アルコール雑感

酒の種類で二日酔いの程度が異なる?

 ビール、日本酒、焼酎、ウィスキー、ブランデーといった具合に、いろんな種類のお酒ををチャンポンして飲んだときに、悪酔いすることがあるのは、結局目先が変わることで、一種類の酒を飲み続けたときよりも、多くの量のアルコールを飲む結果だと言われます。

 ところが、アメリカ・ブラウン大学の研究チームが、酒の種類によって二日酔いの程度が異なることを調査したようです。『WIRED VISION』2009年12月21日付に、「二日酔いの研究:「色が濃い酒は危険」」という記事がありました。

 21~35歳の健康な95人を対象に、バーボン、ウォッカ、トニックウォーターを入れたカフェイン抜きのコーヒーを飲ませました。アルコール入りの場合は、呼気中アルコール濃度が平均0.11という酩酊基準を上回るところまで続けました。

 二種類のアルコールいづれかを摂取した被験者は、どちらも気分の悪さを訴えたそうですが、頭痛、吐き気、食欲不振、喉の渇きといった二日酔いの程度を示すスコアは、バーボンを摂取した被験者の方が高く出ました。

 調査にあたった研究者は、「理由の候補として、毒性化合物(アセトン、アセトアルデヒド、タンニン、フルフラールといった有機分子)が、バーボンにはウォッカの約37倍含まれている」ことを指摘。蒸留酒の場合、「液体が透明なほど、これらの毒性化合物の含有量が少なくなる」と話しているそうです。

 「理由の候補」というくらいですから、「毒性化合物」原因説は、まだ推論の段階のようで、バーボンにウォッカの37倍含まれていても、それが健康に影響を及ぼす程度の量なのかということについては、明らかにされていません。

 ですから、これはあくまでひとつの調査結果として捉えるべきでしょう。アルコール飲料も旨いものを飲むに越したことはありませんが、特に、アセトアルデヒド分解能力のあまり良くない日本人としては、やはりアルコールの量を気にした方が良いかもしれません。

『WIRED VISION』:「二日酔いの研究:「色が濃い酒は危険」」

wine 関連日誌
その夜しか気晴らしにならない飲み会

| | コメント (0) | トラックバック (0)

1合程度の酒でも過剰な酸化ストレスでカロテノイドが減少

 『農業・食品産業技術総合研究機構』のサイトに、「喫煙・飲酒習慣と血中カロテノイド値との新たな関連を発見!-喫煙・飲酒は血中のβ-クリプトキサンチンなどを相乗的に減少させる可能性-」というプレスリリースが発表されていました。

 活性酸素による酸化ストレスから防御するため、生体にはさまざまな抗酸化システムが機能しています。その中で、食品から摂取するカロテノイドは、抗酸化物質として重要な役割を果たしており、果物や野菜の摂取量が多いほど、血中濃度が高くなります。

 ところが、喫煙や飲酒の習慣があると、血液中のカロテノイド濃度が低くなります。酒・タバコは、活性酸素の発生源となることから、その過剰な酸化ストレスを消すために、血中のカロテノイドが消費され少なくなると考えられてきました。今回の研究では、その関連を疫学的に証明したようです。

 喫煙者のカロテノイド血中濃度は、飲酒量が少ない場合には、飲むと飲まないにかかわりなく「有意に」低い、飲酒量が多い場合は「顕著に」低い。非喫煙者の飲酒の場合、軽度では飲まない場合とあまり変わらないようですが、25gを超える常習者では「有意に」低くなることが分かりました。

 アルコール25gというと、日本酒で1合程度ですか。大酒飲みの範疇ではないような気がしますが、それだけでも、身体にはかなりの酸化ストレスをかけているということでしょう。やっぱり、オーバーランを以前の状態に戻して、少し慎んだ方が無難でしょうか。

 カロテノイドの内、酒・タバコの影響を受けるのは、β-クリプトキサンチン、β-カロテン、α-カロテン。β-クリプトキサンチンはミカンに多く含まれるということです。不足を補うためには、ミカンやニンジン・カボチャなどをしっかり食べることも指摘されています。

「喫煙・飲酒習慣と血中カロテノイド値との新たな関連を発見!」

wine 関連日誌
身体活動が多いほど死亡リスクが低い
痛風の原因となる遺伝子が明らかに

*酸化ストレス 書き込みつつ干す 酒二杯*

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アルコール摂取はほどほどが心地よい

 アルコールを飲むと気分が良くなるのは、脳の中にエンドルフィンという脳内麻薬ともいわれる物質が放出されるから、という話を聞いたことがあります。アルコールとエンドルフィンの関係はどうなっているのか、もう少し詳しく知りたいと思って、検索してみました。

 すると、『5号館のつぶやき』というブログの、「適度な量のアルコールは脳内エンドルフィンを放出させる」という記事を見つけました。先日、「進化的要因にまでさかのぼって考える「ダーウィン医学」」という記事を書きましたが、偶然にも、この『5号館のつぶやき』の筆者は、今度読んでみようと思っていた『進化から見た病気』という本の著者のようです。

 そのブログには、『Alcoholism:Clinical and Experimental Reseach』誌の「Effect of Acute Ethanol Administration on the Release of Opioid Peptides From the Midbrain Including the Ventral Tegmental Area」という論文、およびそれを解説した『EurekAlert!』の「Low to moderate, not heavy, drinking releases 'feel-good' endorphins in the brain
」という記事が紹介されています。

 アルコールの摂取によって、βエンドルフィンが放出されるということが、マウスを使った実験で明らかにされました。しかも、放出されるのは、アルコールの摂取が少量もしくは中量の場合に限られ、大量に飲みずぎると放出されなくなることが分かったようです。

 確かに、飲みはじめの良い気分も、もっとハイテンションになろうとして飲みすぎると、だんだん眠くなったり、体調が悪くなったりします。これにはアセトアルデヒドが脳に回ってくることも大きく影響していると思われますが、期待するエンドルフィンが、いくら飲み続けても出てこないからなのでしょう。

 さらに、このエンドルフィンの麻薬効果が、お酒を飲む楽しみであるとともに、アルコール依存症を引き起こす根元にもなっているようです。アルコールが、飲んですぐに、頭が痛くなったり、吐き気をもよおしたりする飲み物だったら、好きこのんで飲む人もいないでしょうに。

beer 関連日誌
大量飲酒はやっぱりガンと脳卒中の危険因子
進化的要因にまでさかのぼって考える「ダーウィン医学」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アルコールは自殺衝動を高めることも

 9月10~16日は自殺予防週間ということで、『自殺予防総合対策センター』のサイトに、「アルコール問題と向き合う」(2009年9月10日)というトピックスが掲載されていました。遺族からの聞き取り調査にもとづいたもので、特に、自殺とアルコール依存症との相関関係について報告されています。それによると、自殺者の23%が、死亡1年前までにアルコールで仕事や人間関係、健康などに問題があった中高年男性だったようです。

 確かに、アルコールは衝動性を高め、しらふの時にはできない行動に走らせることがあります。愛の告白などは、ストーカー行為にまで到らなければ、罪のない方だと思いますが、外に向かって粗暴になったり、それだけでなく、自殺したいという思いを実際に行動に移すバネになることもあるようですから、注意が必要です。

 世の中「憂さ」だらけですから、「一杯飲んで、憂さを晴らす」という言葉を使いますが、ところが「憂さ」を晴らすどころか、逆になってしまう場合もあるようです。アルコールを摂取することによって、うつ病を持っている人は抑うつ傾向が悪化したり、特にアルコール依存症の場合は、新たにうつ病を発症する確率が高くなると言われています。

 「過ぎたるは及ばざるが如し」、適度な量なら、食卓を陽気にして、健康にもプラスになるアルコールも限度を超えると、「毒」になります。それだけでなく、自殺の引き金になるようでは困り物。しかし、限度を超えず適度に楽しむのは、結構難しい。かなりの自己管理能力が必要です。アルコールは「単なる飲み物ではなくて、副作用の強い薬」と思った方が、良いかもしれません。

データソース:『自殺予防総合対策センター』 「アルコール問題と向き合う」
http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/index.html

関連記事
アルコール依存症
葛餅のクズがアルコール依存症の薬に?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

葛餅のクズがアルコール依存症の薬に?

 いつのまにかたくさん飲むようになり、自己コントロールしてそのうち止めようと思ったことのある大量飲酒家に、近い将来朗報となるかもしれない話です。『ナショナルジオグラフィックニュース』(August 13, 2009)に「アルコール依存症にクズエキスが有効か」という記事が掲載されていました。ちょっと長くなりますが、抜粋すると面白みがなくなるので、そのまま引用します。

 ツル植物のクズ(葛)は非常に侵略性が高く、アメリカ南部では異常繁茂することで悪名高いが、最新の研究によると、アルコール依存症患者の頼みの綱となるかもしれないという。
 アジア原産のクズは、伝統中国医学ではアルコール依存症の処方薬として昔から利用されてきた。1800年代にアメリカにも持ち込まれたが、あっという間に繁殖し南部の固有種を追いやるようになった。
 そして現在、10年以上にわたる研究の末、クズのエキスがアルコールに対する欲求を抑制し、アルコール消費量を削減できることがわかったという。この植物を医薬品に精製する方法として、2つの研究チームがそれぞれ独自の道を切り拓こうとしている。

 第1のチームは、クズから取れる化学成分ダイジン(daidzin)をベースとして合成薬を作り出そうと試みている。ダイジンはクズが持つ効力の源と考えられている。
 研究チームのリーダー、アイバン・ダイヤモンド氏は次のように話す。「クズエキスは現在でも健康食品店で手に入るが、良い薬とは言えない。吸収率が悪く、成分濃度にもばらつきがある。医薬品と呼ぶためには、厳しい管理の下で製造しその成分も一定でなければならない。私たちはクズの潜在能力を最大限に生かした医薬品を提供できる」。ダイヤモンド氏は、クズ成分の合成薬開発を続けるアメリカのバイオ医薬品会社ギリアドサイエンシズ社(Gilead Sciences)の副社長である。
 ダイヤモンド氏の研究チームは専門家の協力を得て、ダイジンから精製された合成化合物「CVT-10216」を“アルコール依存症”のラットに適用する以下のような実験を行った。
 まずラットを甘いカクテルから慣らし始めてしだいに強いアルコールを摂取させ、さまざまな試験を行いアルコールに対する依存度を測定する。
 アルコールの摂取場所は専用の特別ケージ(檻)だけに限定する。まるでバーに通うようなものだ。ラットが次第に水よりもアルコールを選ぶなどアルコールに強い関心を示すようになったら、数週間強制的に“アルコール断ち”させる。
 その後、ラットを特別ケージに戻す。ただしそこにはアルコールはない。するとアルコール依存症のラットは、ケージに入るたびに狂ったように酒を探し求めるようになる。そこがバーだったことを覚えているためだ。
 そこでCVT-10216を投与すると、アルコール依存症のラットはバーに行っても前ほど興奮しないことが判明した。「つまり、CVT-10216はアルコール消費量を抑えるだけでなく、アルコールに対する欲求そのものを抑える効力があるのだ。これは症状の“再発”を防ぐ上で大きな意味を持つ」とダイヤモンド氏は話す。
 この最新研究は「Alcoholism: Clinical and Experimental Research」誌の2009年9月号に掲載される。
 ただ、CVT-10216が人間のアルコール依存症に適用できるようになるには、まだしばらく時間がかかる。そこでもっと迅速に市場投入できるクズ由来の処方薬に取り組んでいるのが、第2の研究チームである。

 アメリカにあるハーバード・メディカルスクールで薬理学の教授を務めるスコット・ルーカス氏の所属するこの研究チームは、「アルコントロール・ハーバル(Alkontrol-Herbal)」と名付けたクズエキスの開発を進めている。
 ルーカス氏は次のように話す。「アルコール依存症患者を前にして何十年も待てとは言えない。アルコントロール・ハーバルは、CVT-10216よりも早く患者の手に届けることができる。合成薬ではなく生薬やサプリメントの形であれば、時間のかかるアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認審査を受ける必要がないからだ」。
 ただし、承認審査を回避できるため、生薬など伝統中国医学の薬には信用できない面もある。ルーカス氏のチームは、市販されているクズ由来の調合剤をすべて集め、成分の解析を行った。その結果、いずれの薬もラベル通りの有効成分量は含有しておらず、まったく入っていないものも多かったという。
 「その点アルコントロール・ハーバルの場合は、厳格な品質管理とそれをバックアップする科学研究体制が整っており、有力な選択肢となるだろう」とルーカス氏は話す。
 ルーカス氏たちの研究は、「Alcoholism: Clinical and Experimental Research」誌に2005年に発表されている。その研究によると、大量に飲酒していた人がアルコントロール・ハーバルのエキスを摂取すると、1カ月後にはほどほどの量のビールで満足するようになったという。「アルコントロール・ハーバルは9カ月以内に店頭に並ぶことになっている」とルーカス氏は話す。

 しかし、アメリカにあるノースカロライナ大学チャペルヒル校でアルコール依存の研究を行っているデイビッド・オーバーストリート氏は、2つの研究を受けて次のように話している。「アルコール依存症の治療に“特効薬”は存在しない。だから幅広い処置法をそろえることが重要だ。両方の研究を調査したが、どちらにも問題点がある」。
 まずアルコントロール・ハーバルは、CVT-10216と異なり、アルコールに対する欲求そのものを抑える効果が実証されていない。この点は治療におけるきわめて重要な要素だ。
 またCVT-10216は、まだラットへの試験段階であり、人間に対しても同様の効果を持つかは明らかになっていない。
 それでも明るい材料はある。追試の結果、CVT-10216もアルコントロール・ハーバルも副作用がほとんどないことが判明したのだ。
「市販までにはまだ各種調査が必要だが、クズから生み出されるこの2つの新しい合成医薬品と生薬が、信頼できる試験を通過しているという事実に間違いはない」とオーバーストリート氏は話した。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=54604584&expand

 「伝統中国医学ではアルコール依存症の処方薬として昔から利用されてきた」ということ。よく知らなかったので、調べてみると、やはり葛餅のクズです。よく使われる漢方薬のひとつ「葛根湯」の原料になるらしい。確かに「葛の根」と書きますね。発汗作用・鎮痛作用があるということです。そのクズが、アルコール依存症に効くとは。

beer 関連記事
アルコール依存症
グレリン受容体の働きを制限したい

| | コメント (1) | トラックバック (0)

日本酒にがん予防の成分 大量飲酒の口実にはならんか

 『47News』医療・健康のページ(2009年8月15日付)の記事に、「うま味で成分でがん予防? 広島大、貝や酒に含有」というちょっと期待させる記事がありました。

 広島特産のカキや日本酒でがん予防? 貝類や日本酒に含まれるうま味成分の一種、コハク酸にがん細胞の増殖を抑える効果があるとの研究結果を、広島大の加藤範久教授(分子栄養学)らが15日までにまとめた。
 コハク酸はカキや酒かすに含まれるが、機能性についてはあまり注目されていなかった。加藤教授は「貝汁に含まれる程度の濃度でも抑制効果が期待できる。コハク酸を日常の食事で取ることで、がんが予防できるかもしれない」と話している。
 加藤教授は、コハク酸がある環境で大腸がんや胃がん細胞を培養すると、増殖が半分程度に抑えられるのを確認。ラット実験で、がんの増殖を促すとされる血管新生が起きにくくなることも確かめた。
http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009081501000453.html

 コハク酸がある環境でガン細胞の増殖が半減。ラット実験で血管新生が起きにくくなる。しかも日本酒や貝類に含まれているとは、良い話じゃないですか。しかし、加藤範久教授も「・・・かもしれない」と慎重に話しているように、まだヒトの身体で同じような反応が起こるかどうかということは、可能性があるかもしれないという段階のようです。それに、摂取量が「貝汁に含まれている程度の濃度」というのでは、大量飲酒に底入れすることにはならないかも・・・。残念。

 『日本触媒』のサイトをみると、「コハク酸は自然界に広く分布しており、二枚貝、化石、ソウ類、地衣、菌類などに含まれています。1550年、ドイツの学者アグリコアがコハクを蒸留した際に初めて得られたものがコハク酸です。コハク酸は新陳代謝過程におけるクエン酸サイクル(コハク酸脱水酵素)及びコハク酸ーグリシンサイクルで生成し、エネルギーとなる等、人体にとって有効なものです。工業的には無水マレイン酸の水素化により製造されます。日本触媒のコハク酸は1950年の上市以来、食品添加物用途以外に生分解性樹脂、浴剤、メッキ薬、写真薬等幅広い分野で使用されています」とされ、使用例として「清酒、合成酒、味噌、醤油、清涼飲料水、製菓等の調味料用」と説明されています。

 ということは、コハク酸は本来二枚貝などに含まれているもので、日本酒には食品添加物として、後から加えられたものということでしょうか。しかし、『47News』の記事では、「コハク酸はカキや酒かすに含まれる」とあります。他の「コハク酸」に関わるサイトを、いくつか検索してみましたが、もっぱら酒類へのうま味添加物としてしか記載されていないようです。広島大の研究成果だから、「広島特産」の食品を強調したかったのでしょか。

bottle 関連記事
やっぱりアルコールは怖いぞ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

グレリン受容体の働きを制限したい

 空腹時に胃から分泌するグレリンというホルモン。10年前に発見されたそうですが、不勉強のため、その存在を知りませんでした。『asahi.com』(サイエンス 2009年7月29日付)に、「食欲増進ホルモン、お酒も進む 独などのグループ研究」という、量を減らしたいと密かに思ったことのある酒飲みには興味深い記事がありました。

 食欲を増進させる効果などが知られるホルモン「グレリン」は、アルコールも飲みたくさせる――ドイツなどの研究グループが、グレリンにこんな機能があることを、マウスの実験で確かめた。将来のアルコール依存症の新薬開発につながる成果だ。米科学アカデミー紀要で発表した。
 グレリンは空腹になると胃などから分泌されるホルモン。99年に発見され、食欲の増進のほか、成長ホルモンの分泌を促すことが知られていた。研究グループは、このホルモンを感知する受容体が、脳内の満足感を生じる「報酬系」と呼ばれる領域にもあることに注目。マウスの脳に直接グレリンを注射したときに、水とアルコールのどちらをよく飲むか調べた。
 すると、グレリンを注射したマウスは、生理食塩水を注射したマウスに比べ、アルコールの摂取量が約1.45倍になった。受容体が働かないようにする薬物を与えたマウスや、受容体をなくしたマウスでは、グレリンを注射しても効果がなかった。グループはグレリンが食欲だけでなく、アルコールのような嗜好(しこう)性物質を求めるなどの役割があるのではないかとみている。
 グレリンを発見した寒川賢治・国立循環器病センター研究所長は「グレリンがアルコールの摂取にも影響していることは、これまで知られていなかった。興味深い結果だ。ただ、治療薬開発につなげるにはまだ解明すべき点が多い」と話す。
http://www.asahi.com/science/update/0725/TKY200907250234.html

 脳内にグレリンが多くなると、アルコール摂取量が増えるわけですね。ところが、グレリンの受容体を機能しないようにすると、グレリンを注射してもアルコール摂取量は増えない。ヒトにも使える薬ができると良いですね。

 成長ホルモンとの関係はどうなるのか。ちょっと心配です。まだマウスの段階ですから、寒川所長の言うように、ヒトのアルコール依存症の治療薬になるまでには、まだしばらく時間が必要でしょう。

 グレリンに関しては、『国立循環器病センター』のサイトに、寒川賢治所長の報告が掲載されているのを見つけました。グレリンを発見によって、その強力な摂食促進作用から、摂食の生理的機構の解明や摂食障害の治療へと結び付けることが期待されていたようです。
http://www.ncvc.go.jp/restopics/ghrelin.html

ban関連記事
アルコール雑感

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本酒は舐めるように飲んでも効果はないか

 赤ワインに含まれるポリフェノールが、なぜ身体に良いのかということが明らかにされたようです。『ヘルスデージャパン』のサイトに、「赤ワインの健康効果の機序が明らかに」(2009年6月18日掲載)という、酒飲みの興味を惹く記事がありました。

 適量の赤ワインが健康によいことはすでに知られているが、その理由がついに明らかにされた。ワインに含まれる成分の1つ、レスベラトロール(resveratrol)と呼ばれるポリフェノールに疾患予防効果があることは以前からわかっていたが、その体内での作用機序についてはこれまで明確にされていなかった。
 「レスベラトロールの利益は極めて幅広く、癌(がん)予防、心臓や脳の損傷からの保護、炎症などの加齢による疾患の軽減、糖尿病および肥満の解消、他にも多数ある」と、研究著者の1人でオーストラリア、クイーンズランド大学生物医科学部准教授のLindsay Brown氏は述べている。今回の研究は、医学誌「Alcoholism: Clinical & Experimental Research(アルコール中毒症:臨床と実験研究)」オンライン版に6月10日掲載された(印刷版は9月号に掲載予定)。
 Brown氏によると、レスベラトロールが効果を発揮する機序として以下のことが考えられるという:
 ・高用量のレスベラトロールは、アポトーシス(プログラムされた細胞死)を増進することにより癌を予防する。
 ・低用量では、細胞保護を増進し、損傷を減らすことによって心臓の健康状態を改善する。
 ・活性酸素を体内から除去するのを助け、細胞への血液供給を向上させる。
 このほか、消化管および肝臓ではレスベラトロールのほとんどが不活性化されていることから、レスベラトロールが血流内に吸収される機序についても研究中である。同大学のStephen Taylor氏は「興味深いことに、(赤ワインを)すぐに飲み込まずにゆっくりと口腔内の粘膜を通して吸収されると、血中濃度が100倍になることがある」と述べている。
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=1917&Itemid=37

 赤ワインのポリフェノールの中でも、レスベラトロールという物質。高用量でアポトーシスを促進し、低用量で心臓の細胞を保護する。血液供給を促進して、活性酸素を体内から除去する。但し、活性化した状態で血流内に取り込むためには、舐めるようにして、口腔粘膜を通す方が良いということですか。

 但し、これは、あくまで赤ワインのレスベラトロールのことで、日本酒を飲むとき、「ゆっくりと舌で転がしながら飲んだ方が、アルコールが早めに脳に到達して、気分が良いかもしれない」と期待しても無駄なようです。アルコールの吸収は、小腸>胃>大腸>口腔の順になっていて、口腔や食道粘膜からの吸収はごくわずかしかないらしい。

 それにしても、「高用量」、「低用量」とは何のことでしょうか。赤ワインをたくさん飲むことが高用量で、少し飲んだときが低用量と解釈したいところですが、はじめに「適量の赤ワインが健康に良い」と断ってありますから、どうも違うようです。残念、悔しいデス!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アルコールを飲むときは、量と度数の両方に気をつけろ !!

 アルコール度数とは、15℃の日本酒や焼酎、ビール、ワイン、ウィスキー、ブランディーなどのアルコール飲料に含まれるエチルアルコールの容量をパーセントで表した数値。特に日本酒、焼酎など和酒の場合は、おなじ数値に「度」の単位をつけるようです。これは、ゲイ・リュサック法(容積率)と呼ばれる方法で、日本の他、フランス、イタリア、ロシアなどでも用いられている方法だそうです。

 その他、英語圏でよく使われるアルコールプルーフと呼ばれる方法もあるようです。アメリカンプルーフは、15.6℃での容積率で、度数の2倍、ブリティッシュプルーフは10.6℃で度数の1.75倍といわれています。ときどき、ウォッカなどに表示されているのを、見かけることがありますが、「90」といっても「限りなくアルコール原液に近い」ということではないようです。

 そして、注意しなくてはいけないのは、アルコール度数が低いからといって、たくさん飲むとアルコールの摂取量は多くなってしまうということです。たとえば、缶酎ハイというアルコール飲料がありますが、少し強めの7%で1缶350mlを飲んだ場合、24.5mlのアルコールを摂取したことになります。日本酒1箱1合は15%として180mlですから、27mlのアルコールでほぼ同じくらいです。

 アルコールの副作用(アセトアルデヒドの害)は、アルコール飲料の種類ではなく、摂取したアルコールの量に関わるということですから、アルコール度数が低いからといった思い込みでたくさん飲むと、後で大変なことになりかねません。

 プロテインを何時、何で割って飲むかということに神経質になるより、きっちり計算しながら飲んだ方が身体には良いような気がします。ただ、アルコールを飲むことで、最初に脳の前頭前野が麻痺するらしいですから、その場になると、気が緩んで飲酒量を勘定するのが面倒くさくなる可能性大です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

この間の不節制が如実に出た健康診断

 昨日午前中、健康診断に行ってきました。いくつかの検査項目の内、最も注目しているものひとつに胃検診があります。今年は、自分の目には美しく見えたのですけど、胃全体に発赤がある胃炎という診断が下され、イエローカードでした。予想どおりです。少し残念ですが、潰瘍とかポリープとかガンではなかったことは何よりの幸いです。

 去年は、自分で自分を褒めてやりたいくらい、節制に次ぐ節制を重ねて、アルコールを3ヵ月くらい我慢しました。その結果、まったく問題がなく、医師からも「きれいだ」と褒められました。しかし、今年はダメでした。アルコールを一昨日まで飲んでしまいました。このところ、量だけ少し抑えたつもりですが、それでは効かなかったようです。

 「ときどき飲酒に」と口にはするのですが、つい自己コントロールをはずしてしまい、「分かっちゃいるけど止められない」のスーダラ節状態になってしまいます。飲まないほうが身体の調子は良いのですが、身体を動かした後や夜が近くなったりすると、「飲まなくてはいられない」とまでは行きませんが、「飲んだほうが愉快」と、安酒を欲する状況になります。

 二日酔いにはならなくても、夜中に、アセトアルデヒドが身体や脳を駆け巡っているような不愉快な気分がして、後悔することもあるのですが、ところが起きて動き出して、しばらくすると忘れてしまいます。なんとか週1日、長いときは3日くらい休肝日をつくることはできますが、それでも、習慣的飲酒、極めてアルコール依存症に近い状態かもしれません。

 このところ、薬も常用していないし、比較的ストレスも少ない生活ですから、昨年と今年の検診で、飲み続けているか断酒しているかで、ストレートに胃が反応することが分かったように思います。そういう点では、その因果関係を念頭において、対処すれば、来年は良い結果が出せそうです。しかし、検診対策のためではなく、本来の健康を考えれば、日常的な節酒が何より大切なのは言うまでもないのですが・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)