腕・手・指の痛みとシビレ

斜角筋のクリニカルマッサージによる手技療法

 斜角筋は胸郭出口症候群に関連する筋肉です。『クリニカルマッサージ』では、胸郭出口症候群の原因を、もっぱら斜角筋の硬結に求めているようです。

 胸郭出口に含まれるのは、斜角筋と第1肋骨、または前斜角筋と中斜角筋との間の通路部分である。腕へと流れていく途中、腋窩動脈と腕神経叢は、前斜角筋と中斜角筋の間を通り、次に第1肋骨と鎖骨との間を通る。この通り道のどこかに前斜角筋と中斜角筋の硬結が存在すると、血管や神経は圧迫されてしまう。斜角筋による関連痛と腕神経叢が圧迫されてしまったことによる痛みの識別は、難しい場合がある。

ストリッピング
・患者は背臥位とする
・術者は患者の頭側に立つ。一方の手を頭の下に差し入れて頭を保持する。
・もう一方の手の指を患者の頚の下に置き、母指を斜角筋の上部に当てる
・しっかりと組織に圧をかけながら、筋肉に沿ってゆっくりと母指を動かす。できるだけ遠くまで指を運び、鎖骨後側の窪みに指がくい込むようにする。同プロセスを繰り返す
・次に中斜角筋を探し出し、同じプロセスを繰り返す
・最後に後斜角筋を探し出す。後斜角筋に続いて、僧帽筋の縁部の前の窪みにできるだけ指がくい込むように母指を動かす
・反対側も同様に行なう
・上記のプロセスは、母指ではなく四指を用いて行なってもよい

深部圧迫
・患者は背臥位をとる
・術者は患者の頭側に立つか座る。首の付け根にある斜角筋に指先を当てる。患者の反対側の胸部に向かって斜めに、深く圧をかける。筋肉がリリースしたと感じられるまで待つ

圧迫
・患者は腹臥位をとる
・術者は患者の横、頭のそばに立つ。患者の首の付け根に手を置く。手根を僧帽筋と肩甲挙筋に当てる
・僧帽筋上で指を丸めて、首の付け根で斜角筋をつかむ
・はじめはやさしく、徐々に圧を強くかけながら、斜角筋がリリースしたと感じられるまでもむ

ストリッピング(2)
・患者は腹臥位をとる
・術者は患者の頭側に、患者の頭の方を向いて立つ
・一方の手で患者の頭をしっかりと保持する。もう一方の手の母指で中斜角筋の上部を探し出す
・僧帽筋の縁のすぐ前の組織をしっかりと押圧しながら、前斜角筋に沿って母指をできる限り遠くまで滑らせる
・後斜角筋に対しても同様に行なう
・上記プロセスは、指関節を用いて行なってもよい

ストリッピング(3)
・患者は座位をとる
・術者は患者の背後に立つ
・母指を中斜角筋の停止部に置く
・しっかりと組織に圧をかけながら、筋肉に沿って起始部まで母指を滑らせる
・前斜角筋、後斜角筋に対しても同様に行なう

 それぞれのストリッピングは体勢が異なるだけで、基本は前・中・後斜角筋に圧をかけて母指を滑らせる手技です。但し(1)(2)が停止部から起始部へ向けているのに対し、(3)のみ停止部から起始部へと逆方向になっています。しかしテキストにある写真をみると、どうも起始部が出発点になっているように見えますが・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

腕神経叢が圧迫される神経型胸郭出口症候群

 脊髄神経は、脊柱管を出た後、前枝、後枝、白交通枝に分かれます。そのうち前肢は分岐して四肢の骨格筋とその皮膚、体幹の腹側と外側の皮膚に分布していきますが、そのときに複雑な網状の神経叢を構成することがあります。神経叢は、頸神経叢、腕神経叢、腰仙骨神経叢などに分類されます。

 腕神経叢は、第5、第6、第7、第8頸神経と第1胸神経から形成されたひとかたまりの束です。脊柱管を出て、前斜角筋と中斜角筋、第1肋骨の間を通り、次に鎖骨の下をくぐり、さらに肩甲骨の烏口突起と小胸筋の間も通ることになります。そして橈骨神経、筋皮神経、尺骨神経、正中神経などに分かれていきます。

 この腕神経叢の通り道が胸郭出口と呼ばれている部分で、鎖骨下動脈と鎖骨下静脈も通っています。この通り道が、斜角筋や小胸筋の硬結、第一肋骨や鎖骨がつながっている関節の変位によって狭くなると、神経や血管が圧迫されて、胸郭出口症候群を引き起こすと言われています。

 特に腕神経叢が圧迫されると、首や肩の痛み、コリ、鎖骨上と前胸の焼けるような痛み、腕の小指側の感覚異常や痛み、母指球または小指球のしびれなどの症状が出てくることがあります。場合によっては、自律神経に異常が出てくることも。

 前斜角筋の場合、停止部が第1肋骨の上内縁、中斜角筋の場合は上外縁にあるので、硬結が続いた場合、筋肉そのものによる神経叢への圧迫とともに、第1肋骨が上内方もしくは上外方変位を引き起こして、胸郭出口をさらに狭くしている場合が多く見受けられます。

 前斜角筋・中斜角筋および小胸筋などを中心に頸肩部諸筋群の調整と、関節の矯正を行なうことで、原因となる問題からは解放することができますが、圧迫によって腕神経叢が炎症を起こしている場合は、症状が改善するまでには時間が必要なようです。

 ただ、胸郭出口症候群の中で最も多いと一般的に言われている肋鎖症候群。第1肋骨と鎖骨の間で神経や血管が圧迫されるということですが、第1肋骨と鎖骨が交叉しているのは胸鎖関節に近い一点だけで、ほぼ接している様な隙間がほとんどない状況ですし、しかも神経や血管は首から腕方向に走っていることをみると、どうも今ひとつ納得がいきません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手・足や体幹のシビレ・麻痺、腰痛などの原因には、脊髄腫瘍の場合もある

 トレーニングジムでよく顔を合わす人が、頸椎にある脊髄腫瘍の切除手術を受けることになりました。良性腫瘍らしいのですが、手がシビレて、感覚がなくなり、ボタンをはめるのにも苦労することがあったそうです。

 腫瘍性の疾患は、カイロプラクティックの禁忌症になっていますので、これまであまり関心を持ってこなかったのですが、その症状を聞いてみると、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどによる神経障害とよく似ています。

 脊髄腫瘍は、脊髄、神経根、硬膜、脊椎などに発生する主に良性の腫瘍で、いわば「できもの」のようなものです。発生頻度は10万人当たり1~2人、脳腫瘍の1/5~1/10程度ということで、比較的少ない疾患のようです。

 良性の場合は、数ヶ月から数年の経過で症状が進行します。一般的に、手足・体幹の感覚障害から始まって、腫瘍の増大にしたがって、手足の麻痺へと、さらに進行すると排尿や排便障害も現れるようです。また、頸部、胸部、腰部のどこの脊髄に発生するかによって症状が異なります。

 但し、肺ガン、乳ガン、前立腺ガン、消化器ガンなど身体の他の場所にできたガンが脊椎などに転移している場合は、悪性といわれており、特に注意が必要です。良性の場合よりも、症状の進行が早くなるそうです。手・足のシビレや腰痛も、侮ることなかれです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

右手首を背屈すると痛む

 仕事でパソコンを使うことが多いというBさん(30代 女性)が、「布団など重いものを持ち上げると、右手首が痛い」と訴えて来店されました。

 手根骨の変位の有無を検査すると、右舟状骨を後方(甲側)から圧したときに、強い痛みがありました。フェレンテストでは、すぐ痛みが出るため60秒間姿勢を維持するのはつらいようです。さらに手首を背屈して荷重をかけたときにも、痛みがあるので、舟状骨前方変位が疑われます。

 そこで、まず手根骨前方変位矯正を行ないました。手根管症候群の可能性もあるので、交換神経の緊張を和らげる手首の神経ポイントを刺激し、手首の筋群の緊張をほぐすために、屈伸法、搬法、搖法、抖法、拿法、滾法、頓法、推法、弾法を、さらに血流を促進する擦法を施術しました。

 最後に、念のために手首の痛みに対応するキネシオテーピングを前腕伸筋群などに貼付しておきましたが、四肢の関節痛みは長引くことがあります。まして筋肉や腱、靭帯が損傷しているときは、なおさらです。こういう場合は、如何に自己治癒力を高めていくかが、カギになります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

文字が書きにくいのは、尺骨神経障害の可能性も

 サイト訪問者の方から、メールをいただきました。

 以前、野球でピッチャーをしていた方のようです。スライダーを投げていて、右腕を痛め、その後、字を書くときに、思うように腕が動かなくなったそうです。20年経った今でも、緊張したときや風邪を引いたときに、文字を書こうとすると、書痙のような症状があって、肩に力が入ってしまうらしい。

 「書痙のような」症状というのが、どのような状態なのか。親指が思い通りに動かなくなるのか。手が震えるのか。力が入りすぎて、うまく指を動かせないのか。それとも、薬指・小指に力が入らないのか。シビレはあるのか。それによって、原因も異なるようです。

 実は、私自身、ついこの間まで、小指と薬指が伸びてしまって文字が書きにくい、言ってみれば「書痙のような症状」がありました。おそらく、仕事で指と前腕に負荷をかけすぎていたためと思われます。施術にツールを使うようになって、最近はかなり改善しています。

 そのことも紹介しながら、訪問者の方の場合、腕を痛めて以来の症状ということですから、筋肉や靭帯を損傷している可能性が考えられるので、原因を見極めるためにもスポーツ専門の整形外科への受診を、また親指が不随意に動く場合は心療内科への受診を勧めておきました。

 メールを返送した後、野球と関連するスポーツ障害について調べていたところ、「後方型野球肘」という障害があったことを思い出しました。ピッチングなどの投球動作で起こることが多いのですが、肘頭周囲に骨棘という出っ張りができて、関節の動きを制限したり、尺骨神経を抑えて指にシビレを生じさせたり、握力を低下させたりする障害です。この可能性も考えられます。但し、尺骨神経障害の場合は、小指・薬指側に症状が出てきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

変形性頚椎症急性期での髄節刺激点法でリバウンド現象

 急性期は、激痛が起きてから2~3週間といわれています。変形性頚椎症の痛みやシビレのあらわれ方には、激痛のため夜眠れないほどの急性期をともなう場合と、発症時からそれほど激しくはない場合とがあるようです。

 「8月下旬から、右手の母指・示指・中指にシビレがあって、同じく右側の肩から腕にかけてコリと痛みが続いている」と、Kさん(男性 60代)が来店されました。整形外科でMRI検査をしたところ、「椎間板が少し変形しているようだ」と言われたということです。

 念のため、頚椎圧迫検査をしてみると、右側の首から肩にかけて放散痛があったので、やはり変形性頚椎症が疑われます。手指のシビレは、そのための神経根圧迫。肩の痛みは、肩関節の可動制限や烏口突起に圧痛点が見当たらないので、椎間関節痛の放散痛と考えられます。

 そのため、頸椎椎間関節への軽いモビリゼーションにとどめ、矯正スラストは行いませんでした。その上で、髄節ポイントへの刺激点法による自律神経の調節と、首・肩の諸筋群の緊張をほぐすことに専念しました。

 しかし、うつ伏せでの髄節への刺激点法の段階から、右肩に、その刺激による放散痛があり、さらに右側を下にした側臥位や仰向け状態になると、その姿勢そのものが、肩の痛みを引き出すようでした。初回の施術ではスッキリ改善というには、ほど遠い結果となってしまいました。

 Kさんの場合、発症から1ヶ月弱ですし、症状からみて、まだ急性期の段階にあったようです。そのため、髄節刺激で起こる自己治癒のための血流促進によって、かえって痛みが強くなるという「リバウンド」現象が、顕著に起こったものと思われます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

改善に向っている 肩の痛みと指のシビレ

 先日来、肩の痛みと右手母指・示指のシビレで来店されているMさん。整形外科では頚椎椎間板ヘルニアとの診断を受けていました。念のため頚椎圧迫テストを行なうと、伸展時に指のシビレが強くなったので、ヘルニアによる神経根圧迫であることを確認することができました。

 肩は、バンザイ検査や外転検査では、180度まで上がり陰性でした。ヘルニアがある椎間板と同じ部位の椎間関節の変位による放散痛の疑いもありますが、肘を90度屈曲して前方に動かすと烏口突起に、上方に動かすと肩甲骨の下側に痛が出るため、肩回旋筋腱板そのものに問題があることも考えられます。

 椎間板ヘルニアは、カイロプラクティックの禁忌症です。そのため、頸椎の関節矯正は行なわず、頸椎から上部胸椎、頭部の交感神経の緊張を和らげることを最優先に施術し、さらに筋肉群の緊張をほぐしました。そして、頸椎抜法・旋法と該当する椎間関節のモビリゼーションを、はじめは軽く、回を重ねていくうちに、様子を見ながら強度を増して行ないました。また、念入りに肩回旋筋腱板の緊張をほぐした後、キネシオテープを貼付しておきました。

 今日4回目です。施術の前に様子をたずねてみたところ、肩に少し突っ張ったような感じが残っているが、動かしてもほとんど痛みがなくなっているとのこと、指のシビレも、気にすると感じることがあるけど、当初と比べて7割方軽くなっているということです。何とか症状を改善したいという、Mさんの粘り強い意欲の賜物ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

関節リウマチの症状をどう見極めるか

 関節リウマチは、関節の滑膜が炎症を起こし、進むと軟骨や骨を溶かして関節を変形させる病気です。膠原病のひとつで自己免疫疾患といわれていますが、その原因はまだ特定されていないようです。関節そのものの構造的変性ですので、カイロプラクティックでは禁忌症とされています。

 しかし、手の関節の痛み、腫れなどの症状は、他の疾患でも起こりますし、倦怠感、微熱、食欲不振、体重減少などの全身症状を伴うこともあってまぎらわしく、場合によっては膝などの大きな関節から症状が起こることもあるので、注意が必要です。

 そのため、関節リウマチを見分けるための基準が、リウマチ学会によって提唱されています。アメリカの学会の診断基準は、次の7項目のうち、4項目以上あてはまると関節リウマチであると判断されるそうです。(1~4項までの症状は6週間以上の継続が条件です)

  1. 朝のこわばりが、少なくとも1時間以上にわたる
  2. 3つ以上の関節に炎症・腫れがある
  3. 手首や手指の付け根の関節、手指の第2関節に炎症・腫れがある
  4. 左右対称の関節に炎症・腫れがある
  5. 皮下結節が肘や膝にある
  6. 血液検査でリウマチ因子が陽性
  7. エックス線検査で、手の関節に骨の萎縮などの変化がみられる

 さらに、日本の学会では、早期発見・早期治療のために、新しい判断基準を提唱しています。次の6項目のうち、3項目以上に当てはまる場合、経過を観察し、その病態に応じて適切な治療を開始する必要があるとされています。

  1. 3つ以上の関節で、指で抑えたり動かしたりすると痛みを感じる
  2. 2つ以上の関節に炎症・腫れがある
  3. 朝のこわばりがある
  4. 皮下結節が肘や膝にある
  5. 血液検査で赤沈に異常、またはCRPが陽性
  6. 血液検査でリウマチ因子が陽性

 関節リウマチの初期症状についは、専門医でも判断が難しいといわれているほどですが、ある程度の自己判断の基準にすることが、できるのではないかと思います。しかし、血液検査やエックス線検査をする段階で、何らかの医療機関にかかわることにはなりますが・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

頚椎椎間板ヘルニアによる椎間関節痛の放散痛

 頚椎椎間板ヘルニアは、神経根症状と脊髄症状が特徴的な症状としてあげられますが、実は、その他にも首・肩のコリ、頸部痛、背部痛、頭痛などの症状を伴うことが多いといわれています。

 それらの症状は、頸椎椎間板がヘルニアにより不安定になるために、椎間関節の動きも不安定になることによって起きる放散痛です。頚椎椎間関節の位置によって、障害を受ける部分が異なります。頭部は第2・3頚椎椎間関節、後頭部は第3・4椎間関節、肩から胸にかけては第5・6椎間関節に若干の重複をしながら分割されています。

 「整形外科で『頚椎ヘルニア』との診断で治療を受けているが、あまり改善しない。ここ3ヶ月ほど、右肩を上にあげて肘を曲げると痛みがでるし、指先にシビレを感じるようになった」とMさん(男性 60代)が来店されました。

 頚椎圧迫検査をしたところ、頸部を伸展圧迫したときに、右指にシビレがでるので、ヘルニアの存在は、確かに疑いないようです。右指のシビレは神経根圧迫による症状。そして、肩の痛みは、自力で外転、伸展が180度可能ですから、おそらく椎間関節の放散痛ではないかと思われます。

 今回は初めてでしたので、慎重を期して、頸椎に対する矯正は一切行なわず、抜法による頸椎の軽い牽引、その他頚部諸筋群と交感神経の緊張を和らげる施術を中心に行ないました。ただ、肩の痛みは肩回旋筋腱に集中していて、筋肉の損傷も考えられたので、Mさんの承諾を得て、キネシオテープを貼付しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

親指が勝手に曲がるのは、ジストニア型書痙(しょけい)?

 「2年くらい前から、右手の親指が勝手に曲がるようになって、文字を書くのに苦労している」とMさん(男性 30代)が、来店されました。複数の専門医を受診したそうですが、はじめは書痙、次にはジストニアとの診断があったということです。

 書痙というのは、指や手、腕などの筋肉に不随意な収縮が起こる運動障害で、同じ筋肉を繰り返し使う人によくみられ、文字を書くことが苦痛になり、仕事や社会生活に深刻な影響を及ぼします。原因不明の特発性捻転ジストニアの軽い症状としてあげられています。但し、書痙がすべてジストニアによるものとは限りません。

 ジストニアの発症は、脳に原因があるといわれていますが、書痙がどのようにして発症するかということは、まだ明らかになっていませんでした。ところが、フランスの最近の研究で、書痙を起こしやすい人の小脳には、運動や感覚をつかさどる部位の組織が少ないという構造上の問題があることが分かりました。

 ただ、これは解像度の高い画像技術を用いることで、はじめて異常の存在が明らかになったそうです。これまでの技術では、書痙には、解剖学的な異常が認められないとされてきました。Mさんの場合も、さまざまな検査を行ないつつも、結局は症状にもとづいて診断されたということです。

 ですから、施術するとき、「書痙=脳内の問題」ということにとらわれないことが必要と考えて、頸椎の変位からチェックしてみました。検査すると、第2と第5頚椎(第6頸神経は親指・人差し指の神経を支配)に変位があったので、矯正を行ないました。そして、脳神経への刺激という点から、百会パートや脳パートへの点法を行ない、さらに肩周辺の筋肉の緊張をとるために、肩・首パートへも施術しました。

 施術後、状態を聞いたところ、「身体の調子が良いような感じがする」とのこと。もちろん、1回で直ちに改善というわけにはいきません。これから、Mさんといっしょに、症状の改善に挑戦してみようと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「手のしびれ」の本当の原因は?

 「一年くらい前から、右手がしびれて力が入らない。最近は左手にも、少しだけど同じような症状が出てきている」と、Tさん(男性 30代)が来店されました。整形外科で検査したところ、「頚椎に異常はないが、弯曲がまっすぐになっている」、「右鎖骨の位置が低くなって、神経を圧迫している胸郭出口症候群」と診断されたそうです。

 その診断に基づいて、胸鎖関節の状況をチェックしてみましたが、左右鎖骨の位置と右鎖骨の可動性には異常が見当たりません。次に第一肋骨を検査したところ、右側ではなく左側に後外方変位が見つかったので、直ちに矯正しました。さらに、手のシビレを改善する経穴と首・肩・百会・脳パートに痛圧刺激点法を施術して、交感神経と首と肩の筋群の緊張を緩める施術をました。

 施術後、状況をたずねたところ、「手に力が入らない」こと関しては、十分な改善には至ってないようでした。慢性症状になっていることもあるでしょうが、この度は初回だったので、専門医の診断にもとづいて検査・矯正を行ないましたが、原因が必ずしも胸郭出口症候群ではない可能性もあります。

 というのは、念のために頚椎圧迫テストを行なった際、脊柱の状況をチェックしたところ、座位での検査ですから腰椎は後弯しがちですが、胸椎と腰椎の弯曲があたかも逆になっているようにみえました。脊柱の弯曲異常が、頚椎の椎骨の不整列を生み出し、神経もしくは神経根を圧迫している疑いもあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手首の運動に作用する6つの筋肉

 手関節(橈骨手根関節)は、屈曲・伸展・外転・内転と、それらを組み合わせた分回し運動という円錐運動を行なうことができます。その運動をつかさどる筋肉を見てみます。

 伸展:長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋

 屈曲:橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋

 外転:長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、橈側手根屈筋

 内転:尺側手根伸筋、尺側手根屈筋

 伸筋として3本、屈筋としても3本の筋肉があるようです。それぞれが外転筋・内転筋として作用します。

 長橈側手根伸筋(起始:上腕骨外側上顆稜 停止:第2中手骨基部 支配:橈骨神経)

 短橈側手根伸筋(起始:上腕骨外側上顆稜 停止:第3中手骨基部 支配:橈骨神経)

 尺側手根伸筋(起始:外側上顆の総伸筋腱 停止:第5中手骨基部 支配:橈骨神経)

 橈側手根屈筋(起始:内側上顆の総屈筋腱 停止:第2・3中手骨底 支配:正中神経)

 長掌筋(起始:内側上顆の総屈筋腱 停止:屈筋支帯、手掌腱膜 支配:正中神経)

 尺側手根屈筋(起始:内側上顆の総屈筋腱 停止:豆状骨 支配神経:尺骨神経)

 長橈側手根伸筋の起始部は、外側上顆の上部に付着しているため、短橈側手根伸筋に比べて長くなっています。長掌筋は、手掌腱膜を緊張させる働きもあります。尺側手根伸筋の支配神経は、橈骨神経です。間違っているわけではありません。

 伸筋および屈筋の改善には、母指、指関節(近位指節間関節)、手根などで筋組織を押圧し、手首あたりから上腕骨遠位部を超えるところ(二頭筋の下)まで滑らせるストリッピングという手技療法があります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手関節の構造と右手首の背屈痛

 手首の関節は、腕の橈骨と手根骨で構成されています。特に手根骨は、近位手根骨として舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨、遠位手根骨として有鈎骨、有頭骨、小菱形骨、大菱形骨という8つの骨でできています。

 橈骨と近位手根骨との間には、橈骨手根関節という楕円関節があり、屈曲・伸展・外転・内転および分回し運動ができます。また手根骨の近位部分と遠位部分との間には手根中央関節、遠位手根骨と中手骨との間には手根中手関節と呼ばれるわずかに動く滑走関節があります。

 5月20日に、右手首の背屈(伸展)痛について書きましたが、その後、良くなったり悪くなったりを繰り返して、まだ痛みが取れません。手根骨の変位によって、手首に痛みが出ることがあるので、今日は手根骨の状態を検査してみました。右手首を手背側から押してみると、中指の手根中手関節あたりから手根中央関節にかけて痛みがあります。どうも有頭骨が前方変位しているようなので、そこに的を絞って、手根骨前方変位矯正を行なってみたところ、少し痛みが軽くなったようです。

 あまり聞きなれないのですが、手関節背側中央部に痛みが出る「背部インパークション症候群」という症状があります。手首を背屈(伸展)して体重をかける反復性の多い仕事やスポーツが原因となるそうです。痛みが出る直接的な原因は、手根骨の変位にあるのかもしれません。関節包炎から、進むと骨が変形する場合もあるということです。ちょっと怖いですね。

 トレーニングの種目はさほど変更していないのに、痛み出したというのは、仕事が原因かもしれません。確かに、手技に痛圧刺激法を取り入れたためか、このところ以前より手への負担が増しているように思えます。身体、特に手が資本ですから、あまりこだわらず、道具の使用も検討してみる必要があるかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

左腕を持ち上げると痛みが憎悪する肋鎖症候群

 「仕事で細かい手作業をしたためか、左手を上に持ち上げると、肩から手首あたりにかけて痛い」と、筋肉質で立派な体格のMさん(男性 50代)が来店されました。症状を聞くところによると、痛みだけでシビレはないようですが、胸郭出口症候群が疑われるます。早速、検査してみました。

 両腕の肘を曲げて上げるルーステストをしたところ、短時間で左腕に痛み。さらに第一肋骨を鎖骨の下側から左右押圧したところ、やはり左側に痛みが出ました。どうも予想通り、第一肋骨左側が後外方変位して腕神経叢を圧迫しているようです。胸郭出口症候群の一種、肋鎖症候群と言われる症状です。

 そこでまず、うつ伏せの姿勢で第一肋骨の左側の変位を矯正。その上で上部胸椎の不整列を整えるために、上背部伸法を施術しました。左肩甲骨周辺にも張りがあるということでしたので、脊柱起立筋をはじめとする脊柱傍筋群の緊張を取り、肩甲骨を動かして可動域を広げる施術を行なっておきました。さらに、肩パート、百会パートと脳パートに、さらに極泉を含め左腕のポイントに点法による痛圧刺激を行ないました。

 施術後、痛みの状況を聞くと、Mさんは左腕を動かしてみて「今は痛みがなくなっている」との応えでしたが、「ぶり返さなければ良いのだけど」と少し心配そうでした。関節の機能的な変位を解消し、交感神経の緊張を緩める施術した結果、一応痛みは取れているので、後は経過観察をする以外なさそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

過外転症候群の疑い強まる

 「両手中指に感覚異常がある」と先週来店されたKさん(女性 40代)に、両側に症状が出る場合、脊髄圧迫の可能性もあると専門医での検査をすすめておいたところ、整形外科を受診。今日来店されたので、検査結果を教えていただきました。

 MRI検査をしたところ、頚椎は全体的にストレートネックになっており、5番・6番の間に骨棘と椎間板の突出による若干の神経根(左側)への圧迫がある変形性頚椎症と診断されたそうです。しかし、特に治療の必要は認められないということで、何らの処置も投薬も受けなかったということでした。おそらく、Kさんの症状の原因がはっきり特定できなかったのでしょう。

 そこで今日は、頚椎症への対応を中心にして施術しながら、肘や手首の障害などいろいろな発症原因を追究してみました。その結果、前回にも見られたのですが、小胸筋の烏口突起への付着部の盛り上が目立ちます。このことから一番考えられるのは、過外転症候群の疑いです。

 過外転症候群は、、頸部から鎖骨の下にかけて通っている腕に向う腕神経叢、鎖骨下動脈・静脈が圧迫されて起こる胸郭出口症候群のひとつで、特に小胸筋の、硬直が原因になります。

 一般に、胸郭出口症候群は、やせ型で、なで肩の人、首の骨や筋肉の弱い女性に多く見られ、特に疲労の蓄積、姿勢の悪さ、精神的ストレスが加わったときに起こりやすいといわれています。考えてみると、いくつかKさんに当てはまることがあるので、今後過外転症候群の改善に、焦点を絞った再検査と施術を行なってみることにします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

改善しない 両手中指の感覚異常

 「両手に力が入らない」とKさん(女性 40代)が、来店されました。症状を詳しく聞きながら検査してみると、握力は十分ありますが、左右両手の中指の感覚が、「紙の上から刺激しているような感じがする」と少し鈍くなっているようです。日常生活でも手作業が、緩慢になってしまうそうです。

 中指は第7頚神経の支配域です。頚椎の検査をすると右側に側屈変位があったので、第6番と第7番の椎骨の感覚を広げるように矯正。そして、筋肉が神経を圧迫していることもあるので、首と肩甲骨周辺の筋群の緊張をゆるめる施術を行ないました。

 さらに施術しながら検査をすすめると、第一肋骨の右側に後外方変位も発見したので矯正しておきました。同時に小胸筋の付着部にも硬直があり、過外転症候群の疑いも考えられたので、ほぐしておきました。肘や手首もチェックしましたが、異常はみられませんでした。

 施術の後、状況を聞いてみると、筋肉のコリは改善されるようですが、中指の感覚異常はそのままのようです。はじめて来店されたときの頚椎圧迫テストでは、異常は認められませんでしたが、両手に症状があるというのは、何らかの原因で頚椎の脊髄が圧迫されている可能性もあります。症状そのものはそれほど重篤ではないのですが、念のため専門医で検査して原因を究明するよう、Kさんに勧めておきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

頚椎の神経根障害による部位別諸症状

 手の痛みやシビレの原因のひとつに、頸椎(首の骨)の出口にある神経根の圧迫障害があります。頚椎の寝違いや事故によるズレ、加齢にともなって起こる頚椎症、あるいは頚椎椎間板ヘルニアなどによって起こります。

 頚椎には、7つの椎骨の間から枝分かれしている8つの抹消神経があります。それぞれ支配する領域が決まっているので、その神経根が障害を受けると、特定の部位に運動や感覚などの異常が現れるようになります。

 第3・第4頚神経根の場合、呼吸がしにくくなります。第5頚神経根は、上腕二頭筋あたりに感覚異常が起こり、肘を曲げたり、腕を上げたりする動作ができなくなります。第6頸神経根は、親指と人差指からその同側の前腕に感覚異常、手首を上に反らせることができなくなります。第7頸神経根の場合、中指に感覚異常、肘を伸ばせなくなります。第8頚神経根、小指・薬指に感覚異常、手の指を握ることができなくなります。ついでに第1胸神経根の場合は、前腕の小指側に感覚異常が起こり、手指を広げられなくなります。

 神経根の障害による症状は、左側あるいは右側というように片側のみに起こります。早いうちに治療すると、ほとんど軽快するといわれています。しかし、シビレや脱力感が両腕や下半身にまでおよぶときは、頸椎の脊髄障害が疑われます。脊髄障害は、長引くと回復が難しくなり、後遺症が残ることもありますので、注意が必要です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手根管症候群の疑いがある手指のしびれと冷感

 いつも首・肩のコリで来店されるYさん(70代 男性)が、「今日は、左手の親指から薬指にかけてシビレて、冷たい。ひどいときには夜眠れなくなることもある」と来店されました。整形外科では、「加齢による頸椎の変性が原因なので、首を牽引した方が良い」と言われたそうです。

 しかし、指だけにシビレがあることやシビレが出ている指をみると、手根管症候群の疑いが濃厚です。手根管症候群を検査する整形外科検査のひとつであるファレンテストを行なってみると、手根部をくっつけることができず、意識的に付けてもらうと直ちに痛みが出ました。

 手のひらの付け根の部分にある手根骨と横手根靭帯に囲まれた管を、手根管と言いますが、手根管症候群は、その中を通っている正中神経が圧迫されて起こる疾患です。原因には、手根管自体が狭くなる狭窄(骨折・脱臼など)と内容物が増加(腱鞘炎による腫れなど)する場合があります。女性に多い疾患ですが、男性にも発症します。

 Yさんには、肩と首の筋肉のコリをほぐす施術を行ない、頚椎症の場合にも対応できるよう、顎に圧迫を加えないやり方で頸部抜法を行ないました。さらに手根管症候群に応じたカイロプラクティックのテクニックであるハンドシェイクとカーパルタヌルシンドロームテクニックを施術し、念のためキネシオテープを貼付しました。状況を聞くと、Yさんは、「手が温くなって、シビレが大分治まった」と言うことでした。

 頚椎症なのか、あるいは手根管症候群なのか、Yさんの経過観察が必要ですが、来店される方の言われる「専門医の診断」を尊重しつつも、絶対視せずに、場合によっては、独自に検査することも必要かもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

頚椎症性神経根症による肩から腕のしびれ

 「右側の肩から腋の下・肘にかけて、じわっとしたシビレがある」と、Kさん(50代 女性)が先週から来店されています。整形外科の検査では、「頸椎の5番目と6番目の間が狭くなっていて、骨の棘もできている」と診断されたそうです。

 今日は、肩から腕にかけてのシビレと、首・肩のコリを訴えて来られました。Kさんの症状と整形外科での検査結果を聞いた上で、確認のため頚椎圧迫テストをしたところ陽性でした。典型的な頚椎症の神経根症状が疑われます。

 頚椎症とは、加齢によって椎間板の弾力性が失われたり、亀裂が入ったりする変性疾患です。それによって椎骨同士がぶつかったり、椎間関節が磨耗したり、骨棘というトゲができたりして骨が変形することで、椎骨のならびにズレが生じます。そのため、脊柱管や椎間孔が狭くなって脊髄や神経根を圧迫するようになります。

 カイロプラクティックでは改善できない構築性の疾患ですので、Kさんには、中国整体を中心に、足のアキレス腱・踵からはじめて肩甲骨、肩、首にかけて、揉法、按法、頓法、推法、抜法などを施術。筋肉の硬直をほぐすとともに、関節の間隙をひろげ、血行を促進するようにしました。

 施術後、Kさんは「身体か軽くなりました」と言っておられましたが、改善にはしばらく時間が必要であることを話して、肩のストレッチと首の筋力強化法などを指導。さらに、首を冷やさず温めるよう指示しておきました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

解明できてないドケルバン病の原因としてのホルモンの作用

 先日、Yさん(30代 女性)が、「両手の親指のつけ根が痛い」。病院で「ドケルバン病だが、妊娠中なのでステロイド注射はできない」、「ホルモンバランスの崩れが原因」と言われたと来店されました。

 ドケルバン病は、腱鞘炎のひとつで、親指を伸ばす働きをする短母指伸筋腱と外側に広げる働きをする長母指外転筋腱が通っている手首あたりにある腱鞘が腫れたり、腱が傷ついたりして発症します。親指を曲げたり、広げたりすると痛みが出ます。

 原因は、男女を問わずパソコンの長時間使用や楽器演奏、スポーツなどで親指を使いすぎると起こります。また、妊娠時や産後、あるいは更年期の女性がなりやすく、ホルモンバランスの変化が引き起こすと言われていますが、詳しい仕組みは解明されていないようです。

 そこで、腱鞘炎とホルモンの関係について調べてみました。唯一、ホルモンの名称をあげて説明していたサイトを見ると、女性の腱鞘炎には二つのピークがあって、ひとつは25~30歳、もうひとつは50~60歳に集中しているとのこと。そしてプロラクチンとエストロゲンというホルモンが関係するらしい。

 エストロゲンに関しては、女性ホルモンのひとつとして耳慣れています。更年期になると体内のコラーゲンを柔らかく保つ作用をするエストロゲンが減少して、コラーゲンで形成されている腱鞘も、硬く厚くなって症状を引き起こすということですが、これは理解できます。

 これに対してプロラクチンは、出産後に分泌され、ゆるんだ骨盤の靭帯や子宮を元どおりにする作用があり、これが手の腱鞘に作用して、腱鞘を縮めるという説を展開していますが、しかし、これでは、Yさんのような妊娠時の症状は説明できません。残念!! 

 それに、一般的にプロラクチンというホルモンは、乳管の発達を促進し、妊娠期には乳腺を発達させ妊娠を維持する作用、また授乳期には乳汁を合成する作用などがあげられています。腱鞘炎とはあまり関係ないようなのですが・・・。プロラクチンのもっと詳しい作用が知りたいところです。

 いずれにしても、ホルモンの作用が主たる原因となると、根本的な改善は手技療法では難しい。中国整体やキネシオテーピングを用いて、痛みを緩和しながら、自然治癒力でホルモンバランスが改善するのを待つしかないようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手・指のシビレ―頚椎神経根の圧迫

 片方の肩から腕にかけて走るような痛み、シビレ、あるいは脱力感がある。首の動きに伴って痛みが走る場合は、頚椎神経根の圧迫が原因である可能性が高いといえます。

 頚椎神経根の圧迫は、障害が起こる神経根によってそれぞれ症状が違い、障害を受けている側に発症します。

 第3・第4頚椎神経根では、呼吸がしにくくなります。第5頚椎神経根では、上腕二頭筋に感覚異常が起こり、肘を曲げたり、腕を上げたりできないようになります。第6頚椎神経根では、前腕部橈骨側・親指・示指側に感覚異常が起こり、手首を反らせることができなくなります。第7頚椎神経根では、中指に感覚異常が起こり、肘を伸ばせなくなります。第8頚椎神経根では、薬指・小指側に感覚異常が起こり手の指を握れなくなります。さらに第1胸神経根では、前椀尺骨側に感覚異常が起こり手指を広げられなくなります。

 シビレや脱力感が両側の広い範囲におよび、手指の動きがぎごちなくなるような場合は、脊髄そのものが障害を受けている可能性もありますので、注意が必要です。症状が進むと手から脚のシビレ、さらに歩行障害・排尿障害へと重症化します。

 神経根の圧迫が、頚椎関節の変位から生じている場合は、カイロプラクティックによる関節矯正が有効です。しかし、頸椎の椎間板変性による頚椎症や椎間板ヘルニアの場合は、中国整体によって血行を促進し自然治癒を促すこともできますが、症状が改善しない場合は、専門医への受診が必要です。頚椎損傷は、スパークリングテストやジャクソンテスト、10秒テストなどでチェックすることができます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手・指のシビレ―胸郭出口症候群

 胸郭出口症候群は、手・指のシビレだけでなく、腕のシビレ、首・肩・腕・背中の痛み、頭痛、肩こり、冷感などさまざまな症状を起こします

 胸郭出口とは、頭を側方へ傾ける役割を果たす斜角筋(前斜角筋と中斜角筋)と鎖骨と第一肋骨の隙間(肋鎖間隙)で囲まれた部分のことです。その部分を、頸椎から枝分かれしてきた腕神経叢という神経と、鎖骨下動脈・静脈という血管が通っています。

 さまざまな原因のためその出口が狭くなって症状が起こります。神経や血管が前斜角筋と中斜角筋間で圧迫される斜角筋症候群、鎖骨と第一肋骨間で圧迫される肋鎖症候群、小胸筋に圧迫される小胸筋症候群、頚椎にできた余分な肋骨の圧迫による頸肋症候群があります。

 この症状は、なで肩で頸部周辺の筋肉が弱い、20~30代の女性に多く見られます。中高年の筋肉質でいかり肩、首の短い男性にも好発します。また、斜角筋の傷害で起こることもあります。

 胸郭出口症候群は、腕を下に引っ張る、痛みの誘発テストで確認することができます。首や肩を反らせて動脈の脈拍を診るアドソンテストやライトテスト。肩を上げて指の屈伸運動を行なう三分間挙上負荷テストもあります。

 改善は、原因によって、斜角筋や小胸筋の硬直をほぐすことやカイロプラクティックの手技によって第一肋骨の変位を矯正することで可能です。ストレッチや筋肉強化トレーニングも有効です。重症例では専門医による手術も必要となりますが、対象となるような症例は少ないといわれています。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

手・指のシビレ―肘部管症候群

 手・指のシビレの内、小指・薬指にシビレや、針でさしたようなチクチクする感じがある場合、肘部管症候群が疑われます。

 肘部管症候群は、肘内部の肘部管にある尺骨神経が圧迫されることが原因です。肘の内側のくるぶしをたたくと指先にシビレや痛みがはしります(チネル徴候)。

 何度も肘をついたり、長時間曲げたままでいたり、野球の投球動作などで腕を過剰にひねったりすることで起こります。

 骨折・脱臼など外傷や骨棘形成による変形、変形性肘関節症、腫瘍(ガングリオンなど良性を含む)などで起こることもあります。

 初期の段階ではシビレ・ピリピリ感ですが、症状が進むとつまむ力が落ちたり、指の筋肉が痩せて変形したり、まっすぐに伸びなくなったりします。

 指の筋肉のやせ細りなどの進行期の徴候があるときは、専門医への受診が第一ですが、骨変形や腫瘍を伴わない場合は、尺骨の後内方変位などによる神経圧迫も考えられます。

 その場合は、カイロプラクティックによる関節矯正とともに、頓法・搬法・屈法・伸法・旋法など中国整体の施術も有効です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手・指のシビレ―手根管症候群

 手・指のシビレで、親指、人差し指、中指に知覚異常、シビレ、ピリピリ・ジンジンする感覚などを訴える場合は、手根管症候群が疑われます。

 はじめは、朝起き掛けにシビレと痛みがおこります。症状が進むと睡眠中に痛みとシビレで目が覚めるようになり、さらに進行すると、親指の付け根の母指球が痩せてきて、細かい作業が困難になります。  

 手根管症候群は、手首の掌側にある手根管をとおる正中神経が、炎症などで圧迫を受けることによって起こります。原因ははっきりしていません。

 手首を伸ばした状態で繰り返し力を入れる作業やパソコンのキーボードを打つ作業などで発症することが多く、片手または両手に起こります。

 中年以降の女性に多く見られます。妊娠や閉経、糖尿病、甲状腺の機能低下、通風、関節リュウマチがある場合、発症しやすいといわれています。

 手根管症候群は、ほとんどの場合、手根骨前方変位を伴っています。手根骨と中手骨を手背側から押したときに痛み、くぼみがあるようなら、陽性です。

 その他、フェレンテストやチネルテストなどの整形外科テスト、母指対立筋・内転筋の筋力テストなどでも、検査することができます。

 改善には、カイロプラクティックで手根骨前方変位の矯正とともに、中国整体(頓法・屈法・抜法・搬法)やキネシオテーピング法でも対応する方法があります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手・指のシビレの原因

 手・指のシビレは、肩こりや腕の疲労が原因で起こることが多く見受けられます。
 
 また、指にかけての神経回路が、頚椎、胸郭出口、肘部管、手根管のいずれかで圧迫を受けて起こることもあります。
 
 頚椎の場合は、下部頚椎の関節の変位による神経根の圧迫、変形性頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアによる骨・軟骨などの変形で起こります。
 
 胸郭出口症候群は、鎖骨と第一肋骨の間で神経が圧迫されて起こります。なで肩の人や、仕事で手を上げることの多い、理・美容師や教師などの職業の人に起こりやすい症状です。
 
 肘部管症候群は、肘の内部で神経が圧迫され、小指(尺骨側)にシビレ・痛みがでます。筋肉の退行性萎縮や筋力低下を伴うこともあります。
 
 手根管症候群は、手首の靭帯で神経が圧迫されて起こります。パソコン操作など手の使いすぎが原因になることが多く、ケガが原因になることもあります。
 
 その他、脳梗塞など中枢性の麻痺をともなって起こることがありますので、呂律が回らないなどの徴候があるときは、注意が必要です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)