健康コラム

風邪薬は治癒を遅らせる場合も

 『進化から見た医学』から関心を持ったところをもうひとつ、第2章「風邪をひいてから治るまで」に記述されている「解熱剤は何をするか」の項を引用します。風邪などで辛いのは、頭痛、倦怠感、咳、鼻づまり、場合によっては、下痢・嘔吐もあるかとおもいますが、よっぽど苦しい場合を除いて、安易に薬を服用しない方が治りが早いようです。

 「風邪薬」といわれる風邪の諸症状を緩和する薬品のうちポピュラーなものが、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなどの消炎鎮痛剤や解熱鎮痛剤と呼ばれる薬で、いずれも熱を下げる作用を持つ。薬の種類によって働き方に細かな差はあるが、いずれも脳に働きかけてプロスタグランジンの合成を阻害し、視床下部が設定体温を上げることを阻害する。
 プロスタグランジンは脳では設定体温を上げさせる働きを持つが、身体のいろいろな組織では炎症を引き起こしたり痛みのもとになったりする働きもあるので、多くの解熱剤は同時に抗炎症作用、鎮痛作用を持つ。解熱剤を使うと、設定体温が上がらないため発熱は抑えられるが、発熱のもとになるインターロイキンは血中から消えるわけではないので、薬の効き目がなくなる前に飲み続けないと、発熱が繰り返されることになる。
 また、プロスタグランジンは胃粘膜を胃液から保護する役目もあるため、解熱剤・鎮痛剤の副作用で胃粘膜が破壊され、場合によっては胃潰瘍になることもある。
 薬によって熱が下がると、不快感・倦怠感が軽減し通常通りに活動できるようになるが、気をつけなければならないのは、薬によってウイルスの増殖が抑えられるわけではないということである。それどころか、体温が上がらないことはウイルスが増殖するために都合のよい環境を与えることになるので、普通ならば数日から一週間くらいで身体から消失するウイルスが、いつまでも体内で増殖を続けることもある。その結果、薬の服用をやめるとウイルスの活動が顕在化して、「風邪のぶり返し」がしばしば起こる。
 また、倦怠感がなくなるので、どうしても安静にせずに活動しがちになるが、薬によって倦怠感を忘れた身体で活動すると、生体防御に振り向けられるエネルギーが少なくなり、結果的にウイルスの排除が遅れることにもつながる。
 同じように、風に伴う不快な諸症状である鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、下痢、嘔吐をコントロールできる薬もたくさん開発されているが、不快感を解消するためにこれらの薬で抑えることは、ウイルスを追い出そうとする体の反応を抑えてしまうことになり、必ずしも身体にとってよいといえない場合もあるのである。
 さらに、特定の目的で服用したつもりでも、薬というのは全身の細胞に届けられるので、目的外の場所で目的外の作用が起こる「副作用」の可能性がどうしても避けられないことにも注意する必要があるだろう。

 しかし、今の社会、風邪をひいても仕事をしなければならないという状況は多々ありますし、身体を動かしていた方が、気が張り詰めているためか、いつのまにか風邪が治ってしまうという経験をした人もあるのではないかと思います。身体を休めてしまうと気が緩んで、重症化しそうな心配を感じるのではないでしょうか。

 一般的には、まず風邪薬を飲んでみて、それでもどうしようもなく倦怠感や熱などの症状が治まらないときに休む、という段取りになるのではないかと思います。しかも、寝込むときには、より強い薬を服用して休みます。理論と実際の統一をどこで図るべきなのでしょう。

 それと、前にも聞いたことがあったように思うのですが、解熱剤・鎮痛剤を飲むと、胃が荒れるのは、薬そのものの強さが原因ではなく、本来胃液から胃を守る作用を果たしているプロスタグランジンの合成が阻害されることが原因だったようです。

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風邪ウイルスは発熱によって消滅する

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梅干の成分が胃炎・胃ガン、糖尿病予防に有効

 そういえば、梅干は久しく食べていません。お腹の調子が悪いときに食べたら良いということは聞いたことがありますが、最近の研究では、それだけでなく、胃炎・胃ガンや糖尿病の予防にも効果があるということが明らかになりました。

 日高新報のサイト『Web Hidaka』に掲載された「梅が糖尿病予防に効果」という記事。和歌山県みなべ町が、地元の特産物である梅干の健康効果を医学的に証明しようと、和歌山県立医科大学など8つの大学の研究者と共同研究を行ないました。

 梅に含まれている「シリンガレシノール」というポリフェノールの一種が、胃炎・胃ガンの原因といわれるヘリコバクター・ピロリ菌の運動を抑制することを発見し、昨年2月に特許を取得。今回は、小腸で糖を分解・吸収する「α-グルコシダーゼ」という消化酵素の作用を妨げ、糖尿病を予防する「α-グルコシダーゼ阻害剤」としての働きが梅干にあることを発見、11月13日に特許を取得しました。

 県立医科大学の研究者は、さらに梅干にインフルエンザの予防効果もあるのではないかと、研究を進めているとこのことです。特許取得が、すなわち科学的証明になるのかどうか良く分かりませんが、梅干がそれほど健康に良いというのなら、一日に1個か2個食べれば効果があるということですから、試してみても良いかも。

『Web Hidaka』:「梅が糖尿病予防に効果」
和歌山県みなべ町:「梅干パワー」

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自然治癒機能と薬と用いた治療法

 『進化から見た医学』、第3章「ヒトは病気とどうつきあってきたか」というところに、人間が本来もっている自然治癒機能と薬を用いた治療法との関係を述べたところがあったので、引用して考えてみます。

 薬でさまざまな病気の症状が軽減されることが発見されると、人類はヒトの身体に起こるあらゆる不都合な症状を医療によって改善することをめざすようになった。頭が痛いとか、身体がだるいとか、咳が出るなど症状がはっきりと自覚されるものを、なんとかしたいというのは自然な欲求であり、世の中にはそうした自覚症状を緩和する、たくさんの種類の薬があふれている。
 ダーウィン医学では、薬を用いた治療についてもう一度考えることを推奨している。薬を使うなというのではなく、毒になることもある薬によって、もともと持っている身体の自然治癒力を、妨害してはいないかという観点を持つことが重要なのである。
 沈黙の臓器と呼ばれることもある肝臓は、機能障害を起こしてもあまり自覚症状が出ないことで有名であり、昔はかなり悪化して回復が難しくなってから発見されることが多かった。最近では血液検査などで、なり初期の段階から異常を検出できるようになったため、多くの人が助かっている。このような自覚症状の出にくい臓器の異常に対しては、臨床検査の値は重要な判定データになる。
 しかし、昨今の検査技術の発展は目覚しく、尿と血液だけでも何十項目もの値が出されることもある。そうなってくると、自覚症状はまったくなく、機能障害も起こっていないのに、さまざまな病名がつくことがある。とくに、生活習慣病といわれる糖尿病、高脂血症、高血圧などはそうしたものの代表である。
 また、超音波診断や食道から胃のバリウム検査によって、脂肪肝や微小ポリープなども発見されやすくなっている。もちろん、こうした状態がより深刻な病気のもとになる可能性はあり、予防医学的な検知から状況を監視することは好ましいのだろうが、「自覚症状」のない状態を検査値をもとに「治療」することが常に必要なのだろうか。
 ヒトの身体には、異常を元に戻す働きが備わっているのだ。拙速な治療行為が、身体の本来の働きを押しとどめてしまったり、また薬の副作用で不要な疾患を背負い込むことにならないように、医師としっかり相談すべきであろう。

 確かに、「検査技術の発展」で、ひと昔前では分からなかったであろうと思われるような、異常が発見されることがあります。しかし、すべてが治療の対象になるわけではなく、その必要性に応じていくつかのランクに分類されるようです。検査される側としては、たとえ経過観察の対象であったとしても、ひとつでもそういうところがあると気になるものですが、身体が信号を出していない以上、あまり心配しない方が良いということでしょう。

 身体に備わっている自然治癒機能を信頼することが大切ですが、素人が判断するのは難しいし、危険な場合もあります。たとえば、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病については、肝臓の機能障害と同じように、いづれも無症状で進行すると聞いていますから、薬物療法だけに頼るというのは良くないでしょうが、食事療法や運動療法といった「治療」は、自然治癒機能を高めるためにも必要だと思います。

 終わりに触れておきたいのは、ダーウィン医学が近代医学をどう見ているかということについて、著者の栃内氏は次のように述べています。

 本書では、まだまだ新しく未熟な段階にあるダーウィン医学という学問を紹介しながら、ヒトと病気の生物学的意味と、現代の医療の問題点を読み解いてみたい。
 進化という時間スケールからみるとあまりにも短い時間で発展してきた医療というものが、長い時間をかけて起こる進化と整合しない場合があるのはむしろ当然のことである。時に、ダーウィン医学の主張が近代医学に反対しているように聞こえることも多いかもしれないが、それはダーウィン医学という学問の本意でもないし、私の意見でもない。

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「ダーウィン医学」の考え方を学
風邪ウイルスは発熱によって消滅する

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風邪ウイルスは発熱によって消滅する

 風邪の主症状である発熱と倦怠感。「ダーウィン医学」によると、どちらも「風邪ウイルス」とたたかうために身体が備えた自然治癒機能だったようです。長くなりますが、その仕組みが面白いので、『進化から見た病気』の第2章[風邪をひいてから治るまで」より抜粋・引用します。

 風邪をひいて発熱したときには悪寒という寒気を感じるとともに、たとえ37度の体温があっても身体は寒いときと同じ反応を示す。それは、風邪ウイルスに感染した結果、設定体温が例えば39度に変えられてしまうためで、身体は体温が37度では寒いと感じ、設定体温の39度に達してはじめて寒気を感じない状態になるのである。
 設定体温を決めるのは、脳の中にある「視床下部」という小さな部分の働きである。視床下部にウイルスに感染したことを知らせるのは、全身の至るところに分布して生体防御の初動活動を行なっている、食作用を持った大型の白血球(マクロファージ)である。
 マクロファージは身体に侵入したウイルスを捕食(貪食)すると、警戒物質であるインターロイキン1やインターロイキン6と呼ばれるタンパク質を造って放出する。このタンパク質は血流に乗って脳に到達すると、脳にある神経細胞に働きかけてプロスタグランジンという物質を合成させるなどのいくつかの反応を引き起こし、最終的にはプロスタグランジンが身体の生理状態のコントロールセンターである視床下部に働きかけて、設定体温を上げる。
 身体が設定体温を上げるのは、進化の過程で獲得した、ウイルスとたたかうための生存に有利な性質である。風邪ウイルスが喉や鼻に感染するのは、身体の中でもそこが比較的温度が低いところ(33~34度)だからであって、高い温度に弱いウイルスはそれ以上高温になっている身体の奥深くには入っていけない。つまり、体温が上がり結果的に喉や鼻の温度も高くなるとウイルスの増殖が抑えられるので、発熱は効果的なウイルス増殖の抑制効果を持つ。
 ただし、体温が上がってもウイルスの増殖が低下するだけで、ウイルスが体内から消失するわけではない。最終的には、リンパ球などの免疫細胞の働きにより、ウイルスが処理される必要がある。じつは、さまざまな免疫細胞の働きも、体温が高いほうが速やかに進むことがわかってきている。
 また、発熱などと同時に見られる風邪の典型的な症状のひとつである倦怠感も、ヒトに安静を強いることでそのエネルギーを発熱や防御反応に振り向けることができるため、「有利」な性質だと考えられる。

 発熱によって悪寒と倦怠感を感じたら暖かくして安静にすることで、ほとんどの場合は数日のうちにウイルスに対する抗体が作られ、体内からウイルスが消滅する。身体からウイルスがいなくなると警戒物質のインターロイキンが作られなくなるので、プロスタグランジンも合成されない。脳内からプロスタグランジンがなくなると、視床下部の設定体温は常温に下がる。
 そのため、発熱時の体温では高すぎると感じることになり、今度は体温を下げるように身体が反応する。風邪の回復期に大量の汗をかくのは、高すぎる体温を下げるための働きであり、よくいわれるように汗をかくことで風邪が治るのではなく、風邪が治ったから汗が出るのだ。
 こうして、ほとんどの場合において、いわゆる「風邪ウイルス」によって引き起こされる風邪は薬の助けを借りることなしに自然治癒する。一年中どこにでもいる風邪ウイルスの蔓延する環境の中で生きるヒトは、風邪ウイルスへの対処法を進化させてきたのだ。

 なるほど、よく耳にするプロスタグランジンが働いているというようです。視床下部に働きかけて、設定体温を上げるために、通常の体温では寒気を感じる。そして、回復期には設定体温が下げられるから、今度は身体を冷やすために、汗をかくということになるわけですね。

 子どもの頃、風邪をひいたら分厚い布団にもぐり込んで、身体を熱くして無理やり汗をかいたものです。その後に、なぜかすっきり気分が良くなるので、風邪を治す常道と思っていました。ところが、最近の風邪治療では、そんなことはしないようで、不思議に思っていましたが、その理由がよく分かりました。

 でも、昔風のやり方も、布団にもぐり込んで横になることで身体は休まるし、温まって体温が上がるわけですから、身体からウイルスを消滅・撤退させるには、効果があるような気がしますが、どうなのでしょう。但し、あまり高体温になりすぎないよう、加減が必要かもしれません。

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「ダーウィン医学」の考え方を学ぶ

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「ダーウィン医学」の考え方を学ぶ

 今年(2009年)10月に、ドイツで行なわれた「世界保健サミット」で焦点があてられたという「ダーウィン医学」のことを、この『施術日誌+α』で触れたことがあります。その考え方に興味をもったので、もう少し深めてみたいと思っていたところ、『進化から見た病気 「ダーウィン医学」すすめ』(栃内新著)という本に出会いました。

 まず、「ダーウィン医学」とは何かということを、次のように説明しています(抜粋)。

 ダーウィン医学は、医師であるランドルフ・ネシーと進化生物学者であるジョージ・ウィリアムズによって、1991年に提唱された。誕生してからまだ時間の浅い若い学問であるが、人の身体に起こる病気を中心としたさまざまな不都合を、進化という観点から説明することをめざしている点がきわめてユニークだ。
 病気をこれまでと違う視点から捉え直すことで、ダーウィン医学は多くの新しい発見をもたらした。我々が病気だと思っているさまざまな疾病や疾患といった症状のうち、あるものは身体を守るための大切な防御反応であり、またあるものは人間が作り上げた文明や文化が原因となって引き起こされた「人災」であり、さらには病気を起こすと考えられていた遺伝子が、じつは我々の祖先が生き延びるために有益であったというようなことが、次々と明らかになってきたのである。
 このような発見が新たな治療法に直結するというわけではないが、将来の治療法開発につながったり、治療法の改善に寄与したりするような実際的提案ができることは間違いない。

 本書で扱う「ダーウィン医学」あるいは「進化医学」と呼ばれる学問は、ヒトという生物にとって病気とはどういうものなのかを、ヒトと病原生物の両者の視点を基礎に進化生物学・生理学的に読み解き、病気をよりよく理解し、病気とともに進化してきたヒトという生物を理解しようとする新しい学問分野である。
 今までの医学は、病気と呼ばれる不都合な諸症状をいかにして緩和するかということに心を砕いてきた。そこでは、時として科学的整合性よりも「実際に効くのだからよい医療だ」という、どちらかというと工学的な発想がつよかったのではないだろうか。ダーウィン医学では、病気の諸症状がどのようにして起こっているのかを解明するとともに、そうした症状の多くのものがヒトの進化にとって有利な意味を持っている、あるいは過去において有利な意味を持っていたということを説明しようとする。

 民間療法では、諸症状が出ている局所だけではなく、そこに重点をおきながらも、身体の状態を総体的にとらえて、施術するよう心がけますが、「ダーウィン医学」は、そういった段階を超えて、生物の進化という永い時間の流れの中で病気を捉えているようです。

 また、よく使われる「自己治癒力」とか「自然治癒力」という言葉がありますが、この免疫システムの機能も、病原生物とのせめぎ合いの中で、進化し獲得してきたものと考えると、面白そうです。

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進化的要因にまでさかのぼって考える「ダーウィン医学」

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有酸素運動の健康効果を白血球テロメア長で実証

 先日、有酸素運動の若年成人期における効用について書きましたが、またしても有酸素運動、そのアンチエイジング効果に関する「運動が白血球を老化から守る」という記事が、『ヘルスデージャパン』に掲載(2009年12月14日)されていました。

 もともと有酸素運動には、心肺機能・酸素摂取能力の向上、冠動脈疾患、高血圧症、大腸ガン、糖尿病、骨粗鬆症などに罹患する危険性の減少、不安や抑うつ感を軽減するなどの健康促進効果があるとされてきました。

 今回、ドイツのザールランド大学の研究で、細胞の中に、有酸素運動の効果が現れていることが明らかに。持久運動をするアスリート群と、ほとんど定期的な運動習慣のない非喫煙者対象群の、白血球のテロメア長を測定・比較すると、アスリート群の方がテロメアが長く、テロメアーゼの活性も増大していることが分かりました。

 アスリート群というのは、平均年齢20歳の週72km以上走るプロランナー群と週80km近く走る中年アスリート(平均年齢51歳)群ということですが、休まず毎日走るとしても、1日10km以上ですから、かなりの運動量になります。プロランナーは当然としても、中年アスリートも、マラソンとかトライアスロンとかを若い頃から続けている人のようです。

 健康と白血球テロメア長との関係については、広島大学病態臨床検査医学の研究者の論文ハイライトに、「加齢は心血管疾患に対する重大な危険因子であるが、暦年齢は必ずしも生物学的老化の指標ではない。本研究では白血球テロメア長は心血管障害と関連があり、血管老化の指標になるという仮説を検証した」という記述がありました。

『ヘルスデージャパン』:「運動が白血球を老化から守る」
『CiNii』:「白血球テロメア長短縮は心血管障害に相関する」(pdf)

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心血管系の健康は知力の向上につながる

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高血圧と体内時計の関係

 不規則な生活と塩分の過剰摂取が高血圧症を引き起こすことになる。これまで当たり前のように思われていた「逆」健康訓ですが、これには体内時計のメカニズムが関わっていることを、京都大学大学院薬学研究科のグループが明らかにしました。

 『京都新聞』インターネットサイトに「体内時計が乱れ高血圧症に 京大グループが解明」、『asahi.com』に「高血圧、生活リズムつくる遺伝子関与? 京大教授ら実験」という記事(2009年12月14日)が掲載されていました。

 体内時計と疾患との関連を明らかにしたのは、世界で初めてのことらしい。マウスの体内時計を動かす遺伝子を操作して、不規則生活をしている状態、マウスの「血圧が夜高く、昼間低い」という夜行性のリズムが乱れた状態にしました。

 正常なら体内時計に合わせて、アルドステロンという副腎ホルモンの分泌を促進する合成酵素の制御・調節が周期的に行なわれます。ところが、体内時計が働かない状態では酵素の量が多いままの状態が続き、ホルモンが過剰に分泌されることに。この状態で塩分の高いエサを与えると、高血圧症になりました。

 アルドステロンというホルモンには、腎臓に信号を送って、ナトリウムと水分を再吸収させ、カリウムの排出を促す働きがあります。同じ作用をする酵素は、ヒトの副腎にもあり、この実験マウスの症状は、ヒトの「本態性」という接頭辞がついている原因不明の「高血圧症」によく似ています。

 やっぱり、人間も生き物ですから、体内時計に見合った生活リズムで、毎日過ごすのが一番です。しかし、人間社会には、思ったとおりには生きていけない枠組みがあるようです。でも、そういう中でも、可能な限り少しでも、体内時計に順応した生活をしていこうとする努力はできるかもしれません。

 それにしても、アルドステロン合成酵素の調節リズムが乱れるのは、体内時計を司る遺伝子に問題があるためなのか。それとも体内時計とずれた生活をするために起こるのか。二つの記事には、テーマにも少し違いがあるようですが、それによって対処の仕方も大きく異なってくるのでは・・・。

『京都新聞』:「体内時計が乱れ高血圧症に 京大グループが解明」
『asahi.com』:「高血圧、生活リズムつくる遺伝子関与? 京大教授ら実験」

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高血圧・高脂血症の改善に適した運動療法

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新型インフル 感染しても無症状や軽症の場合も

 基礎疾患がなくても死亡することがある新型インフルエンザですが、「季節性」と同じように、感染してもインフルエンザ特有の症状が出ない場合やかなり軽い症状ですむ場合もあることが分かりました。データにもとづいて確認されたのは初めてらしい。

 『asahi.com』「新型インフル、2割は症状なし、集団感染の中高生ら検査」および『CBnews』「新型インフル、感染も2割は無症状―大阪で血清疫学研究」という2009年12月11日付記事によると、大阪府が、5月に集団発生した関西大倉中学・高等学校の生徒・教職員647人から8月下旬に採血、中和抗体価の測定とアンケート調査を行なったようです。

 中和抗体というのは、病原体(抗原)にくっついて、細胞に感染したり増殖したりするのを妨げる抗体のこと。採血までに感染が確定していた21人の内、18人(85.7%)の中和抗体価が160倍以上だったことから、160倍以上あると、新型インフルエンザにすでに感染した可能性が非常に高いとして、これを基準に設定しました。

 調査によると、その中和抗体価が160倍以上が102人、10倍以上160倍未満が211人、10倍未満が334人。160倍以上で症状の有無が確認できた98人の内、インフルエンザ特有の症状を経験していたのは44人(44.9%)、18人(18.4%)はまったく症状がなく、36人(36.7%)はインフルエンザ特有の症状まで至らない軽症だったということです。

 感染していても、症状がない、あっても軽いというのは、幸いである反面、知らずしらずの内に、ウイルスをまき散らしている可能性があります。そのため、家族に感染者がいる場合には、症状が出ていなくても、気をつける必要があります。但し、その家族も無症状あるいは軽症という場合もあるかもしれませんが、禅問答になるのでここで止めておきましょう。

asahi.com:「新型インフル、2割は症状なし、集団感染の中高生ら検査」
CBnews:「新型インフル、感染も2割は無症状―大阪で血清疫学研究」
BioWorld:「抗原を黙らせる!~中和抗体~」

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新型インフルエンザは季節性に比べて下痢・嘔吐が多い

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心血管系の健康は知力の向上につながる

 「健全な精神は健全な肉体に宿る」といいますが、スェーデンの研究者がそれを証明する大規模な調査を行なったようです。『ヘルスデージャパン』に、「若年成人期の運動は知能を向上させる(2009.12.10掲載)」という記事が掲載されていました。1950~1976年に生まれた男性1200万人の若年成人期を対象にしたといいますから、相当な規模です。

 若年成人期に焦点を当てたのは、「重要な行動習慣および認知機能が形成され、学業成績が後の人生に最も大きな影響を及ぼす時期であるほか、中枢神経系が未だ発達している時期」であり、研究によって、「教育カリキュラムや予算を決定する立場にある政治家や教育者に影響を及ぼす」ことができればというねらいがあったようです。

 今回の調査は、若年成人期に心血管系が強いと知力が向上し、学業成績も上がり、将来的な成功にもつながることが明らかにしたようです。その理由として、専門家は「脳血流の改善、不安の減少、気分の向上および疲労感の軽減など、いくつもの因子から説明できると」しています。

 これは、あくまでそういう傾向が強いということだとは思いますが、スポーツをすることが将来的な成功にもつながるとは驚きです。ただ、注意が必要なのは、「心血管系の健康と知力の高さの間」に関連は認められたが、筋力と知力の関連はみられなかったとしていることです。そのため専門家は、有酸素運動にポイントをおいた運動をすすめているようです。

「若年成人期の運動は知能を向上させる(2009.12.10掲載)」

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無酸素系と有酸素性系のエネルギー供給は併用されている

*熟年期 成功はないけど 有酸素も*

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痛みと筋力低下の関係

 先日、関節の慢性疼痛と転倒に関するアメリカでの研究を取り上げ、慢性疼痛が、筋力低下を引き起こすことが、その原因のひとつであるという指摘を紹介しました。

 データである『ヘルスデージャパン』の記事の内容を見ると、「痛みが神経筋(neuromuscular)に影響を及ぼすことによって、下肢の筋力低下およびバランスの崩れに対する神経筋の反応低下が引き起こされる可能性がある」と記されています。

 単純に、関節の痛みによって、動きが制限されることで、筋力低下が起こると思っていましたが、記事を読んでいると、痛みそのものに、筋肉に何らかの変性を起こさせる原因があるのかもしれないという疑問をもちました。

 もともとが、『HealthDay News 』の翻訳版のためか、門外漢には多少分かりづらい部分もあるのですが、「痛みが神経筋に影響を及ぼす」という「神経筋」というは、何でしょうか。「神経筋接合部」という神経と筋肉の連結部分のことを言っているのかもしれません。

 『メルクマニュアル医学百科』をチェックしてみると、やはり筋力低下は、筋肉が収縮できないようになることで起こるようです。その原因として、神経が適切に筋肉を刺激しなくなる場合、関節が硬くなって正常に筋肉を動かせなくなる場合、筋肉そのものの炎症によって動かせなくなる場合があるとしています。

 但し、全身性の筋力低下については、筋肉そのものに問題が起きる筋ジストロフィーや多発性筋炎、運動神経の問題で起こる脳卒中や脊柱損傷での麻痺、神経筋接合部の障害で起こる重症筋無力症なども取り上げてます。もちろん、サルコペニアによる筋肉の廃用性変性も含まれています。

「骨格筋系の病気の症状と診断」

sagittarius 関連日誌
慢性疼痛が転倒の原因に

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