脱水で起こる起立性低血圧
寝ている状態や座っている状態から、急に起き上がったり立ち上がったりしたときに、気が遠くなったり、頭がフラフラしたり、めまいがしたりなどの症状が起こる場合、起立性低血圧が疑われるようです。その中でも、特に脱水症との関連を、『メルクマニュアル 医学百科 家庭版』「起立制定血圧」の項から見ていきます。
起立性低血圧は特に高齢者に多くみられます。
起立性低血圧は特殊な病気ではありませんが、血圧の変化に代償機構が即座に反応できなくなります。人が急に立ち上がると、重力によって脚や下半身の静脈に約0.5リットルの血液がたまります。その結果、心臓に戻る血液の量と心臓から送り出される血液の量が減少して血圧が低下します。正常な状態では、体は血圧の低下にすぐ反応します。具体的には、心臓は速く力強く拍動して送り出す血液の量を増やし、細動脈は収縮して血流への抵抗を強めます。これらの代償機構が働かなかったり、働きが非常にゆっくりであることが高齢者でよくみられ、その場合に起立性低血圧が起こります。
原因として、心臓の機能障害や、血液量の減少、細動脈や静脈の拡張、疲れ、運動などを上げていますが、脱水は、血液量の減少に関係しているようです。
血液量が少なくなると起立性低血圧が起こります。高血圧の治療に使われる利尿薬は、体から体液を取り除いて血液量を減らします。特に高用量で使用される強力な利尿薬は、起立性低血圧の一般的な原因です。出血、ひどい嘔吐による多量の水分の喪失、下痢、多量の汗、多量の尿(無治療の糖尿病やアジソン病でよくみられる症状)などによっても血液量は減少します。高齢者は病気のときに脱水症になりがちですが、脱水症は血液量を減少させるため起立性低血圧を引き起こします。病気の高齢者は、他人の助けなしでは水分をとることができません。また、病気の間は脚の筋肉をあまり使わないので、脚の静脈に血液がたまり(参照)、心臓に送り戻されなくなります。たまった血液のために心臓へ戻る血液の量が減少して血液量が減り、血圧が低下します。
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec03/ch023/ch023c.html
解説されているような病気の場合だけでなく、健康ではあっても、日常生活を横臥して過ごすことが多い高齢者は、脚の筋力が弱くなってしまい、血液ポンプの働きが不十分に果たせないこともあるようです。やはり、健康で長生きするためには、適度な運動は欠かせません。
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