膝・股関節の痛み

膝蓋腱・膝蓋靭帯へのアプローチ

 膝蓋腱・膝蓋靭帯に直接アプローチする手法として、「クリニカルマッサージ」のクロスファイバー・ストロークを見ていきます。

膝蓋腱と膝蓋靭帯

  • 患者は背臥位をとる
  • 術者は患者の横、脚の位置に立つ
  • 母指を膝蓋腱(膝蓋骨の上)に置く
  • しっかりと組織を押圧し、腱を越えて組織が柔らかくなリ緊張が緩和したと感じられるまで、母指を前後に動かす
  • このプロセスを膝蓋靭帯(膝蓋骨の下)に繰り返す

膝蓋骨深部

  • 一方の手で膝蓋骨を術者から遠ざける方向にずらす
  • もう一方の手の四指を膝蓋骨の下に置く
  • 膝蓋骨を上向きに押圧し、組織が柔らかくなり緊張が緩和したと感じられるまで、四指を前後に動かす
  • このプロセスを内側に繰り返す

注意
 上記の方法は、膝の手術後の患者や手術の予定がある患者には施術しないこと。患者が過去に膝を手術したことがある場合、または膝の痛みを訴える場合は、治療前に患者に詳細な問診を行なう。問題があると思われるときには、治療前にかかりつけの医師の許可を得るよう患者に求める。

 母指および四指を前後に動かすとありますが、テキストにある写真では、母指は、患者からみて左右方向、四指は、患者からみて上下方向に動かしているようです。膝の痛みというと、たいてい膝関節の状態をみることになりますが、状態によっては、膝蓋腱および膝蓋靭帯へのアプローチを考えてみることも必要でしょう。

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大腰筋のクリニカルマッサージによる手技療法

 大腰筋の障害は、骨盤の前上方変位に関係し、様々な症状を引き起こします。『クリニカルマッサージ』の「骨盤部・大腰筋(腸腰筋)」の項を勉強していきます。

 腰筋は腰椎に付着し、腹腔を通って鼠径部まで下り、そこで腸骨筋と結合し、腸骨の前縁を通って斜め下後方向に走り、大腿骨の小転子に付着する。このように腰筋は腸骨の前縁を滑車として利用して、腸骨に下後方の力を及ぼす。こうして腰椎を前方に引っ張り、腸骨の下前部で下後方に押圧することによって、腰筋は骨盤を前傾させ、腰椎を前弯させる。この作用は、著しい傾斜姿勢と脊柱前弯の傾向がある子供には容易に観察される。一般にこの姿勢傾向は、大人(軽度ではあるが観測可能)になるまで持続する。骨盤前傾の結果の1つとして、腹腔内容の重量が前方に移動し、腹部がせり出すことがある。またこの傾斜によって股関節が後方に押しやられ、膝と足首を制御する筋肉に圧力がかかる。過大な腰椎前弯は、その上に存在するすべての構造の位置補正をしなければならなくなる。
 腸腰筋の臨床的重要性には、間接的なものと直接的なものがある。間接的には、上記の姿勢に影響し、直接的には腰部、腹部、鼠径部、および大腿上部に痛みを起こす。腸腰筋の関連痛パターンには、臓器も含まれる。このため、腸腰筋障害は内臓原発性と同様の痛みを伴うことがある。

 仙腸関節の腸骨前上方変位では、股関節の可動制限、鼠径部、大腿上部、膝などの痛みをチェックしますが、その主な原因と考えられる大腰筋の障害には、内臓への関連痛も含まれることがあるようです。

圧迫
・患者は背臥位をとる。治療する側の股関節と膝関節を約45°屈曲させる
・術者は患者の横、腰の位置に立つ
・患者に近い方の指先を術者に近い方の腹部上、臍の下外方4~5cmに置く
・腹部をゆっくりとしっかり押圧し、円を描くように指先を移動し、臓器をそっと押しのける
・腰筋に触れたら筋肉を押圧して、圧痛領域を探す。押さえてリリースする
・指先が前回の治療スポットのすぐ下に来るように手を下方に移動する
・鼠径靭帯に達するまでこのプロセスを繰り返す
・鼠径靭帯の下の鼠径部に同じプロセスを繰り返す(ここでは円を描く必要はない)
・この腰筋の治療は、患者の反対側から、患者に座位、あるいは立位をとらせてテーブルの方に身体を曲げて実施することができる

付着部の圧迫
・患者は背臥位をとる
・術者は患者の横、膝の位置に立つ
・重ねた両手の母指を鼠径部から約5cm下、大腿直筋内側の大腿前部に置く
・しっかりと組織を押圧し、小転子への付着部を探す。圧痛点があれば、押さえてリリースする。

 いずれも、漫然と大腰筋に圧をかけるのではなく、圧痛領域、圧痛点を探し出してリリースすることがポイントになっています。「圧迫」の手技に関しては、座位もしくは立位の方が、大腰筋に直接触れやすいようです。

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なぜO脚を内反膝、X脚を外反膝というのか

 O脚のことを内反膝、X脚のことを外反膝とも言いますが、語感からするとどうも逆をイメージしてしまいがちです。O脚は膝が外方に曲がっているのに内反膝、X脚は内方に曲がっているのに外反膝です。日常的な感覚では、何となく違った感じを持ってしまいます。

 しかし、考えてみると、母趾の付け根が内側に飛び出しているにも拘わらず、母趾が外方に反っていることから外反母趾と言います。これと同じように、身体のまん中を通る正中線を基準にして、膝関節を構成している脛骨が、内方か外方かのどちらに反っているかということから考えると分かりやすいようです。

 つまり、内反膝の場合、膝関節の内側の半月板や関節軟骨が摩耗、剥離、損傷など変形することで、関節内側の間隔が狭くなり、脛骨先端が内側に傾いてきて、膝が外側に張り出して曲がった状態になります。同じように外反膝の場合は、膝関節の外側が狭くなり脛骨が外側に傾くため、膝が内側に張り出して曲がったような状態になります。

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膝を笑わせない山の下り方

 山歩きをしたとき、登りではそうでもないけど、下っていると途中から「膝が笑う」ことがあります。膝がガクガクして、力が入りにくくなる現象です。これもあまり無理を続けると、膝が炎症を起こして、熱が出たり、腫れたりすることもあるようです。

 原因として、膝蓋骨を保持している大腿四頭筋に疲労が蓄積してくると、バランスを維持できなくなって、膝がガクガクするようになるともいわれていますが、しかし、特に長い階段や山道などを下るときによく起こる現象ですので、膝関節への過大なストレスの方が大きな割合を占めるのではないかと思います。

 『信州山学クラブHomePage』に掲載されている「中高年者の安全登山の方法(技術)」に、膝が笑う状態にならないための「下り坂の歩き方」が紹介されています。

 急な下り道を歩くときには、姿勢は、腰を伸ばしてすっきりと立ち、登りより若干前傾を少なくして、重心を心もち後へ置く。足は腰を支点に、大股にならないようにして、足首を伸ばさずにつま先から着地する。足首と膝を活用して着地のショックを吸収することがポイント。また高低差をとりすぎて、膝を深く折り曲げたりすると、余分な負担をかけてしまうそうです。

 読んでイメージしてみると、スクワットの姿勢に似ています。腰を伸ばして、腰椎の前弯を保ちながら大腿部で前傾させる。膝は大腿が床と平行になる程度に曲げて、膝頭をつま先より前に出さない。スクワットは、大腿四頭筋や臀筋を鍛えるトレーニング種目ですが、正しいフォームで行なえば、膝や腰への無理な負担はほとんどありません。山歩きをする人は、姿勢の矯正と筋肉の強化のために、日常のトレーニングに取り入れたら良いかも。

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膝の内側が痛む内側側副靭帯損傷

 先日、「階段を下りていたとき、膝を捻挫した」、「歩くのには差し障りはないけど、膝を内側に捻ると痛む」とNさん(男性 70代)が、来店されました。整形外科へも通院しているとのことです。

 どこに問題があるのか、Nさんからは診断結果について、ハッキリしたことが聞かれませんでしたが、状態を聞いて、痛いところに触れてみると、内側側副靭帯を損傷している疑いがあります。この疾患は、サッカーやアメリカンフットボール・格闘技などコンタクトスポーツや交通事故が原因となることが多いのですが、高齢者の場合は、ちょっとしたケガで起こることもあるようです。

 損傷の程度については、整形外科で、外反ストレスレントゲン撮影による検査を行なうことが必要です。膝を20度曲げた状態で外側にストレスを加えて膝関節の内側を開き、その隙間の程度をみます。健側より3~5mm広い場合は、捻挫程度の軽度損傷例(Ⅰ度)、6~10mmは、部分断裂の中程度損傷例(Ⅱ度)、11mm以上は、完全断裂の高度損傷例(Ⅲ度)です。

 痛みと腫れが激しい間は、アイシングを行ない、添え木やサポーターをして安静にします。ほとんどの場合は、保存療法だけで改善しますが、Ⅲ度の場合は、靭帯が緩くなったり、半月板損傷や十字靭帯損傷を併発していたりすることがあるので、手術が必要になることもあるようです。

 Nさんの場合、炎症が治まった後に、まだ部分的に痛みが残っている状態ですので、膝のトリガーポイントへ痛圧点法を行ない交感神経の緊張と、大腿四頭筋を中心に周囲の諸筋群の緊張とを緩める施術を行なっておきました。一般的に、靭帯が自己修復するまでには、軽(Ⅰ)度で1~2週間、中(Ⅱ)度で2ヶ月、高(Ⅲ)度で3ヵ月程度といわれているようですが、完全に痛みが取れるまでには、もっと時間が必要なようです。

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根気と時間が必要な膝と股関節の可動改善

 3年ほど前に何回か続けて来られたことのあるKさん(女性 80代)から、久しぶりに予約電話をいただいたので、待っていたところ、何と車椅子に乗って来店されました。話を聞いてみると、7ヶ月前に左大腿骨頭と大腿骨を続けて骨折し、入院していたそうです。

 「立つと股関節が痛い」ということが主訴でしたが、触診してみると、左脚の大腿四頭筋をはじめ、脚全体の筋群が萎縮しています。さらに膝蓋骨が外側に向き、足関節が底屈し硬直、そのため左脚の股関節と膝関節には可動制限があり、自力では、立つことができない状態です。

 今日は、Kさんに痛みの具合をたずねながら、股関節と膝関節に抜法、旋法、抖法を施術して、関節を離開するとともに可動域をひろげるようにしました。そして関節のツボと合わせて百会パートに痛圧刺激を行ない、交感神経の緊張をとる施術を。さらに脚の筋力を取り戻すことが大切ですので、筋力強化のトレーニング方法を指導しておきました。

 病院でもリハビリを受けていたそうですが、なかなか思わしい改善には、至らなかったようです。リハビリの開始が遅かったのか、早めにしてもこうなってしまったのか分かりませんが、現在のこの状態は、かなり重度といえるでしょう。ほうっておくと、「大腿骨頭骨折による寝たきり」になるパターンです。Kさんの場合、ある程度の機能回復は可能と思われますが、根気と時間が必要です。

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1ヶ月前につまづき転びそうになって以来、右膝に痛み

 「1ヶ月ほど前に、床にスロープがあることに気づかず、つまづいて転びそうになって以来、右膝が痛い」とFさん(女性 50代)が来店されました。整形外科でX線検査をしたところ、「いわゆる変形性膝関節症だが、軟骨はそんなに磨耗していない」との診断を受け、湿布と痛み止めを処方されたそうです。

 膝の痛みが、つまづいたことからはじまっていることや症状が長引いているので、はじめに仙腸関節を検査してみました。すると微妙でしたが、右側の腸骨に前上方変位が確認できたので、うつ伏せの姿勢で矯正し、さらに大腿四頭筋のストレッチを行ないました。

 次に、右膝関節の癒着を取り除き、可動性を改善する施術を、特に膝関節の外側に痛みがあるということなので、関節外側を離開する施術を行ないました。平地を歩くときではなく、階段を降りるときに痛みが出ることが多いということで、残念ながら改善の具合を直ちに確認することはできませんでした。そのためFさんの了解を得て、念のために膝痛対策のキネシオテーピングを貼付しておきました。

 いずれにしても膝痛の改善には、多少時間がかかるかもしれませんが、変形性膝関節症の進行防止と予防には、大腿四頭筋の強化が必須です。そこでFさんには、『あおぎり通信』№16を渡して、トレーニング法を指導させていただきました。

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坐骨神経痛の根源的な原因は椎間板ヘルニアでした

 右股関節(鼠径部)から膝下にかけての痛みで、総合病院に入院していたAさん(女性 70代)、明後日退院することになったそうです。ブロック注射が効を奏して、痛みも全くなくなり退院の日を待ちわびていたようです。

 今回は、徹底的に検査をして原因をハッキリさせたいと、入院時のX検査からはじまって、MRI検査、さらに造影剤を注入して椎間板の検査まで行なったそうです。その結果、痛みを引き起こす直接的な元凶は、L4とL5間の椎間板ヘルニアによる第4腰椎神経根の圧迫にあったようです。腰椎の変形とみられていたL4の脊椎すべり症は、以前からあったもののようで、このたびの痛みの直接の原因ではないそうです。

 ブロック注射による痛みの改善ですので、今後再発する可能性もないとはいえないそうですが、ひとまず安心です。それに、検査では脊髄腫瘍など悪性のものは、みられなかったとのことです。良かった、良かった。

 それにしても、手技療法だけでは、原因の究明という点では不十分ですね。関節の機能的変位を見つけるのは得意ですが、構造的な変形などの問題になると、変形や可動性障害はわかりますが、細部にわたって検査することはなかなか難しい。

 確かに、医学的検査で異常がないのに痛みがある場合など、手技療法は効果を発揮することが多いのですが、ある程度手を尽くしても改善の目途が立たないときは、医学(専門医)との連携を行なう必要があります。

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脊柱管狭窄による「坐骨神経痛」の診断

 総合病院でMRI検査を行なったAさん、やはり「坐骨神経痛」と診断されたそうです。鼠径部前側か大腿部・膝下にかけての痛みですが、MRI検査で腰椎の4番と5番の間の神経右側に障害があることが分かりました。

 しばらく入院して、神経根ブロックという、局所麻酔薬を注射して反応をみながら治療を行うそうです。ブロックをした場合、神経根が障害を受けている場合は、一時的に症状が消えますが、しかし馬尾神経障害の場合には、症状が変化しません。

 もちろん、ブロックの反応が出ないとわかりませんが、Aさんの場合は、右側だけの症状ですので、神経根型の可能性が大きいのではないかと考えられます。神経根型の場合は、神経周囲の炎症が鎮まれば、症状が治まることあります。手術をしない保存療法が第一義的に選択され、薬物療法が行なわれます。

 残念ながら、手技療法では、構造に問題のある器質性の疾患に関しては、症状を多少和らげることはできますが、根本的に改善することができません。それに原因を見つける手段が、手技検査だけでは限られています。ですから、今後ともできるだけ専門医の検査情報をよく聞いて、施術にあたりたいと思います。

 

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右鼠径部周辺の痛みは、やっぱり腸骨前上方変位か

 数ヶ月前から、「右脚の付け根から太股にかけて痛い」と来店されているAさん(女性 70代)です。ある整形外科でX線検査したところ、股関節には問題がなく、坐骨神経痛との診断。痛み止めの処置をしてもらい、しばらく落ち着いていました。しかし、また最近、痛みがぶり返してきました。

 脚前側の痛みなので、坐骨神経痛というよりも、椎間関節性腰痛の可能性の方が高いのではないかと考えて、チェックしてみました。症状的には良く当てはまるのですが、施術しても、もう一つ気持ちよく改善しません。

 やはり、鼠径部を中心とした脚の痛みなので、仙腸関節に問題がある可能性が考えられます。うつ伏せで坐骨を押してみたところ、どうも右側の動きが良くありません。やはり右腸骨が前上方変位しているようです。矯正するモビリゼーションを、特に念入りに行なっておきました。 

 施術後には、事前に検査したときに痛みを誘発した動作を行なっても、「痛くない、脚が楽になった」と、Aさんは言われます。でも、立ち上がってもらうと、まだ少し歩きにくそうです。しかも、この間一進一退で、なかなか完璧に改善するというわけにはいきません。

 仙腸関節の変位が痛みの原因になっているのか、それとも痛みによる歩行姿勢の不安定さが、仙腸関節の変位を誘発しているのか、判断の難しいところです。Aさんは、今度別の総合病院でMRI検査をしてみるということです。その検査結果と病院の治療方針を受けて、今後の施術方向を考えてみたいと思います。

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腰右前側から大腿四頭筋にかけての痛み

 右股関節あたりを押さえて、「腰の右前側あたりから太股にかけて痛くて、歩きにくい」と、Aさん(女性 70代)。以前、当店に同じ症状で来られたとき下肢挙上検査を行なったところ、結果は陰性でしたが、病院では「坐骨神経痛」の診断が出ていました。

 しばらく調子が良く、歩きやすくなっていたそうですが、最近また痛みがぶり返したそうです。しかし、前のときと同じように、シビレはなく、骨盤の前側から太股にかけて重い感じの痛みがあるとのことなので、腰椎の椎間関節痛の疑いが濃厚です。

 そのため、今日は、坐骨神経痛ではなく椎間関節痛を意識して、腰椎の間隔を広げるとともに血行を促進するように、また、無血刺絡を意識して痛みがある箇所に、重点的に按法を施術。さらに若干右腸骨の後方への動きに障害がみられたので、モビリゼーションを行なっておきました。

 はじめ、Aさんは骨盤前部のツボへの按法や太股への合法に、強い痛みを訴えておられましたが、施術の後には、同じように刺激しても「痛みがなくなった」とのこと。それでも、Aさんの場合、椎間関節の変形性症状と思われますので、しばらく施術を続けて、様子をみる必要がありそうです。

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膝をめいっぱい突き出すスクワット

 12月7日に「膝の衰えは、太股の大腿四頭筋内側広筋から」というテーマで、次回トレーニング方法を詳説するとして、『健康ネット』(「筋力トレーニング」・「寝込まないための脚力チェックと脚筋力の強化」)のページを紹介しました。

 しかし、そのページを読んでみると、脚力強化のためのスクワットの仕方に、少し疑問をもってしまいました。筆者(堀居昭 日本体育大学教授 医学博士)の考案した「ひざにやさしいスクワット方法」として、次のようにのべています。

 「足幅を肩幅より少し広めにして立ち、ひざ頭をめいっぱい前方に突き出すと、必然的にひざ頭は下にある足先より前方に位置するようになります。このようにひざ頭を前方に突き出すポーズはひざにかかる負担を少なくします」「通常のスクワットでのひざ頭の位置は、下にある足先後方にあって臀部を下げるようにして大腿四頭筋を鍛えます。両者を比べてみると、ひざをめいっぱい前方に突き出す方法はひざにやさしい方法であることが分かります」

 ??? これまで、スクワットの常識として、腰を痛めないように腰部は前湾姿勢をとって、さらに膝を痛めないように膝頭を足先よりも、前に出さないようにして、荷重を腰と膝に均等に配分するのが基本と思っていました。それを膝をめいっぱい前方に突き出すですか。

 しかし、ポイントは次にあるようです。「上体を前かがみにして手のひらを大腿に置くポーズをとります。次にゆっくりひざ頭をめいっぱい前方に突き出し、痛みが感じられない膝関節角度を確かめます。ひざをカギ型状態にしながらその関節角度内でスクワットを繰り返すようにします」。

 膝を伸ばしきらずに、少し曲げたままでスクワットを行なう。バーベルを担ぐのではなく、自分の体重を利用して行なうのですから、膝を鍛えるには良い方法かもしれません。固定観念にとらわれず、試してみようと思います。

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脚の衰えは、太股の大腿四頭筋内側広筋から

 脚の筋肉、特に大腿四頭筋は、運動しないと急速に衰えます。大腿四頭筋は筋肉量が多いために、減少が激しいと言われています。30代半ばあたりから運動しない生活習慣を続けていると、だんだん運動能力が低下して、脚の筋肉が萎縮していきます。

 慢性的な運動不足の状態で第一に起こるのは、大腿四頭筋の内側広筋の萎縮です。少しずつ細くなり、進むと膝蓋骨の内側上方にシワが出てきます。イスに座って片脚をのばすとシワの有無を確認できます。それが1本の場合が初期段階で、トレーニングをして手入れをすれば、進行を食い止めることができます。

 この状態を放置していると、シワが2~3本に増える中期段階に入ります。この段階に入ると、階段の上り下りなどで膝に痛みを感じることがあります。

 大腿四頭筋には、内側広筋、外側広筋、中間広筋、大腿直筋の文字通り四つの筋肉があり、それぞれ別の方向から膝蓋骨を引っ張っています。内側広筋の萎縮が速く、外側広筋は萎縮が遅いため、膝蓋骨の牽引力にアンバランスが生じ、膝蓋骨は外側上方に引っ張られ、大腿骨と接触するようになります。そのため膝に痛みを感じるようになります。

 さらにこれをそのまま放置すると、筋肉の萎縮が進んで、膝頭が突出して見える後期段階となります。膝を曲げるだけで痛みが生じ、歩くときには、ほとんど膝を曲げずに脚を棒のようにして、ゆっくり歩くようになります。筋萎縮の伸展で、関節内の軟骨や骨が磨耗し、変形性膝関節症になる場合があります。

 いずれの段階でも、その状態に応じた膝の手入れ方法がありますので、折を見て紹介します。もっと詳しく知りたい方は、『健康ネット』ホームページ「筋力トレーニング」:http://www.health-net.or.jp/kenkozukuri/healthlist/030/110/index.htmlの「寝込まないための脚力のチェックと脚筋力の強化①~③」をどうぞ。

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坐骨神経痛に似た椎間関節痛の放散痛

 坐骨神経痛に良く似た症状に、椎間関節痛があります。同じように下肢に痛みやシビレを発症しますが、椎間関節痛の場合は、神経痛ではなく放散痛で、大腿前側の鼠径部にも痛みが出ます。

 発症の原因となる部位も、坐骨神経痛が下部腰椎から仙骨にかけてであるのに対し、椎間関節痛は、腰椎の第二~五番の椎間関節です。

 椎間関節とは、脊柱の椎骨をつなぐ関節で、対になった上の椎骨の下関節突起を下の椎骨の上関節突起が挟み込むような仕組みになっていて、それぞれ独立した関節として関節包でつつまれています。

 その関節が、膝や股関節などと同じように軟骨の退行変性起こすことがあります。その変性が片側の場合や、外部からの衝撃などで、回旋すべり変位を起こし、椎間関節痛が起こります。

 症状が進んで、両側が変性すると、椎骨そのものが前方へすべって、脊柱管狭窄症が起こります。椎骨そのものが前方へすべるにもかかわらず、椎間板が元の位置にとどまるため、椎間板ヘルニアと同じような状態になって、脊柱管を圧迫し、両側性の坐骨神経痛を発症します。

 坐骨神経痛の診断が出ているAさんですが、「軽度の狭窄症がある」といわれただけだそうで、明確な脊柱管狭窄症とは指摘されなかったとのことです。痛みの位置からして、坐骨神経痛といえるのかどうか、大雑把に言えばそうかもしれませんが。ひょっとしたら、椎間関節痛の放散痛かもしれません。

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Aさんが坐骨神経痛 想定外の診断

 「右股関節が痛くて歩きにくい」という症状がなかなか改善されないため、専門医への受診を勧めていたAさん。

 近所の整形外科へ行ったところ、X線撮影では、股関節には異常は認められませんでしたが、軽度の脊柱管狭窄があり、坐骨神経痛と診断されたそうです。

 股関節前部の痛みが強いので、坐骨神経痛とは思いもよりませんでした。坐骨神経痛の場合、腰背部から臀部、大腿後部、下腿部・足部にかけて痛みやシビレがでるものと考えていましたから、少し意外な感じを受けました。

 しかし、検査の結果を受け振り返って考えてみると、Aさんの場合、腰が曲がることはありませんが、長い距離を続けて歩くことができない、間欠性跛行という腰部脊柱管狭窄症そのものの症状が出ていたように思われます。

 残念ながら腰部脊柱管狭窄症は、脊椎そのものの変形ですのでカイロプラクティックでは、禁忌症です。今後、Aさんと相談しながら、専門医での治療と併せて、中国整体などで坐骨神経痛の症状を緩和する施術ができればと考えています。

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改善しない股関節の痛み

 右股関節の痛みで、経過観察中のAさん。今日も「痛くて歩きにくい」と来店されました。「歩きはじめに痛みがあるが、歩き続けているときはさほど痛くない」ということですが、歩く速度が、以前より少し遅くなっているようです。

 検査をしたところ股関節の動きには問題はないのですが、いつものように、仙腸関節には明らかに右腸骨の前上方変位が認められます。

 今日は、仙腸関節にモビリゼーションだけでなく、アジャストして矯正を行ない、可動性を回復させ、さらに股関節に抜法・旋法・伸法・屈法などを施術、大腿四頭筋に滾法・按法とストリッピングを施術しました。

 毎回、施術した直後は、痛みが改善して歩きやすくなり、嬉しそうに帰られるのですが、しばらくすると、同じような痛みが戻ってくるようです。

 髀関に按法を施術するとき、やや強い痛みがあります。どうも、大腿骨骨頭もしくは股関節の疾患が疑われます。Aさんには、痛みの原因と進行程度を明らかにするために、整形外科への受診を勧めておきました。

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膝の痛みには仙腸関節もチェック

 膝関節は、人体の関節の中で最も構成要素が複雑で、関節面の大きな関節です。そのため、直近の外傷によるもの以外での膝の痛みは、検査による異常と痛みが一致しない場合が多く、原因が特定しにくいと言われています。

 たとえば、「たな(滑膜ひだ)障害」とよばれる膝の疾患があります。胎児のとき膝関節にあった「滑膜ひだ」が、大人になっても膝蓋骨と大腿骨の間に残っていて、膝の使いすぎや打撲が原因となってこの「ひだ」が関節に挟みこまれて炎症をおこします。

 膝を曲げたり、伸ばしたりしたときに、鈍い痛みや引っ掛かるような感じがします。さらに、膝蓋骨や大腿骨の軟骨に障害が起きます。

 使いすぎによる障害ですので、まず安静にして、痛みがなくなればスポーツを再開することも可能です。しかし、どうしても痛みが取れない場合は、内視鏡で切除することもあります。

 しかし、この「たな障害」の確定診断は、切除した後で膝の痛みが消失した場合に下されるそうです。手術をしても痛みが消えない場合もあり、「たな障害」が膝の痛みの原因かどうか疑問視する声もあって、単純ではないようです。

 カイロプラクティックで、関節が正常に動かなくなった状態をフィクセーションといいますが、これが仙腸関節に起こると、その周囲だけでなく、離れた膝関節にまで関連痛が出ることがあります。仙腸関節の矯正で、膝関節の痛みが取れることもあります。膝の痛みで来店された方には、膝だけでなく、仙腸関節のチェックも必要ですね。

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半月板変性のターニングポイントは45歳から

 変形性膝関節症は、半月板(線維軟骨)変性からはじまります。関節軟骨の磨耗速度は、遺伝子によって規定されているという加齢による退行性変位をとる説と、老化と直接関係のない関節の疾患であるという説もありますが、いずれにしても、高齢者に多い症状です。

 特に日本人はO脚体型の人が多く、膝の内側に負担がかかるため、半月板の内側部分が損傷することが多い。膝関節のクッションの役割を果たしている半月板の変性断裂が、大腿骨や脛骨先端の関節軟骨の損傷をすすめ、膝の変形へと導くことになります。半月板変性は、膝を捻ったときに痛みが出ます。

 半月板変性のターニングポイントは45~50歳です。膝に過度の負担がかからない生活を心がけることが一番です。この時点で、それまでスポーツを続けてきた人は、膝に負担のかからない種目に変更するかペースダウンをする。これからスポーツをはじめようという人は、膝に負担のかからない種目を選ぶことが必要です。

 変形性関節症に対しては、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸なども、炎症や痛みを抑えることはできても、軟骨を回復させることはできないといわれています。しかし、確かに元どおりに戻すことは難しいかもしれませんが、関節を刺激することにより、滑液の循環を活性化して、関節包に栄養を行き渡らせ、軟骨細胞を活性化させ、すり減りにくくすることができます。また大腿四頭筋を強化することで、膝関節への負担を減らすこともできます。早めに変性に気づいて、早めに手当てすることが何より大事です。

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膝に痛みが出る疾患

 膝に痛みが出る疾患のいくつかを考えてみます。

膝関節の変位

 脛骨内方変位:外側から内側への衝撃などの外傷により内側側副靭帯を過伸展することで起こる。

 脛骨外方変位:内側から外側への衝撃などの外傷により外側側副靭帯を過伸展することで起こる。

 脛骨後方変位:膝の過伸展が原因。コンタクトスポーツや膝の屈曲伸展の繰り返しでも起こる。

 膝蓋骨上方変位:外傷で起こることもあるが、多くは大腿四頭筋の不均衡が原因で起こる慢性的症状。階段の上りまたは下り、長時間座っていて疼痛が悪化することがある。

筋肉・靭帯の損傷

 内側側副靭帯損傷:脛骨内方変位の場合と同じ過剰な外反力によって起こる。

 半月板損傷:スポーツ時の不自然な膝のひねりや衝撃。退行性変位でも起こる。

 腸脛靭帯炎:長距離ランナーのオーバーユースやO脚の人に多い。腸脛靭帯と横伸筋支帯の摩擦による炎症。

 鵞足炎:ハムストリングスの炎症が原因で膝の内側に圧痛などが起こる。

 前十字靭帯損傷:ジャンプの着地、ダッシュなどの急激減速によって傷める。膝がグラつく。

 オスグッドシュラッター病:成長期に起こる障害。骨と筋・腱の成長の不均衡。

 ジャンパーズニー:膝蓋靭帯炎、膝蓋骨下端から膝蓋靭帯にかけて痛む。使いすぎ症候群。

軟骨の損傷

 変形性膝関節症:膝の軟骨細胞の異常によって起こる。ゆっくりと進行し、末期には軟骨がすり減り関節が変形する。

 膝蓋軟骨軟化症:10代でよくみられる。膝蓋骨の変位が繰り返し起こることで発症。階段を下りるときや座り続けていたときなどに膝蓋骨の裏側に痛みがある。 

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腸骨の後下方変位で膝が痛くなることも

 骨盤の腸骨が後下方変位をすると、股関節が前上方にまわって仮性短足になります。左右の脚長差は、だいたい数mm程度ですが、特に身長が大きい人の場合は、1cm以上はっきりとした差が出ることがあります。

 昨日、左膝の痛みで予約いただいた井口台のKさんは、来店時には膝の痛みはかなり治まっていたのですが、「骨のズレがあるのか、脚の長さにどうも差があるような気がする。慢性的な腰痛もあるので、この際なんとかしたい」ということでした。

 仙腸関節の動きを検査してみると、横への変位はありませんでしたが、明らかに左腸骨が後下方変位し、仙骨も傾いていました。さらに脚長を調べてみると、左脚がかなり短くなっています。

 そこで仙腸関節の矯正を行ない、腰部・臀部からハムストリングス・下腿後部にかけての筋肉をほぐすとともに、腰部推臀法・搬膝法を施術すると、関節の可動性の回復とともに、脚の長さも揃いました。

 今度は左膝です。痛みが取れているということなので、一応半月板の状況をチェックしてみましたが、異常はなさそうでした。

 脚長差からくる負担が、下腿後部筋肉の硬直として出ることはよくありますが、Kさんの場合は、あまりに差が大きいので、膝に出た可能性があります。Kさんは、歩いてみて「腰の痛みもなくなったし、脚の長さが揃って、違和感がない」と喜んでおられましたが、一週間くらい腰と膝の様子を見ていただくことにしました。

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変形性膝関節症は、早めの対応が肝腎

 観音本町のAさんは、「右膝が痛む」来店されて以来、継続して脚力強化トレーニングに励んでいます。まだ右膝を旋転すると膝蓋骨と膝関節の間で音がしますが、もう痛みはないようです。Aさんは、「普段運動することがないので、体力向上のためにも」と続けておられます。

 変形性膝関節症は、まず膝関節の安定化などの役割をもつ半月板という弾力性のある線維軟骨が損傷し、さらに進むと硝子軟骨といわれる大腿骨と脛骨の接触面にある軟骨が損傷してきます。末期になると大腿骨や脛骨そのものがすり減って、さらに骨棘という骨の増殖がおこるという過程をとおります。日本人の場合は、膝の内側に損傷が起きる人が多いようです。

 症状は、炎症のため膝に水がたまって痛んだり、歩くとき、階段を降りるとき、正座をするとき、伸ばしたときなどに膝関節に痛みが出たりします。進行すると膝関節に歪みが生じます。特殊な場合には安静時にも痛みが出ることもあります。

 膝に痛みを感じたら、まず専門医で損傷の状況や段階を検査してもらってください。関節や骨の変形が進んでいると民間療法ではいかんともしがたく、専門医による対応が必要になりますが、初期の段階でしたら、適度な関節可動域を広げるストレッチ、大腿四頭筋など関節周囲の筋肉トレーニングなどの運動を行なうことによって、軟骨組織を健康な状態に維持することも可能です。

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変形性股関節症の改善に挑戦!

 観音本町のTさんが、「腰を曲げたり、しゃがんだりしにくい。腰は痛くないけど、太股の筋肉に痛みがある」と訴えて、先週から来店されるようになりました。病院では「変形性股関節症」と診断されているそうです。

 まず、体幹部に問題はないだろうかと仙腸関節を検査すると、左右逆に縦方向の変位があったので、Tさんに骨粗鬆症の診断がされていないことを確認して、軽く矯正しました。その上で中国整体を用い、大腿部前面・側面・背面に滾法、臀部に按法・撃法を施術し筋肉の緊張を取るとともに、股関節に搖法・旋法・伸法・屈法・搬法・推法を施術してストレッチと関節への他動運動を行いました。

 Tさんは、「少し動きやすくなった」といわれましたが、施術する中で根本的な問題は仙腸関節にではなく、まさに股関節の可動制限にあることが分かりました。まだ1回や2回の施術では腰の動きはほとんど変わっていないようです。変形性股関節症も初期の段階では、ストレッチングや筋肉トレーニングが有効ですので、関節の運動をプラスして、Tさんの身体と相談しながら、長期戦に取り組みます。

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