肩の痛み

三角筋のクリニカルマッサージによる手技療法

 三角筋の手技療法はストリッピングのみなのですが、『クリニカルマッサージ』の三角筋の「概要」にちょっと興味深い記述があったので取り上げることにしました。

 三角筋の3部は、上腕骨頭部の上で肩を覆い、腕の屈曲、伸展および外転運動を開始する力の大部分を担っている。この3部配列により、三角筋の互いに拮抗する前部と後部が形成されている。三角筋中部は、外転に関して棘上筋と密接に協力する。三角筋は一般に障害を起こしやすい部位であるが、ストリッピング・マッサージによって簡単に治療できる。三角筋のトリガーポイントは、滑液包炎(筋肉の下でクッションの働きをする液体が詰まった滑液包の炎症)と解釈されることが多い。

 肩の痛みに関しては、記述のように「滑液包炎」を疑うことが多いのですが、「三角筋のトリガーポイント」の場合もあるようです。回旋筋腱板にばかり目を向けていましたが、三角筋も障害を起こしやすい部位ですか。しかも、その場合は、「ストリッピング・マッサージによって簡単に治療できる」らしい。

ストリッピング
・患者は背臥位をとる。術者は患者の頭側に、治療する側の肩の方を向いて立つ
・指関節、四指、または母指を三角筋前部の最上面、その内側縁の上に置く
・深く押圧し、上腕筋の付着部に到るまで、筋肉上の手を下向きに滑らせていく
・手を外へ向けて同じプロセスを繰り返し、三角筋中部に移動し、必要に応じて手を回旋させる
・手を肩の下へ三角筋後部に向けて移動させ、すべての三角筋の治療が完了するまで宇佐向きに押圧する
・三角筋後部の治療は、患者を腹臥位にして行なうこともできる

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頚椎椎間板ヘルニアによる首・肩の痛み

 頚椎椎間板ヘルニアを治療中といわれるKさん(40代 女性)、首・肩の痛み、左アゴの痛み、左半身の手・足にかけてのシビレやだるさ・浮腫み・攣り、足が上がりにくいなどの症状があるそうですが、今日は特に、肩と首の痛みの早急な改善を求めて来店されました。

 念のため頚椎圧迫テストを行なったところ、首の後ろや手への放散痛やシビレはありませんでしたが、左耳の後ろ側に鈍い痛みが現れたので、やはり頚椎神経根に圧迫がある疑いが濃厚です。椎間板ヘルニアは、構造的な変性のため、カイロプラクティックでは禁忌症になっています。そのため、中国整体を中心に、首から肩にかけての筋肉や髄節ポイントへの施術を慎重に行ないました。

 肩の痛みは改善しましたが、全体がすっきり、直ちに改善とは行かなかったようです。やはり、構造的な変性ですから、長期戦にならざるを得ないでしょう。ただ、訴えられているすべての症状、中でも脚の浮腫み・攣り、足が上がりにくいなどの症状が、頚椎椎間板ヘルニアに起因するものかどうか、個別に見極めることができれば、対応することができるかもしれません。

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五十肩の病期とトレーニング

 五十肩には、発症からの期間によって、急性期、慢性期、回復期があり、それぞれの病期にあったトレーニング方法があることを紹介したことがありますが、最新号の『きょうの健康』(2008年12月号)に、もっと整理された適切な形で掲載されていましたので、引用しておきます。

発症からの期間

痛み

対処

体操

急性期
(2~3週間)

激しい
痛みがある

安静にする

×

慢性期
(2~4ヶ月)

動かすと
痛みがある

少しずつ動かす

回復期
(4~6ヵ月)

ほとんど
痛みがない

積極的に動かす

 回復期は、痛みは少ないけど可動制限がある状態と考えられます。

 トレーニングの方法は、前にも紹介した振り子体操、肩の可動域を広げる傘を使った体操、肩の筋力を強化する団扇体操があります。詳細は、後日あらためて引用します。

 ポイントは、できるだけ毎日行なうこと。入浴後など肩が温まっているときに行なうといいそうです。また、注意点は、熱があるなど体調の悪いときには行なわないこと。無理をしないこと。心臓や呼吸器などに病気がある人は、担当医に相談することです。

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肩甲下筋腱板損傷の可能性が大きい 三角筋深部の痛み

 「急に左肩が痛くなった。この前のゴルフが原因かもしれない」と、Tさん(男性 60代)が来店されました。肩関節ではなく、三角筋の深いところに痛みを感じるということです。癒着性肩関節包炎(五十肩)、または肩回旋筋腱板損傷の可能性があるので検査をしてみました。

 肩の屈曲や外転検査では、それぞれ180度まで痛みなく動かすことができます。烏口突起を圧しても、痛みがありません。ドロップアームテストでも痛みはありませんし、さらに肩回旋筋群を押圧しても無痛でした。この検査の結果から、当初は、どこに原因があるのかよく分かりませんでした。

 そこで、まず何よりも交感神経の緊張をほぐすことが第一と、肩部髄節と肩関節部への刺激点法を施術しました。そして、肩関節をストレッチしたところ、座位後方肩部搬法という肩関節を内旋気味に伸展する施術で痛みがありました。確認のため肩の内旋・外旋検査をすると、やはり左肩を内旋したときだけ陽性でした。

 肩の回旋筋腱板は、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの腱で構成されています。最も損傷しやすいのが肩の挙上を補助する棘上筋で、その次に肩を外旋させる棘下筋ですが、最近では、肩を内旋させる肩甲下筋も損傷の頻度が高いのではないか考えられているようです。Tさんの場合も、内旋に可動制限があることから、肩甲下筋腱板の損傷が疑われます。

 腱板損傷の原因は、スポーツや仕事でのオーバーユースの場合もありますが、主に筋肉の加齢変性と腱の強度低下で、軽度な力が加わっただけで起こることが多いと言われています。浮腫、炎症、部分断裂、完全断裂という過程を経て進みます。付け加えると、これまで別の症状と考えられてきたインピンジメント症候群は、腱板損傷から生じる二次的なものであると考えられるようになってきているそうです。

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肩こりの二つのタイプ・・・「本態性」と「症候性」

 肩こりには、大きく分類すると、首の周りの筋肉などの疲労で起こる「本態性肩こり」と、病期の症状のひとつとして起こる「症候性肩こり」という二つのタイプがあります。

 本態性肩こりは、肩や首を動かす筋肉群=僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、頭板状筋、頚板状筋などが疲労することで起こります。姿勢の悪さによる筋肉の過緊張や運動不足などによる血行不良が原因となります。しばしば、下部頸椎椎間関節の亜脱臼を伴っています。

 軽い場合は、姿勢に姿勢に気をつけて、筋肉の疲労を和らげたり血行をよくしたりする体操などをすることで、予防したり解消したりすることができます。しかし、強いこりや痛みがある場合は、民間療法による関節矯正や筋肉と自律神経の調整を行なったり、場合によっては医療機関を受診することをおすすめします。

 症候性肩こりには、原因となるいくつかの病気があります。心筋梗塞・狭心症などでは、胸の痛みと同時に左側の背中・肩に強い痛みを伴うことがあります。五十肩・腱板断裂・石灰性腱炎などで、肩のこりや痛み。頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアなどでも、首・肩のこり・痛みがあります。その他、慢性扁桃炎・顎関節症・歯周病などでも、肩が痛みます。

 また、ストレスによる交感神経の過緊張も血流を悪くして、首・肩にこりを起こすことがあります。これも症候性肩こりに分類されますが、本態性肩こりとの見極めは難しいところではないか思います。

 症候性肩こりの場合は、医療機関で原因となっている病気の治療をすることが先決ですが、五十肩や頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアの神経根症状などで急性期をすぎた段階、およびストレス性の肩こりでしたら、民間療法でも、筋肉や交感神経の緊張緩和で、こりや痛みの軽減を図ることができます。

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変形性頚椎症急性期での髄節刺激点法でリバウンド現象

 急性期は、激痛が起きてから2~3週間といわれています。変形性頚椎症の痛みやシビレのあらわれ方には、激痛のため夜眠れないほどの急性期をともなう場合と、発症時からそれほど激しくはない場合とがあるようです。

 「8月下旬から、右手の母指・示指・中指にシビレがあって、同じく右側の肩から腕にかけてコリと痛みが続いている」と、Kさん(男性 60代)が来店されました。整形外科でMRI検査をしたところ、「椎間板が少し変形しているようだ」と言われたということです。

 念のため、頚椎圧迫検査をしてみると、右側の首から肩にかけて放散痛があったので、やはり変形性頚椎症が疑われます。手指のシビレは、そのための神経根圧迫。肩の痛みは、肩関節の可動制限や烏口突起に圧痛点が見当たらないので、椎間関節痛の放散痛と考えられます。

 そのため、頸椎椎間関節への軽いモビリゼーションにとどめ、矯正スラストは行いませんでした。その上で、髄節ポイントへの刺激点法による自律神経の調節と、首・肩の諸筋群の緊張をほぐすことに専念しました。

 しかし、うつ伏せでの髄節への刺激点法の段階から、右肩に、その刺激による放散痛があり、さらに右側を下にした側臥位や仰向け状態になると、その姿勢そのものが、肩の痛みを引き出すようでした。初回の施術ではスッキリ改善というには、ほど遠い結果となってしまいました。

 Kさんの場合、発症から1ヶ月弱ですし、症状からみて、まだ急性期の段階にあったようです。そのため、髄節刺激で起こる自己治癒のための血流促進によって、かえって痛みが強くなるという「リバウンド」現象が、顕著に起こったものと思われます。

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改善に向っている 肩の痛みと指のシビレ

 先日来、肩の痛みと右手母指・示指のシビレで来店されているMさん。整形外科では頚椎椎間板ヘルニアとの診断を受けていました。念のため頚椎圧迫テストを行なうと、伸展時に指のシビレが強くなったので、ヘルニアによる神経根圧迫であることを確認することができました。

 肩は、バンザイ検査や外転検査では、180度まで上がり陰性でした。ヘルニアがある椎間板と同じ部位の椎間関節の変位による放散痛の疑いもありますが、肘を90度屈曲して前方に動かすと烏口突起に、上方に動かすと肩甲骨の下側に痛が出るため、肩回旋筋腱板そのものに問題があることも考えられます。

 椎間板ヘルニアは、カイロプラクティックの禁忌症です。そのため、頸椎の関節矯正は行なわず、頸椎から上部胸椎、頭部の交感神経の緊張を和らげることを最優先に施術し、さらに筋肉群の緊張をほぐしました。そして、頸椎抜法・旋法と該当する椎間関節のモビリゼーションを、はじめは軽く、回を重ねていくうちに、様子を見ながら強度を増して行ないました。また、念入りに肩回旋筋腱板の緊張をほぐした後、キネシオテープを貼付しておきました。

 今日4回目です。施術の前に様子をたずねてみたところ、肩に少し突っ張ったような感じが残っているが、動かしてもほとんど痛みがなくなっているとのこと、指のシビレも、気にすると感じることがあるけど、当初と比べて7割方軽くなっているということです。何とか症状を改善したいという、Mさんの粘り強い意欲の賜物ですね。

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頚椎椎間板ヘルニアによる椎間関節痛の放散痛

 頚椎椎間板ヘルニアは、神経根症状と脊髄症状が特徴的な症状としてあげられますが、実は、その他にも首・肩のコリ、頸部痛、背部痛、頭痛などの症状を伴うことが多いといわれています。

 それらの症状は、頸椎椎間板がヘルニアにより不安定になるために、椎間関節の動きも不安定になることによって起きる放散痛です。頚椎椎間関節の位置によって、障害を受ける部分が異なります。頭部は第2・3頚椎椎間関節、後頭部は第3・4椎間関節、肩から胸にかけては第5・6椎間関節に若干の重複をしながら分割されています。

 「整形外科で『頚椎ヘルニア』との診断で治療を受けているが、あまり改善しない。ここ3ヶ月ほど、右肩を上にあげて肘を曲げると痛みがでるし、指先にシビレを感じるようになった」とMさん(男性 60代)が来店されました。

 頚椎圧迫検査をしたところ、頸部を伸展圧迫したときに、右指にシビレがでるので、ヘルニアの存在は、確かに疑いないようです。右指のシビレは神経根圧迫による症状。そして、肩の痛みは、自力で外転、伸展が180度可能ですから、おそらく椎間関節の放散痛ではないかと思われます。

 今回は初めてでしたので、慎重を期して、頸椎に対する矯正は一切行なわず、抜法による頸椎の軽い牽引、その他頚部諸筋群と交感神経の緊張を和らげる施術を中心に行ないました。ただ、肩の痛みは肩回旋筋腱に集中していて、筋肉の損傷も考えられたので、Mさんの承諾を得て、キネシオテープを貼付しました。

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久々の草野球で肩に痛み 肩回旋筋腱板の炎症か?

 「久しぶりに草野球をしたら、右肩が痛くて1ヶ月ほど前からボールが投げれない」とSさん(男性 40代)が来店されました。話をよく聞いてみると、特に、腕を挙げて後に引く投球動作をするときに痛みが出るようです。

 外転運動では、腕が耳につくまで挙げても痛みはありません。しかし、万歳の姿勢で腕をあげることは出来ますが、右肩に痛みが出るようです。自動でも他動でも痛みがあります。四十肩の可能性も考えられますが、痛みがそれほど強くないことと、運動制限の方向が限られていること、さらに右側の回旋筋群を抑えたとき、やや強い圧痛があることからも、肩回旋筋腱板が炎症を起こしている疑いが濃厚です。

 そこで、肩部の髄節パートと関節パートに痛圧点法を行なって、交感神経の緊張をほぐすとともに、肩回旋筋群を重点にしながら、さらに肩関節周辺の諸筋群にも、推法、搬法、抜法、弾法、旋法など、硬直を和らげる施術を行ないました。最後に、インピンジメント症候群も含めた回旋筋腱板炎に対応するキネシオテープを貼付して、しばらく様子をみていただくことにしました。

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肩の痛み 棘上筋腱板断裂の鑑別

 五十肩の場合は、自分で動かしても、他の人が動かしても痛みのため、可動域に制限があります。ところが、棘上筋腱板断裂の場合は、自力で外転運動をしてみると約60度より大きい角度(上へ)は動かなくなりますが、他の人が腕をもって引き上げると挙げることができます。より厳密には、Suprasspinatus Testという負荷をかけた検査もあります(6月9日記事参照)。

 肩関節(上腕肩甲関節)は、大きな可動性を維持するために不安定な状態にあります。そのため、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱が、上腕骨頭を取り巻いて肩甲関節窩にひきつける役割を果たしています。また、それらの筋肉は肩の外転・外旋・内転・内旋などの運動をつかさどっています。

 そのうち最も切れやすいのが、棘上筋腱です。棘上筋は、肩の外転運動を行なうとき、肩甲上腕関節の動きから肩甲胸郭関節の動きへ移行させる、あるいは協働させる役割を果たしていると思われます。そのため、断裂が起こると肩が一定角度以上あがらなくなるのです。しかし、関節そのものに癒着などがないので、他動では動くと言うわけです。

 重いものを持ち上げたり、転倒して肩を打撲したりしたとき、また杖をついて歩いたり、車イスから自力で肩で支えて身体を持ち上げるなどしたときに、持ち上がった上腕骨頭と肩甲骨肩峰との間に、棘上筋腱が挟み込まれることがあります。この状態をインピンジと言いますが、これを繰り返すことによって棘上筋腱板の断裂が起こります。

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