。
 グローバル市場において最も効率よく利益を生み出すものの一つに弱者を食いものにする「貧困ビジネス」があるが、その国家レベルのものが「戦争」だ。

 しかし、これが決して海の向こうの話ではなくなって来ているのが心配です。世界の中でも、アメリカの模倣をするのが得意な日本、「戦争」を除いて公共機関の民間への移行がすでに進められているではないですか。「構造改革」というのは、新自由主義に基づく路線と聞いたことがありますが、新自由主義「先進国」アメリカが陥っている状況を見て、その是非をもう一度よく考える必要があるようです。

 かつてのアメリカがそうであったように、日本でも中間層のサラリーマンが国を支えていた時代には、大学を出れば就職、そして結婚し、家庭をもってマイホームを購入、退職したら年金暮らしが待っているという「一億層中流の人生計画」が存在した。だが「規制緩和」「民営化」「自己責任」などのキーワードと共に加速していった流れの中で、日本の中間層にいた人々は過労死やリストラの犠牲となり、「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」「医療制度の崩壊」「派遣社員」『教育格差」などの言葉がメディアにあふれるようになったのだ。

 日本も小泉、安部内閣の下で民営化が進められ、社会保険庁や介護施設、刑務所などが次々に民営化の流れに組み込まれている。だが「役所がひどいから民営化」という安易な考えが危険であることを、取材した多くのアメリカ人から警告された。アメリカン・ドリームという言葉に非常に弱いアメリカ人は、自由や競争=誰にも与えられる機会の平等だと思い込むふしがある。安易に民営化を支持したために、決して手をつけてはいけない医療や暮らし、子どもたちの未来にかかわる教育が市場にひきずり込まれてゆくことにブレーキをかけられなかったのだ、と彼らは言う。国が国民に対して持つべきこれらの責任を民間にスライドさせてしまうことが、いかに民主主義を破壊するかに気がつかなかったのだ、と。

 二〇〇六年七月に公表された対日経済審査報告書(OECD)のデータによると、「OECDにおける相対性貧困率ランキング」において、日本はアメリカに次いで第二位になっている。相対的貧困率とは、すなわちその国の格差レベルを指す。国内に中間層が厚く存在していれば、この数字の上昇にはブレーキがかかる。だが、アメリカの後を追った結果、日本の中間層は貧困層に転がり落ち、格差は急激に拡大しつつあり、さらにこの先「教育格差」が進めば、国内は一部のエリートとスペシャリスト、低賃金労働者という三層に分かれ、この所得格差は強固に固定されていくだろう。
引用:『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果著)

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自由と民主主義のためにこそ教育が必要

 しばらく前に『日経メディカルオンライン』の記事の中で、本田宏医師が勧めていた本のひとつ『世界がキューバの高学力に注目するわけ』(吉田太郎著)を読んでみました。キューバの教育実態が、識字運動などの歴史もふり返りながら、リアルに書かれています。

 一番印象に残ったのは、キューバという国が、いろいろ紆余曲折があっても、教育を手放さず教育立国をめざしてきたことです。国家財政がどんなに苦しいときでも工夫して、教育を大切にしてきたようです。

 この本の中では、折にふれてカストロの言葉が紹介されています。教育問題については素人ですが、心に残ったポイントを、順不同ですが引用して考えてみたいと思います。

 「多くの人々は教育の決定的な要素を金銭だと考えている。だが、違うのだ。社会の教育水準こそが決定的なのだ。革命後には何千人ものブルジョア階級やそれにあこがれる人々、教育を受けた教養人がマイアミに向けてキューバを去った。革命は底辺の中から八〇万人もの専門家を育て上げてきたのだ。だが、我々はそこで、教養や文化水準の高い家庭出身者ほど良い学校に進学していることを発見する(略)。革命以来、我々は教育制度を全面的に改革した。非識字者は一掃され、学校に通えない子どもはいなくなり、大学入学も成績と試験に基づくようにした(略)。だが、この後でさえ、両親の教育水準が大きく影響し続けた。最低の所得水準や最低限の教育しか受けていない家庭出身の子どもは、良い学校に入学できていない。つまり、これは何十年も継続する傾向があるのだ。もし、そのまま事態を放置すれば、こうした子どもらは決して重要な社会的地位につけないだろう(略)」

 日本社会でも、親から子への「貧困の連鎖」ということが言われていますが、確かに家庭の教養水準や収入などの問題が子どもに与える影響は大きい。昔は「立身出世」という目的もあったようですが、高学歴者でさえ職に就けなくなることもある状況では、あまり説得力はないようです。

 「『教育されることが自由になる唯一の方法だ』。このマルティの言葉は、いまという時代においてはこれまで以上に意味を持つ。何百万人もの人民が読み書きできないときに、どうして自由や民主主義について語ることができるだろうか。特権階級や支配者たちは世界人民の多くが非識字者や準識字者状態にとめおかれているいことを熱望している。なぜならば、詐欺と偽りが人民を略奪し奴隷化するために選ばれた武器だからだ」

 これが、キューバが国を挙げて教育に力を入れる源になっている考え方かもしれません。今に日本を追い抜くぞと思っていたら、すでに2004年には、ユネスコが教育モデル国として、フィンランド、韓国、カナダとキューバを推薦していますが、残念ながら日本はモデル国に入っていないようです。

 そして教育観について、改めて考えさせられたのが次の一節です。

 「キューバがしつけに厳しいのは、『子どもは大人より無条件に善だ』との米国発のロマン主義とは正反対の教育観を持っているからだ。2002年の新学期に向けた小学校の若き緊急教員の卒業式でのカストロの発言がそれを象徴している。
 『私にとっては、教育とは価値観を蒔くためにある。多くの人々は連帯感、寛大さ、勇気、兄弟愛等を美徳として称賛するが、子どもたちはたいがいこれとは相反する本能を持ってこの世に生まれてくる。生物としての本能を良心が克服するように担保することが教育だ。それは小さな動物を人間に変えることから始まる(略)。みなさんは、この人間社会で最も重要な使命を負っている。家族は諸君らの手に、その最も大切な宝、希望をゆだねるのだ。革命は諸君らに最も重き社会的責務、最も高貴にして最も人道的な仕事を託している』」

 ひとりの人間として尊重しなければならないのは間違いありませんが、子ども時代には、生物としての本能をむき出しにした残酷さを見せることがあります。それを制御することを学んで、人間として生きていけるようにすることが、教育の大きな役割のひとつではないかと思います。

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キューバにこそ、医療制度の本来の姿と未来があるかも

 『日経メディカルオンライン』で、本田宏医師が推薦していた『世界がキューバ医療を手本にするわけ』(吉田太郎著)を読んでみました。アメリカの医療制度を批判したマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画『シッコ』で、その対比としてキューバの医療を取り上げているというのは聞いたことがありましたが、その詳細についてはほとんど知りませんでした。

 この本では近年の歴史も紐解きながら、最も新しい状況が報告されています。良かれ悪しかれ頼りにしていたソ連の崩壊、今も続いているアメリカ主導の経済封鎖、そしてこのところ導入された市場原理経済による格差の進行など、いくつかの大きな試練を経ながらキューバには、文字どおり人間を大切にする医療が根付いてきているようです。

 GDPが低いからこそ、それでも高度な医療をめざすという低コストで未来にわたって持続可能な制度をいち早く実現しています。この本のすべてを説明することはできないので、キューバ医療の特徴を端的に表現しているいくつかのメッセージを紹介したいと思います。

 まず、イギリスBBCが報道した『世界最高の公共サービス・シリーズ』という番組での紹介です。「ブレア(イギリス首相・当時)が、真剣に医療問題に対処するには、カストロの医療制度を視察するべきではないだろうか。お怒りのメールを送られる方もいるかもしれない。だが、キューバの外科、診療所、そして病院への高評価については、ほとんど議論の余地がない。2001年、イギリス下院の健康特別委員会はキューバを訪れ、『予防重視とコミュニティ医療に基づく医療制度』を絶賛するリポートを出している。キューバは貧しいかもしれないが、不健康ではない。もし、証拠を手にしたいならば、その健康指標を見てみるがいい。平均寿命と乳児死亡率は米国のそれとほとんど同じだし、医師・患者比にあっては、どの西欧諸国との比較にも耐える。だが、一人当たりの年間総医療費は、251ドルでイギリスの10分の1なのだ」。

 続いて、イギリスから毎年、医療従事者の視察団を派遣しているパトリック・ピエト二ロ博士は、「とにかく人々はGDPで貧国を判断しがちです。GDPではキューバはかなり貧しい。ですが、人的資源についてはとても豊かな国なのです。キューバのファミリー・ドクターが受け持つ患者数が300人だと耳にすると、イギリスの医師たちは驚きます。わが国ではその比率は1800人なのです」と言っています。いったい日本では、何人なのでしょう。

 次に、パキスタン北西部地震で治療活動を行い、さらにジャワ島へ救援に向かおうとしていたキューバの「国境なき医師団」のアルレニス・パロッソ医師は、日本に立ち寄った際、「キューバは日本と同じく高齢化が進んでいますが、高齢化は誇りに思っています。開発途上国でも80歳に届こうとしているのです。また国内で格差が進んでいるとの批判もありますが、私はお金のために医師になったのではありません。お金が人間よりも価値を持つ時代になったら残念ですが、そうはならないと思います。パキスタンでは10キロも歩きましたが、お年寄りに喜んでもらえ、子どもたちの笑顔が戻ることをうれしく思いました。私は病気ではなく、人間を診ているのです。生まれ変わっても私は医師になろうと思います」と講演しています。高齢化が誇り。「少子・高齢化」といって高齢化を社会の問題として捉えている国と違うようです。そして、今まさにお金が人間よりも価値を持つ時代になろうとしているのではないでしょか。

 最後に、驚くことにキューバでは、バイオテクノロジーの分野でも世界の先端を走っているようです。その最先端にあるエベル・ビオテクのカルロス・マヌエル博士は、「私たちは多国籍企業とは本質的に異なります。なぜなら、私たちは国家と同じ旗の下で働き、金銭的な目標よりも、むしろ社会的で人間的な目標を分かちあっているからです。ワクチン開発の目的はお金を稼ぐのではなく、命を落とす子どもたちを減らすことにあります。もちろん、タダでワクチンをさしあげることはできませんし、売らなければなりませんが、お金はバイテク産業の目的ではなく、あくまでも手段なのです」と語っています。お金に対しては、本来そうあるべきでしょう。建前と本音を一致させた生き方ができることは素晴らしい。

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地球温暖化対策で経済を活性化する方向へ

 本日28日付けの『琉球新報』によると、琉球大学とうるま市が、火力発電所や工場からでる高濃度二酸化炭素を海水に溶かして海藻を養殖し、バイオ燃料に転換する技術研究を行なっているらしい。

 記事では、同大工学部の瀬名波教授の「従来のCO2処理に比べ、低コストで効率よくCO2を固定化できる。海藻は陸上の植物の約15倍の速さで成長する。CO2濃度が高い海水ではさらに効率よく成長させることが見込まれる」という話が紹介されています。

 アメリカでもオバマ次期大統領が、自然エネルギー・次世代バイオ燃料・省エネ・エコカー・エコハウスなどの事業に10年間で15兆円する「グリーンニューディール」という構想を提唱しているということですし、EU諸国でも、温暖化対策を中心においている企業があるとか聞いたことがあります。日本でも似たような取り組みがあることを、小耳に挟んだことがあるような・・・。

 温暖化対策を行なうことが企業活動の足を引っ張ると、消極的になるのではなく、温暖化対策そのもので、経済を活性化する方向を目指すというのは、積極的な未来志向ですね。ただ、今の地球では、莫大な富と生命の浪費をともなう、もうひとつの環境破壊の準備と実行を止めることも求められているようです。

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日本が化石賞第一位を受賞した理由

 ポーランドのポズナニで行なわれた「気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)」、日本の斉藤鉄夫環境相は記者会見で、「日本が温暖化対策の次期枠組み交渉を牽引するため、野心的な温室効果ガス削減を掲げる必要がある」。「米国や中国も含むすべての主要排出国を巻き込むべきだと強調した」との考えを示したという報道(時事ドットコム)がありました。

 世界の温暖化対策をリードしているような頼もしい発言ですが、しかし、世界の眼は必ずしも甘くはないようです。今回も、環境・非政府組織(NGO)から、地球温暖化対策に後ろ向きな国・地域として、化石賞第一位を受賞したそうです。昨年末のインドネシア・バリ島での前回会議決定を今回再確認しただけで、それ以上進めるのを拒んだことと、温暖化対策の進展を妨害していないと言い張ったことが理由らしい。

 会議全体の流れが分からないと、受賞理由は、いまひとつピンときませんが、環境NGOであるドイツのジャーマン・ウォッチが発表した「CCPI」という報告をみると、美辞麗句よりも、この間の実績が証明していることがよく分かります。

 OECD加盟国と新興国など、世界のエネルギー関連排出量の9割以上をしめる57ヵ国を対象に、CO2の排出レベル、エネルギーや運輸など部門別の排出動向、気候政策の三分野で12項目の指標で国別の評価をしているそうです。

 それによると、日本は、国内気候政策53位、国際的政策47位、政策全体では53位。再生可能エネルギー利用は48位、一人当たりの一次エネルギーの排出量は41位。しかし道路交通の排出量だけは、何とか7位ですが、総合評価は42位になっています。これでは、日本の環境相がいくら勇ましい発現をしても、国際的なリーダーシップは取るのは難しいでしょう。
参考:http://daily-ondanka.com/report/world_01.html

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ユーフォリア

 ユーフォリアとは、イタリア語で幸福感を意味するらしく、心理学や医学などでは、「多幸症」のことを意味します。多幸症とは、常識的には幸せに感じないようなことでも、幸せに感じてニコニコしているような不自然な上機嫌になる精神症状のことです。双極性障害や認知症の症状として現れることが多く、男性ホルモンや副腎皮質ホルモン使用の副作用として現れることもあるそうです。

 そのユーフォリアという言葉は、厳密なカテゴリーとしてではないけど、経済用語として使われることがあるそうです。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が、回顧録の中で、アメリカの経営者たちがバブル繁栄の「ユーフォリア」に陥ったので、金融危機を防ぐことができなかったと弁解しているらしい。

 ここでいうユーフォリアとは、「景気循環の繁栄局面の頂点で、資本が陥る「陶酔境」の局面をさしています。ユーフォリアに入ると、資本は、自らの繁栄に目がくらんで、現実に累積している矛盾がみえなくなり、長期的な視点を見失ってしま」うということです。もともと、この言葉は、アメリカの高名な経済学者J・K・ガルブレイスが、その著書『金融ユーフォリア小史』で使いはじめたそうです。

 ガルブレイスは、「頭脳に極度の変調をきたすほどの陶酔的熱病(ユーフォリア)は繰り返し起こる現象であり」、「楽観の上に楽観が積み重なり、投資が継続し、一見うまく行っているように見えて、ついには破局にいたる」。「ユーフォリアが生じると、人々は、価値と富が増えるすばらしさに見ほれ、自分もその流れに加わろうと躍起になり、・・・そしてついには破局が来て、暗く苦しい結末となる・・・」と述べているとのこと。
(参考:『しんぶん赤旗』サイト 「経済時評」2008年12月12日、「資本の『ユーフォリア』とは?」2007年2月7日)

 サブプライムローンとか、後から考えたら破綻することは分かりきったことなのに、歯止めが利かなくなるようです。そういえば、すでにユーフォリアの局面は過ぎているようですが、いま次々と生産調整と称してリストラが行なわれています。個々の企業にとっては経費削減できるかもしれませんが、社会全体で見ると失業者の増加によって、消費がますます弱くなり不景気に拍車をかけることになる。マイナス・スパイラルのユーフォリアでは・・・。

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改革の中身 何をどう変えるのかを検討するステージに

 麻生政権が、思いがけない経済情勢の深刻な展開に、当初の思惑を外れて、総選挙をすることもできず、また真に有効な手立てを打つこともままならない。失言や放言で支持率をさらに引き下げているようです。このままでは、総選挙がたたかえないと、政権与党の中からも、新党や分党の動きが見え隠れしています。

 今日のマスコミ報道では、中川秀直自民党元幹事長が、テレビ番組の中で、「民意は、改革派が与野党から出てきてやるような、政界全体がひっくり返るようなものを望んでいると思う」と述べ、構造改革路線の遂行をするために、自民党のみならず、民主党の「改革派」との連携も含めた政界再編の可能性を示唆したらしい。

 「構造改革路線」といえば、根本的な改革を行なうことによって、しばらく多少の痛みを我慢しさえすれば、将来はばら色の社会が待っているかのような幻想を持ちがちです。そうは思いながらも、社会の閉塞的な行き詰まりを何とか打開してほしいという思いから、一縷の望みを抱いてしまいます。

 現状を打開するために、改革は必要です。でも、問題はその中身です。勇ましく断固とした言葉を吐く指導者に、任せてみたい気持ちは分かりますが、つい最近も、国民と国の将来を、そこに丸投げしてしまって、ととんでもないことになったことがありました。同じ轍を踏まないためには、どこに問題があって、それをどう変えていくのか、改革の中身をよく検討することが大事な段階に、進んでいるような気がします。

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景気回復は2010年から・・・イギリス政府の予想 

 イギリス政府が、24日に金融・経済危機に対応する包括的景気刺激策を発表したとのこと。報道によると、付加価値税の税率を17.5%から15%に引き下げ、低所得者への所得税減税と高額所得者への増税を行なうらしい。

 日本の消費税5%にくらべると、イギリスの付加価値税は税率が高いような気がしますが、食料品、水道水、新聞、雑誌、書籍、国内旅客輸送、医療品、居住用建物の建築、障害者用機器などは、もともと0%です。

 危機打開を最も公平な方法でめざすことを強調したとのことですが、それにしても思い切った政策を発表するものです。国民総生産(GDP)の1%に相当する200億ポンド(2兆9千億円)を、当てるということです。

 日本でも、イギリス並の生活必需品への消費税非課税くらいの対策をやった方が、将来の消費税率引き上げとセットにした一万円余りの定額給付金よりずっと効果があるのじゃないでしょうか。2兆円と高額所得者増税をプラスしたらできそうな気がしますが・・・。

 ただ、このニュースで注目したのは、イギリス政府が、景気回復は2010年からと予想して、減税期間を、今年12月から来年末まで設定していることです。この不景気、最低来年1年は続く可能性ありということですか。世界規模の不況ですが、日本が同じようになるとは限りません。しかし、そのくらいの覚悟はしておいた方がいいようです。・・・そう言えば、全治3年とかいう話もありましたね。怖いですね !!

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医は算術の場合も 気を抜くとケツの毛までむしり取られる

 医は仁術。病院はどこでも、患者の健康の回復を第一に考えてくれているはず、決して患者に不利なことをするはずがないと思っていたら大間違い。中には、医は算術として、いかに儲けるかを念頭において経営しているところもあるようですから、病院にかかるときには、よく気をつける必要があります。

 実は、知人が最近、入・退院しました。話を聞いてびっくりしたのですが、1ヶ月の入院で、退院時に、自己負担分60,000円の請求があったそうです。現在すでに一般的になっている4人部屋にもかかわらず、なんと1日2,000円の自己負担金だそうです。本人は、そういう部屋に入っている自覚はなくて、退院するときに請求されたと驚いていました。普通の病室でも良かったのにと反論したそうですが、病院側の説明ではそのタイプの部屋しかないと言われたそうです。

 地獄の沙汰も金次第。いわゆる差額ベッド代というやつです。好条件の病室に入りたいというお金持ちは、自由に高額の料金を支払って入院すれば良いでしょう。しかし、保険診療の範囲内の病室で十分と考えている患者にまで、十分な説明もせず、差額ベッド代を支払わせるのはどうでしょうか。

 厚生労働省も目に余ったのか、差額ベッド代の請求に規制をかける通知を出しています。①患者の同意を書面で確認していない。②救急患者など「治療上の必要」で個室などに入院させる。③患者の選択ではなく病棟の管理上の都合で個室などに入院させる―場合は、差額ベッド代を請求できないとしています。

 知人の場合も、入院の諸手続きで、あまり考える余裕のないときに、同意書を書いた可能性があります。差額ベッド代のことに限らず、一般的に言えることですが、もう少し費用面での詳しい説明がほしいですね。こちらもすべて病院にお任せではなく、入院時のジタバタのなかでも、条件の是々非々を見極めるようにしなければ、ケツの毛までむしり取られてしまいそうです。

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「景気は弱まっている」「下押し圧力が急速に高まっている」ですか?

 21日に内閣府の月例経済報告が発表されました。「我が国経済の基調判断」は、10月が「景気は弱まっている」だったのに対し、11月は「景気は弱まっている。さらに、世界経済が一段と減速するなかで、下押し圧力が急速に高まっている」と、もう一つ下の方へ傾いたようです。

 続けて、「・輸出は、減少している。生産は、減少している。・企業収益は、減少している。設備投資は、弱含んでいる。・雇用情勢は、悪化しつつある。・個人消費はおおむね横ばいとなっているが、足下で弱い動きもみられる」と記されています。これは、ほとんど変わりませんが、まだ10月には、輸出の減少ところに、「緩やかに」がついていました。

 さらに将来の見通しですが、「先行きについては、原油価格等の下落による一定の効果が期待されるものの、世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念、株式・為替市場の大幅な変動などから、雇用情勢などを含め、景気の状況がさらに厳しいものとなるリスクが存在することに留意する必要がある」となっています。10月と比べて「雇用情勢」が新たに入っているようです。

 景気は、深刻さを増して、さらに厳しくなっていくということでしょうか。当分、良い方向への変化はないようですね。特に関心があるのは、個人消費ですが、10月と比べ若干の上げ下げの変動はあるようですが、基本的な流れはほとんど変わっていません。「消費者マインドは悪化しており、所得は弱い動きとなっている。・・・先行きについては、所得が弱い動きとなっているなかで、株価が大幅に下落していることもあり、注視が必要である」としています。

 与謝野経済財政担当相が関係閣僚会議に提出したということですが、先行きについても、政府不況対策を加味した楽観的な判断は、まったくないようです。定額給付金もあまり効果はないと見通しているのでしょうか。2兆円といっても、すべての国民にばらまくと、たかが12,000円です。考えてみると、受け取った人の中でも、よっぽど体調の悪い人が、一度くらい来店してもらえるかどうかといった金額ですよ。

 聞くところによると、2兆円あれば、後期高齢者医療制度の廃止や子ども医療費の無料化、年金・生活保護・児童扶養手当の増額などに着手できるとか。その方が景気対策としても良いんじゃないかなぁ。ばらまくと少ないけど、まとまったらやっぱり2兆円は大きい。もっと効果的な使い道を考えた方が良いかも・・・。

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「温室効果ガス排出量が過去最悪」の環境省発表に一考

 環境省が12日に、2007年度の温室効果ガス排出量の速報を発表しました。地球温暖化防止がこれほど喧しく騒がれているにもかかわらず、二酸化炭素換算で前年度比2.3%増加、京都議定書基準年となる1990年度比8.7%増で最悪となったと報道されています。

 部門別には、産業部門で3.6%増、そのうち特に生産量の増えた鉄鋼業の4.8%増加が大きく影響。また、民生の業務部門は1.2%増、同じく民生の家庭部門で8.4%の増加だったそうです。これは6割が電力消費によるもので、柏崎刈羽原子力発電所の地震被災による停止を、火力発電で補ったことが主な原因とされています。44a_2

 但し、二酸化炭素排出量の部門別割合(右図 温室効果ガスインベントリオフィス)をみると、エネルギー転換・産業・運輸が80.3%を占めています。民生(家庭部門)は5.0%にすぎませんから、増加割合だけでは比較できません。各家庭で、温室効果ガスの排出を抑える努力をするのは当然としても、8割を占める大御所に動いてもらわないと、解決の方向には進まないようです。Zuhyo2008_03_02_2

 また、「世界の二酸化炭素排出量に占める主要国の排出割合と各国の一人当たりの排出量の比較(2005年)」という面白い資料(右図 EDMC/エネルギー・経済統計要覧20008年版) があったので、引用しておきます。やはり、アメリカが、国全体でも一人当たりでもスバ抜けています。中国は国ではアメリカに次いでいますが、人口が多いために一人あたりでは小さい。ロシア、日本、ドイツ、イギリスはだいたい横並びですか。地球規模の対策となると、アメリカと中国の動静がカギになりますか。

 それにしても、原子力発電は、二酸化炭素を出さない温暖化対策の切り札とされていますが、地震国日本では、原子炉事故そのものの危険性もさることながら、何時停止する分からないという不安要因を抱えていることが証明されたようです。しかも、核燃料廃棄物の安全で確実な処理方法が、確立されていないのですから、温室効果ガスが決着しても、それが新たな問題になることは必至です。

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景気浮揚効果は期待しても良いのだろうのか 生活支援定額給付金

 麻生政権の追加経済対策、何とか景気浮揚効果のあるものを期待しています。目玉としている「生活支援定額給付金」、高額所得者の支給制限をどうするかで、「すったもんだ」しているようですが、確かに4人家族で、64,000円の臨時収入ということになれば、有難いような気もします。

 しかし、世論調査での評価は、なかなか厳しいようです。共同通信の全国電話世論調査では、評価しないと答えた人が58.1%、評価すると答えた人が31.4%だったそうですが、現在と将来の生活への不安がそういう回答に現れているのかもしれません。

 これまで定率減税の廃止その他で、2008年度の負担増は13兆円に達するといわれており、単純平均で国民一人当たり10万円、4人家族で40万円になるそうです。おまけに麻生首相は3年後の消費税10%への増税を公言しました。これが一人当たりに換算すると年間4万円、4人家族で16万円に。

 与謝野経済財政担当相が、定額給付金は実質消費支出を年間0.2%、実質GDPを年間0.1%程度押し上げる効果があるという試算を発表しています。しかし、将来不安がある状況で、どれほどの景気浮揚になるのか、数字だけではよく分かりません。

 庶民感情としては無駄遣いを戒めて、貯蓄に回す傾向が強いような気がします。それに、同じ2兆円使うのなら、一回限りの支給でおしまいではなく、中長期的な展望を持った対策に使ったほうがいいのではという声が市井からも出ているようです。

 それでも、あまり効果のなかった地域振興券と違って、今回は金額がかなり増えていますから、給付金を使って体調のすぐれない方が、不調を我慢せずに施術を受けに来ていただければ嬉しいのですが、麻生政権の思惑どおりになってくれるかどうか、少し心配です。

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寿命にも所得格差 金持ちほど長生き

 『asahi.com 医療・健康』のページ 2008年11月8日付けに、「『男男格差』寿命にも 低所得者の死亡率、高所得者の3倍」という興味深い記事がありました。

 日本福祉大学の研究グループが、名古屋市を中心とする地域の65歳以上の男性12000人を4年間追跡調査した結果、所得によって死亡率に差があることが明らかになったそうです。所得に応じて、5段階に分類して調査。最も低い第1段階の死亡率は34.6%、第2段階は15.3%、第5段階は11.2%という結果が出たとのこと。何と、第1段階の死亡率は、第5段階の3倍です。

 記事では、WHOの専門員会にいたことのある教授の「所得の低い人が受診を抑制したためではないか。日本は国民皆保険で長寿が達成されていると国際的に評価されてきたが、近年の所得保障崩壊や医療費の自己負担増などで揺らいでいる」というコメントを紹介しています。

 確かに、医療費は日常的な生活費と違って、突然病気になるため、不測の出費になることがほとんどです。健康面でのマイナスを元に戻す、負の経費といっても良いでしょう。先般のわが子の入院費もそうですが、あまりに高額になると、ついつい抑制を考えるようになります。

 この診療抑制が、医療費削減のための仕掛けでしょう。健保加入者本人は一切医療費無料だったのが、1割負担になり、2割になり、今は3割です。自治体によっては、「老人」医療費も無料だったんですが・・・。ひょっとして、一時期は全国的な制度になってましたかね。

 先日、国民健康保険証のない中学生以下の子どもが全国に33,000人との報道もありましたが、「国民皆保険」は、すでに低所得者や若者、高齢者を中心に一部崩壊していると言ってもいいのではないですか。それなのに、なぜ日本国民は世界的な長寿でいられるのか、不思議ですね。

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考えてみたい水問題

 地球温暖化も原因のひとつとして考えられると思われますが、最近、世界的に水の問題が注目されているようです。

 わが国は水資源には比較的恵まれてはいますが、今年は、怒涛のような集中豪雨が降るところがある反面、四国地方のように降水量が足りないため、水不足が心配される地域もありました。何とか台風が近くを通過したおかげで、最悪の難は免れたようです。これからのことを考えると、本州・九州との間に大きな橋を架ける調査に数十億円のお金を使うよりも、抜本的な水対策を考えた方が良いのではないかと思います。

 国際的には、北京オリンピックの時に、中国での水不足の問題をに焦点を当てた報道もありましたが、インドなどを含めた新興国での経済発展と人口集中や増加にともなう水問題の深化はこれからも懸念されています。さらに、乾燥地域での水不足は、テレビを見る限りですが、気候変動の影響で深刻化しているようです。

 『日経サイエンス』ホームページ、2008年11月号の紹介記事によると、途上国の乾燥地帯では、単に「物理的に水が足りないだけではなく、供給可能な水がありながら、供給システムの不備や政府の問題から経済的に水が得られない」場合もあるとのこと。新興国の場合も、経済発展で得られた資金を給水設備に振り向ければ、「危機を避けられるかもしれない」と指摘しています。

 記事では、多量の水を使う食料や製品を乾燥地域・国に輸出入させることで水を移動させる効果があることや、水のリサイクル、海水淡水化技術の問題なども取り上げているようです。日本では、幸いなことにまだそれほど差し迫った問題ではありませんが、水問題も地球温暖化の問題と合わせて、心に留めておきたいテーマです。

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バイオ燃料の温暖化防止効果は見込めない・・・FAO年次報告

 「共同通信」によると、FAO(国連食糧農業機関)が10月7日に発表した年次報告で、「バイオ燃料」の「地球温暖化防止効果は予想以下で」、「化石燃料を代替するほどの生産も見込めない」から、生産拡大のための「優遇策を見直すよう各国に求めた」そうです。

 報告書では、バイオ燃料の原料であるトウモロコシやサトウキビ栽培のために草原や熱帯雨林が伐採されて、二酸化炭素の吸収が阻害されている。栽培のために使われる化学肥料や殺虫剤の生産、作物の輸送などが温室効果ガスの発生源となっている。バイオ燃料は、現在燃料消費の2%を占めるに過ぎず、化石燃料に代わることは見込めないと指摘しているようです。

 FAOの立場で、農産物生産という面から総合的に見て、バイオ燃料は、地球温暖化対策として、あまり役に立たないという指摘ですね。確かに、バイオ燃料原料の生産に偏った畑地拡大のため、アマゾンの熱帯雨林が、指摘のとおり、どんどん伐採されているのをテレビで見たことがあります。その上、肥料や殺虫剤の生産や生産物の輸送の問題でも、逆効果になっているとは知りませんでした。

 世界的な食料品価格の高騰も、バイオ燃料の原料作物への偏った生産とその需要を見込んだ投機マネーの動きから来ているようですから、バイオ燃料偏重は、役に立たないどころか、害があると言っても良いくらいです。見直し「提言」は、大いに結構ですね。

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風評に流されず、真実を見極めることが大切

 四国足摺岬沖で領海侵犯を行なったという潜水艦。「すぐに公海へ抜け出してしまったため、適切な対応ができず、見逃すことになってしまった。直ちに対応できる体制づくりが必要」と、自民党総裁選候補の誰かが言っていましたが、結局、防衛省の発表では、断定することはできないが、クジラの可能性が大きいとのこと。

 東京湾で漁船と衝突して有名になったイージス艦「あたご」が、その潜水艦の潜望鏡を見つけたそうですが、最新鋭のレーダー装備を備えたイージス艦でも、クジラと潜水艦の見分けがつかないんでしょうか。確か建造費が1400億円くらいするようですが、莫大な経費の割にはあまり役に立たないんですね。

 一部のマスコミが「中国の潜水艦ではないか」と書きたてたため、中国政府からクレームがあったという話も聞きました。一般国民としては、情報入手がマスコミなどに限られるため、そういう意見に流されまいとしても、なんとなく近隣諸国に対して疑心暗鬼をもってしまいがちになります。

 そして、長野の菓子店で、中国で製造した餡(あん)を試食した従業員が、嘔吐した事件です。その後の調査結果を見ると、どうも製造過程での毒物混入は考えられないようです。確かに中国ではメラミン入りの牛乳や乳製品が作られて、数名の死者や数千人の腎臓疾患に罹患した乳幼児が出ていますし、少し前の毒入りギョーザの問題もあります。だからといって、中国製の食品すべてに問題あるかもしれないと考えるのは、行き過ぎのようです。

 「あおぎりカイロプラクティック」で中国整体を行なっているからといって、中国に肩入れするつもりは毛頭ありません。ただ、これらの出来事を見て、世間の流れや風評に踊らされることなく、「是は是、非は非」として、冷静にものごとを見極めることが大切だという思いを強くしているところです。

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新型インフルエンザ対策には相当の柔軟性が求められる

 先日、新型インフルエンザの世界的流行(パンデミック)について書きましたが、その対策のひとつとして、よく話題になるタミフルという抗インフルエンザ薬の備蓄があります。ところが、そのタミフルに耐性をもつウイルスが見つかっているらしい。

 『日経メディカル オンライン』「パンデミックに挑む」という特集の中に、「季節性インフルエンザのAソ連型で 休息に広がるタミフル耐性、オランダでは死亡例も」(2008.9.13)という記事が掲載されています。

 ウイルスの型は、季節性インフルエンザAソ連型(H1N1)ということですが、その中にタミフル耐性ウイルスが発生して、ヨーロッパを中心に、南アフリカ、ガーナ、チリなど、急速な広がりを見せているとのことです。

 WHOの集計によると、2007年10月から2008年3月までの間には、16%だった耐性化率が、2008年4月から8月では、31%に引きあがっているとのことです。日本でも、今年2月に検査対象の5%に見つかっていたそうです。

 当然ウイルスの型は異なるのですが、現在新インフルエンザ対策の重要な一環を担っている、抗インフルエンザ薬=タミフルの備蓄に影響を与えることが指摘されています。ヨーロッパではすでに、タミフルに依存しすぎる傾向を見直す動きが出ているそうです。

 薬の開発とウイルスの耐性の変化は、イタチゴッコのようなものですが、パンデミックに対応するには、ウイルスの発生状況やその質的変化、研究の発展などに、敏感に反応して素早く適応できる柔軟性が、何より求められているようです。

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新型インフルエンザ 人口の4分の1が感染する可能性

 新型インフルエンザ対策に、警察庁まで、発生に備えた行動計画を策定(9月17日)したという報道がありました。これまでの政府の対策が、十分なのかどうかはよく分かりませんが、相当な対策を講じないと対応できないようです。

 20世紀の例では、1918年にスペインインフルエンザ、1957年にアジアインフルエンザ、1968年に香港インフルエンザ、1977年にソ連インフルエンザが世界的に流行しています。スペインインフルエンザでは、世界では人口の25~30%が感染し4000万人が死亡、日本でも2300万人が感染し39万人が死亡したそうです。 

 新型インフルエンザは、ときどき問題になる鳥類のインフルエンザが人にも感染できるようになるもので、今のところ、いつ出現するか予測できない。人間にとっては未知のウイルスであるため、免疫がなく、急速な世界的流行(パンデミック)をおこす危険性があると言われています。国民生活や社会機能の維持に支障が出てくる可能性もあります。

 政府は、過去のデータから推計して、人口の4分の1が感染し、2500万人が医療機関を受診、入院患者は53万~200万人、死亡者は17万~64万人とみているようです。しかし、今後発生する新型インフルエンザの感染力や病原性については、はっきり予測できないため、柔軟な対応ができるよう検討されているとのことです。

 スペインインフルエンザの流行から、すでに90年の歳月を経ており、医療技術やワクチンの製造技術も相当発展しているでしょうから、同じ轍を踏むようなことはないかもしれません。しかし、新型インフルエンザが未知のウイルスであることと、毎年医療費の削減を追求し続けている政府であることを考えると少し心配です。

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あまり面白くない自民党総裁選

 自民党総裁選が行なわれて、マスコミも派手に報道しているようです。以前の民主党の党首選のときもそうでしたが、政権に直結しているか、あるいは直結するかもしれない大政党ともなれば、一般の国民に選択権はない選挙ではあっても、アメリカにならってマスコミは取り上げることになっているのでしょう。

 総裁選の後は、あまり期間をおかずに総選挙に突入するんでしょうから、選挙の結果次第では、自民党の総裁=総理というのを、どの程度持ちこたえることができるのか、定かではありません。それにしても、テレビで候補者の顔を拝ませていただいても、どうも、この人なら任せてみたいという人がいませんね。

 5人とも、国民に塗炭の苦しみを味あわせている、構造改革路線をすすめてきた小泉内閣の閣僚というじゃありませんか。程度の差こそあれ、路線そのものについては確信をもって、さらに進めることを表明しているようですが、一番にやってもらいたいのは、景気対策です。少し前の戦後最長の好景気は、外需頼みの大企業だけのもので、庶民には実感できないものでしたが、構造改革路線をもっと進めていけば、何とかなりますかね。

 ただ、財政問題では、早い遅いの違いはあっても、そろって消費税増税を前提に論議しているのが引っ掛かります。それしか財源確保の道は、ないんでしょうか。おまけに、戦争への加担としか思えないのですが、インド洋での給油活動延長でも一致しているらしい。

 候補者がお互いに笑顔で、にこやかに「論戦」?したり、元首相がスタンドプレーをしたりすればするほど、何だか白けてしまうような気がします。「チーム福田」が仕掛けたのかもしれない、今回の「総裁選劇場」は、「ぶっ壊す」とか「旧守勢力との対立」などというような激しい空言が聞こえてきませんが、ねらい通り「小泉劇場」のようにうまくいけば良いんですけど。

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日本でもやってみたら 「都市自家用車一掃デー」

 ニュースによると、中国の住房和城卿建設部が、9月22日を「2008中国都市自家用車一掃デー」にして、午前7時から午後7時までの12時間、市街地への自家用車の立ち入りを禁じることにしたということが伝えられています。

 もちろん、自転車やバス・タクシーなどの公共交通機関車両、消防車、救急車は認められるようです。「人にやさしい道」というのがテーマで、慢性的な交通渋滞の解決は車両数を減らす以外にないことと、健康にも良いということを、国民に体験してもらうのを目的にしているらしい。

 昨年10月に実施したときの写真が添えられていますが、道路が広々としてポツンとタクシーが1台だけ走っています。トラックやダンプカーなど輸送関係の営業車両などはどうするのか、詳細は明らかではありませんが、年に1回くらい市街地の通行を止めても良いかもしれませんね。

 中国では大気汚染など特別の事情があるのかもしれませんが、日本でも、幹線道路沿線では似たような状況です。渋滞解消のためにということで、新しい道路をつくったり、拡張・整備しても、それに輪をかけたように自動車が増えていけば、堂々めぐりです。

 日本でも正月など、大型輸送車両などが少なくなるためか、街が静かになります。9月22日は、日本では平日のウィークデーですが、中国ではどうなんでしょう。日本でも、良いことはためらわずに真似して一度やってみればいいのに。でも、企業の儲けに響くから、資本主義国日本では、ちょっと難しいですかね。

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平均所得額以下の世帯数が6割を超える日本国民の生活

 厚生労働省が9日に、2007年「国民生活基礎調査の概況」を発表しました。国民生活基礎調査というのは、厚生労働省が政策の基礎資料にするため、1986年から、毎年行なう世帯ごとの平均所得や人員構成などの調査と、3年ごとに行なう保険、医療、福祉、介護などに関する大規模調査のこと。今回は大規模調査で、調査期間は2006年の1年間です。

 全世帯の一世帯あたり平均所得金額は566.8万円と、前年度と比べると3万円(0.5%)増えているそうです。しかし、所得金額による世帯数の分布をみると、「100~200万円」が11.5%、「200~300万円」が12.9%、「300~400万円」が13.2%と、山の頂上をなしており、それ以上の所得の世帯分布は、なだらかな下り斜面を描いています。中央値は451万円で、566・8万円の平均額より低い世帯の割合は、何と6割を超えて(61.2%)います。平均額は、数少ない高額所得世帯が引き上げているようです。

 そのためか、生活意識の状況について、「大変苦しい」24.0%、「やや苦しい」33.2%と、5割を超えています。苦しく感じている世帯が過半数を占めているのは、ここ10年連続だそうです。そして「普通」が39.0%、「ゆとりがある」「大変ゆとりがある」はわずか4.8%です。さらに付け加えると、特定世帯として「児童のいる世帯」では63.2%が、「母子世帯」では84.8%が、苦しく感じていると回答しています。

 調査の対象期間が2006年の一年間ですから、これが今年2008年の調査になると、もっと悲惨かもしれません。しかし、平均というのは、凸凹を均等にして全体の状態を表すものと錯覚しがちですが、必ずしも実態を表していないようです。統計や調査資料は、気をつけて見る必要がありますね。平均所得額が多少増えたと言われても、それ以下の世帯が60%以上あるというのでは、どおりで生活実感として、ゆとりが生まれたような気がしないはずです。

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事故米転売問題 農水省には責任はないのだろうか

 三笠フーズの事故米転売問題が明らかになって、米を買っていた造り酒屋もおおごとでしょうが、消費者も安心して焼酎や日本酒を飲むこともできない世の中になりましたなぁ。三笠フーズだけでなく、同業他社16社にも立入調査がおこなわれるとのこと。

 農林水産省は、三笠フーズに対して、契約違反だということで数千万円の違約金を請求する方針を明らかにしたということです。もともと、農薬やカビに汚染された事故米だから、食用ではなく工業用糊の原料として販売する契約だったそうです。

 安く仕入れて高く売るのかどうか知りませんが、その儲け優先体制というか、食の安全に対する無神経さというのは、食品を扱う業者としての資格が問われる重大問題だと思います。しかし、違約金を請求した農水省も、工業用糊にしかできないような事故米を、どうして食品卸売業者の三笠フーズに売ったのでしょう。

 その辺がよく分かりませんねぇ。それに、どうしてわざわざ農薬やカビに汚染された米を、外国から輸入するんでしょう。ミニマムアクセス米というやつですかね。でもあれは、輸入義務ではないことが、ずっと前に国会で明らかにされたように記憶しているんですけど。

 国内で作る米が多すぎるからと、減反させて、その上に財政赤字といいながら、義務でもないのに外国から購入する。これが国際的な食料価格が高騰する一因にもなっていると聞いたことがありますが、これでは、まったくの悪循環じゃないですか。

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さすが老練・巧妙な仕組み 福田総理辞任と自民党総裁選

 福田首相の突然の辞意表明。国民生活に大事な対策を検討する臨時国会を目前にして無責任だと思う反面、与野党のハザマで思うに任せない国会運営に疲れ果ててしまったのだろうと、人間的にはちょっぴり同情する気持ちもありました。

 しかし、辞意表明後の状況をみると、ことはそれほど単純ではないらしい。自民党総裁選に7人も名乗りをあげて、すべての人が候補になれるというわけではないでしょうが、にぎやかにマスコミも取り上げているではありませんか。テレビなどのニュースでは必ず冒頭で取り上げられているようです。

 候補者の中には、消費税の引き上げは当面考えられないとか、国民目線の政治とか、心優しい暖かい改革とか、従来の自民党の構造改革路線と一線を画すようなことを発言している人もあるようですから、大いに期待したいですね。

 郵政対決選挙で大勝した「小泉劇場」のときのように、今度は「総裁選」という形の対立構図を作り出す作戦のようです。マスコミに乗って大いに宣伝して、直ちに総選挙へ突入したら、良いかもしれませんよ。さすが永年の政権党の脚本・演出、なかなか老練で、巧妙なやり方です。

 まさか「出来レース」ではないと思いますし、これは効果があるに違いありません。ただ、この間の「構造改革路線」で、国民は辛酸をなめ尽くしています。今度の総選挙は、政治の具体的な内容が問われることになりそうですから、思惑どおりになるかどうかちょっと心配です。

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裁判員制度・・・「その意に反する苦役」にならないか

 日本弁護士連合会が、来年5月から実施予定の裁判員制度について、「刑事事件を担ってきた立場から、また、国民の司法参加を願ってきた立場から、予定通り実施を求める」という緊急声明を8月20日に発表したそうです。

 実施に向けて、各地方裁判所が名簿の準備をすすめているようですが、世論調査では、制度の内容が明らかになるに連れて、「裁判員になりたくない」という人が多数派になってきているようです。そのため、実施の延期や制度の廃止を求める党派や団体の声が強くなっていることに対抗したものらしい。

 裁判員制度が、どれほど司法制度の改善になるのかどうか。専門家ではないのでよく分かりませんが、刑事事件の裁判に、法律の知識も様々なレベルの国民が参加して、感情論にならず、有罪・無罪の適切な判断をすることができるのか。3~5日の短期間で裁判を終えることを見込んでいるそうですが、それで決着がつかないような場合はどうするんでしょうか。

 しかも、裁判員は、有権者の中から無作為に選ばれて、特別の理由がない限り、半ば強制的に組み込まれていきます。仕事を休まなければならないのですが、報酬は最大で1万円ということです。やってみたい人には、「裁判制度の改善のためなら報酬なんて関係ない」と考える人もあるようですが、「強制」と思う人にとっては、「責任の割にはずいぶん安すぎる」と考える人もあるようです。

 正当な理由なく裁判員になることを拒否すると、10万円未満の過料を取られ、さらにまた、裁判の内容については生涯にわたって守秘義務を負うことになり、違反したら、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。家族にさえ話せず、守秘することそのものが重荷になるかもしれません。

 日本国憲法の第18条に「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」という規定がありますが、考えてみると、裁判員制度は、人によっては、「その意に反する苦役」になりそうな気がします。勤労・教育・納税の三大義務に、4番目をプラスしますか?

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ガソリン代の高騰にも良いことが 交通事故死亡者減る

 19日に発表された警察庁のまとめによると、お盆休みの9~18日の間の交通事故死亡者数が、統計が残っている1970年以降で最も少なかったとのこと。さらに今年に入ってからの累計数も、70年以降で最も遅いペース。また、事故発生件数、負傷者数ともに、前年比で20%以上減少しているということです。

 たとえ少なくなっても、亡くなった方や負傷された方はお気の毒ですが、数そのものが減るのは良いことです。警察庁は、交通事故の死亡原因は、飲酒運転によるものが10人減。帰省した人が関係するものが11人減ということで、「ガソリン価格の高騰で交通量自体が減ったことが一因ではないか」と分析しています。

 ガソリンの高騰によって交通量が減ったことは、死亡者減少の一因というより主要因かもしれません。燃料費の高騰は、農林水産業や運輸業などをはじめ、多くの分野で困ることの方が多いのですが、不要不急の自動車の稼働率が低くなるのは、一面で良いこともあるようです。

 それにしても、日本の場合、国土の面積に対して、自動車が多すぎるのではないでしょうか。確かに自動車は、好きなときにどこへでも行けて便利ですし、ガソリンが安かったときには経済的でした。但し、自動車というのは、いつも交通事故と隣り合わせの、油断できない、場合によっては危険な乗り物です。

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日本人選手のローマ字名 「欧米か?」

 ときどき、北京オリンピックをテレビで見ていますが、ちょっと気にかかることがあります。それは日本選手の名前のローマ字表記が、「名-姓」になっていること。おそらく、日本からの登録にもとづいているのだと思います。

 ローマ字名の「名-姓」の形式。これは、もともと、「明治の欧化主義の時代に定着したもので、欧米の人名の形式に会わせた」ことが、はじまりということです。

 日本以外に母国語で「姓-名」の形式を用いているのは、中国、韓国、ベトナムなどアジアの数カ国と、ハンガリーということで、国の数としては少ないかもしれません。しかし、中国が含まれていますから、人口としてはかなりの割合になるはずです。

 北京オリンピックでのローマ字名表記。ハンガリーやその他アジアの国はまだ、意識して見てないのですが、中国や韓国選手の名前は、確かに「姓-名」になっていました。日本選手のローマ字名を見ていると、何かちょっと情けないような、「欧米か?」と言いたくなるような気持ちがします。

 文化庁は2000年12月に、第22回国語審議会の答申にもとづいて、「日本人の姓名のローマ字表記に関し、『姓-名』の順とすることが望ましいとし、官公庁や報道機関等における表記及び学校教育における英語等の指導において、その趣旨がいかされることを希望しています」として、その趣旨に沿った対応を依頼しています。

 「依頼」なので、強制力がないからでしょうか、8年も経過した今回の、北京オリンピックでも採用されていないようです。そろそろ日本も、「欧化主義」の悪しき慣習をやめて、アジアの一員としての日本文化に誇りを持つようになりたいですね。

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タバコ増税で禁煙が進むかも?・・・若者の意識調査

 パソナグループという人材派遣を主業務とするグループの自立人(フリーター)協会という組織が、8月14日付『雇用レポート』で「若者の『たばこ増税』と『喫煙』に関する意識調査」の結果を報告しています。

 調査は、7月下旬、東京下北沢周辺の20代を中心とした若者を対象に、街頭とWebで行なったそうです。但し、サンプル数が212件ということで、これが日本全国の若者の意識を代表しているといえるのかどうか、難しいところですが、一定の傾向はつかめるでしょう。

 それによると、サンプルの中で、まず喫煙者が29%と3割にも届かない。以前吸っていたけど止めたという人が16%。さらにそもそも一度もタバコを吸ったことがない人が、何と55%もあったのは驚きです。近頃の若年層では、喫煙者が少数派になっているんですね。

 もちろんタバコ増税に対する意見は、非喫煙者(賛成55.6%)と喫煙者(反対58.1%)とでは正反対になっています。賛成の理由としては、「周囲の人への迷惑が減る」、「健康のために良い」など喫煙のリスクの問題を重視したものが多く、反対の理由としては、「一箱1000円は高すぎるから」、「喫煙者だけの増税は不公平だから」などが上げられていました。

 そして、喫煙者に対して「タバコが一箱1000円になっても吸い続けるかどうか」の質問には、「すぐに禁煙する」が40.3%、「本数を減らし、いずれ禁煙する」が30.6%だったそうで、7割が禁煙を考えているようです。止めたいと思いながら、ズルズル続けている喫煙者には、いいキッカケになるかもしれません。

 となると、この増税が、歳入アップにどれほど効果があるのか分からなくなりますが、禁煙する本人と周囲の人の健康のためになることは、間違いないですね。しかし、一箱1000円になると、いずれ、タバコも、「葉巻き」のように、金持ちのステータスシンボルになるかもしれませんね。

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「景気は、このところ弱含んでいる」

 7日、内閣府から「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」というのが発表され了承されたというマスコミ報道がありました。日本経済の「景気は、このところ弱含んでいる」というのが、基本判断ということです。景気が「回復」を続けているという庶民には縁遠い感じを持った言葉が、4年8ヶ月ぶりに消えました。

 各分門ごとの基本判断は、「輸出は、弱含んでいる」、「生産は緩やかに減少している」、「雇用情勢は厳しさが残るなかで、このところ弱含んでいる」、「個人消費は、おおむね横ばい」、「住宅建設は、おおむね横ばい」、「企業収益は、減少」、「設備投資は、おおむね横ばい」といったことらしい。厳密な表現なのかどうかしりませんが、「弱含んでいる」とか「おおむね横ばい」などという言葉は失政を覆い隠すイチジクの葉ような気がして、何やら腹立たしい感じがします。

 それぞれの部門に貼付された資料の表題をみると、もう少し分かりやすいようです。企業部門の動向では、「主要地域向けの輸出は総じて弱含み」、「幅広い品目で輸出が弱含み」、「生産は緩やかに減少」、「生産財や資本財中心に生産が減少」、「在庫率をみると、IT関連財だけでなく、それ以外でも在庫率が上昇」、「在庫率が高まれば、生産にマイナスの影響を与える傾向」、「中小企業の業況判断は悪化」、「仕入価格の販売価格への転嫁は進まず」。

 家計部門では、「雇用情勢は、厳しさが残るなかで、弱含み」、「『勤め先・事業の都合』『新たに収入を得る必要』などによる失業者が増加」、「個人消費はおおむね横ばい」、「実質所得は弱含み」、「足下、基礎的支出は弱い動き、選択的支出は比較的底堅い」、「北京オリンピック需要などもあって、家電製品がこのところ比較的堅調」と言ったところです。その他にも、住宅の動向、物価の動向、海外の動向、国際商品市況の動向、地域経済の動向の資料があります。

 8月からまた食料品をはじめ、値上がりしましたから、庶民の生活は一層ギリギリと押し込まれていますよ。この厳しい景気判断をもとに、「安心実現内閣」には、外需頼みの輸出大企業だけの景気回復ではない、国民生活の安心が実現するよう、必要で妥当な景気回復策を、一刻も早く打ち出してもらいたいものですね。

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日本の小中学校も耐震性は十分ではない

 31日の衆院災害対策特別委員会で論議になったと、新聞に報道されていましたが、文部科学省が6月に発表した、全国の公立小中学校の耐震診断実施率は93.8%、耐震化率は62.3%。大規模地震で倒壊する危険性の高い施設が一万棟もあるということです。

 これでは、中国四川省の大地震で学校が倒壊して、たくさんの子どもが亡くなったことを、新興国の低い建築技術やモラルが問題、「可哀想に」と、哀れんでいることはできないではないですか。地震立国日本とは、とてもいえないのではないですか。

 委員会の質疑の中で、担当官は、1981年以前の建物になると耐震化率は38.8%にしか達していないとのことを明らかにしたそうです。古い学校ほど危ない。学校は、子どもたちが通っているだけでなく、いざと言うときの避難所にもならなくてはならない施設ですから、しっかりと耐震対策をしてもらわないと。

 地震だけは、同じ自然災害でも、台風などと違って突然予告なしに起こりますから、不備が見つかったら、悠長なことを言わずに、直ちに、手を打ってもらいたいものです。このところ、東北地方で頻繁に起こっていますが、日本列島は地震の活動期といわれていますから、しばらく比較的平穏な広島でも、いつ南海地震などの大地震があるか分かりませんぜぇ。

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ハイブリッドカーに別な角度からの注文

 アメリカ盲人員会(ACB)が、音をほとんど発しないハイブリッドカーが、」視覚障害者にケガや死亡事故などへの深刻な脅威をもたらすと、自動車産業、政府に対して改善策を求めているとの記事が、『ヘルスデージャパン』(2008.7.31)に掲載されています。

 ハイブリッドカーはCO2の排出量が少ないため、地球温暖化対策の旗手として、また自動車産業は、消費者の危機意識に対応した新しい販路拡張の手段として、注目されていますし、低価格化と技術水準の向上めざして、さらに研究開発も進められているようです。

 都市部の住民にとっては、排ガスも抑えられて、騒音まで小さくなるなんて嬉しいことばかり、私など、すべての自動車が一刻も早くハイブリッドカー化することを望んでいました。しかし、運転音が小さくなることによって、深刻に困る人もあるんですね。

 そういえば、目の見える私たちも、目で見ないで、音で自動車の存在を確認することがあります。その音がほとんど聞こえないとなると、確かに危ない。考えられることは、運行中に何らかの音を出すようにすることでしょうが、ただその音の大きさと音色が、ポイントになりますね。

 ACBが改善策を求めた自動車産業の中に、アメリカに展開している日本のメーカーが含まれているかどうか分かりませんが、日本のメーカーも含めて是非、研究、工夫してもらいたいものです。

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G8サミットの温暖化対策は、所詮こんなものか

 北海道洞爺湖サミット、地球環境の存亡がかかった先進国諸国首脳の会議として、期待していました。しかも日本が議長国です。でも8日の排出量削減長期目標の合意をみると、やっぱりこんなものかと思わず言いたくなります。

 「2050年までに、世界全体の温室効果ガスの排出量を、少なくとも50%削減する」ことになったということです。それには国別の責任を持った削減目標と中期目標が設定されていません。G8諸国がこれまで排出してきたCO2量は、現在大気中に蓄積されている量の62%を占めるといわれており、現在も世界の温室効果ガスの48%を排出しています。G8の責任は極めて重大であるにもかかわらず、世界全体のみんなで責任を負う削減目標ですか。

 WWFは、2050年までに世界の排出量を50%よりはるかに多く、緊急に削減しなければ、地球環境はその深刻な影響にさらされることになると警告。この危機を回避するためには、今後10~15年間に、世界の排出量増加を完全に抑え、その後減少させること。先進国は2020年までに排出量を25~40%削減することという具体的提言を行なっています。

 それにしても、先進国の具体的目標をなぜ決められなかったのでしょう。アメリカが主要排出国になった中国やインドが不参加であることを理由に、合意に難色を示したと報道されています。しかし、今日9日には、ブッシュ大統領が望む中国、ブラジル、南アフリカ、インド、メキシコの5カ国も拡大会合に参加するということですから、どうなりましたかね、楽しみです。

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地球温暖化対策 待ったなしですが・・・

 世界自然保護基金(WWF)とドイツ保険大手アリアンツの共同調査による「主要8カ国温暖化成績表」が発表されたそうです。順位は、①イギリス ②フランス ③ドイツ ④イタリア ⑤日本 ⑥ロシア ⑦カナダ ⑧アメリカということです。

 報告では、「気候変動阻止にむけた公約完全履行からほど遠い状態。20年後の世界がどうなるか推し測ることはできない」。「G8各国は、世界の気温上昇を摂氏2度に抑えるための目標に必要と考えられる政策を十分に講じていない」と厳しい批評をしています。

 最高格付け=グリーンの該当国はありませんでした。1位のイギリスについても、京都議定書目標を下回るCO2排出量を維持していると評価していますが、それでもイエローです。

 5位までイエローですが。日本については、「温室効果ガスの排出量が増え続け、京都議定書の目標から大きく離れている」、「政府は排出量削減の中期目標を依然として明らかにしていない」と批判しています。

 G8は世界人口の13%ですが、CO2排出量は世界全体の43%になると言われていますから、洞爺湖サミットは今後の世界の気候変動のカギを握る重要な会議になりそうです。議長国日本のリーダーシップ発揮を期待したいところですが、報告が指摘している気温上昇摂氏2度へ抑えるという目標に対する理念が曖昧で、手段も具体的でないという声も上がっているようです。

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コンビニ 24時間営業の自粛?

 地球温暖化対策のひとつとして、埼玉県が飲食店などを含む深夜営業の自粛方針を出したそうです。それを受けて、コンビニエンスストアの24時間営業の自粛要請に関して、共同通信がアンケートを行なったところ、9都府県が検討に前向きであることが明らかになったとのこと。広島市は、検討予定との回答です。

 確かに産業活動を一分野でも制限すると温暖化ガス排出を制限する一助となり、良いことと思いますが、それを言うなら、現代社会が全体的に24時間体制で動いていることが、問題なのでは?

 最大限の利益を上げるためには、設備をフルに稼動させて生産の流れを止めないことが不可欠ということで、必ずしも稼動継続の必要のない産業まで24時間体制です。国際競争に勝つことが理由でしょうか、今や24時間操業は当たり前のようになっています。

 そこに働く人たちが、仕事で遅くなったときなど、いつでも開いているコンビニは助かります。そういう社会の流れの中で、コンビニの営業だけ自粛させるのは、ちょっと不合理かもしれません。

 朝起きて、昼動いて、夜寝る人間本来の生活リズムに則った健康的な方向に、社会の流れを変えるようなもっと大胆な構想が必要ではないでしょうか。人間本来の生き方に戻すことが、地球温暖化対策につながることになれば良いですね。

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人を大切にする国になれば、自然と愛国心は生まれてくる

  『日経メディカルオンライン』に、済生会栗橋病院(埼玉県)の本田宏副院長の講演が紹介されていました。福井県の自治会館でされたらしいのですが、広島市でも昨年3月にほぼ同じような内容の講演があったようです。広島県医師会のホームページのビデオコーナー(http://www.hiroshima.med.or.jp/)で見ることができるというので、早速見てみました。

 広島の話は、昨年3月なので後期高齢者医療制度や道路特定財源の問題などが触れられていないなど、政治情勢的には少し古いところもありますが、現在も続いている日本の医療制度の問題を、医師の立場と同時に患者の側に立って、鋭く告発しています。少し早口なので、聞き取りづらいところもありますが、ユーモアたっぷりの話は面白く、図やグラフをふんだんにつかって素人にも分かりやすい講演です。

 まず、日本の医師の総数が26万人で、OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均38万人より12万人も少ないこと。いま、勤務医の過重労働が指摘されて、医療ミスなどの原因となったり、若い人が医師になることを敬遠するようなことを聞きますが、さもありなんです。国の対策は、年間3,000人の増員計画ということですが、これではOECDの平均水準まで、全く自然減がないと仮定しても40年かかることになります。看護師やその他医療従事者も、アメリカなどと比べて異常に少ない。

 そして、国民一人当たりの医療費が先進国の中で最低であるとともに、自己負担額は最高額。国家予算に占める割合を比較すると、公共事業費は世界一で、先進6ヶ国か7カ国の総額よりもまだ多いのに対して、社会保障費はOECDの平均にも満たないそうです。日本の国家予算の中で社会保障費は3割程度、戦争をしているアメリカでさえ5割を超えているのにです。
 
 本田氏は、「日本は戦前の『富国強兵』の国から、戦後『富国強経』の国になった。これからは(心の豊な)『豊国幸民』の国にならなければならない」と締めくくり、悲惨な医療現場を変えるために、日常的に忙しく診療もしながら、全国で訴えているこの内容を公演に参加した一人でも多くの口から語って欲しいと訴えていました。

 これまで、断片的には知っていたこともありましたが、まとまった形で医療現場の状況と合わせて聞くとよく分かりました。産科医や小児科医がいなくて廃止されたり、診療時間が短くなった病院が近くにもあります。道路整備が必要なところもまだ残されているでしょうが、それはそれで手当するとしても、当面さほど必要のない高規格道路やトンネル、橋などをつくるより、医療費にこそ思い切った予算を向けるべきではないかと思いました。人間を大切にしない国に、誰が愛情を抱くでしょうか。 

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ガソリン代が高騰するなら交通手段を見直してみたらどう

 政府与党は、明日30日、ガソリンの暫定税率を復活させる租税特別措置法改正案を衆院で再議決することを決めたということです。原油の値上がり分も含めると30円近くの価格上乗せになると報道されています。

 自動車はとても便利な道具ですが、温暖化ガスのひとつである二酸化炭素や粉塵を撒き散らし、運転の仕方によって凶器ともなり得る危険な未開発の代物です。おまけに車検や税金、駐車料、修理代など大変な金食い虫です。

 最近では、環境にやさしいといわれている穀物などを原料とするバイオエタノールも、途上国の食糧危機をまねき、燃料か食糧かの選択を迫られているというではありませんか。最近の日本での食品価格や家畜飼料の高騰にも、一役買っているのではないですか。

 今の段階では極論かもしれませんが、石油埋蔵量も限られていることですし、このガソリン代の値上げがチャンスかもしれませんよ。もう無理して代替エネルギーを研究するのはやめて、クルマ社会そのものをやめたらどうですか。

 自動車がなくては生活できないような地方の人口密度の小さい地域では、何らかの対策を講じるとしても、都市部では、もっと公共交通手段を充実させるべきです。少し先の話になるかもしれませんが、いずれ交通手段の大きな変化を起こさざるを得ないことになるのではないでしょうか。

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暫定税率・道路特定財源・道路中期計画

 ガソリン税の暫定税率を維持してきた「租税特別措置法」と、それを道路建設に特定財源としてあてる「道路整備財源特例法」は、4月1日からに失効しています。再び復活するかどうか、いま国民的に関心の高い問題です。参院で否決されても、衆院の3分の2の再可決で強行しますかね? 少し頭の中を整理するため、言葉の意味を調べてみました。

 暫定税率とは、法律で1ℓあたり28.7円になっているガソリン税に、さらに25.1円上乗せした税金のこと。道路整備促進のための暫定措置として1974年に導入されて、5年期限の特別措置法として続いているということです。この度は、この期限を10年にしようとしているらしい。

 道路特定財源とは、1954年に議員立法で成立したもので、使い道が道路整備に限られている税金で、年間6兆円です。ガソリン税、軽油税のほか自動車取得税や自動車重量税も財源になっています。テレビなどで無駄遣いが指摘されていますが、使い道が限定されているためか、監査が行き届かないようですね。

 道路中期計画とは、10年間で59兆円の道路を造ろうという計画です。4割が高速道路、14,000kmの高速道路計画に7,000kmの地域高規格道路というのが盛り込まれているそうです。話に聞くと、東京湾、伊勢湾、紀淡海峡、豊予海峡、関門海峡、天草海峡に橋またはトンネルをつくるという、屋上屋をつくるような国土形成計画が内閣で検討されいて、すでに68億円の調査費が投じられたらしいのですが、その後どうなったのでしょう。

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「経済成長と温暖化ガス排出削減は両立できる」

 ヨーロッパでは温暖化対策が進んでいるという話を聞いたことがありますが、新聞に掲載されていた「欧州で見た温暖化対策」という調査報告を読んで、なるほどと思いました。

 まず、環境先進国といわれるドイツで、フライスブルク市の路面電車やバスなど公共交通機関を主流にして車の少ない社会を実現している交通政策や、ザウアーラッハ市の森林資源を生かした暖房や地熱発電などで二酸化炭素排出量を半減している興味深い事例が紹介されています。(フライスブルクは、うらやましいですね。広島も早くそうならんかなぁ)

 そして、最も眼を惹いたのは、調査団がイギリスの「経団連」にあたる「イギリス産業連盟」を訪問したときのことです。対応した担当課長が、温暖化対策は「ビジネスと進歩のための好機であり、経済成長と排出削減は両立できる」、「気候変動問題の解決には産業界の果たす役割が決定的だ」と述べたそうです。

 財界の総本山ですから、ビジネスを念頭におくのは当然でしょうが、目先の利益を優先するのではなく、長期的利益を見すえてものごとを考えているのは、たいしたもんですね。イギリスでは、国会でも、「法律で温室効果ガス削減を公的に義務化する」法案を審議中だとのこと。EUも、欧州排出権取引制度などで加盟諸国をリードしているようです。

 先日の東日本の台風のような風と雨。サンゴ礁の島が水没したり、氷河が溶け出して洪水や渇水になったりする異常な気候は、遠い国の出来事ではありません。いまや温暖化による気候変動というのは、動かしがたい事実となっています。

 日本でもテレビコマーシャルなど見ると、温暖化対策を意識せざるを得ないようになってきているようです。私たち消費者レベルでの努力も、もちろん大切ですが、もっと大きな比重をしめている産業界への対策、これから洞爺湖サミットへ向けて、実のある排出量削減策が打ち出されるよう見守りたいですね。

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今朝、牛乳が値上がりしていました

 日曜日はいつも、近くのスーパーで牛乳の安売りをしているので、1週間分仕入れに行きます。脂肪摂取を控えることを考えて、低脂肪乳を買っています。世間で、近々牛乳の価格が引き上げられるという話は聞いていましたが、ついにマイミルクも10円値上がりです。

 そういえば、カップ麺もしばらく前から、30~40円大幅値上がりをしていました。輸入小麦が値上げの大本と聞いています。継続して買わないのでよくわかりませんが、パンなんかも上がっているんでしょう。

 ガソリン・揮発油関係は、暫定税率が廃止されて安くなったようですので、輸送費用が製品に転嫁されるのは少しは治まるかもしれません。同時に、4月から道路特定財源の法律の期限も切れて、一般財源化されることにもなったらしい。しかし、これは国民世論と政治次第でまだ流動的です。

 しかし、身近な商品が値上げされるというのは、応えます。石油や小麦、バイオエタノール関連商品の値上がりは、投機によるものらしいですね。悪名高いサブプライムローンも、住宅ローンの証券化が原因とのこと。「金が金を生む」虚業の弊害極まれりといったところでしょうか。

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長寿を祝える制度になるのか 後期高齢者医療制度

 4月から後期高齢者医療制度がはじまります。なんで高齢者に、前期と後期があるんでしょう。私は120歳まで生きるつもりですから、75歳ではまだ人生半ばなんですけど・・・。後期高齢者というのは、75歳以上の人をいうらしいですが、なぜ75歳からなのか、社会保障審議会が「後期高齢者の特性」をまとめたそうです。

 75歳からの後期高齢者の特性として、「第一に、老化にともなう生理的機能脳の低下により、治療の長期化、複数疾患への罹患、とくに慢性疾患がみられること。第二に、症状の軽重は別として、多くの方に認知症が見られること。第三に、後期高齢者は、いずれ避けることのできない死を迎えること」などをあげています。

 確かに高齢者に見られる特性には違いないでしょうが、これで前期と後期に分けることには違和感を感じます。いずれ死ぬんだから、あまり医療費をかける必要はないといっているように見えますね。現に、これまで扶養扱いになっていた人からも、保険料を年金から強制的に天引きする上に、健康診断も義務から外すとのこと。

 実際にその狙いは、医療費の削減にあるようです。舛添厚労相は、国会質疑で、「国家予算が80兆円、医療費は30兆円、高齢者の医療費10兆円。この問題をどうするか。医療費をべらぼうに伸ばし続ければいいというものではない」と答弁していました。

 ずっと前の話、東京、大阪をはじめいくつもの革新自治体が存在した30年ほど前は、「老人医療無料化」の波が全国に広がっていました。もちろん働く人本人の医療費は、最近まで無料でした。それが、予算の無駄遣いが嵩んで大借金を作って、国民の健康にしわ寄せですか。

 病院で、「年寄りの病気」と判を押された方々が、少しでも良くしたい、健康になりたいと来店されます。当店でも、確かに筋肉や骨格の構造的な退行性変性は難しいのですが、何とか痛みやシビレを改善できるよう全力をあげてきました。75歳を超えたらからといって、脚や腰が少々悪くても、死ぬまで我慢するという方は、いらっしゃいません。少しでも改善して、QOLを維持したいという方が、ほとんどです。

 医療制度自体は、民間療法の店には直接関係ありませんが、しかし、保険料や病院での窓口負担が重くなって、高齢者の方の客足が遠のくのは、避けられないかもしれません。こんなことで、国を愛せますかね。

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温暖化対策に効果がある「排出量取引制度」

 洞爺湖サミットへ向けて、温暖化対策が話題になっているようです。いま、遅れているといわれる温室効果ガスの企業間「排出量取引制度」、日本でも検討されはじめています。確か京都議定書の時には、先進国と途上国との間での取引が問題になっていたようですが、最近まで、排出量を金で取引することに、何となく胡散臭いものを感じていました。

 しかし、よく調べてみると、排出量の上限枠を決めて、実際の排出量がそれを上まわった企業が、排出量抑制に成功して下回った企業から排出量を購入する仕組み。排出量を減らせば儲けが出るわけですから、企業の削減努力も見込めるわけです。ヨーロッパではいち早く導入、中国でも実験的に、アメリカでも州レベルでは自主的に取り入れているところがあるそうです。

 もちろん、国民一人ひとりの省エネ、ゴミ削減の努力などは大切です。風力・波力・太陽光・バイオマスや水車などを使った小規模の発電など自然エネルギーの活用も、注目されています。しかし、二酸化炭素排出量はエネルギー・産業・商業・運輸などで9割以上を占めるのですから、この分野での解決が中心でしょう。国としての取り組みなしには解決の方向は見出せそうにありません。 

 地球温暖化といっても、ただ気温が上昇して海面が上昇するだけではないことは、すでに明らかです。台風の凶暴化や熱夏、冷冬、旱魃、生態系の破壊と病原菌・ウイルスの攪拌など人類と生物の存亡がかかっています。排出量取引制度には、まだ解決しなければならない問題もあるようですが、急がなければなりません。「待ったなしの状況」といってもいいかもしれません。

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よく練られた労働者派遣のしくみ

 「中国や東南アジア・インドなどに比べて、日本の人件費は高い」ということを、以前聞いたことがありますが、どうもその打開方法として、政・財・官のみなさんが智恵を絞って「派遣労働」のしくみを考えたようです。

 国会でも問題になっているようですが、キャノンの大分や滋賀の工場では、従業員の半数以上が派遣や請負などの非正規雇用だといわれています。他の企業でも多かれ少なかれ似たような状況があるのではないでしょうか。

 派遣労働者ですと、正社員より時給は安くて済みますし、社会保険の企業負担分も出す必要はないし、ボーナスや退職金も不要です。これなら人件費の安い国々とも、対抗できるじゃないですか。さすがによく練られた方法ですね。

 もっと都合のいいのは日雇い派遣です。その日その日で勤務先が変わります。一日だけの単純労働ですから、少々きつい仕事をさせてもOK。たとえ一日でダウンしても、翌日は別の派遣労働者が待っていますから、大丈夫です。

 派遣労働のしくみにニーズがあるといわれていますが、どうなんでしょう。特に若い人は、お金を貯めて長期に海外旅行をするとか、そのためにも仕事が簡単に辞められて便利がいいからという人もあるかもしれません。普通の生活に満足しない勝手気ままな「偏屈もの」が、派遣労働者になるのでしょうか。それにしては、人数が増えましたね。

 輸入小麦の値上げが発表されたようですが、この消費不況、さらに進みそうです。「あおぎり」の店も、昨年秋からすでに経営の限界を超えていますので、派遣労働者として働く日が近いかもしれません。でも、もうとっくに後期中年の「おじさん」ですから、日雇い派遣でも雇ってくれるところがないかもね。その時は・・・。

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朝三暮四

 「朝三暮四」という言葉をご存知ですか。

 中国の宗の時代の話。たくさんのサルを飼っていた狙公という人が、エサ代に困って、サルに、「これから、朝のドングリを3つに減らして、夜は4つにする」と言ったところ、サルが「こんなにお腹が減っているのに」と怒り出したそうです。

 そこで狙公は、「悪かった。それでは、朝のドングリを4つにしよう。そのかわり夜は3つになるけどいいかな」と提案したところ、サルたちは自分たちの気持ちを理解してくれたと喜んで、狙公にひれ伏して感謝したそうです。

 何かこれと似た話を、聞きませんか。特にどこかの国の政治の世界では、日常茶飯事のような気がします。広島のすぐ近くでも似たような問題をめぐって、選挙がされているようですが。よく考えて「朝三暮四」にならないようにしないと、危ない危ない。

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もっと取り入れて欲しい生活道路ではスピードが出せない工夫

 以前に接した情報ですが、ヨーロッパのある国では、市街地では自動車から公的交通機関への乗換えが進んでいるとのこと。特に排気ガスを出さない市内電車に、重点をおいているらしい。道路はもっぱら歩行用に使われ、人の往来も多くなって、沿線の商店街にも賑わいがもどっているという情報を聞いたことがあります。

 そして生活道路では、自動車がスピードを出せないように、わざと舗装に波を打たせたり、蛇行させたりしているそうです。そういえば、広島でもありました。すぐ近所の観音小学校の正門前の道路は、小学生の通行の安全を考えて、右に左に一定間隔でずらして蛇行させているようです。

 そういう道路をもっと増やして欲しいですね。たとえばわが家の近くの観音本町公園を取り囲む道路です。ときどき猛スピードで通り抜ける自動車やバイクを見ることがあります。子どもが公園への出入りで、左右を見ずに走ることがあるので、とても危険です。

 ある程度の幹線道路は仕方ないにしても、街の中を通る生活道路は、そういった工夫をしてもらえたら、嬉しいですね。住民に迷惑がられている高速道路のトンネルをつくるより、そういう生活密着型の公共事業の方が安上がりで、住民だけでなく地元の土木業者からも、喜ばれるのではないでしょうか。

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今年度の見通しは相当厳しい?

 新聞に、内閣府が13日に発表した『2007年7-9月期国内総生産(GDP)速報』のことが報道されていました。

 GDPは、前期(4-6月期)比0.6%増、年率換算で2.6%増と、輸出が牽引して2.4半期ぶりにプラス成長になったとか。しかし、アメリカ経済の減速を背景にした円高、株安、原油高などで、輸出頼みの景気は、下振れリスクが根強くなっているそうです。

 そのため、大田弘子経済財政担当相は、「しっかりした景気回復基調が確認された」と言いながらも、今年度の見通しは「相当厳しくなっているのは事実」と認めているそうです。

 頼りの個人消費は、前期比0.3%増にとどまり足踏み状態です。毎月勤労統計調査の9月分結果によると、サラリーマンの所定内給与は17ヶ月連続で減少、夏のボーナスも3年ぶりにマイナスというではありませんか。

 おまけに、ガソリン・灯油など光熱費の高騰、石油関連製品や料金の値上げ、バイオエタノール作物への転作や投機の影響で食料品も値上がりしています。景気回復の恩恵を受けることもなく、いつの間にか不景気に逆戻りということはないでしょうね。

 その影響かどうか分かりませんが、10月中旬からお客さんがぐっと減りました。近所の理髪店の店長も、「これで消費税が上がったら、とてもやっていけない」と言ってましたが、このまま行くと当店の経営も、大田弘子担当相のいうように、今年度の見通しも相当厳しいかもしれません。

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平和な社会は意見の異なる者が共存するところに生まれる

 これは、当店のすぐ近所、福島2丁目の「広島工業大学専門学校」の敷地内にあImgp0843_editedる石碑に記された文章です(残念ながら署名の一文字が判読できません)。

 いい言葉ですね。ひとつの価値観や意見を、権力や集団の力で押し付けるところに、平和はない。これは国家の関係でも、個人の関係でもいえることでしょう。いろんな考え方の人が、お互いに批判し合うことはあっても、人間として認め合うことが必要です。

 『不毛地帯』(山崎豊子著)を読みはじめたところですが、日本の敗戦からシベリImgp0844_editedア抑留の様子が描かれています。軍国主義の狂気から、ソ連型「民主主義」の狂気へ、その底流には同じ気質があるようです。強い者に追従し少数意見を、権力や集団の力で排除することです。

 そういう風潮は戦後60年以上経過した現代社会にも、 無きにしも非ずです。真の平和のためには、多勢に押し流されない個人としての自己確立、社会集団の成長が不可欠だと思います。そのためには智恵と勇気が必要ですが・・・。

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他人事ではない近隣同業店の閉店

 10月の月初めに「景気のいい話」です。昨年、今年と続いて、当店からすぐ近く100mほどのところにあった整体系の店が閉店しました。

 ひとつはカイロプラクティックの店、昨年春ごろだったかと思いますが、閉店しました。もうひとつは、施術方法が違う癒し系の店、つい最近閉店しました。

 いずれも当店が顧客獲得競争に勝って、凌駕したというものではありません。当店も青息吐息で、事務所の維持経費すら出るかでないかという状況で、赤貧洗うが如し、とうに廃業していてもおかしくない状況ですから、他人事ではないのです。

 健康関係とはいえ、「商売」ですから、当たり外れもあるわけで、まじめにお客様本意にやりさえすれば、なんとかやっていけるというものではないようです。

 9月で開業2周年となりました。3年目を迎え、地元のみなさんやホームページを見て来てくださる方、口コミで紹介いただいた方、当店を必要としてくださる方も増え、技術的にも少しは自信がもてたかなと思うこともあります。

 しかし、今年4月から、消費不況の中、少しでも多くの方に気軽に利用していただきたいと、来年3月までの特別期間を設定して利用料を値下げしましたが、半年たって集計してみると、さして効果はなかったようです。

 「だんだんよく鳴る法華の太鼓」という言葉があります。駆け出しの状態から、紆余曲折を経ながら、少しでも上に向うかと考えていましたが、必ずしもそうではなく、経営状況は低い位置での水平線です。

 いずれ決断を迫られる日が来るかもしれません。しかし、石の上にも3年といいますから、あと一年頑張って、店を維持してみます。決断はそれからです。

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間違っていなかった「最も危険な動物」の引用

 The most dangeous animal in the world

 この言葉は、『沈まぬ太陽』の中で、主人公の恩地元がニューヨークのブロンクス動物園を訪れたとき、大型類人猿舎の中を見ていると檻のとなりに、見ている自分の姿が移る鏡があって、そこに書かれていた文章です。恩地自身は、国民航空の中で正論を通したがために流刑に等しい長期海外勤務を命ぜられ、また新生組合や関連会社の膨大な利権を守ることに固執する魑魅魍魎に対する怒りをもって、この言葉に共感したのだろうと思います。

 そこから援用して、核兵器をもった人類こそ「最も危険な動物」だと考えて、広島の原爆の日に、「?」をつけたタイトルでブログを書きました。

 ところが、山崎豊子さんの付記を読んでいると、これは、自然保護分野と動物展示で著明なウィリアム・コンウェイ博士という人の言葉で、「24時間ごとに19万匹の割合で増えているこの動物は、他の動物を絶滅させたことがある唯一の生き物です。この動物は、今ではもう、地球上のすべての生き物を全滅させてしまう力を手に入れてしまいました」と核兵器を手にした人類への痛烈な警告を発しているそうです。

 やっぱり、核兵器です。これが人類を最も危険な動物へとおとしめている。国を守るため核兵器をもつ、威嚇するために核兵器をもつ。広島・長崎に投下された後は、世論の力と国際的な力関係で使えなくなっていたものが、昨今実際に使うための兵器に変わってきている。あながち、不適切な引用ではなかったようです。

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The most dangerous animal in the world?

  今日は、広島の原爆の日です。テレビでも原爆に関する特集番組などが組まれていますが、昨夜、NHKで放送された「核クライシス 都市を襲う核攻撃 ~地表爆発と高度爆発~」という最新の核問題に関する研究を報道するスペシャル番組を見ました。

 冷戦時代は抑止力として存在し、実際には「使えない兵器」だった核兵器が、軍事技術の発達と拡散のなかで使える兵器に変わろうとしている。

 その核兵器には、二通りの使い方が想定できる。ひとつは、テロリストが都市に持ち込んで爆発させる地表爆発。上空で爆発した広島や長崎と違って、地表で爆発するため広い範囲で、瞬間的な高温の熱風とそれに続く、繰り返す衝撃波が街を破壊する、さらに長期間にわたって、人体の許容量をはるかに超えた放射線を放つ物質が降下する。

 もうひとつは、ミサイルに搭載された核兵器が地上数百キロ上空で爆発する高度爆発。人体には直接の影響はないが、アメリカ国土の半分に及ぶような広大な範囲に電磁波が降りそそぎ、電子機器を麻痺させる。現代社会では、電子機器はあらゆる分野に使用されているため交通機関は制御不能となり、通信・電気・水道をはじめ、生活のために必要なライフラインが長期間、広範囲にストップすることになる。

 どの程度の規模の核兵器についての話なのか、聞き逃しましたが、どのような使い方をしても核兵器が爆発するようなことがあったら、人類は生存していくことはできないことが、ますます明らかになりました。もはや軍事的威嚇のための兵器ではないのです。人類の現在と将来にかけて、核兵器は廃絶する以外には道はありません。

 人類は、The most dangerous animal in the worldであってはならないと思います。

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温暖化対策も金儲けの手段に?

 ある新聞で、「トウモロコシ飼料が急騰して養鶏関連業者が悲鳴をあげている」という記事を読みました。地球温暖化対策としてガソリンや軽油の代替エネルギーとして、トウモロコシなどを原料とするバイオエタノールが注目され、需要が増え価格を押し上げているとのこと。 そういえば少し前にも、「国連食料農業機関が、バイオ燃料の穀物需要増で発展途上国の食糧事情が悪化するとの懸念を表明した」という報道があったのを思い出しました。

 地球の温暖化の進展を少しでも防止するために、いろんなことを考えて試みるのは良いことだと思いますが、常に全体のバランスを考えながらしないと、とんでもないところにしわ寄せが来てしまうということですね。いまトウモロコシの茎から安価にエタノールをとる技術を研究しているとのことですが・・・。

 そういえば、昨年末ごろからしきりに先物取引でトウモロコシの買いを勧められました。ワーキング・プアの私にはそんなお金の持ち合わせがあるはずもなく、お断りしましたが、おそらく、そういう目先の効くお金持ちの人たちがトウモロコシの販売権を買い占めて、価格急騰の原因のひとつをつくっているのではないかと思います。儲けを見込んで、どんと投資する。リスクも大きいけれど、うまくいけばリターンも大きい。多少他の人に犠牲が出ても、別に法的に問題があるわけではない。「金が金を産む社会」であることは、十分承知していますが、でもこれって、「真っ当な商売」になるのかなぁ。

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何でも民営化、市場競争でいいのかね

 介護報酬の不正請求が問題になっていますが、そもそも公共性のある事業を次から次へ民営化して市場競争にまかせて良いのでしょうか。確かに、各企業が切磋琢磨して、より優秀な技術やサービスをより安く提供する競争をすることは理想的で、利用者にとっても好ましいことには違いないでしょう。

 けれども、公共性のある事業、特に憲法に則った国民の生存権を保障する福祉関係の仕事は、利益が小さくても、あるいは損をしても、しなければならない側面もあるのではないでしょうか。確かに個人事業や小さな会社なら経営理念や従業員のモラルで、乗り切ることができるかもしれません。しかし、民間企業は、利益を追求することが目的です。特に株式会社は、経営理念に理解をもって株を所有している株主もあるでしょうが、大手になればなるほど株主の関心は株価や配当のことが中心になるのではないでしょうか。その株主に委託を受けて会社を経営する人は、個人的な野望を持っている者のみならず、より高い利益をより早急に追求することになりかねないと思います。

 そのために、本来の切磋琢磨を忘れて、目先の利潤追求に追いまくられることになるのではないでしょうか。今回の不正請求しかり、鉄道の安全対策軽視しかり、耐震強度偽装しかりです。国や地方自治体の財政が借金まみれだからといって、その原因を改めずして何でもかんでも民営化、民営化と規制を緩め、事業を手放すのはどうかと思います。もちろんお役所=お上な高圧的な態度や仕事振りを改めていただくことも必要ですが、公共施設や事業の民営化に関しては、もっともっと慎重な検討が必要ではないでしょうか。

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