首・肩こり

斜角筋のクリニカルマッサージによる手技療法

 斜角筋は胸郭出口症候群に関連する筋肉です。『クリニカルマッサージ』では、胸郭出口症候群の原因を、もっぱら斜角筋の硬結に求めているようです。

 胸郭出口に含まれるのは、斜角筋と第1肋骨、または前斜角筋と中斜角筋との間の通路部分である。腕へと流れていく途中、腋窩動脈と腕神経叢は、前斜角筋と中斜角筋の間を通り、次に第1肋骨と鎖骨との間を通る。この通り道のどこかに前斜角筋と中斜角筋の硬結が存在すると、血管や神経は圧迫されてしまう。斜角筋による関連痛と腕神経叢が圧迫されてしまったことによる痛みの識別は、難しい場合がある。

ストリッピング
・患者は背臥位とする
・術者は患者の頭側に立つ。一方の手を頭の下に差し入れて頭を保持する。
・もう一方の手の指を患者の頚の下に置き、母指を斜角筋の上部に当てる
・しっかりと組織に圧をかけながら、筋肉に沿ってゆっくりと母指を動かす。できるだけ遠くまで指を運び、鎖骨後側の窪みに指がくい込むようにする。同プロセスを繰り返す
・次に中斜角筋を探し出し、同じプロセスを繰り返す
・最後に後斜角筋を探し出す。後斜角筋に続いて、僧帽筋の縁部の前の窪みにできるだけ指がくい込むように母指を動かす
・反対側も同様に行なう
・上記のプロセスは、母指ではなく四指を用いて行なってもよい

深部圧迫
・患者は背臥位をとる
・術者は患者の頭側に立つか座る。首の付け根にある斜角筋に指先を当てる。患者の反対側の胸部に向かって斜めに、深く圧をかける。筋肉がリリースしたと感じられるまで待つ

圧迫
・患者は腹臥位をとる
・術者は患者の横、頭のそばに立つ。患者の首の付け根に手を置く。手根を僧帽筋と肩甲挙筋に当てる
・僧帽筋上で指を丸めて、首の付け根で斜角筋をつかむ
・はじめはやさしく、徐々に圧を強くかけながら、斜角筋がリリースしたと感じられるまでもむ

ストリッピング(2)
・患者は腹臥位をとる
・術者は患者の頭側に、患者の頭の方を向いて立つ
・一方の手で患者の頭をしっかりと保持する。もう一方の手の母指で中斜角筋の上部を探し出す
・僧帽筋の縁のすぐ前の組織をしっかりと押圧しながら、前斜角筋に沿って母指をできる限り遠くまで滑らせる
・後斜角筋に対しても同様に行なう
・上記プロセスは、指関節を用いて行なってもよい

ストリッピング(3)
・患者は座位をとる
・術者は患者の背後に立つ
・母指を中斜角筋の停止部に置く
・しっかりと組織に圧をかけながら、筋肉に沿って起始部まで母指を滑らせる
・前斜角筋、後斜角筋に対しても同様に行なう

 それぞれのストリッピングは体勢が異なるだけで、基本は前・中・後斜角筋に圧をかけて母指を滑らせる手技です。但し(1)(2)が停止部から起始部へ向けているのに対し、(3)のみ停止部から起始部へと逆方向になっています。しかしテキストにある写真をみると、どうも起始部が出発点になっているように見えますが・・・。

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僧帽筋のクリニカルマッサージによる手技療法

 肩こりの主要な筋肉である僧帽筋、その付着部と作用および関連痛については、頭痛に関連する筋肉のところで取り上げましたので、ここでは『クリニカルマッサージ』で紹介されている手技療法について勉強してみます。

 僧帽筋は非常に大きな筋肉で多様な機能を有する。僧帽筋は重要な後頚筋であると同時に、肩部と上背部の筋肉でもある。この筋肉に問題があると、非常な痛みと不快感が生じる。(略)多くの人にとって、僧帽筋は日々の緊張のたまり場となりやすい。
 僧帽筋は後頚部、肩部そして上背部にある他の筋肉に比べると浅層に位置する。そのため、この位置にある他の筋肉の検査ないし治療をしたい場合、おのずと僧帽筋の検査と治療が含まれることになる。上半身の痛みや機能障害の場合、僧帽筋の役割は大きいので、僧帽筋の付着部、作用、関連痛のパターンなどを知っていることが大切である。
 一般に、僧帽筋の頚部の検査と治療は、他の後頚筋の検査と治療を介して行なわれる。肩甲骨周辺の僧帽筋中部についても同様のことが言える。

手技治療
ストリッピング
・患者は腹臥位をとる
・術者は患者の頭側に立ち、患者の肩の首付け根部分に一方の手掌を平らに置く。指は下方を指す
・自分の体重を利用して、組織にしっかりと圧をかける。手は脊柱と肩甲骨の間を通り、第12胸椎まで下行する。体重は主に手根を介して患者に伝える
・同じ手、またはもう一方の手を再び開始点に置く(使いやすい方で構わない)
・同様に体重を利用して圧をかけるが、全体重が手にかからないように足の位置を替える。手は上背部を斜めに下行する。肩甲骨の内側縁の内側を通り、肩甲骨下角を過ぎるまで押圧する。
・先ほどの手から、もう一方の手に替え、替えた手の手根を頸椎下部の外側に置く
・肩甲骨の上縁から肩峰まで、しっかりと圧を加える
・反対側も同様に行なう

ペトリサージュ
・術者は、腹臥位の患者の横、肘の辺りに、患者の頭の方を向いて立つ
・両手を患者の肩(術者の近い方の肩)、僧帽筋上部に置く
・両手を交互に使って組織を握ってはつかみ上げる。始めはやさしく、組織がリラックスしてきたら次第にしっかりと揉みほぐすようにする
・筋肉を片手でつかみ、数回振るわせて終える
・患者の反対側に移動し、同様に行なう

二指圧迫法
・術者は腹臥位の患者の横、肘の辺りに、患者の頭の方を向いて立つ
・患者の肩上部、首の付け根に手を置く
・その部分を、母指と四指でしっかりとつまみ続ける(ホールドする)。やさしく始め、組織の状態を評価する。組織がリリースするにつれて、つまむ力を次第に強くする
・組織のホールディングと、母指と四指で組織を前後に振るわせることを交互に行なう

 ペトリサージュと二指圧迫法は、皮膚を摘み上げる整膚、もしくは筋肉を対象にした中国整体の拿法によく似ていますが、最後に振るわせるところが異なっています。また母指と四指を使うのに「二指」となっているのは、主に示指の指節関節を使うからでしょうか。

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首・肩こり、頭痛などが発生する構造的なメカニズム

 緊張型頭痛、首・肩こりの発生には、姿勢が大きく関与しています。解剖学的にみたそのメカニズムについて、『クリニカルマッサージ』に述べられていることから、学んでいきます。

 われわれの観察するところ、頭痛は頚部の筋肉のトリガーポイントに起因することが多い。そういった頭痛は、トリガーポイントを治療することで、「完全に治る」とは言わないまでも、頭痛の起こる回数や痛みの度合いを減らすことができる。われわれは、矢状正中線よりも前方へ耳が出てしまっている人をよく見かける。このような姿勢は、往々にして後頚部に筋筋膜トリガーポイントを形成する。Simonsは「頭を体幹より前に突き出していると、後頚部はリラックスする暇もなく、絶えず緊張していなければならない。そのため、そのような姿勢は、後頚部の筋筋膜トリガーポイントを活性化させてしまう」と述べている(David G. Simons, MD、2001年9月23日付私信)。しかし後頚部に現れたトリガーポイントだけを治療しても、痛みはめったに止まらない。長期にわたって痛みのない健やかな生活を送るには、姿勢ミスアライメントを引き起こしているもとを全身的に正さねばならない。

 頭が体幹より前に突き出した姿勢を続けていると、本来あるべき頚部の前弯が失われた「ストレートネック」という状態をつくりだしてしまうことがあります。パソコン操作や編み物などをする人で、首の細い、頚部の筋群の弱い人に多く見られます。そして、その前傾姿勢には、あまり日常的な意識にのぼりませんが、大胸筋が大きくかかわっているようです。

 大胸筋は姿勢アライメント、特にChapter 3で述べた「顔を前へ突き出した」姿勢に関して重要な役割を果たす。Simonsは次のように述べている。「顔を前へ突き出した姿勢は多くの場合、肩甲骨を前方に引っ張り、頭を前に猫背姿勢を取らせる大胸筋筋膜トリガーポイントによってもたらされる」(同上)

 大胸筋に拮抗して、肩甲骨を後内側に引く役割を果たしているのが菱形筋です。これは姿勢を正すときに意識する、上部胸椎から肩甲骨の内縁に付着する筋肉です。

 菱形筋は大菱形筋と小菱形筋があり、上背部の痛みの主原因である。肩甲骨を回旋させて肩関節を下げて、肩甲骨を内側に引く。菱形筋は、肩を前方に引っ張る胸筋の力により常に緊張状態にあることを忘れてはならない。このため、菱形筋の緊張は、常に大胸筋の緊張を関連している。

 姿勢が悪くなるのは、直立姿勢をとるヒトの身体構造そのものに原因があり、その中で行なう日常的な作業が筋肉の緊張を引き起こしているようです。

 脊柱を体全体との関連で考察するときには、以下の2つの事実を認識しておく必要がある。
・身体の重心は脊柱よりもかなり前方の骨盤部にある。
・(略)、腕と肩の構造は唯一の関節、胸鎖関節によって骨格に付着している。この付着も脊柱よりかなり前方である。
 この2つの事実は、前方への強い引っ張り力に対して、脊柱とそれに付着する筋肉が、姿勢を維持しなければならないことを示唆している。目の位置と腕の構造のため、実質的にヒトが行なうすべての作用は、頭、腕、および体幹を前方、下方、内方へ動かすことである。このような作用でわれわれの均衡を保つのは、(腰の筋肉に沿った)脊柱の浅筋の仕事である。悪い姿勢、すなわち頭が矢状正中線より前にあり、肩が内側に回旋しており、前肋間筋と腹筋が常習的に短縮している姿勢は、脊柱と後頚部に多大な緊張を与え、結果としてトリガーポイントを活性化させ、痛みを引き起こす。David G. Simonsによれば「筋筋膜トリガーポイントがいつ、いかにして引き起こされるかに関しては確実な科学データはない」とはいえ、「姿勢の問題を矯正することにより、筋筋膜トリガーポイントは解消するか治療が容易になる」ことは周知の事実である。

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肩こりの二つのタイプ・・・「本態性」と「症候性」

 肩こりには、大きく分類すると、首の周りの筋肉などの疲労で起こる「本態性肩こり」と、病期の症状のひとつとして起こる「症候性肩こり」という二つのタイプがあります。

 本態性肩こりは、肩や首を動かす筋肉群=僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、頭板状筋、頚板状筋などが疲労することで起こります。姿勢の悪さによる筋肉の過緊張や運動不足などによる血行不良が原因となります。しばしば、下部頸椎椎間関節の亜脱臼を伴っています。

 軽い場合は、姿勢に姿勢に気をつけて、筋肉の疲労を和らげたり血行をよくしたりする体操などをすることで、予防したり解消したりすることができます。しかし、強いこりや痛みがある場合は、民間療法による関節矯正や筋肉と自律神経の調整を行なったり、場合によっては医療機関を受診することをおすすめします。

 症候性肩こりには、原因となるいくつかの病気があります。心筋梗塞・狭心症などでは、胸の痛みと同時に左側の背中・肩に強い痛みを伴うことがあります。五十肩・腱板断裂・石灰性腱炎などで、肩のこりや痛み。頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアなどでも、首・肩のこり・痛みがあります。その他、慢性扁桃炎・顎関節症・歯周病などでも、肩が痛みます。

 また、ストレスによる交感神経の過緊張も血流を悪くして、首・肩にこりを起こすことがあります。これも症候性肩こりに分類されますが、本態性肩こりとの見極めは難しいところではないか思います。

 症候性肩こりの場合は、医療機関で原因となっている病気の治療をすることが先決ですが、五十肩や頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアの神経根症状などで急性期をすぎた段階、およびストレス性の肩こりでしたら、民間療法でも、筋肉や交感神経の緊張緩和で、こりや痛みの軽減を図ることができます。

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ストレートネックの原因となるメカニズムは何か

 正常な頚椎は、前弯していて少し前側に反っています。ところが、頚椎の弯曲が減少して、まっすぐになるストレートネック、もしくはミリタリーネックと呼ばれる状態になることがあります。あおぎりカイロプラクティックにも、ときどき、そのために首の痛みやコリ、手のシビレなどを訴えてこられる方がいらっしゃいます。

 頚椎弯曲減少の原因として、パソコン操作や机上の手作業などで、頭部の前傾・屈曲姿勢を続けることがあると言われていますが、確かに首を前に傾け下を向くことで、一時的に真っ直ぐになりますが、それだけで前弯が減少するほど、関節の可動性が制限されることになるのか、少し疑問を持っています。

 首の長さや、首を支えている諸筋群の退行性変性(筋力の弱まり)も、大いに関係していて複合的な原因で起こっていることも考えられますが、そのメカニズムがもうひとつ、明確に分かりません。

 また、頸椎の弯曲に問題がある場合、胸椎の後弯や腰椎の前弯、仙椎の後弯といった生理的弯曲全体の減少が見られるということも言われます。確かに、頸椎と脊柱の弯曲異常は関連があるようですが、どちらが、より根本的な原因でしょうか。

 別の例では、頸椎の前弯減少は、変形性関節症(頚椎症)が原因である場合も指摘されています。そうなると、関節の機能性変位ではなく、器質性な変形ですから、保存療法的な症状の改善は可能ですが、根本的な原因の解消ということでは、手技療法の手に負えなくなってしまいます。

 変形性関節症の場合は、整形外科のエックス線検査でチェックできますから、「骨に問題はないが、頚椎が真っ直ぐになっている」という診断があった場合に、どういう対処をするか判断が必要になります。

 頸椎の形状をよくみてみると、どうも第5、第6頚椎あたりの後方変位が、ストレートネックのキーポイントになっているようです。そのため、まずは頸椎を検査・矯正、さらに、その上で脊柱全体の生理的弯曲の状況をチェックし、必要があれば、仙腸関節から上部の脊椎にかけて矯正を行ないます。

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肩関節周囲のコリ 肩回旋筋群の疲労かも

 先日、首・肩に加えて右肩甲骨下側あたり(棘下筋・小円筋)のコリがあると来店されたAさん(女性 30代)が、今日は、「両側の肩関節の周囲のコリ」で再来店されました。

 頸椎と上部胸椎の検査をしたところ、関節にいくつか変位があったので矯正。僧帽筋、胸鎖乳突筋などの諸筋群の状態をみながら、緊張を和らげる施術を行いました。合わせて、首、肩、百会、脳その他のパートを刺激して交感神経の緊張を緩めるようにしておきました。

 その中でも、肩回旋腱板(ローテーターカフ)の一つである棘上筋の状態をチェックしてみたとき、筋全体、特に起始と停止部分に強めの圧痛がありました。どうも、前回の棘下筋、小円筋のコリと言い、肩、特に回旋筋群の使い方に無理があるのではと考えられます。

 Aさんにもそのことを伝えて、肩に無理な荷重をかけないことに注意を促し、加えて、まだ痛みがでている状態ではないので、肩回旋筋群のストレッチに重点を置いた肩こり防止の方法を紹介しておきました。

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翼状肩甲 症状・原因と改善方法

 肩こりや腕の挙上障害を起こす「翼状肩甲」という症状があります。肩甲骨が下がって、内側の縁と下側が背中から持ち上がった状態になり、背後からみると肩甲骨が鳥の翼のように見えます。

 肩甲骨を挙上・内転させる僧帽筋上部・肩甲挙筋・菱形筋が過緊張して、その拮抗作用である下制・外転させる前鋸筋・小胸筋とのアンバランスを引き起こすことが原因です。野球やアーチェリーのようなスポーツによる筋肉疲労や、筋肉の衰え(退行変性)によって起こることがあります。前鋸筋の支配神経である長胸神経が障害を受けて、筋肉が弱くなることが原因になる場合もあります。

 翼状肩甲の状態になると、僧帽筋が過緊張して、肩甲骨と肋骨の間にある肩甲胸郭関節の可動性が制限されるため、腕をふって歩いても肩先がゆれません。翼状肩甲は、肩関節、肩鎖関節、胸鎖関節にも機能的変化をもたらし、痛みや可動制限を発症することがあると言われています。

 翼状肩甲に対しては、僧帽筋など肩甲骨の挙上内転筋群の過緊張を緩めるとともに、肩甲胸郭関節を動かして可動性を高め、改善をはかります。肩や鎖骨の関節に問題が及んでいる場合は、各関節に中国整体のほか運動併用モビリゼーションなどを施術します。主な原因が神経疾患にある場合は、専門医での受診をお勧めします。

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首のつけ根の痛み 僧帽筋などの疲労収縮が原因か?

 今月上旬から、Aさん(70代 男性)が、「首を左右にまわすと、痛くて十分まわせない」と来店されています。整形外科の検査では、頚椎に異常は見られなかったそうです。症状をよく聞いてみると、首を左右に回旋させたとき、頸椎の痛みではなく、右側の首のつけ根あたり(僧帽筋)に痛みがあるようです。 

 今日は3回目です。Aさんに痛みの具合を聞くと、「はじめに来たときと比べると、少し楽になった」と言うことですが。はじめの痛みを10ポイントとして採点してもらうと、今日は8ポイントということで、まだはかばかしい改善ということにはなっていないようです。

 そこで、下部頚椎と上部胸椎の変位を矯正した後、身体全体の血行を促進する施術をしながら、特に首から肩にかけての筋肉を丁寧にチェックしてみました。するとやはり、右側の胸鎖乳突筋や僧帽筋などにかなりの硬さがみられたので、念入りにストリッピングなどで調整を行ないました。

 施術の後、状況を聞くと「首を回しても、あまり痛くない」とのことでしたが、念のため、キネシオテープを、右側の胸鎖乳突筋の下部から僧帽筋にかけてと、肩甲挙筋から棘下筋にかけて貼っておきました。

 当初は、頚椎の回旋機能に問題もある可能性も考慮にいれて、頸椎へ抜法や旋法などを施術していましたが、どうも肩・首こり(頸肩腕症候群)の悪化した状態のようです。これからは、下部頚椎・上部胸椎の関節チェックとあわせて諸筋群の血行促進と調整を重点に施術を行います。

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首のコリに有効な頸部諸筋群の強化トレーニング

 僧帽筋の血行障害による筋肉の緊張=首から肩にかけてのコリには、頸部の筋肉強化トレーニングが効果があると、『日経メディカルオンライン』に報告されています。医学専門ページなので、少し分かりにくいのですが、「コンピューターを用いた仕事」で起こる「僧帽筋の筋肉痛」について、全般的なフィットネスと頸部の特異的筋肉強化との比較が報告されています。

 コリの改善には、マッサージや低周波治療法での血行促進による損傷の修復が有効ですが、それ以上に、「筋肉の増強が根本的治療に近いはずである」と頸部筋肉の特異的強化トレーニングが有効との仮説を立てて、実験によって証明しているという報告です。

 当店でも、首のコリで来店いただいた方に、施術の後で根本的な改善の方法として、『あおぎり通信』(no.15)を渡し、頸部の胸鎖乳突筋や斜角筋、頭・頸板状筋などの筋群を鍛える、等尺性(アイソトニック)運動を指導しています。

 果たしてその運動を続けて実践いただいているかどうか、追跡調査はあまりしたことがありませんので、状況はよく分かりません。根本的改善には必須条件なので、これからもっと力を入れてトレーニング指導をして行きたいと思います。筋肉は、鍛えれば鍛えるほど、年齢相応に強化することができますし、コリがでない身体を作ることになりますから。

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頑固な首・肩こりから解放されたかな?

 「4ヶ月ほど前から、首・肩のコリがひどく、毎日朝から頭が重くて、目の疲れもある」、「病院ではコリからくる緊張型頭痛といわれたが、薬を飲んでも、マッサージへ行ってもあまり効果がない」と庚午南のAさんが来店されました。

 「これはかなり重症かも知れない」と覚悟して臨みました。一応、念のため頚椎圧迫テストをしてみましたが、異常はありません。さらに検査を進めると、頚椎関節の中部と下部に側屈変位があったので、矯正を行ないました。

 頓法・揉法・按法で筋肉をほぐし、屈法・推法でストレッチなど行ないながら、触診をしていくと、僧帽筋右側と斜角筋両側にかなり硬いシコリがあったので、重点的に施術。さらに眼精疲労と頭重の改善に点法を用いました。

 そして、仕上げに拿法と旋法を施術したところ、僧帽筋はかなり柔らかくなりましたが、残念ながら斜角筋には、まだ硬さが残りました。施術の後、首の筋肉の改善状況を話して、「やっぱり一回だけでは、完璧な改善はむずかしい」と思いながら、Aさんに様子を聞いてみると、「楽になりました。どのくらいのテンポで来たらいいですか」と嬉しい質問をいただきました。

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肩こり すぐに改善する人、しない人

 今日来店された舟入本町のYさんは、「首・肩を中心に全身がこっているようだ」といわれるので、まず頸椎の検査を行ないました。そして下部頸椎の傾きなどを座った状態で矯正した後、アキレス腱からはじめて肩・首へ向けて、按法と揉法を組み合わせ、抜法も含めて施術を行ないました。

 肩井に指を当てたところ、かなり硬いシコリがあり、特に首の右つけ根の斜角筋が硬直しているのが分かりました。頚椎筋群のストレッチを先に行ないましたが、まだ頸椎の変位が十分改善されていないようでした。そこで仰向けになった状態で、下部頚椎回旋矯正を行なったところ、シコリが急に柔らかくなりました。Yさんは驚いていましたが、コリもかなり改善することができました。

 このように首・肩のコリの症状は、ほとんど改善できるのですが、中には、直ちに改善というふうにはいかない方もおられます。昨日古江西町のKさんが、「8月から仕事が変わったためか、急に肩がコルようになって、最近は三角筋あたりにピリピリ痛みが出るようになった」と、はじめて来店されました。

 検査をすると、首・肩の筋肉が硬くなっていました。上部と下部頸椎、さらに第一肋骨に変位があったので矯正し、さらに中国整体を施術しましたが、痛みに敏感な方だったので、押しても引っ張っても痛く、諸筋群の硬直を十分取りきれませんでした。三角筋のピリピリする痛みは取れたようですが、Yさんはコリの改善には満足されていないようでした。

 しかし、はじめての方ですし、あまり長時間同じ箇所を施術すると炎症を起こしたりしますので、その日は、丁寧にひと通り施術した段階で止め、様子を見ていただくことにしました。そして今後の対策として、「首・肩こりの徐痛と予防の体操」の仕方を説明しておきました。

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棘下筋に強い痛みがあるタイプの肩コリ

 「肩コリがひどい。首のコリ、眼精疲労、頭痛もあるけど、左肩の痛みを何とかしてもらいたい」と、仕事でパソコンを使うことの多い東観音町のTさんが来店されました。あまりに痛いので、病院に行って検査までしてもらったそうですが、X線では「骨に異常は認められない」と言われたそうです。

 早速、体幹部の関節検査をしてみると、下部頸椎に側屈変位、上部胸椎にも変位があったので矯正しました。さらに肩甲骨の筋群に按法・推法を施術していたところ、左棘下筋を指して「ここが一番痛い」と言われるので、触診してみると筋腹が硬いこと。弾法と拿法も加えて、特に念入りに施術しました。もちろん、僧帽筋は左右両側の肩井部分、斜角筋の左側には、かなり硬めのシコリがありましたので、それぞれの筋肉と関連する関節に揉法・頓法・按法・推法などの施術をしました。

 「ずいぶん楽になった」とTさんは、軽快に帰られましたが、肩コリで棘下筋に強い痛みが出るのは、めずらしいケースです。肩の挙上可動域には問題がないし、痛みが腱板にではなく筋腹にあるので、肩関節周囲炎ではないと思われます。ただ、日常的にパソコン操作を行ない、あまり腕や肩を動かすことがない生活をしていると、他の肩周辺の筋群と同じように棘下筋にも血行不良が起こり、コリ症状が出るのは確かです。

 ただ、なぜ左肩に強い痛みが出たのか。残念ながら、Tさんに「利き腕」を聞くのを忘れていました。運動不足で筋肉を動かさないという点では、左右どちらに出てもおかしくはないのですが。

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首・肩のコリには、頚椎圧迫検査が必須

 首・肩のコリで来店される方には、特に原因となる病気がなく、首・肩とその周辺の僧帽筋・胸鎖乳突筋・斜角筋群などの筋肉の疲労が原因でおこる頚肩腕症候群が最も多く、その場合には、たいてい下部頸椎や上部胸椎の変位をともなっています。

 頚肩腕症候群の場合は、関節矯正と筋肉の調整を組み合わせて施術すれば、コリや痛みをかなり改善することができます。また、日ごろから姿勢や首・肩の筋肉のストレッチングなどに気をつけて、さらに首の筋肉をトレーニングによって強化すれば、コリが出にくい身体にすることもできます。

 しかし、首や肩のコリには、頸部脊椎症、頸部椎間板ヘルニア、頸部後縦靭帯骨化症などの疾患が原因のことがあります。首の骨や靭帯や椎間板の変形・変性です。コリだけでなく、背部痛や頭痛、神経根を圧迫して腕や手のシビレをともなうこともあります。また、脊髄そのものを圧迫して両側の手足や胸・腹などに様々な症状が出る場合もあります。それらの病気を治療するためには、専門医での受診が必要です。

 ですから、首・肩コリで来られた方には、頚椎圧迫検査が必須です。頚椎を自然位・伸展位・側屈位・回旋位にして軽く押さえて、放散痛の有無をしらべます。頚椎の屈曲側と反対側に痛みがあるときや腕などに放散痛がない場合は、頸部の挫傷や捻挫、頚肩腕症候群の可能性が大きく。疼痛が出たり強くなったりする場合は、上記疾患による神経根圧迫の疑いがあります。

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頑固な肩こりは、僧帽筋などの線維化

 首と肩のコリ、眼精疲労を訴えて、古江上のKさんが来店されました。詳しく聞いてみると「首も肩も、両側がだるい」ということです。まず頸椎と胸椎を検査、下部頚椎に側屈変位があったので矯正しました。その上で、首・肩こり対応の中国整体をKさんの筋肉などの状態をチェックしながら施術していると、両肩にかなり固めのシコリがあるのが分かりました。

 施術後、Kさんには気持ちよく帰っていただきましたが、以前から、施術しながら肩こりの方の筋肉の状態をみていると、肩の僧帽筋全体がやや固めの人、筋肉の中にシコリがある人、そのシコリがまるで骨でもあるかのように硬い人と、かなり状況に差異があることを感じていました。それらの差異があっても、施術をするとかなり改善することはできますが、どうも不思議な思いがあったので調べてみました。

 そのシコリは、筋肉が瘢痕化したものだろうか、あるいは骨化したものだろうかと考えていましたが、実は、首・肩にある僧帽筋などの筋肉に疲労物質などの蓄積が繰り返されて、線維化して、硬い組織に変わったものであることが分かりました。やはりこうなると、短期での改善は難しく、焦らず体質改善トレーニングも含めた長期的な対応が必要なようです。頑固なコリには、頑固な対応ですか。

 シコリがあっても気にならなければ良いと思いますが、ただ放置すると、首や肩関節の痛み、緊張性頭痛などとして症状が出る場合がありますので、できれば筋肉もつねに柔軟性を保ち続けられるよう努力したいものです。

 

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胸郭出口症候群・・・追伸

 胸郭出口症候群には、代表的な4つの種類があります。

 肋鎖症候群:鎖骨と一番上の第一肋骨との間で神経や血管が圧迫されている状態です。最も多いタイプ。カイロプラクティックで、第一肋骨の変位を矯正することにより改善できます。

 斜角筋症候群:首から伸びている斜角筋(首を左右に傾ける)をくぐりぬけるところで神経や血管が圧迫されています。ときどき斜角筋に強い拘縮が生じている人がいますが、このタイプかも知れません。中国整体の揉法・頓法・按法などで対応できます。

 過外転症候群:肩甲骨を回旋・引き下げ、肋骨を引き上げる作用をする小胸筋の下で、血管や神経が圧迫されている。これも中国整体で筋肉の緊張をほぐすことで改善できます。

 頚肋症候群:第七頚椎頸椎にできた異常な骨(頚肋)が、第一肋骨の上に出てきて神経や血管を圧迫する。頚肋があっても特に症状が出ない人が多いそうですが、これは症状の緩和はできたとしても、根本的改善は民間療法では難しいかもしれません。

 胸郭出口症候群の予防方法は、腕を使いすぎないこと。首・肩の筋力を強化する運動をすることです。またストレスが症状悪化の原因になることもあるので、ストレスをためないようにこころがけることが大切です。

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胸郭出口症候群

 草津南のAさんが「昨日特にひどくて、今日は少し楽になったのだけど、肩こりをみてもらいたい」と来店されました。症状を詳しく聞いてみると「特に右側に強く出て、手があがらなくなったり、首の下から肘にかけて痛みが出ることもある」。専門医での検査では「頸椎に異常はなかったし、内臓疾患もない」と言われたということでした。

 まず、体幹部である頚椎、胸椎の検査を行なったところ、下部頚椎に右側屈変位、上部胸椎にも右下方変位があったので、矯正しました。さらに首・肩こり対応のストレッチや筋肉調整を行ないながら、症状が片側に偏在していることや手をあげられなくなることなど考えてみると、胸郭出口症候群の疑いがあることに気づきました。

 胸郭出口とは、鎖骨と第一肋骨のすき間のことで、このすき間に血管や神経の束が通っています。このすき間が狭くなって血管や神経を圧迫すると、肩こりに似た症状が出ます。胸郭出口症候群といわれています。20~30代のなで肩の女性や、教師・美容師・理容師など肩をよく上げる職業の人に多く発症します。 

 そこで、第一肋骨を検査してみると、やはり右前側に下方変位、後側に上外方変位がありました。上部胸椎の矯正をしているので一定の改善は見込まれますが、念のため第一肋骨の矯正をしました。さらに缼盆按法で肩から腕にかけての神経伝達や血液循環の促進をはかった上で、しばらく様子をみていただくことにしました。

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右半身のコリがすっきり

 西観音町のCさんが、「家で力仕事をしたのが原因か。右半身がこっていて、上から下まで重い感じがします」と来店されました。

 右半身全体というと、頚椎の変位が疑われるので、まず頚椎からはじめて胸椎、仙腸関節と検査をおこないました。確かに下部頚椎は側屈変位していましたが、それだけでなく胸椎には右回旋変位、仙腸関節には右腸骨に後下方・内方変位と仙骨に左への傾きがみられました。満身創痍という感じですが、それぞれカイロプラクティックで関節矯正を行ない、中国整体で脊柱・肩甲骨の可動性を高め、腰痛、肩こり、首こりに対応する施術を丁寧に行ないました。特に中国整体は、筋肉の拘縮具合や反応などを見ながら、検査と施術を同時に行います。

 少し時間がオーバーしてしまいましたが、Cさんは「的確なポイントに施術してもらえたのでとても良かった。すっきり、楽になりました」と気持ちよく帰っていただきました。もちろん料金は、ゆったり総合コースの定額3,000円です。

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肩こりのタイプもいろいろ

  肩こりの場合、椎骨はだいたい下部頸椎に変位があって上部胸椎にも変位がある場合が多く、僧帽筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋などに拘縮があるのがパターン化しています。特にパソコン操作など、前に首を傾けて仕事をする人は典型的にそうなっているようです。

  今日来店された庚午南のAさんは、もっぱらパソコン操作をする仕事をされているとのことで、「最近肩こりがひどく、右前腕部がすぐに疲れてマウスが動かしにくくなる」と訴えて来られました。下部頚椎を検査すると、やはり変位があったので矯正。ところが、さらに施術しながら、首・肩周辺の筋肉をチェックしてみると、首にある胸鎖乳突筋の筋腹は柔らかく、肩甲挙筋、僧帽筋には圧痛を感じるほどの拘縮がありませんでした。一番痛みを訴えたのは、首のつけ根にある斜角筋の起始部でした。そのためそこに重点的に拇指按法・指拿法を施術しました。さらに右腕には曲池・手三里・合谷などのツボを拇指揉法しながら、腕の調子が悪いときには圧してみるようにAさんに示しておきました。

  Aさんには気持ちよく帰っていただきましたが、それにしても、他の筋肉の痛みと並行して斜角筋の痛みを訴える人は多いのですが、斜角筋の拘縮が主になる肩こりは珍しかったので、「肩こりにも人によって、千差万別とはいかないまでも、いろいろなタイプがあるものだ」と多いに勉強になりました。

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