腰痛

大腰筋のクリニカルマッサージによる手技療法

 大腰筋の障害は、骨盤の前上方変位に関係し、様々な症状を引き起こします。『クリニカルマッサージ』の「骨盤部・大腰筋(腸腰筋)」の項を勉強していきます。

 腰筋は腰椎に付着し、腹腔を通って鼠径部まで下り、そこで腸骨筋と結合し、腸骨の前縁を通って斜め下後方向に走り、大腿骨の小転子に付着する。このように腰筋は腸骨の前縁を滑車として利用して、腸骨に下後方の力を及ぼす。こうして腰椎を前方に引っ張り、腸骨の下前部で下後方に押圧することによって、腰筋は骨盤を前傾させ、腰椎を前弯させる。この作用は、著しい傾斜姿勢と脊柱前弯の傾向がある子供には容易に観察される。一般にこの姿勢傾向は、大人(軽度ではあるが観測可能)になるまで持続する。骨盤前傾の結果の1つとして、腹腔内容の重量が前方に移動し、腹部がせり出すことがある。またこの傾斜によって股関節が後方に押しやられ、膝と足首を制御する筋肉に圧力がかかる。過大な腰椎前弯は、その上に存在するすべての構造の位置補正をしなければならなくなる。
 腸腰筋の臨床的重要性には、間接的なものと直接的なものがある。間接的には、上記の姿勢に影響し、直接的には腰部、腹部、鼠径部、および大腿上部に痛みを起こす。腸腰筋の関連痛パターンには、臓器も含まれる。このため、腸腰筋障害は内臓原発性と同様の痛みを伴うことがある。

 仙腸関節の腸骨前上方変位では、股関節の可動制限、鼠径部、大腿上部、膝などの痛みをチェックしますが、その主な原因と考えられる大腰筋の障害には、内臓への関連痛も含まれることがあるようです。

圧迫
・患者は背臥位をとる。治療する側の股関節と膝関節を約45°屈曲させる
・術者は患者の横、腰の位置に立つ
・患者に近い方の指先を術者に近い方の腹部上、臍の下外方4~5cmに置く
・腹部をゆっくりとしっかり押圧し、円を描くように指先を移動し、臓器をそっと押しのける
・腰筋に触れたら筋肉を押圧して、圧痛領域を探す。押さえてリリースする
・指先が前回の治療スポットのすぐ下に来るように手を下方に移動する
・鼠径靭帯に達するまでこのプロセスを繰り返す
・鼠径靭帯の下の鼠径部に同じプロセスを繰り返す(ここでは円を描く必要はない)
・この腰筋の治療は、患者の反対側から、患者に座位、あるいは立位をとらせてテーブルの方に身体を曲げて実施することができる

付着部の圧迫
・患者は背臥位をとる
・術者は患者の横、膝の位置に立つ
・重ねた両手の母指を鼠径部から約5cm下、大腿直筋内側の大腿前部に置く
・しっかりと組織を押圧し、小転子への付着部を探す。圧痛点があれば、押さえてリリースする。

 いずれも、漫然と大腰筋に圧をかけるのではなく、圧痛領域、圧痛点を探し出してリリースすることがポイントになっています。「圧迫」の手技に関しては、座位もしくは立位の方が、大腰筋に直接触れやすいようです。

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急性腰痛症(ギックリ腰) 原因と急性期の対処

 ギックリ腰ともいわれる急性腰痛症は、重いものを持ち上げたときや腰を捻ったとき、クシャミなどして瞬間的に力んだとき、あるいはスポーツなどで打撲や捻挫をしたときに発症します。激痛とともに、身体を動かすことが困難になります。重症の場合は、歩行ができなくなることもあります。軽い場合には、体勢を変えると痛みがありますが、前かがみの姿勢や立ったままの姿勢でいると痛みが軽くなるようです。

 急性腰痛症というのは、痛みが腰に限られており、足先に走る痛みやシビレなどの神経症状がない状態をいいます。神経症状があるときは腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。腰椎分離症、腰椎スベリ症、腰椎圧迫骨折などでも急に腰に痛みが出ます。また、循環器、消化器、泌尿器、婦人科の病気などでも、急性腰痛を起こすことがありますが、それは「腰の痛みがどんな姿勢になっても楽にならない」、「発熱がある」、「冷や汗が出る」などの症状を伴うかどうかで見極められるようです。

 急性腰痛症の原因には、腰椎椎間関節の捻挫、靭帯の軽度の損傷、関節包のめくれ・ねじれ、腰背部の筋膜の損傷(肉離れ)があげられていますが、原因を特定するのはなかなか難しいようです。いずれも炎症による痛み、もしくは放散痛です。そして急性期:発症から1週間、回復期:1~2週間、治癒期:3週以降の病期に分らけられます。しかし、発症の程度や期間には、その原因や体質、生活強度などによって、かなり個人差があるようです。

 急性期には、無理に腰を動かして痛みを改善しようとせず、炎症を起こしている患部を安静にして、氷で冷やす=アイシングをすることが第一と言われています。アイシングは疼痛を和らげ、浮腫などの拡大を防ぐようです。炎症による激しい痛みは、髄節点法、キネシオテーピング法などの施術によって、ある程度和らげることができますが、基本は、身体を休ませて腰への過度な負担を避けることが一番です。

 回復期以降に残る痛みや、身体の動きが制限されるほど強くない腰痛の場合は、腰椎や仙腸関節にサブラクセーションが原因となっているが多いので、カイロプラクティックの関節矯正テクニックによって効果的な改善を得られる場合があります。しかし、残念ながら、急性期の痛みは、炎症が原因ですから一気に改善できるということにはならないようです。そうは言っても、原因によって症状の現れ方が若干異なるようですから、痛みのあるところや状態をよく観察して、故障箇所を特定できれば、もっと適切な改善法を探ることができるかもしれません。

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改善の具合を聞きながら真の原因を突き止める① 急性腰痛の場合

 急性の腰痛は、筋肉に損傷がある場合も含めて、仙腸関節の変位が原因となっていることが多いのですが、そうでない場合には、施術をしつつ痛みの改善の具合を確かめながら、検査を重ねることで、本当の原因に突き当たることがあります。

 「昨日、首を捻ったとき、腰のあたりがコキッとした感じがして、急に腰が痛くなった」とLさん(40代 男性)が、新しい店舗を訪ねて来られました。久しぶりの来店だったので、念のため下肢伸展挙上などの整形外科検査を行ったところ、いずれも陰性でした。しかし、腰椎椎間関節の検査だけ、左右いずれの股関節を内転しても、腰の左側に痛みがありました。

 そのことを念頭の置いて、仙腸関節を検査したところ、右腸骨に後下方変位があったので、まずこれを矯正。そして腰椎から仙骨、脚後部へ、筋肉と交感神経の過緊張を和らげる施術を行いました。さらに、腸骨の可動域を広げる推臀法を施術していたところ、Lさんから「腰の左側が痛い」との訴えがありました。

 どうも、Lさんの腰痛の主原因は、仙腸関節にではなく、腰椎椎間関節の変位にあったようです。腰椎のスタティック検査を行ってみると、やはり、第5腰椎が左側に変位していることが分かりました。早速矯正を行い。その上で推臀法を行ってみると、痛みが解消しています。はじめに行った腰椎椎間関節検査をしても、痛みは出ませんでした。

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仙腸関節サブラクセーションの矯正②

 仙腸関節サブラクセーションの矯正法の続きです。後3回あります。(参考:グラント・レイドD.C.著『カイロプラクティック・マニュアル』)

腸骨下方矯正法 Inferior Ilium Push

 例)P-R
 PP:側臥位
 DP:立位で骨盤付近
 CH:手掌底部
 CP:上後腸骨棘と股関節の間
 SH:肩
 TP:S-I
 LOD:S-I、P-A

  1. 検査
    症状:右側
    視診:なし
    SP:右側に痛み
    MP:なし
    ROM:なし
  2. 矯正方法
    ①患者は右側を上にして側臥位。術者は患者に向って、骨盤付近にターグル・スタンスをとる。
    ②患者の骨盤はベッドと垂直にする。
    ③患者の右股関節と膝関節を屈曲して、頭側に移動させる。術者の大腿の間で右下肢を固定する。
    ④患者の右手関節を持って、術者の方向に腕をしっかり引き、肩からの遊びをとる。このとき患者の脊柱が屈曲する。
    ⑤関節の最終可動域は屈曲。患者の右足をしっかり頭側に移動して、さらに肩からの遊びを取る。
    ⑥患者も右手を左肩に置き、左手を右肩に置く。
    ⑦このときまで術者の位置はターグル・スタンス。この段階から患者の頭方へ向けて体勢を変える。術者の左大腿部を患者右大腿部の同じ部位に乗せ、左手掌底部を上後腸骨棘と右股関節の間にコンタクトして、下方に向けて皮膚の緩みを取る。
    ⑧右手を患者の右肩に添える。
    ⑨術者は左大腿に力を入れて、身体を下げていき、患者の身体全体を術者に向けて回旋(90度くらい)させ、自らは身体が患者の頭部に向くまで回旋していく。
    ⑩矯正方向は患者の前下方。関節の最終可動域から曲線的にスラストする。

 これは、右腸骨の前上方変位の矯正法で、これまで行なってきた方法のひとつ。仙腸関節の形状に合わせて、曲線的にスラストする点が、特徴です。腰椎矯正では腕だけでスラストを行ないますが、仙腸関節矯正に関しては、腕と脚を同時に使うボディドロップを行ないます。

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仙腸関節サブラクセーションの矯正①

 訪問者の方には引き続き退屈させますが、今度は、仙腸関節サブラクセーションの矯正法へと進めます。同じく、『カイロプラクティック・マニュアル』を引用しながら、勉強していきます。今日は、仙骨の矯正法です

仙骨矯正法 Sasral Push

例)S-R
 PP:側臥位
 DP:立位で骨盤付近
 CH:手掌底部
 CP:仙骨
 SH:肩
 TP:I-S
 LOD:P-A

  1. 検査
    症状:右側
    視診:なし
    SP:右側に痛み
    MP:なし
    ROM:なし
  2. 矯正方法
    ①患者は右側を上にして側臥位。術者は患者に向って、骨盤付近にターグル・スタンスをとる。
    ②患者の骨盤はベッドと垂直にする。
    ③患者の右股関節と膝関節を屈曲して、頭方に移動させる。術者の大腿の間で固定する。
    ④患者の左手関節を持って、術者の方向に腕をしっかり引き、肩からの遊びを取る。このとき患者の脊柱が屈曲する。
    ⑤関節の最終可動域は屈曲。患者の右下肢をしっかり頭方に移動し、さらに肩からの遊びを取る。
    ⑥患者の右手を左肩に置き、左手を右肩に置く。
    ⑦このとき術者の体勢はターグル・スタンス。この段階が終わってから患者の頭部に向くように体勢を変える。術者の左大腿部を患者の右大腿部の同じ部位に乗せ、左手掌底部で、仙骨やや右側にコンタクトする。CW(CCW)に皮膚の緩みを取る。
    ⑧右手を患者の右肩に添える。
    ⑨左大腿に力を入れる。身体を下げながら、患者の身体全体を術者に向けて回旋(右側に90度くらい)させ、術者は身体が患者の頭部に向くまで回す。
    ⑩矯正方向は、L5の椎間板と平行に、スラストする。

 側臥位で仙骨に手掌底部を置いて矯正するこの方法は、あまり行なったことがありませんが、仙骨の左右後方変位だけでなく、仙骨基底部の矯正にも使えそうです。

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腰椎サブラクセーションの矯正④

 『カイロプラクティック・マニュアル』の腰椎矯正法の続きです。ブログ訪問者には退屈な勉強記ですが、腰椎編はこれが最後になります。

下部腰椎矯正法② Lunbar Pull

例)LL-R
 PP:側臥位
 DP:立位で骨盤付近
 CH:豆状骨
 CP:下部腰椎の乳頭突起
 SH:肩
 TP:CWまたはCCW
 LOD:P-A

  1. 検査
    症状:右または両側
    視診:なし
    SP:棘突起または右側に痛み
    MP:なし
    ROM:左側屈可動域の減少
  2. 矯正方法
    ①患者は右側を上に側臥位。術者は患者に向って、骨盤付近にターグル・スタンスをとる。
    ②患者の骨盤をベッドと垂直にする。
    ③患者の右股関節と膝関節を屈曲して、頭側に移動させる。術者の大腿の間で固定する。
    ④患者の左手関節を持って、術者の方向に腕をしっかり引き、肩からの遊びを取る。このとき患者の脊柱が屈曲する。
    ⑤屈曲の最終可動域まで移動したら、患者の右下肢をしっかり頭方に移動して、さらに肩からの遊びを取る。患者の右手を左肩に置き、左手を右肩に置く。
    ⑥左膝を患者の右膝の上に乗せ、患者の身体を術者の方に少し回旋する。
    ⑦右手を患者の右肩に置く。左豆状骨で患者の右乳頭突起にコンタクトし、CCWに皮膚の緩みを取る。
    ⑧正しい方向にアジャストするため、患者の身体全体を術者に向けて回旋する。
    ⑨左膝の力を床側に入れる。
    ⑩関節の最終可動域は屈曲、側屈、そして回旋。左膝を下げると側屈および回旋する。
    ⑪関節の最終可動域でスラスト。

 Lumbar Pushと途中までそっくりです。アジャストの方向LODは同じになっていますが、ティッシュープルの仕方が逆になっています。Pushの場合は、少し足方に向けて押すようにして上方変位を、Pullの場合は、頭方へ向けて引き上げるような感じで下方変位を矯正しています。

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手・足や体幹のシビレ・麻痺、腰痛などの原因には、脊髄腫瘍の場合もある

 トレーニングジムでよく顔を合わす人が、頸椎にある脊髄腫瘍の切除手術を受けることになりました。良性腫瘍らしいのですが、手がシビレて、感覚がなくなり、ボタンをはめるのにも苦労することがあったそうです。

 腫瘍性の疾患は、カイロプラクティックの禁忌症になっていますので、これまであまり関心を持ってこなかったのですが、その症状を聞いてみると、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどによる神経障害とよく似ています。

 脊髄腫瘍は、脊髄、神経根、硬膜、脊椎などに発生する主に良性の腫瘍で、いわば「できもの」のようなものです。発生頻度は10万人当たり1~2人、脳腫瘍の1/5~1/10程度ということで、比較的少ない疾患のようです。

 良性の場合は、数ヶ月から数年の経過で症状が進行します。一般的に、手足・体幹の感覚障害から始まって、腫瘍の増大にしたがって、手足の麻痺へと、さらに進行すると排尿や排便障害も現れるようです。また、頸部、胸部、腰部のどこの脊髄に発生するかによって症状が異なります。

 但し、肺ガン、乳ガン、前立腺ガン、消化器ガンなど身体の他の場所にできたガンが脊椎などに転移している場合は、悪性といわれており、特に注意が必要です。良性の場合よりも、症状の進行が早くなるそうです。手・足のシビレや腰痛も、侮ることなかれです。

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腰椎サブラクセーションの矯正③

 『カイロプラクティック・マニュアル』の腰椎矯正法の続きです。

下部腰椎矯正法① Lunbar Push

 例)LL-R
 PP:側臥位
 DP:立位で骨盤付近
 CH:豆状骨
 CP:下部腰椎の乳頭突起
 SH:肩
 TP:CWまたはCCW
 LOD:P-A

  1. 検査
    症状:右または両側
    視診:なし
    SP:棘突起または右側に痛み
    MP:なし
    ROM:左側屈可動域の減少
  2. 矯正方法
    ①患者は右側を上に側臥位。術者は患者に向って、骨盤付近にターグル・スタンスをとる。
    ②患者の骨盤をベッドと垂直にする。
    ③患者の右股関節と膝関節を屈曲して、頭側に移動させる。術者の大腿の間で固定する。
    ④患者の左手関節を持って、術者の方向に腕をしっかり引き、肩からの遊びを取る。このとき患者の脊柱が屈曲する。
    ⑤屈曲の最終可動域まで移動したら、患者の右下肢をしっかり頭方に移動して、さらに肩からの遊びを取る。
    ⑥患者の右手を左肩に置き、左手を右肩に置く。
    ⑦このとき、術者の体勢は、ターグルスタンス。この段階が終わってから、体勢を患者の頭方へ向ける。術者の左大腿前部を患者の右大腿の同じ部位に乗せ、左豆状骨で下部腰椎の右乳頭突起にコンタクトする。CWに皮膚の緩みを取る。
    ⑧右手は患者の右肩に添える。
    ⑨左大腿に力を入れる。身体を下げながら、患者の身体全体を術者の方に回旋させ、術者は右に(90度くらい)患者の頭側に向くまで身体を回旋させる。
    ⑩⑨が終わったらすぐにスラストする。

 下部腰椎の最終可動域は、70%の屈曲、20%の側屈、10%の回旋によってつくられるということで、この体勢になるようです。これは、次のLumbar Pullでも同じ原理です。
 関節の最終可動域まで動かして遊びを取ることが、この体勢のポイントです。ここで示されている患者の姿勢になってみると、最終可動域というか、これ以上動けない体勢になっていることが分かります。

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腰椎サブラクセーションの矯正②

 今日も、『カイロプラクティック・マニュアル』から、腰椎サブラクセーションの矯正法についての学習を続けます。

上中部腰椎矯正法 Lumbar Specific
 例)L3-R
 PP:側臥位
 DP:立位で患者の骨盤付近
 CH:示指、中指、拇指
 CP:上中部腰椎の棘突起
 SP:上中部腰椎の棘突起
 TP:L-M
 LOD:P-A

  1. 検査
    症状:右側
    視診:なし
    SP:棘突起または右側に痛み
    MP:なし
    ROM:なし
  2. 矯正方法
    ①患者は左側臥位。術者は患者に向って、骨盤付近にフェンサーズ・スタンスをとる。
    ②患者は骨盤とベッドを垂直にする。
    ③患者の右股関節と膝関節を屈曲し、上方に移動させる。術者の大腿の間で固定する。
    ④患者の左手関節を持って、術者の方向に腕をしっかり引き、肩からの遊びを取る。この操作で患者の脊柱が屈曲する。
    ⑤関節の最終可動域は屈曲と回旋。患者の右足をしっかり上方に移動させて、さらに肩からの遊びを取る。両方を行なうことで脊柱が屈曲する。
    ⑥術者の左膝を患者の右膝の上に乗せ、やや患者の身体を術者の方に回旋する。
    ⑦患者は右手で左前腕付近を握り、左手も同じように右前腕を握る。
    ⑧術者は患者が組み合わせている前腕と体幹の間に右腕を通し、L2棘突起右側に拇指を置き、示指を中指を反対側に置く。左拇指をL3棘突起の右側に置く。
    ⑨術者の左膝でさらに患者を回旋して、関節の最終可動域でスラストする。

 これは、腰椎の回旋変位を矯正する方法ですが、下部腰椎は容易に回旋しないため、もっぱら、L1~3の上部腰椎を対象にしています。
 これによく似た矯正方法に、「回旋スイッチ」という方法があります。違うのは棘突起への拇指の置き方です。回旋スイッチの場合は、足方手拇指をL2棘突起の右側に置いた頭方手拇指の上に置き補強します。その上で足方手の中指・示指をL3棘突起左側に置いて引っ掛け、患者の右腸骨上においた前腕を引いて身体を回旋させながらスラストします。膝は使いません。

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腰椎サブラクセーションの矯正①

 それでは、腰椎サブラクセーションの矯正法について、『カイロプラクティック・マニュアル』に基づいて学びます。「あおぎりカイロプラクティック」で現在行なっている施術とは、若干異なるものもありますので、これからの参考にしたいと思います。

上部腰椎矯正法 Anterior Lumbar
 例)UL-A
  PP:座位
  DP:患者の右側
  CH:左示指から小指までを屈曲させた部位と拇指を外転して母指球接触
  CP:上部腰椎の横突起両側
  SH:患者の左上腕
  TP:I-S
  LOD:A-P

  1. 検査
    症状:両側
    視診:なし
    SP:棘突起に痛み
    MP:なし
    ROM:なし
  2. 矯正方法
    ①患者は、座位。術者は、患者の右側で頭側に向けて、フェンサーズ・スタンスをとる。
    ②患者は、後頭部で両指を組み合わせる。
    ③術者は、患者の両肘をしっかり合わせる。
    ④術者は、右前腕で患者の左前腕外部を抱え込み、術者の胸骨部を患者の右前腕前方に置く。
    ⑤術者は、左脇をしっかり閉め、左手を熊手にして患者の上部腰椎にコンタクト。皮膚の緩みを上方に向けて取る。
    ⑥術者は、術者の肩と患者の肩は平行にする。
    ⑦患者の身体を倒しながら、術者の位置を患者の頭方に移動していく。
    ⑧左手がベッドに接触すると、次第に患者の体重がCHに加わる。一番重く感じる位置がスラストする一番良い位置となる。
    ⑨関節の最終可動域は屈曲位で、患者の脊柱をしっかり屈曲する。
    ⑩スラストの力は右前腕と胸骨で加える。

 これは、胸椎前方変位の矯正に用いる上中部胸椎矯正法 Anterior Thorasicを、腰椎に適用したものですが、患者の腕の組み方が異なるようです。患者の身体か硬い場合は、後頭部で指を組んだ場合、両肘が前で着かないことが多いので、腰椎の場合も左右の肩に交互に右左のを置いて肘を交叉するようにしたほうが無難かもしれません。
 第5腰椎にまで適用できるそうですが、あまり下部の方ですと、コンタクトハンドに患者の体重が、かなりかかるようになるので、術者の手が痛いかもしれません。
 『マニュアル』では、上中部胸椎矯正法の方は、「術者の矯正技能もあまり多くを必要としない」としていますが、しかし、これはチェスタードロップ法という使い慣れないと結構難しい技術です。これに対して、上部腰椎矯正法については、「矯正方法は説明するのは簡単だが、習得するのは難しい」としていますが、こちらが正解でしょう。

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仙腸関節の整形外科検査

  1. ゲンズレン・テストImgp2371_edited
    方法:患者はベッド端に仰臥位で、端側の下肢をベッドから下ろす、反対側下肢の股関節・膝関節を屈曲する。術者はそれぞれの下肢に圧力をかける。
    メカニズム:伸張。片方の仙腸関節を過度に伸展させると同時に、反対側を過度に屈曲させる。その間、腰椎には影響を与えないため、疼痛の原因が、腰椎由来か、仙腸関節由来かを鑑別できる。
    注意:患者に、検査で再現される疼痛部位を示してもらうこと。仙腸関節に疼痛がない場合は、陽性と判定できない。
    仙腸関節の変位(通常は伸展側に変位)。仙腸関節の捻挫。
  2. ナクラス・テストImgp2372_edited
    方法:患者は伏臥位。術者は片方の膝関節を同側臀部へ屈曲する。
    メカニズム:伸張。踵を臀部まで屈曲することによって、大腿四頭筋が伸張するため、骨盤が前方回旋し、仙骨が寛骨から分離する。
    注意:ゲンズレン・テストと同じ
    仙腸関節の変位。仙腸関節の捻挫。
  3. ヨーマン・テストImgp2373_edited
    方法:患者は伏臥位。術者は、患者の仙骨上に手置く。もう一方の手で、患者の膝関節を屈曲させて、下肢を持ち上げる。
    メカニズム:伸張。柔軟性の高い患者の場合、ナクラステストでは、大腿四頭筋を十分に伸張できないため。
    注意:ゲンズレン・テストと同じ。
    仙腸関節の捻挫。
  4. ヒッブ・テストImgp2374_edited
    方法:患者は伏臥位。術者は、患側膝関節を屈曲・外旋させて、股関節を内旋する。
    メカニズム:伸張。仙腸関節が伸張して外側に分離する。
    注意:ゲンズレン・テストと同じ。内側から外側へと動かす点が異なる。
    仙腸関節の変位。仙腸関節の捻挫。
  5. イリアック・コンプレッション・テストImgp2375_edited
    方法:患者は側臥位。術者は股関節の高さで、骨盤を床方向へ押さえる。
    メカニズム:直接圧。
    注意:股関節に問題がある患者の場合は、股関節をはずして、他の場所を押さえる。
    仙腸関節の変位。仙腸関節の捻挫。

 参考:グラント・レイドD.C.著『カイロプラクティック・マニュアル 脊柱編』

 仙腸関節の検査には、もっぱら直接カイロプラクティック検査を行なっています。これまで、整形外科テストはゲンズレン・テスト以外行なっていませんでした。ガンステッド・リスティングとの整合性を考えると、ゲンズレン・テストでの伸展位、ナクラス・テスト、ヨーマン・テストでは、腸骨の前上方変位。ゲンズレン・テストでの屈曲位では後下方変位。ヒッブ・テストでは、外方変位。イリアック・コンプレッション・テストでは、内方変位が、いずれも陽性の場合に該当するようです。

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腰椎の整形外科検査

  1. ミルグラム・テスト Imgp2365_edited_2
    方法:患者は仰臥位。術者は患者の両足をベッドから25cmくらい持ち上げる。患者に、しばらくそのままの位置を保ってから、ゆっくりと下肢を下ろさせる。
    メカニズム:間接圧。患者が両足を持ち上げた状態を保とうとすると、腹腔内の圧力が増し、脊柱の間接にかかる圧力が増加するため、炎症がある部位または椎間板ヘルニアがある部位の痛みが増大する。
    注意:ヘルニアの場合、テストを行なうのが困難な場合が多いので、術者は、いったん両足を上げ終えたら、ゆっくりと離すようにする。
    腰椎椎間関節変位。椎間板ヘルニア。
    (腹筋が弱い人には、向いていないかもしれない)
  2. 下肢伸展挙上(SLR)テスト Imgp2367_edited_2
    方法:患者は仰臥位。術者は、患者の膝関節を伸展させたまま、股関節を屈曲させ、下肢を持ち上げる。
    メカニズム:伸張。坐骨神経を伸ばす。
    注意:神経圧迫を判断するためには、ブラガードテストも合わせて行なうことが必要。SLRテストはブラガードテストを行なうための角度を決定することにある。
    坐骨神経痛。椎間板ヘルニア。仙腸関節疾患。腰仙部、仙腸関節の変位。あるいは下肢筋群の過伸張。
    (これまでの定番検査。しかし、これだけでは不十分だったようです)
  3. ブラガード・テスト Imgp2368_edited_2
    方法:SLRテストが陽性の場合、その角度から5度下げて、足首を背屈させる。
    メカニズム:下肢または臀部の筋群を、緊張させることなく、坐骨神経を伸張する。
    注意:陽性の場合、WLRテストを行なう。
    坐骨神経痛。腰椎椎間間接変位。
    (下肢・臀部筋群を緊張させないのが特徴か? 判別に使える)
  4. 交差下肢挙上(WLR)テストImgp2369_edited_2 
    方法:片側のみに坐骨神経痛がある場合に、反対側の下肢を持ち上げる。健側下肢を持ち上げても、患側下肢に痛みがでるならば陽性。
    メカニズム:伸張。椎間板ヘルニアにより、神経が圧迫されているとき、健側の神経を伸張すると、炎症を起こしている患側の神経が引っ張られる。
    注意:正確に椎間板ヘルニアの有無を判別することができる。
    椎間板ヘルニア。腰椎椎間関節の変位。
    (これが陽性いなるほどの場合は、検査しなくても症状で判別できそう)
  5. ケンプ・テスト Imgp2370_edited_2
    方法:座位または立位で行なう。術者は片方の前腕で患者の両肩を後方から支える。反対側の手拇指を患部において、中程度より弱い圧力をかける。患者の上体を回旋、わずかに伸展させる。術者は患者の背中に直接圧力をかける。
    メカニズム:直接圧。
    注意:術者は下方に押しているときに、腰部を伸展させすぎないようにする。
    捻挫、椎間板ヘルニア。腰椎椎間関節の変位。
    (捻挫の鑑別にも使える)

 参考:グラント・レイドD.C.著『カイロプラクティック マニュアル 脊柱編』

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足関節の硬さが腰痛の原因になることも

 「歩いたり、体重をかけたりしたときに、左側の腰から股関節にかけて痛む」とTさん(30代 男性)が、来店されました。重心を左側に掛けられないためか、歩き方がやや不自然な様子です。

 下肢挙上検査などのオーソぺディック検査では、異常は見つかりませんでした。次に、仙腸関節の可動検査を行なったところ、左腸骨に後下方・内方変位があったので、矯正しました。さらに、腰部と脚後部を中心に神経と筋肉の緊張を和らげる施術を行なうと、まだ少し違和感が残っているようでしたが、痛みは粗方改善したようです。

 ところが、ハムストリングスなど後脚部の筋肉を伸展するために足関節屈法を行なったとき、両側とも屈曲角度が小さいことと、ふくらはぎがかなり細くなっていることに気がつきました。足関節が硬くなっていて、十分動かされていないために、腓腹筋・ヒラメ筋が萎縮しているのではないかと考えられます。

 足関節をあまり屈曲させずに歩こうとすると、後ろ側にきた脚が十分に伸展する前に、前方に移動させなくてはならず、前かがみで小幅な歩き方になりがちです。前かがみの姿勢を続けると、本来前弯しているはずの腰椎が後弯することになり、腰を痛めやすくなります。

 Tさんからは、足関節のケガなどについては話がありませんでしたし、両側ですから、全般的に身体が硬いことが原因となっていると思われます。そのため、足関節と後脚部のストレッチ法を紹介しておきました。次に来店されたときには、仙腸関節の再チェックとともに、足関節の可動域を広げる施術も試してみたい。

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腰椎椎間板症と下肢症状の関係

 先日、年配者の方に多く見られる腰部脊椎症のひとつである腰椎椎間板症について、「下肢症状は希」ということに疑問を呈しておきましたが、その関係を少し見てみます。

 腰部椎間板症は、椎間板のみのが変形する段階で、腰部脊椎症の初期症状として現れてくるようです。そして、やがて椎間関節の摩耗から骨棘の形成へと進み、それが脊柱管狭窄症を招くことがあります。

 脊柱管は、脳から腰へと椎骨と椎骨の間を通って神経が通っている管です。腰部脊柱管狭窄症は、生まれつき脊柱管が狭いことが根本的な要因と言われているようですが、加齢変性による、椎間板症から椎間関節の摩耗、骨棘の形成などによって、さらにその脊柱管が狭くなり、神経根や馬尾神経が圧迫されるようになるそうです。

 そうなると、神経根型や馬尾型の下肢症状が出るようになります。ヘルニアの場合とは違って、脊柱管の背面から圧迫を受けるので、腰を反らせると症状がひどくなり、前屈すると楽になるようです。痛みやシビレ脱力感などで、長く歩き続けることができなくなる間欠性跛行が現れるのが特徴です。

 確かに、椎間板症が原因で、脊柱管狭窄症に深化して、下肢症状を示す場合があることは分かりました。しかし、来店者の中には、明らかに腰部脊椎症の症状がある方でも、下肢挙上検査を行なうと陽性反応を示すことがあります。これは椎間板ヘルニアの反応と言われていますが、やはり椎間板症ではなくてヘルニアなんでしょうか。

 椎間板症といういのは、どの程度椎間板が変形をするのか。上下がいびつになる圧縮変形だけなのか。それとも場合によっては、椎間板ヘルニアの膨隆型程度に変形して神経根や馬尾神経を圧迫がするということはないのか。もっと追求してみたいですね。

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腰椎椎間板症と腰椎椎間板ヘルニアの違い

 腰椎椎間板症と腰椎椎間板ヘルニア。どちらも椎間板の構造的な変性によって、起こるようですが、どのように違うのか、「日本脊椎脊髄病学会」のホームページその他を参考に勉強してみることにしました。

 まず、腰椎椎間板症です。椎間板は、10代後半から髄核の水分の減少して退行性変性(老化)が起こりはじめます。これによって椎間板の支持性やクッションとしての機能が低下してくると、脊柱管の中の神経を刺激したり、脊椎の靭帯や椎間関節、筋肉に負荷をかけることで、腰痛を感じることがあります。症状は急性で、身体を動かしたとき、特に前に曲げたときに痛みが強くなることが多く、下肢のシビレや痛み、膀胱や直腸の症状を伴うことは希と言われています。

 腰椎椎間板ヘルニアは、同じく椎間板の退行性変性が起こることによって、椎間板に裂け目ができて、その裂け目が外側まで広がったときに、椎間板の内容物が押し出され、飛び出した状態のことを言います。突出した部分が神経根を抑えると、下肢にシビレや痛みなどを、馬尾神経を圧迫すると両側の下肢に症状が出て、さらに排尿や排便の障害が起こることもあります。

 腰椎椎間板症は、昨日の記事で触れたように、腰部脊椎症の初期段階で発症します。寝起きや坐った姿勢から立ち上がるときに痛みがあるというのは、椎間板の変性によって、椎間関節や多裂筋・回旋筋・脊柱起立筋などの筋肉に、大きな負担が加わるためと考えられますが、そのメカニズムに関しては、もっと追究してみたいと思います。実は、トレーニング仲間の中に、「寝起きの腰曲がり症候群」になっている人がいるものですから。

 また、下肢症状は椎間板症には希ということですが、加齢により椎間板の髄質そのものも、水分が減少して変性するため、ヘルニアが起こるのは比較的若年層と聞いたことがあります。果たして、60代、70代の下肢症状の原因を腰椎椎間板ヘルニアとしても良いのかどうか。本当に椎間板症では、希にしか下肢のシビレや痛みは起こらないのかどうか。これも、もう少し勉強してみたいですね。

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腰部脊椎症の原因 椎間板・椎骨の変性と症状の深化

 起床して動きだすときや、坐っていた状態から立ち上がるときなど、動作を始めたときに腰に強い痛みが現れ、動いているうちに軽くなる腰部脊椎症。急性症状を繰り返す慢性再発性の場合と持続性の場合があります。ピークは50歳代以降ですが、早い人は30歳代から発症します。

 原因は、加齢による脊柱の椎間板、椎骨の退行性変性です。初期段階では、椎間板が変形する腰部椎間板症が起こります。椎間板が、脊柱管にせり出してきて神経を圧迫します。変性が進むと、椎間板がつぶれた状態になり、上下の椎骨をつないでいる椎間関節への負担が大きくなります。そうなると椎間関節の関節面が磨耗して、関節の変位を起こしやすくなり、椎間関節痛やその放散痛を引き起こします。

 さらに進むと、その磨耗を補うためにできる骨棘という骨のでっぱりが、脊柱管の神経を圧迫する脊柱管狭窄症を引き起こすようになります。脊柱管狭窄症になると、下肢の痛みやシビレ、筋力低下による運動障害、そのため、間欠性跛行といって長く歩き続けることができない状態になります。

 また、椎間板が左右非対称に変形することで、脊柱が側弯したり、あるいは椎骨が変形することで、本来は前向きに反って前弯している腰椎が後向きに反る、後弯=腰曲がりの状態が起こったりすることもあります。

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寝起きに腰を伸ばすことができない

 先週、「三週間ほど前から、座った状態から立ちがったり、歩いたりするときに、腰が痛い」と来店されたRさん。仙腸関節に変位があったので矯正し、自律神経と筋肉の緊張をとる施術をしました。しかし、まだ痛みが残っていたので、キネシオテープを貼付して様子を見ていただくことにしていました。

 そのRさんが、今日来店されて、「先日は、施術を受けた後、残っていた痛みが、家へ着くころにはほとんど無くなった。ずいぶん歩くのが楽になった」と嬉しい知らせをいただきました。でも、「まだ、朝起きたときや長時間自動車を運転したときに、すぐに腰を伸ばすことができないことがある」とのことです。

 前回、気になった腰椎椎間関節の変位を検査してみましたが、まったく痛みがないようですから、確かにかなり改善しているようです。そこで仙腸関節の状態を再検査してみると、前回より軽いようですが仙腸関節の変位が戻っていて、さらに右腸骨の内方変位もみられます。

 早速、関節の変位を矯正し、自律神経や筋肉の緊張を和らげる施術を行ないました。但し、寝起きや腰の屈曲姿勢継続の直後に、すぐに腰が伸ばせないのは、軽度の腰部脊椎症の可能性も考えられるので、椎間関節を拡げる施術を念入りに行ないました。さらに朝や自動車の運転後に、腰の伸展がスムーズにできるよう脊柱起立筋のストレッチ方法などを示しておきました。

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腰の痛みと右脚のしびれ・・・腰椎椎間板ヘルニアの疑い

 「1週間ほど前から腰痛がひどく、右の臀部からふくらはぎにかけて鈍い痛みのようなシビレがある」と、Tさん(男性 40代)が来店されました。寝て安静にしているときには痛みはないけど、前かがみになったり、しゃがんだり、立ち上がる動作で痛みが出るそうです。

 下肢挙上検査をすると、左側は90度まで上がりますが、右側では30~40度あたりで、臀部からふくらはぎにかけて痛みが出ました。ニュートン検査で、腸骨を離開させたときと、腰椎椎間関節の検査にも、陽性反応です。腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症と梨状筋症候群の合併症の疑いがあります。

 さらに緻密に仙腸関節のモーション検査を行なったところ、右腸骨に後下方変位と外方変位があったので、腰椎に負担をかけないよう注意して矯正。そして、腰部と仙骨部の髄節ポイントに刺激点法を施術して、交感神経の緊張を和らげ、脊柱起立筋から臀筋、梨状筋、ハムストリングス・腓腹筋など後脚部の筋・腱をほぐしました。

 施術後の様子を聞いてみると、「来店した時より、右脚のシビレは軽くなったけど、まだ腰に痛みが残っている」とのこと。念のためもう一度、下肢挙上検査を行なったところ、やはり陽性です。さらに椎間関節の変位を矯正する施術を行ない、キネシオテープを貼付しておきました。

 Tさんには、痛みの様子を、しばらく時間をおいて見てもらうことにしましたが、長引く場合は、腰椎椎間板ヘルニアが原因となっている疑いが強いので、整形外科を受診して、MRIなどの検査を受けてみることをすすめました。原因を特定することで、より適切な施術が可能になります。

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仙腸関節の同じ方向への変位(フィクセーション)でも、状態によって矯正の効果が異なる

 きょうは、偶然の連鎖の「法則」がはたらいて、腰痛を訴える50代の男性、TさんとRさんが続けて来店されました。しかも、二人とも、座った状態から立ち上がるときなど腰を伸ばすときに、腰のつけ根右側に痛みを訴えています。下肢挙上検査は陰性でした。関節の可動検査をすると、右腸骨が後下方変位、内方・外方への変位はなく、仙骨が右方向への振りが共通して見つかりました。

 ただ、Tさんは、これまでほとんど腰痛になったことがなく、4月に久しぶりにちょっと激しいスポーツをして、はじめて腰に痛みを感じたそうです。手当をして一旦治ったのが、最近また腰痛が出てきたということです。Rさんの場合は、永年の腰痛もちで、これまでぎっくり腰の経験もありますが、通常は、しばらく自己治癒にまかせておくと痛みがなくなるという状態でしのいできていたそうですが、今回は3週間前から痛みがとまらないということでした。

 検査の後、仙腸関節を矯正して、腰と仙骨部分への髄節刺激点法を行ない自律神経を調整し、腰部から臀部、そして後脚部を中心に筋肉の緊張を和らげる施術を同じように行ないました。しかし、矯正の効果や痛む場所が微妙に異なるので、それぞれ適切な場所に重点をおいて施術しておきました。

 施術の後、具合をたずねてみると、Tさんはかなり改善したようですが、Rさんの場合、まだ痛みが残っていました。腰椎の椎間関節をチェックしたときに、微弱ですが反応があったので、異常がひそんでいる可能性もあります。そこで、さらに椎間関節の回旋変位に対する施術をした上で、腰部にキネシオテープを貼付して、様子をみていただくことにしました。

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個人差がある「ぎっくり腰」の症状

 ぎっくり腰(急性腰痛)は、重いものを持ったり、しゃがんだり、腰を捻ったりしたときに起こることがあります。しかし、それだけでなく、特に思い当たることがないのに、急に痛みが出ることもあります。

 痛みの原因は、腰椎の椎間関節の捻挫、靭帯の損傷(軽度)、関節包の損傷および腰背筋の筋膜の損傷などです。但し、もともと腰椎や内臓、循環器などに病変があって、急激な痛みが出る場合もありますので、安静にしていても痛い場合などには、注意が必要です。

 ぎっくり腰の症状の出方には、個人差があります。痛みのためほとんど寝返りもうてないほどになる場合、物につかまりながらなら歩ける場合、痛む姿勢や動作をしなければ歩くことが出来る場合などです。

 今日来店されたKさん(女性 40代)も、「何気なく前かがみになったときに、急に腰が痛くなった」ということです。何とか歩いたり、自動車を運転したりすることは出来ますが、立ち上がったり、しゃがんだり、前にかがんだりすると、特に左腰に痛みが出ます。整形外科でエックス線検査をしたところ、腰椎には異常は認められなかったそうです。

 念のため下肢挙上検査を行ないましたが、陰性でした。椎間関節検査でも異常はありませんでした。おそらく脊柱起立筋の筋膜損傷が、直接の原因ではないかと思われます。そこで起立筋の緊張を取ることと腰部から仙骨部の自律神経の調整を中心に行ない、さらに大元の原因と考えられる左側仙腸関節のフィクセーション(引っかかり)を矯正して、下肢後面の緊張をほぐす施術をしておきました。

 筋膜の損傷ですから、すぐに痛みから解放されるというわけにはいかないようで、施術の後も身体を動かすと、まだ痛みがあるようでした。しかし、改善まで、そう長くはかからないと思われますが、念のため、腰部脊柱起立筋群および臀筋の保護と改善に効果的なキネシオテーピング法を施術、様子をみていただくことにしました。

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椎間関節性腰痛の症状

 椎間関節性腰痛症。これは、腰椎の変位にもとづく腰痛で、中高年の方に多くみられる慢性腰痛の原因であることが多いようです。よく研究しておく必要があります。

 まず、椎間関節とは、脊柱の骨のひとつ、椎骨にある左右一対の関節で、上下の椎骨を連結して脊柱の動きを安定させるとともに、制御する役割を果たしています。関節包には、脊髄神経の後枝が分岐し、関節軟骨部にも多くの知覚神経が分布しているといわれています。

 椎間関節は、腰の伸展、屈曲、回旋などの物理的なストレスや加齢による変形関節症によって、変位や炎症を起こすことがあります。急性の場合は、ぎっくり腰に、関節の変形がともなう場合は慢性腰痛になります。

 症状には、腰痛、臀部痛、下肢の痛み・シビレ、変位を起こしている側の椎間関節の痛みなどがあります。腰を反らしたり、イスから立ち上がるとき、同じ姿勢をしているときなどに痛みが強くなります。朝起きあがるときに痛みがありますが、動いてるうちに軽減します。変性が進むと、強い症状が現れます。

 この痛みは、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによる痛みやシビレとよく似ているところもありますが、それらは、特定の神経根が圧迫を受けて症状が現れる「根性坐骨神経痛」とか「根性大腿神経痛」とかよばれているものです。椎間関節性腰痛の場合は、椎間関節の周囲だけでなく、臀部から下肢にかけてかなりの部分にひろがる放散痛として現れます。

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仰向けに寝ると出る腰痛を改善

 「仕事で自動車を長く運転すると、腰に痛みがでます。特に仰向けに寝ていると左腰が痛い」とSさん(男性 30代)が来店されました。しゃがんだり、体幹を前に曲げたりする動きでは、痛みは出ないとのことでした。

 施術者としては、腰の動きと関係なく痛みが出るのは不思議な気がするのですが、ときどきそういう方が来店されることがあります。Sさんの場合、下肢挙上検査、腰椎椎間関節検査では痛みが出ませんでした。そこで仙腸関節の検査をしてみると、左腸骨の後下方変位と仙骨の左方変位と第5腰椎の前方変位がありました。

 そこで仙腸関節を矯正して、脊柱起立筋群とハムストリングスから後脚下部にかけて筋肉の緊張をとり、仙腸関節の可動性を高める施術を行ないました。さらに腰部屈法で、腰椎の前方変位を矯正しておきました。

 施術の後、Sさんに腰の按配を聞いてみると、仰向けになって試していましたが、「痛みがなくなった」とのことでした。同じ仙腸関節の変位でも、ひとそれぞれ体格や体型によって、痛みの現れ方や感じ方が違いますから、一概にはいえないようです。

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慢性腰痛はストレスが原因かも

 「半年ほど前から、バイクに長時間乗っていると腰に痛みが出るようになった。整形外科でX線検査をしたけど腰椎には異常がないと言われた」と先週来店されたMさん(40代 男性)。検査をすると、左右の仙腸関節に変位があったので矯正し、背柱起立筋とハムストリングスを中心に緊張をとる施術を行なっておきました。

 今日Mさんが再来店されたので、腰の状態を聞くと「ほとんど変化がなく、バイクに乗ると引き続き痛みがでる」とのことです。長期に痛みが続いており、1回の矯正ではほとんど改善してないことからすると、どうも慢性腰痛のようです。

 再度、仙腸関節を検査をしたところ、少し微妙にはなってはいましたが、前回と同じような変位がありました。そのため、今日は念入り矯正を行ない。腰椎の前方変位もあったので、それも矯正しておきました。

 施術する中で、特に左側の背柱起立筋と大臀肉が発達していて、緊張も強いことが分かったので、重点的に緊張を和らげる施術を行ないました。そして、筋肉を左右均等に発達させ、血行を促進するために、腰の痛みがないときに、筋肉トレーニングの一種、フルスクワットをするよう指示しました。

 また、Mさんに、BS-POPの慢性腰痛質問表をチェックしてもらったところ、19点でした。15点を超える場合、原因がストレスなど心因性腰痛である可能性がある大きいといわれています。Mさんにも、そのことを伝えて、今後経過がはかばかしくない場合は、専門医を受診するようすすめておきました。

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腰痛と湿布(消炎鎮痛剤)

 腰の痛みは、疲労物質を取り除き、血流を回復させて、筋肉や関節の損傷を修復しようとする反応です。血流を増やすためにプロスタグランジンという血管拡張物質が働きます。このプロスタグランジンが、同時に痛みと発熱を起こす原因でもあります。

 腰痛対策には、よく湿布が使われますが、湿布には消炎鎮痛剤が使われています。消炎鎮痛剤は、このプロスタグランジンの産生を阻害して、血管を閉じ血流を妨げて一時的に痛みをとめる働きがあります。

 ですから、ぎっくり腰のような急性期の強い痛みを取る場合には有効ですが、急性期をすぎた時期や慢性的な症状に対して用いると、患部の修復を妨げ逆効果になると言われています。

 強い痛みがなくなって、動けるようになったら、入浴や体操などで患部を温め、血行を良くすることが大切です。特に筋力トレーニングは、血行を良くするだけでなく、筋力を強化して腰痛になりにくい体質を取り戻すのに有効です。但し、痛みが残っているときは、無理をしないようにしてください。

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心理・社会的要因による慢性腰痛

 以前、腰痛・膝痛・頭痛が持病といわれるTさん(50代 男性)が「数ヶ月前から、しゃがみこんだ姿勢をしばらく続けて、立ち上がると腰に強い痛みを感じる。整形外科での検査では、腰椎に異常はないと言われたのだけど・・・」と、何度か来店されたことがあります。

 仙腸関節と腰椎に機能性変位があったので、矯正を行なったところ、しゃがみこんだ姿勢から立ち上がるときの痛みは改善しましたが、その後「仰向けに寝てしばらくすると、腰に痛みが出て、夜眠れない」と来店されました。何回か矯正をして、ある程度和らいだようですが、完全に痛みが改善したということにはなりませんでした。

 急性ではなく、持病というくらい慢性的な腰痛ですから、Tさんも、こちらからの問いかけに、仕事などでの「精神的ストレスに原因があるかもしれない」と言っておられましたが、その時は、残念ながら心理的要因に関する十分な知識と明確な判断材料を持ち合わせていませんでした。

 最近の海外の研究をみると、構造上の変形と症状の関連は検証しにくいということが報告されています。特に脊柱管狭窄症についてですが、「X線、CT、MRIなどの画像検査では、検出は不可能である。異常所見があっても症状が出ないことも多く、症状のある患者の確認検査としてしか使用できない」とのことです。

 ですから、専門医の間では、脊柱管狭窄症については、安易に手術せずに保存療法や精神医学的療法を優先させた方が良いという考え方が多勢になっているようです。明確な変形である椎間板ヘルニアでさえ、「心因性の慢性疼痛を合併することの多い代表的疾患」という見方があるほどです。

 慢性的な腰痛で、施術しても改善がみられない場合は、簡易質問表(患者用―下表)を用いて、心理的・社会的要因との関係を調べる方法があるようです。合計点が15点以上になると心理的要因が存在する可能性が高くなります。

簡易質問票

(Brief Scale for Psychiatric Problems in Orthopaedic Patients:BS-POP)

  質問項目 回答と点数 評価点
泣きたくなったり,泣いたりすること、がありますか 1いいえ 2ときどき 3ほとんどいつも  
いつもみじめで気持ちが浮かないですか 1いいえ 2ときどき 3ほとんどいつも  
いつも緊張して,イライラしていますか、 1いいえ 2ときどき 3ほとんどいつも  
ちょっとしたことが癩(しゃく)にさわって腹がたちますか 1いいえ 2ときどき 3ほとんどいつも  
食欲は普通ですか 3いいえ 2ときどきなくなる 1ふつう  
一日のなかでは,朝方がいちばん気分がよいですか 3いいえ 2ときどき 1ほとんどいつも  
何となく疲れますか 1いいえ 2ときどき 3ほとんどいつも  
いつもとかわりなく仕事がやれますか 3いいえ 2ときどきやれなくなる 1やれる  
睡眠に満足できますか 3いいえ 2ときどき満足できない 1満足できる  
10 痛み以外の理由で寝つきが悪いですか 1いいえ 2ときどき寝つきが悪い 3ほとんどいつも  

合計点

 

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医学界の新常識? 慢性腰痛の原因

 ある新聞によると、研究が進んで慢性腰痛に対する従来の常識が否定され、新しい常識が生まれつつあるとのこと。

 腰痛の経験者は、成人の80%以上にのぼる。これまでの常識は、「腰が痛いのだから、問題は腰椎にある」だったそうです。しかし、「腰椎に明らかな異常がなくても、痛みが生じる」、「異常があっても、そこが痛みの原因であるとは限らない」という新しい常識が生まれている。

 しかも、手術療法と保存療法の予後にはあまり差がないらしい。手術をしなくても、「社会的背景や心理・社会的な要因を改善することで、症状が消えてしまう例もある」ということで、精神医学との連携を深めた治療を進める方向にあるそうです。

 カイロプラクティック界では、手技による矯正が可能な腰痛の原因として、腰椎椎間関節とともに仙腸関節の機能性変位が従来から言われてきました。椎間関節の変位については、MRI検査で分かることもあるそうですが、エックス線検査ではいずれの変位も分かりません。手を用いた検査でこそ分かる原因もあるのです。そして、実際に腰椎椎間関節や仙腸関節の変位を手技で矯正することによって、腰痛のかなりの部分をを改善することができます。

 確かに、心理的・社会的要因が作用して腰痛を引き起こすこともあるでしょう。「安保理論」でいう働きすぎによる交感神経優位の状態が続くと、顆粒球が増えて過敏な部分に炎症を起こすことも考えられます。しかし、エックス線やMRI検査では分からない関節の機能的障害も、腰痛の原因となっていることにも触れてほしいところです。いったい何が、医学とカイロプラクティックを隔てているのでしょうか。

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ぎっくり腰の改善に、特別緊急出張

 「ぎっくり腰になって、痛くて動けないので来てもらえませんか」と、Tさん(女性 30代)のご主人から電話がありました。当店では、基本的に出張施術をしていないのですが、すぐ近くでしたし、痛くて困っていらっしゃるようでしたので、イレギュラーで伺うことにしました。

 「午前中に急に痛み出して、腰が抜けたような状態になっている」とご主人。Tさんは、左側の腰が痛くて寝返りも困難な様子でした。

 下肢挙上検査をすると左腰に痛みが出ましたが、Tさんが以前患った腰椎椎間板ヘルニアの痛みとは違うといわれるので、ぎっくり腰による急性筋炎の疑いを強くしました。そのため、背柱起立筋を中心に滾法・弾法・推法を施術、臀部・後脚部への揉法・按法・屈法・伸法を施術して、筋肉の緊張を取るとともに、血行を促しておきました。

 同時に、仙腸関節の検査をすると、左腸骨に後下方・内方変位があったので、うつ伏せのまま矯正し、推法・搬法で仙腸関節・左股関節と腰椎の可動域を拡げておきました。さらにTさんの承諾を得て、キネシオテープを貼付しておきました。

 施術の後、Tさんに様子を聞いてみると、当初はできなかった四つん這いになって、「この姿勢ができるようになった。ずいぶん楽になりました」と、痛みの程度を確かめておられました。

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血流促進による腰痛治療

 安保徹著『自律神経と免疫の法則―体調と免疫のメカニズム』に、腰痛の原因と治療方法に関する叙述がありましたので、要点を抜粋します。

腰痛や椎間板障害を起こす原因と経過

①相対的筋力の低下による筋疲労―運動不足による筋力の低下。激しい運動や同じ姿勢を続けることで起こる筋疲労。消炎鎮痛剤やステロイドホルモンを使用している。

②筋疲労が起こると交感神経緊張状態になり、血流障害と顆粒球増多が起こり、運動器官の障害へと進む。

③治癒反応として、血流が回復したときに、関節に痛みが出る。

 この痛みに、コルセットの着用や消炎鎮痛剤を投与すると、血流障害や顆粒球増多を誘導することになり、逆効果になる。「緩やかな運動をして血流を送り込むことと、その後は徐々に運動量を増やして筋力をつけていく」、痛みを起こしている原因を取り除くような新しい治療が必要である。

 いかに骨や関節などが破壊されたり変形していても、血流さえ回復すれば生体はその時点からちょうど良い形で治癒させてくれるのである。骨の変形などがX線写真で見つかっても腰痛の程度と一致しないのはこのためである。変形したまま治癒している場合が多いからである。

 血流促進で自然治癒力を高める。とても興味深い記述です。しかし、腰痛にも急性と慢性があり、原因も様々ですから、すべてこの見解で網羅できるのかどうか、よく研究して考えてみたいと思います。

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改善の手ごたえが少ない腰痛矯正

 「2週間ほど前から、腰を伸ばしたら痛い。特に座った姿勢から立ち上がるのが難しい」と西観音町のYさんが来店されました。

 下肢挙上検査をすると、右脚が約70度挙上で左骨盤部に痛み、左脚は80度で同じく左骨盤部に痛みがありました。しかし、ピリピリする神経性の痛みではないようでした。

 そして仙腸関節の検査をすると、左腸骨が後下方・内方変位していましたので、伏臥位と側臥位で矯正し、腰痛に対応するツボ按法・推法・搬法・旋法を施術。下肢挙上検査の結果が少し気にかかっていましたので、坐骨神経痛も意識して行ないました。

 施術後、仙腸関節を再検査してみると、フィクセーションは完全にとれて可動性は回復していました。Yさんの腰の痛みも少し楽にはなったようですが、しかし、すっきり改善された様子ではありません。

 最終手段として、Yさんと相談のうえ、キネシオテープをユニオンジャック式に腰部に貼付しておきました。

 それにしても、下肢挙上検査の痛み方が気になります。Yさんによると「以前、整形で診てもらったら、ヘルニアはないと言われた」とのことです。通常の仙腸関節の変位だけなら、もっとすっきり改善するはずなのですが、どうも自分自身、納得がいかない施術でした。

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脊椎分離すべり症が慢性腰痛の原因になることも

 慢性腰痛の原因のひとつに脊椎分離すべり症があります。

 脊椎分離症は、脊椎の上関節突起と下関節突起との間が分離することで、ほとんどは、子どものころ、スポーツなどで繰り返し同じ負荷をかけることで起こる疲労骨折です。軽度な腰痛症状で1週間程度で治まるため、見つけるのが困難な疾患といわれています。

 脊椎すべり症は、脊椎が前方あるいは後方へずれることにです。子どものころに起きた脊椎分離を放置することで、10代後半から40代にかけて発症します。腰椎は前彎しているため、前方へずれることが多くなります。

 脊椎分離・すべり症は、ぎっくり腰を繰り返すことが多く、長時間の立ち作業や重労働をしたときに、重く鈍い痛みが続き、腰を伸ばすと特に痛みが強くなります。

 脊椎分離症、脊椎すべり症とも、カイロプラクティックでは対処できませんので、根本的な治療は、専門医への受診をお勧めします。 

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重いものを持ち上げられない 慢性的な腰痛

 「5~6年前から腰が痛くて、仕事で重いものを持ち上げようとすると、できないことがある」と安佐北区から、Jさんが来店されました。

 ずいぶん前からの症状なので、下肢挙上検査と椎間関節検査をしてみましたが、陰性でした。そこで仙腸関節を調べてみると、右腸骨が後下方変位していることが分かったので、うつ伏せの状態で矯正しました。さらに、中国整体で、腰から後脚部にかけてツボ按法、推法、搬法を施術。第5腰椎にも痛みがあったので、矯正して屈法、旋法を施術しました。

 矯正によって仙腸関節の動きは回復しましたが、Jさんによれば「普段の生活ではあまり痛みはなく、重いものを持ち上げるときだけ痛い」ということなので、残念ながらその場での腰痛改善の検証はできませんでした。そのため、仕事をしながら様子をみていただくことにしました。慢性症状なので改善には、もう少し時間がかかるかもしれません。

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腰痛が一回で、すっきり気持ちよく改善

 「台風4号が広島に近づいた土曜日の朝、ベランダの植木鉢を避難させるために持ち上げたのが原因か、急に腰が痛くなった」と来店された住吉町のFさん。詳しく症状を聞くと「寝返りがしにくく、立ったり座ったりするときや、しゃがみこんだりしたら、痛い。特に腰の左側に痛みが強い」ということでした。

 検査をすると、左腸骨に後下方内方変位がありました。伏臥位の矯正で、ほぼ仙腸関節の動きは回復しましたが、念のため側臥位でも矯正。その上で、腰痛対応の中国整体:揉法・按法・搬法・推法・屈法などを施術しました。

 改善状況のチェックのため、Fさんに室内を歩いていただいて、さらに腰を曲げたり、伸ばしたり、まわしたりしてみてもらったところ、「すっかり痛みが取れている。しゃがんでも痛くない」と嬉しい感想をいただきました。やっぱり急性期の腰痛は、改善も早いですね。

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腰痛の原因って?

 腰痛の原因として、一般的な医学関係の本には、若い年代からあるのが腰椎椎間板ヘルニア、脊椎分離症・すべり症、中高年になると変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症、高齢者では脊椎骨折、その他化膿性脊椎炎、結核性脊椎炎、強直性脊椎炎、脊椎腫瘍など、腰椎の病気が示されています。いずれも、カイロプラクティックでは禁忌症となっていますので、それらの病気のご心配のある方は、まず専門医への受診をお勧めします。

 しかし、『メルクマニュアル医学百科 家庭版』には、腰痛に関して「最も多い原因の1つに、筋肉や靭帯の挫傷と捻挫があります。挫傷や捻挫は、ものを持ち上げたり、運動したりしたとき、転倒や自動車事故などで予想外の向きに身体が動いたときに起こります」「腰のけがは、体調が悪いときや、背骨を支える筋肉が衰えているときに起こりやすくなります。悪い姿勢、不適切な持ち上げ方、肥満、疲労などもかかわっています」と記されています。

 スポーツによる腰のケガは、ウェートリフターズ・バックとよばれていますが、重量挙選手に限らず、フットボール・バスケットボール・野球・ゴルフなどさまざまな種目で、日常的に鍛えていても、極限以上の力を出すことで起こることがあります。無理な姿勢がともなえばなおさらです。

 ところが、日常的にそんなに激しい運動もしていない人が、どうして腰痛になるのでしょうか。当店の客様の腰痛の原因は、仙腸関節の変位が最も多いようです。人間の脊柱は、通常S字カーブを描くように、頚椎が前彎、胸椎が後彎、腰椎が前彎しています。特に脊柱の基盤となる腰椎では、前側で腹筋群、後側で背筋群・ハムストリングスが、バランスよく支えているからです。それが、日常的な悪い姿勢の継続や、疲労などによって前後の筋肉の力がアンバランスになり、S字カーブの異常、すなわち過剰彎曲や平板化をもたらします。それが仙腸関節に作用して骨盤の変位を引き起こし、さらに相乗的に筋肉に作用して、腰痛を引き起こすのではないかと思われます。

 施術をすれば、一定期間の改善は可能ですし、特にスポーツが原因の場合や若い方などはそのまま改善する方もいらっしゃいます。しかし、腰痛を繰り返す方には、体質を改善するための筋力強化トレーニングが必要です。

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腰痛対策として、マクラをしないで寝ることは有効でしょうか?

 知人が、「以前よく腰に痛みがあったけど、マクラせずに寝るように習慣を変えたら、腰痛がしなくなった」と言っていました。このことに科学的根拠があるのだろうか、他の人にも勧められるのだろうかと思い、調べてみました。

 病気が原因でない腰痛を、腰痛症(非特異的腰痛)といいますが、当店のお客様もほとんども方がそうです。腰椎周囲の筋力が弱く、日常生活で適切な姿勢が保てず、さらに無理な動作によって腰の筋肉に過度の負担がかかることが原因と言われています。

 もう少し詳しく言えば、腰椎の彎曲は、腹筋群や背筋群、さらに下肢筋群の影響をうけています。筋力の弱い人は、体幹部のバランスをくずして、脊柱の彎曲が過剰になり、腰椎も前彎をひどくします。そのことが原因となって、骨盤にも影響を与え、仙腸関節の可動性にも障害が起こるようです。

 一般に脚を伸ばして仰向けに寝ると、腰筋が伸ばされて腰椎彎曲が強まって腰がくぼみます。筋力の弱い人は、このとき前彎が過剰になり腰痛の原因となっていたようです。『メルクマニュアル 医学百科 最新家庭版』のホームページにも、「眠るときは硬めの布団(マットレス)を使って、楽な姿勢で寝るようにします。横向きで眠る人はウエストと頭の下に、あお向けで眠る人は膝の下に、それぞれ枕をあてがうとよいでしょう。頭に使う枕は、首が曲がりすぎない高さのものを選びます」と記されています。やはり、腰が痛い人はマクラをしないか、しても低いものにするのが理にかなっているようです。

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急性期でもすぐに改善する人、しない人

 長期間、同じ症状が続いてきた人の場合、改善に時間がかかることが多いのですが、数日~1週間前から痛くなったという急性期の人でも、施術してすぐに改善する場合とそうでない場合があります。

 南観音のYさんは、「左側のお尻が痛くて、太股に張りがある」と訴えて、少し歩きにくそうに来られました。「死んだ方がましなぐらい」と言っておられたので、相当痛かったのでしょう。検査をしてみると左腸骨が外方変位しており、おそらくこれが梨状筋を緊張させて臀部の痛みの原因となったようです。早速、腸骨の変位を矯正して、坐骨神経対応の中国整体を施術。さらに股関節と大腿四頭筋にも施術をしました。Yさんは、仙腸関節の動きが戻ったあたりから、「痛くなくなった」と言っておられましたが、施術終了後は、「歩くのが楽になった」と、すっかり元気になって帰られました。

 観音町のYさんは、「先週のゴルフで腰をひねって以来、少し腰が痛かったのだけど、さっき荷物を持ち上げたら、急に痛みが強くなった」と来店されました。検査してみると右腸骨が後下方・内方変位、仙骨が左斜後方変位していましたので、矯正した上、脊柱起立筋・腰方形筋への滾法を中心に中国整体を施術しました。Yさんに痛みのポーズをしてもらうと、「まだ痛みが取れてない」ということなので、今度は腰椎を検査してみました。第4腰椎が後下方変位していたので、矯正し腰の旋転運動を施術して、反応を聞いてみましたが、「まだ痛い」。最後の手段としてのキネシオテープを貼付して、経過観察していただくことで、帰っていただきました。

 当店(あおぎりカイロプラクティック)では、「一期一会で、短時日で改善」をモットーにしておますが、手を尽くしても、お客様の症状や体調によって必ずしも1回の矯正・施術で改善できるわけでは、ないですね。もちろん数日後に施術の効果が現れる場合もありますが、ある程度粘り強い取り組みが必要なケースもあるようです。

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腰痛、原因を考えながら改善するまで矯正しました

 「腰の左側に痛みがあって、肩もだるい」と、三篠町のTさんが来店されました。頸椎の検査・矯正をした後、さらに仙腸関節の検査をすると、左腸骨が後下方・内方変位していました。もう全快しているということでしたが、Tさんは、数年前に腰椎の手術をしているので、腰椎に負担がかからないようにと伏臥位で、慎重に矯正しました。すると仙腸関節の上下の動きは完全に回復し、外方へも動くようにはなりましたがまだ右に比べると少しぎごちない感じでした。

 中国整体の捋法、按法、揉法、搬法、推法などを用いて、腰、脚、背中、肩、首の筋肉や関節を調整する施術をした後、Tさんに様子を聞いたところ「だいぶ良くなったけど、腰にまだ痛みが残っている」といわれます。やはり外方への可動性制限がまだ残っているのが原因と考えられたので、思い切って側臥位で坐骨を矯正しました。それが効を奏して、完全に左腸骨の外方への動きが回復。Tさんは「痛みがなくなった」と気持ち良さそうに帰られました。

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慢性的な症状は、改善にも時間が必要

 廿日市市から来ているTさんは、「長くしゃがんだ姿勢から立ち上がった時に腰のつけ根が痛むし、仰向けに2時間ぐらい寝ていると腰が痛んで眼が覚める」と3回目の来店です。検査すると左腸骨が後下方・内方変位を起こしていて、初回に来店されたときから矯正するのですが、来るたびに同じようなフィクセーションを起こしていて、「状況が変化してない」と訴えられます。

 今日は、伏臥位・側臥位・座位のあらゆる角度から腸骨・坐骨を矯正し、特に仙骨に問題があるのではと変位をチェックして矯正しました。さらに中国整体とキネシオテーピングでフォロウしておきましたが、一定の動作で痛みが発症する症例ではないので、その場で改善を検証できません。Tさんとも、「慢性的な症状なので、もう少し時間をかけてみましょう」と話しているところです。

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腰の痛みがすっきり取れて良かった

西観音町のKさんが、「中学校時代から腰痛があったのだけれど、今日は、特に腰を曲げたり伸ばしたりすると痛みが激しいので、何とかしてもらいたい」と来店されました。

 検査をすると、右腸骨が後下方・内方変位しているので矯正し、腰椎にマニュピュレーションを施術。さらに中国整体で腰から足首にかけて、緊張した筋肉を緩め、関節の可動性をさらに進める施術と腰痛のツボを中心に痛みを取る施術をしました。

 施術後にKさんに聞いてみると、「まったく痛みがなくなった。下手な治療院へいくよりよっぽど良い」と嬉しい感想をいただきました。

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